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【PR】厚み21.8mm。MSIの「GS70 Stealth」は,ついに登場した「薄いのに速い」ゲーマー向けノートPCだ
ミドルクラス以上の単体GPUを搭載するゲーマー向けノートPCの見た目が,LEDイルミネーションの搭載で派手にはなっても,イマドキのモノっぽくならないのは,ある種の宿命のようなものなのである。
ただここにきて,そんな“宿命”に抗ったゲーマー向けノートPCが,MSIから登場してきた。その名は「GS70 Stealth」(ジーエス70 ステルス)。MSIのゲーマー向け製品ブランド「G Series」で登場した新製品は,わずか21.8mm(※突起部除く)という薄さが最大の特徴だ。
ただ,もちろん「薄いだけ」では話にならない。十分な3D性能があり,破綻のない冷却機構が用意され,拡張性が確保されていなければ,ゲーマーに広く勧めることはできないわけだが,GS70 Stealthはこれらの条件をクリアした薄型ノートPCになっているのだろうか。MSIの販売代理店であるマイルストーンから実機を入手できたので,その可能性を探ってみよう。
薄い17.3インチ筐体にHaswellとKeplerを搭載
筐体の上と下から吸気し,静かに冷やすのもポイント
横幅は428mm,奥行きは228mmと17インチクラスらしい大きさがあることも手伝って,全体は非常に平べったい印象だ。重量もバッテリー込み2.66kgと,17.3インチワイド液晶パネル搭載モデルとして見ればかなり軽い。
10円玉を重ねてみたカット。液晶パネルを閉じた状態で,本体(※突起部除く)の厚みは10円玉の直径より薄い |
液晶パネルを開いた状態で横方向から。純然たるモバイルノートPCだと説明したら信じてしまう人も多いのではなかろうか |
2013年6月以降に登場したゲーマー向けノートPCだと,「インテル® Core™ i7-4700MQプロセッサー」(以下,i7-4700MQ)を搭載するのが一般的。それこそ2013年夏時点におけるMSIのフラグシップノートPC「GT70 2OD」(型番:GT70 2OD-209JP)もi7-4700MQを搭載していたりするのだが,i7-4700MQがCPUソケットを介してノートPCのマザーボードに取り付けられる仕様なのに対し,i7-4700HQは,マザーボードに直づけされているというのが大きな違いだ。
当然のことながら,CPUのソケット分だけ,直づけ型CPUのほうが筐体を薄くできる。CPUのチョイス1つとっても,薄型化に向けた努力がなされているというわけである。
ちなみに,定格クロック2.4GHz,「インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー」有効時の最大動作クロックが3.4GHzで,共有L3キャッシュ容量が6MBという仕様は,両CPUで同じ。ただし,統合型グラフィックス機能「インテル® HDグラフィックス 4600」の最大動作クロックは,i7-4700HQのほうが50MHz高い1.2GHzとなっている。
動作クロックはベース797MHz,ブースト863MHz。グラフィックスメモリは容量2GBのGDDR5 SDRAMで,動作クロックは4000MHz相当(実クロック1000MHz)だ。
ちなみにGS70 Stealthでは,NVIDIAのスイッチャブルグラフィックス技術「Optimus」が採用されている。通常のデスクトップ描画はインテル® HDグラフィックス 4600が担当し,GTX 765Mは3Dアクセラレータ的に,必要なときだけ動く仕様である。
GS70 Stealthでは,本体底面だけでなく,キーボードの少し奥に設けられた吸気孔からも外気を取り入れるようになっているのだが,本体の底蓋を外すと,CPUとGPUの熱はそれぞれが2本のヒートパイプで放熱フィンへと運ばれ,本体一番奥の両サイドに設けられたブロワーファンで筐体外へ排出される格好になっているのも目を引く。CPUとGPU,片方に負荷がかかったときにも,もう片方のプロセッサには影響が出ないようにしながら,確実に冷却するという設計思想なのだろう。
本体底面奥には滑り止めのシートが貼られているが,シートの内側で2か所,手前に2か所,スリットが設けられている部分がある。当然,本体底面からも吸気するのだ |
本体底面を上にした状態で,排気孔付近に寄ったところ。ゴム脚が意外に大きい。これによって本体底面のクリアランスを確保し,吸気能力を向上させているのだと思われる |
本体の底板を外したところ。二大熱源たるCPUとGPUが,本体の最も奥まったところにあることと,最短距離で本体外へ熱を排出する設計なのが分かる |
写真で中央よりも左に見える部分にGPUとグラフィックスメモリチップ,右にCPUが置かれているようだ。2本のヒートパイプがあるのも確認できる |
温度計測結果については後述するが,少なくとも,「ゲームを長時間していると,キーボード部が熱くなってくる」とか,「ゲーム中にシステム負荷が高くなると,ファンがとてつもない轟音を出し始める」といったことはまったくない。3Dゲーム中におけるファンの動作音も,「極めて静か」とまでは言わないが,うるさいとは感じないレベルで,この設計は実に見事といえる。
※注意
分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカーはもちろんのこと,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は筆者が入手した個体についてのものであり,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものではありません。
打鍵しやすいキーボードに,考えられたインタフェース配置,広帯域のLAN周りは○
配列は日本語フルキーで,SteelSeriesこだわりの,[Windows]キーが右[Alt]キーの右に移動したレイアウト。メインキーボードの[Enter]キー周辺が多少窮屈ではあるものの,主要キーのキーピッチは実測約18mm。ストロークは同1mmあるため,総じて打鍵は非常にしやすい。
左[Ctrl]キーの右は[Fn]キーとなり,ゲーム中に[Windows]キーを押さないよう,配慮されている |
キーボードを斜めから見たところ。キーボードの土台に対して,キートップの高さがしっかりある |
ヒンジ部のサテライトスピーカーは見るからに小さく,また,サブウーファが極端に右へ寄っていることから,不安を感じた人はいるかもしれないが,これがまた,いい意味で期待を裏切るものになっており,見た目からするとかなり良好なサウンドが得られる。
また,Creative Technology製のソフトウェアスイート「Sound Blaster Cinema」がプリインストールされており,ヘッドセットやヘッドフォンをつなぐだけでバーチャルサラウンドサウンド出力を楽しめるのもポイントだ。
ディスプレイ出力が充実しており,最大3画面出力に対応するのも見逃せないところだ。
本体手前側(左)と奥側(右)の側面。手前側の左に電源などのインジケータが並ぶだけで,インタフェースは用意されない | |
左側(左)と右側(右)の側面。必要十分なインタフェースに加え,最大3画面出力を可能にするディスプレイ出力も充実しながら,向かって右側はシンプルにし,マウス操作の邪魔になりにくいようにしてある点はポイントが高い |
Killer DoubleShotというのは,有線LAN,無線LANともにQualcomm AtherosのKillerシリーズで揃えた構成のこと。GS70 Stealthは,1000BASE-T LANコントローラ「Killer E2200」と,IEEE 802.11 a/g/n対応の「Killer Wireless-N 1202」を搭載している。Killerシリーズの最新世代コントローラは広帯域幅がウリなので(関連記事1,関連記事2),ここもGS70 Stealthの持つ優位性の1つということになる。
ストレージはMSI自慢の,mSATA接続型SSDによるRAID構成「Super RAID」になっている。総容量は256GBと,複数のゲームをインストールしようとした場合にはやや心許ない面もあるので,BTOに対応したショップでHDDを追加するか,
そのほか主なスペックは表1のとおりだ。
エントリー〜エントリーミドルの
デスクトップPCと3D性能を比較
なお,GTX 650 Ti搭載カードとして利用したPalit Microsystemsの「NE5X65T01301-1071F」は,メーカーレベルで動作クロックが引き上げられた,いわゆるクロックアップモデルであるため,今回はMSIのオーバークロックツール「Afterburner」(Version 2.3.1)を用いて,リファレンスレベルにまで動作クロックを引き下げて利用することになる。
テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション14.0準拠。ただし,ゲーマー向けノートPCの用途として,「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のプレイを考えている読者が多いと思われることから,今回は同タイトルの公式ベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編)も加えることにした。合わせて,スケジュールの都合により,「Crysis 3」と「SimCity」はテスト対象から外している。
新生FFXIVベンチ キャラ編のテストにあたっては,「グラフィック設定プリセット」の選択肢「標準品質(ノートPC)」と「最高品質」を選択。解像度ごとにテストを2回連続で実行し,その平均をスコアとして採用することにした。
なお以下,本文,グラフ中とも,比較対象のデスクトップPCは「i7-4770T+GTX 650」「i7-4770T+GTX 650 Ti」と,CPU名+GPU名で表記するので,この点はここでお断りしておきたい。
そのベンチマークスコアは
GTX 650搭載のデスクトップPCを確実に上回る
順にテスト結果を見ていこう。グラフ1は「3DMark」(Version 1.1.0)の結果だが,ゲームPC向けとされる「Fire Strike」テストにおいて,GS70 Stealthは,i7-4770T+GTX 650以上,i7-4770T+GTX 650 Ti未満の場所に収まっている。GS70 Stealthに搭載されたGTX 765Mが,GTX 650 Tiと同じGPU規模を持つというのは先に紹介したとおりだが,ノートPCへ搭載するにあたって,たとえばメモリクロックがGTX 650 Tiの5400MHz相当に対してGTX 765Mでは4000MHz相当といった具合で大幅に引き下げられていることを踏まえるに,順当な結果になっていると述べていいだろう。
一方,ハイエンドGPU環境を対象とした「Extreme」プリセットだと,GS70 Stealthのスコアがなぜか最も高いが,これは別記事で宮崎真一氏が指摘しているとおり,GS70 Stealthで2GB,比較対象のデスクトップPCで1GBという,グラフィックスメモリ容量の違いが影響している可能性が高そうだ。
実際,スコアの詳細をまとめた表3を見てみると,とくにメモリ負荷の高い「Graphics test 2」で,ExtremeプリセットにおけるGS70 Stealthとi7-4770T+GTX 650 Tiのスコアに逆転現象が生じている。
エントリー設定で実行した「Far Cry 3」のテスト結果がグラフ2だが,
ちなみにデスクトップPCとの比較では,i7-4770T+GTX 650より37〜40%高いスコアとなり,対i7-4770T+GTX 650 Tiでも85〜86%程度に迫っている。エントリークラスのゲーマー向けデスクトップPCを大きく超える性能を持っていると評してよさそうだ。
グラフ3は「BioShock Infinite」の結果だが,ここでも注目は1600×900ドットだ。GeForce搭載環境における合格ラインとされる平均60fpsへあと一歩のところまで迫っている。「High」設定はその名のとおり,かなり高いグラフィックス設定になるのだが,実際にゲームをプレイしても,アクションシーンで特別な違和感を覚えることはないので,十分にプレイできると断じていいだろう。
i7-4770T+GTX 650に対して6〜13%程度高いスコアを示している点も押さえておきたい。
「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)をエントリー設定で実行した結果も,BioShock Infiniteと似た傾向になった(グラフ4)。レギュレーションで「かなり快適なプレイが可能」とする平均60fpsを,1600×900ドットで上回っている。
i7-4770T+GTX 650 Tiと比べるとスコアは若干離され気味だが,一方でi7-4770T+GTX 650に対する優位性は失っていない。
グラフ5は「F1 2012」のテスト結果で,GS70 Stealthは,グラフィックスメモリがボトルネックになっていると思われるスコアの頭打ちが見られる。ただ,それでもスコアは平均60fps超え。1920×1080ドット設定でも,快適にプレイできるレベルにあるわけだ。
新生FFXIVベンチ キャラ編のテスト結果はグラフ6,7のとおり。GS70 Stealthは,標準品質(ノートPC)だと,スクウェア・エニックスが「非常に快適」とする指標である7000を,1920×1080ドットでも軽々と上回った。
最高品質だとさすがにスコアは下がるが,それでも1600×900ドットで示した5245というスコアは,スクウェア・エニックスの指標でいう“上から2番め”となる「とても快適」をクリアしている。フレームレート重視でも画質重視でも,GS70 Stealthであれば満足できるだろう。
最後にゲームからは少し離れるが,mSATA接続のSSD計2枚によるSuper RAIDの性能もチェックしておきたい。定番のストレージ性能ベンチマーク「CrystalDiskMark」(Version 3.0.2 x64)で,テストサイズ「1000MB」,テストパターン「デフォルト(ランダム)」,テスト回数「5回」という,CrystalDiskMarkのデフォルト設定におけるテストを行うことにした。
Serial ATA 6Gbpsの限界を楽々と超えてくる読み出し性能は見事と言ってよく,実際,OSの起動も非常に速い。高速に起動させたいゲームを選択してインストールすれば,ゲームの起動速度なども間違いなく短縮できるだろう。
光るアイドル時の消費電力
バランスに優れるファン設定も「納得」の一言
ノートPCである以上,消費電力とバッテリー駆動時間は気になるところだ。また,本稿の序盤で後述するとした温度周りも気になるが,以下はそれらをチェックしていこう。
まずは消費電力からだ。
今回も,4Gamerの消費電力測定でお馴染み,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を計測する。テストにあたっては,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時とした。なお,GS70 Stealthは,基本的にバッテリーパックの交換ができないので,今回,バッテリーパックは取り付けたままテストを行っている。
その結果がグラフ8で,アイドル時におけるGS70 Stealthのスコアはさすがの一言。ノートPCであるため,液晶パネルの消費電力が“乗る”のだが,それでも比較対象のデスクトップPCと比べて約半分というのは見事だ。
また,アプリケーション実行時の消費電力が,3D性能で勝るi7-4770T+GTX 650と同等以下という点にも注目しておきたい。総じてノートPCらしい消費電力に抑え込まれている印象だ。
PowerMarkはバッテリーの残量が100%から5%に減るまでの時間を計測するもので,ワークロードは「Productivity」「Entertainment」「Balanced」の3つ。Productivityはワープロソフトによる文書編集とWebブラウジングを交互に実行したときのもの,Entertainmentは3Dアプリケーションの実行とビデオ再生を交互に実行し続けたときのもの,BalancedはProductivityとEntertainmentを繰り返すものとなっているため,バッテリー駆動でゲームをどれくらいの時間プレイできるかを知りたい場合は,Entertainmentワークロードの結果が参考になる。
その結果がグラフ9で,Entertainmentワークロードのスコアは79分だった。17.3インチワイド液晶を搭載するノートPCとしては妥当な数字になっていると述べていいだろう。家庭内でちょっと持って移動するには十分な時間といえる。
最後は気になるCPU&GPU温度だ。今回はアイドル時と3DMark時に加え,ストレスツール「OCCT」(Version 4.4.0)のCPUモードと3DMarkを同時に実行して30分経過した時点(以下,高負荷時)の3条件で,CPUとGPUの温度を取得してみたい。
CPU温度の取得にはモニタリングツール「HWMonitor Pro」(Version 1.17),
その結果はグラフ10,11のとおり。アイドル時だと,GS70 StealthはCPUとGPUの両方で比較対象のデスクトップ機よりも温度が高くなっているが,これはおそらく,40℃前後の温度を許容しつつ,ファン回転数を下げて静音化するためだ。
GS70 Stealthに2基搭載されるファンは,「Cooler Boost」と呼ばれる機能により,温度に応じて回転数が自動的に制御されるのだが,実際,アイドル時における静音性はかなりのものなので,この推測は間違っていないと思われる。
3DMark時と高負荷時の温度もGS70 StealthはデスクトップPC比で高めだが,ここでは,本稿の序盤で述べた「3Dゲーム中におけるファンの動作音がうるさくはないレベル」であることを思い出してほしい。要するにGS70 Stealthでは,一定レベルの静音性を確保するために,CPUおよびGPU温度が多少高く出ることを許容しているというわけだ。
音を聞いて確認した限り,左右のファンで回転数は揃えられているが,これは,エアフローを整える効果もあるのではないかと思う。こういった配慮によって,音がうるさくなく,熱がキーボードに伝わらない薄型ノートPCになっているのではなかろうか。
史上最も薄い「ちゃんとゲームが動く」ノートPC!?
性能だけでなく,見た目にもこだわりたい人に
3Dゲームが満足に動くレベルのノートPCがずっと欲しかったけれども,野暮ったさのある分厚い筐体はイヤだというわがままな人にとって,ついに登場した絶好の選択肢。GS70 Stealthというのは,そんなノートPCである。
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