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海外ゲーム四天王 / 第68回:「Create」
Electronic Artsが開発した「Create」は,名作「The Incredible Machine」のように,用意されたさまざまなオブジェクトを画面に配置し,与えられた目的を達成していくというパズルゲーム。内容は古典的だが,最新タイトルだけにグラフィックスのレベルはそれなりに高く,さまざまなオブジェクトがあっちこっち動き回る様子は,単純に見ているだけで楽しい。
パズルをクリアすることで得られるさまざまなオブジェクトを使い,パズルの背景を飾り付けられるところが新機軸となるこのタイトルを,頭の柔らかさだけでなく腰の低さと伸ばした鼻の下の長さには自信があるというライターの朝倉哲也氏が紹介する。
箱庭ゲームとパズルゲームが一緒になった新感覚のタイトル,それがElectronic Artsからリリースされた「Create」だ。プレイヤーは,出題されたパズルをクリアすることで,さまざまなオブジェクトを入手し,それらを使って箱庭感覚でゲームの背景を飾っていくのだ。
開発は,Electronic Arts傘下のデベロッパBlight Lightで,主に低年齢層向けのキッズゲームを数多く手がけているデベロッパ。現在はハリー・ポッターシリーズ映画の最新作「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」をベースにしたゲーム,「Harry Potter and the Deathly Hallows - Part 1」の開発を行っている。
「Create」公式サイト
冒頭にも書いたように,Createは箱庭ゲームの要素を持った,ファミリー向けのパズルゲームだ。パズルといっても,文字を並べ替えたり,数字を組み合わせたりするものではなく,例えば自動的に走りだす車を,途中に口を開けた谷などの障害物をうまくジャンプさせてゴールまで導いたり,移動させるべきオブジェクトに風船をつけて空に浮かべ,ファンを使ってうまく目的地まで運んでいくといった内容で,傑作パズルゲーム「The Incredible Machine」(1992年)のようなスタイルになっている。
パズルをクリアするため,プレイヤーは用意されているジャンプ台や,バスケットボール,コンクリートブロックといったオブジェクトを,コース上に(空中の場合もある)適切に設置したりしなければならない。簡単なものもあるが,どこから手をつけていいのか分からないような複雑なモノもあり,柔軟な思考と発想力が必要になっている。
パズルをクリアすると,さまざまなアイテムが手に入ったり,新たなマップがアンロックされたりする。
入手できるアイテムには,パズルの背景を飾る草花や木々,街灯,勝手に動き回る野生動物や恐竜などのほか,通常の壁や床を岩肌やタイルのように変えるテクスチャ,そして雪山や高層ビルの立ち並ぶ大都会といった背景画などがある。
プレイヤーは,これらアイテムや素材を自由に使って,パズルの舞台を好きなように飾っていけるのだ。さすがに,谷の位置をずらすなど,マップ構造を根本から変更することはできないが,お絵かき感覚でマップを自由に飾っていけるのは,なかなか楽しい。
クリック一つで背景の色ががらりと変わったり,空に飛行機を飛ばしてみたり,マップ中をカラフルな草花で埋め尽くしたりといった,グラフィックスツールを操作するような感覚は,とくに低年齢層に受けが良さそうだが,とはいえメインのパズル部分が,ゲームを進めていくに従って難しくなってくるので,親子で一緒に頭をひねってゲームを楽しむというのが,開発者が想定したプレイスタイルになるだろう。もっとも,お子様の頭脳は時として大人よりもずっと柔らかいので,すっかり脳ミソの固くなってしまったお父さんが頭をひねっているうちに,子供があっさり解いてしまうかもしれない。
ともあれ,作りあげたオリジナルマップは,スナップショット機能を使ってPCに保存したり,オンラインで公開したりできる。もちろん,ほかのプレイヤーが作成したマップを閲覧したり,ローカルに取り込んで,そのマップでゲームを楽しんだりすることも可能だ。
最新の技術で描かれたグラフィックスは美しく,単純に,それぞれのオブジェクトの動きを眺めているだけでも楽しい。もちろん,作戦が図に当たり,見事にパズルをクリアしたときの快感はなかなかのものだ。得られたアイテムが装飾専門で,パズル部分にほとんど影響しないなど,もう一工夫欲しかった部分もあるが,クリエイト系のタイトルが好きだというプレイヤーは十分に楽しめるはずだ。
ゲームの公式サイトでは,本作のスクリーンショットのほか,プレイシーンを収録したムービーも公開されている。またPC向けのデモ版も用意されているので,興味があるならまずデモ版から試してみよう。
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