インタビュー
等級の上がった武将カードでより幅広い戦略を。「戦略三国志」アップデート“Miniepisode 1”実装直前インタビュー
今回のアップデートでは,既存の武将カードの“☆等級”がアップした新バージョンや,新たな「歴史任務」が追加されるほか,ユーザーインタフェースに変更が加えられる。
4Gamerではアップデートの内容や今後の展開などについて,エヌドアーズエンターテインメント オンライン事業本部 サービス運営部 ブラウザゲームチームリーダー 望月雄介氏に話を聞いてみた。
「戦略三国志 〜後の孔明である〜」公式サイト
「袁紹」「陳宮」「陳登」「高順」「公孫サン」のアップグレードバージョンが登場
本日はよろしくお願いします。まずは,今回のアップデートの概要などを教えてください。
望月雄介氏(以下,望月氏):
このゲームは,三国志の物語をいくつかのエピソードに分け,エピソードごとに提供していく方式を採っています。現在は「EPISODE 1」で,ゲーム内では西暦194年という設定です。そして10月27日のアップデートで,それから4年後にあたる,西暦198年の中国大陸を舞台とするMiniepisode 1が実装されます。
4年が経過した設定なので,ゲームに登場する武将達もそれぞれ4歳ずつ年齢を重ね,成長しているんですよ。今回アップグレードバージョンが登場するのは,「袁紹」「陳宮」「陳登」「高順」「公孫サン」の5種類で,そのうち,袁紹を除く4種類のカードは☆等級が3にアップしています。
4Gamer:
では,各カードのステータスもそれに伴って高くなっているんでしょうか。
望月氏:
必ずしもステータスが高くなるとは限りません。例えば,年齢の高い陳宮の場合,知力が上昇している反面,武力は低下しているんです。
また,☆等級がアップしていることで,特殊能力も新しいものになっています。
4Gamer:
なるほど,体力が衰えた代わりに老獪さが増している,と。
望月氏:
ええ。198年というと,劉備と曹操が手を組んで呂布を倒した年にあたります。今回,☆等級が上がったのは,その頃に名を上げた武将達なんです。もちろん,☆等級やステータスが変化しただけでなく,それぞれのカードイラストも198年バージョンに変更する予定となっています。
4Gamer:
そのほか,アップデートされる項目について教えてください。
新たな歴史任務を追加します。198年までの歴史に基づく,「陳登の計略」「禁酒令」「許攸と荀シン」「忠義の武将関羽」の4つです。
また,プレイヤーの皆さんから多くのリクエストが寄せられていた,「書簡」のユーザーインタフェースを改善し,視認しやすくしました。さらに,これまでは効果音しかありませんでしたが,BGMを追加します。
4Gamer:
細かい部分が改善されることで,プレイフィールが向上しそうです。
望月氏:
またアップデートに合わせ,10月27日から3つのキャンペーンを実施します。一つめはオリジナルグッズのプレゼントで,二つめは,男色ディーノ選手の所属するDDTプロレスリングの観戦チケットです。これは以前,男色ディーノさんに戦略三国志の記事を書いていただいたご縁で実現しました。
4Gamer:
なるほど,そういうつながりですか。
望月氏:
そして三つめのキャンペーンは,さらに大きな関心を集めると思います。
これは,今回のアップデートで☆等級がアップする武将5人の従来のカードを,レベル5以上で,なおかつカード強化+4以上という状態にした人を対象とするキャンペーンです。実施期間終了までにこれらの条件を満たして応募すると,そのカードと引き換えにアップグレードバージョンをプレゼントします。
4Gamer:
同じ武将のアップグレードバージョンと交換できるんですね。
望月氏:
ええ。例えば,従来の陳宮でレベル21,カード強化+4のカードを持っているとします。そのカードを,新登場となる☆等級3の陳宮と交換できるわけです。新たな特殊能力を使ってみたいという人は,ぜひ交換してください。
また陳登については☆等級が1から3に上がり,能力的にもかなり向上します。
4Gamer:
このキャンペーンにはどんな狙いがあるんですか?
望月氏:
実をいうとこれは,ゲーム内の「伝授」という機能を使えばプレイヤー自身にも行えることなんです。とはいえ,条件が高めに設定されているので,誰でも簡単にできるわけではありません。またゲーム内では,レアで入手困難な☆等級4のカードより,そこそこ強い☆等級3のカードの需要が高まっています。
そこで,今回せっかく☆等級3の武将カードが追加されるわけですし,多くの人にその効果を体験してもらおうと考えました。ぜひ,このキャンペーンを利用して☆等級3のカードを手に入れてほしいと思います。
4Gamer:
なるほど。☆等級3のカードのお披露目的な意味合いだけでなく,☆等級3のカードに対する需要に応えるという側面があるんですね。
望月氏:
ええ。ただ,これまで強化してきた武将に愛着を持っている人も多いと思いますし,特殊能力が変わると戦術にも影響を及ぼしますから,条件を満たしたプレイヤーすべてが交換を望むことはないだろうと予想しています。
2010年内にさらに2回のMiniepisodeアップデートを実施予定。「連合戦争システム」も登場か
Miniepisodeの実装スケジュールを教えてください。
望月氏:
Miniepisode 2を11月末に実装し,その後Miniepisode 3を実装する予定です。それぞれのアップデートで,200年,207年の時代に基づいて武将カードや歴史任務が追加されます。
Miniepisode 3で,サブタイトルにもなっている孔明がついに登場するほか,武将の特殊能力の種類も増える予定です。例えば孔明なら,部隊を操るときに何かが起きる独自の能力を備えています。
4Gamer:
ということは,続くMiniepisodeでは,「赤壁の戦い」が始まるわけですね。
望月氏:
実は,Miniepisode 3をもってEPISODE 1は完結します。208年の赤壁の戦いからは,EPISODE 2になるんです。まだ少し気の早い話ですが,EPISODE 2では数十名の武将が追加されます。
4Gamer:4Gamer:
実装時期は,いつ頃になりそうですか?
望月氏:
Miniepisodeの実装スパンを考えると来年になるとは思いますが,時期が確定したらあらためて発表します。
またEPISODE 2では,女性武将「大喬」と「小喬」がついに登場しますので,そちらも期待してください。
4Gamer:
EPISODEやMiniepisode以外の要素は予定されていますか?
細かいところから話しますと,「人物列伝」という,武将のプロフィールや能力などを検索して確認できるコンテンツが公式サイトに用意されています。ところが,チャネリングしている「ハンゲーム」上の公式サイトにはまだありません。そちらでも見てもらえるように,年内に実装する予定です。
それから,韓国で実装されたばかりの「連合戦争システム」を,日本でも年内に実装できないか検討中です。これは多数の「連合」(ギルド)を,「西軍」「東軍」の二つの「連盟」に分けて戦う大規模戦争システムです。戦争に勝った連盟のメンバーは,さまざまな報酬を獲得できます。
4Gamer:
どんなルールですか?
望月氏:
連合戦争の実施には,それぞれの連盟に,連合員3名以上の連合が一つ以上存在する必要があります。そのほか,もちろん勝敗条件などはありますが,実は韓国でも実装されたばかりなので,暫定的なんです。そのため,日本向けにルールを変更する可能性があります。
韓国では大規模戦争のコンテンツは人気を集めていますが,日本では好みが分かれます。そのあたりを踏まえてルールを調整する必要があるでしょう。
4Gamer:
なるほど。日本向けのルール変更について,大まかな方針は決まっているんでしょうか。
望月氏:
まさに検討している最中です。一つだけ,絶対に要望として出そうと考えているのは,連盟を二つでなく三つにしてほしいということですね。
4Gamer:
確かに。三国志のゲームですもんね。
望月氏:
ええ,なぜ三国志なのに二つの連盟で戦うのか,と。時間がかかるにせよ,ぜひ実現させたいところです。
連合戦争が実装されたら,戦争が好きな人,それほど好きではないという人双方に満足してもらえるようなイベントを企画していきたいと考えています。
それぞれのプレイヤーが思い描く“三国志の世界”を表現できるような仕様に
ところで,戦略三国志はどのような遊ばれ方をしているんでしょうか。
望月氏:
ゲームですから,史実ではいずれ死んでしまう武将達を自分なりに育成して戦っていくという,“歴史のif”を楽しんでいるという側面があるでしょう。
また,例えば蜀が好きなので,蜀の武将だけ集めていくという楽しみ方をしている人も多いんです。そのことを踏まえ,蜀なら劉備,関羽,張飛といった具合に,特定の国の武将を何人以上揃えると特殊効果が発動するなどの要素も,企画/検討しています。
4Gamer:
プレイヤーそれぞれの楽しみを膨らませていく方向ですね。
望月氏:
プレイヤーの皆さんは,所属している連合が決めたルールに則り,戦争をして楽しんだり,武将を集めて育成したりと,さまざまな遊び方をしています。
本作にはすでに250以上の連合がありますので,プレイスタイルは多種多様です。運営としては,さまざまな施策でそれらを後押ししていきたいと思います。
4Gamer:
なるほど。それでは,その連合の平均参加人数などを教えてください。
望月氏:
最も多いのは20〜40人規模の連合です。最大参加可能人数は連合のレベルに応じて増えていく仕組みで,70名までとなっています。すでに最高レベル,最大参加可能人数に達している連合もあるんですよ。
また,メンバーが同じ地域に固まっている連合もあれば,大陸の各地にバラけている連合もあります。
4Gamer:
どちらが有利ということはないんですか?
望月氏:
ええ,今のところはありません。
ところで本作には,「闘技場」といって,個々のプレイヤーが育て上げた武将の強さを競い合うコンテンツがあり,こちらも楽しんでもらっています。これは毎週末に開催している個人戦で,武力を競い合う「血戦」と,知力で勝負する「舌戦」に分かれており,それぞれ上位5名に報酬が贈られるんです。
4Gamer:
闘技場にまつわるエピソードがあれば教えてください。
望月氏:
ランキングの上位に入る武将はだいたい決まっているんですが,かといって単に☆等級が高ければ勝てるというものでもなく,武将のレベルや相性も勝負の鍵となります。そのため,意外な武将が勝ち上がってくることもあるんです。
そういう戦いを見ると,「ああ,その武将に対して愛着を持って育てているんだろうな」と感じますね。
4Gamer:
当然,同じ武将同士が戦う場合もありますよね。
望月氏:
ええ。その場合も,装備している武器によって強さがかなり異なってきます。
4Gamer:
なるほど。ちなみに戦略三国志のプレイヤーは,本作がどのような方向に進んでいくことを望んでいるんでしょうか。
望月氏:
やはり,戦争をどんどんやりたいという意見と,自分のペースで収集や育成に取り組みたいという意見に分かれます。どちらの要望にもしっかり応え,満足してもらえるものを提供することが私達の腕の見せどころです。
また,日本では協力プレイを好まれる人も多いので,ほかのプレイヤーと力を合わせて悪人を倒すといったイベントも企画しています。実は一度,みんなで呂布に挑むというイベントを開いたんですが……。
4Gamer:
あまり芳しくなかった,とか?
望月氏:
呂布が強すぎて,報酬を獲得できた人が当初の想定より少なかったんです。「がんばったからどうにか勝てた」「負けたけど,もう少しがんばれば勝てるかもしれない」と思えるくらいのバランスを追求したいところです。
4Gamer:
オンラインゲームだと,遊んでいる人はさまざまですから難しいと思いますが,そういったバランス調整は重要ですよね。
望月氏:
バランスといえば,現状,「兵種」のうち「鉄騎兵」が万能になってしまっているんです。そのため,鉄騎兵の弱点を突けるような兵種の登場が期待されています。これは運営でも認識している問題なので,開発と共に解決策を検討していきます。
4Gamer:
それでは最後に,戦略三国志を遊んでいる人や4Gamer読者に向けてメッセージをお願いします。
望月氏:
数多くのオンラインゲームの中から,戦略三国志を選んでいただいていることに大変感謝しています。皆さんの要望に応えられるよう,意見を取りまとめ,開発にキッチリ伝えることが私達運営の仕事です。今後,一層努力していきますので,よろしくお願いします。
戦略三国志は,武将集めの部分でプレイヤーの皆さんが個性を発揮できるゲームです。そのあたりを楽しんでもらえるとうれしく思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
今回のインタビューでは,プレイヤーの動向を把握/分析し,それを後押しするような要素の追加やイベントの実施を目指していることがうかがえた。
アップデートに合わせて行われる武将カードの交換キャンペーンもその一環で,プレイの中心となる武将の育成や,新たな戦略の開拓を促進する意図があるという。
今後本作では,孔明が登場するEPISODE 2に向け,さらなる盛り上がりを見せていくことだろう。それに向け,運営がプレイヤーから寄せられている要望にどのようなさじ加減で応えていくか,注目したいと思う。
「戦略三国志 〜後の孔明である〜」公式サイト
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