ブロッコリーが2010年9月30日に発売を予定しているPC用ソフト「
Fortissimo//Akkord:Bsusvier」(フォルテシモ アコルト:ビーサスフィーア)。“こそばゆい学園恋愛カコフォニー”と銘打たれた本作だが,一体どのようなゲームなのか? 本稿では,ストーリーと各キャラクターのプロフィールなど,作品の概要を紹介していこう。
■月読島で繰り広げられる,こそばゆい青春学園物語
本作の物語は,日本の南西に位置する常夏の島
“月読島”を舞台に展開していく。月読島は,日本最大級のマングローブを有する自然豊かな土地。一方で,大型のショッピングモールがあるなど,都会化が進む場所でもあるのだ。ちなみに主な移動手段は“水牛車”らしい。
・ストーリー
13番目の"マホウ"が目覚めし時―――
選ばれし"マホウツカイ"達の戦いが、始まる。
日本の遥か南西に位置する常夏の孤島、月読島。
主人公である芳乃 零二(よしの れいじ)は、その島に住む至って普通の学生―――“だった”。突如として非現実的な窮地に陥った零二を救ったのは、美しい一人の少女。彼女こそは『NO.13』(ミッシングナンバー・サーティーン)、古代より伝わる伝説の"戦略破壊魔術兵器"―――通称『マホウ』と呼ばれる、超科学兵器そのものだった。
『戦略破壊魔術兵器』(マホウ)の形状は、その人物を象徴するに相応しい形となり所有者に唯一無二の特殊な"能力"(チカラ)を与えるという。しかし、彼の使える"能力"は、二つ。
「24時間前までに出会っていた人物の召喚」と、
「物質を24時間前までの状態に戻す」
ということ兵器や戦争とはかけ離れた能力だった。
そして平和な日常を求める零二の想いとは裏腹に、彼は大切なものを賭けた13人の『召喚せし者』<マホウツカイ>達のバトルロイヤルへと巻き込まれて行く。
月読島で繰り返される超能力者(マホウツカイ)達の哀しき戦いの宿命(れんさ)。彼が賭けるのは、守るべき大切な日常である、こそばゆい青春の学園生活。まるで永久に続くダ・カーポのような争いの運命を断ちきるため、零二は今日も戦いの渦中へと飛び込んでいく―――…
■こそばゆい学園生活を彩るキャラクター(Normal Side)
主人公と共にこそばゆい青春を過ごす個性的なキャラクター達。なんとなくぼけぼけっとしている
“サクラ”や逆ナン小悪魔美少女“
里村紅葉”,似非関西弁使いの
“霧崎剣悟”など,主人公をとりまく人物はみな学園生活にかかせない(?)。ここではそんなキャラクター達の“普段の姿”を紹介する。
この紹介だけを見ると,確かに甘酸っぱい青春を謳歌できてしまいそう。しかし彼らは“マホウツカイ”。決して避けられない戦いがあるのだ。本稿の2ページ目では,そんな彼らの“もう一つの姿”を紹介するので,合わせて目をとおしてほしい。
☆不器用でクールな普通の青年
※イラストクリックで全身を表示
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■芳乃 零二(よしの れいじ)
「誰にも譲れない大切なものがあるなら、決断するしかないんだよ」
本作の主人公。
不幸な生い立ちにあるが、特殊な能力は一切持ち合わせていない普通の青年。
十六年前に月読島で終結したといわれている“十年戦争”で両親がいなくなってしまったため、一時期を養護施設『聖者の教誨』で過ごした戦争孤児という過去がある。
今回、自分を引き取ってくれた育ての親である『師匠』の下から、妹と再び共に暮らすために、四年ぶりの帰郷を果たす。
性格は楽観主義で自己中心的な一面を持つが、あくまで人付き合いが不器用なのは育ちのせいであり、本来は純粋な心の持ち主。一見するとクールなように見えて、その内面は意外と熱い。また、考え事をする際には、よく髪の毛をいじるクセがある。
☆人間味溢れすぎる、のん気な人型魔術兵器
■サクラ
「“ひなたぼっこ”は、私のライフワークなんだよっ」
本作のメインヒロイン。
零二が召喚した、桜と日光を司る精霊を具現化した人型戦略破壊魔術兵器。
“光”を操り戦う精霊のため夜や暗闇が苦手で、趣味はひなたぼっこ。動物(特に犬)が大好きなのだが、なぜか動物からは嫌われるという宿命を持つ、とっても可哀想な存在。しかし、そんな逆境にもめげず、いつかは動物達と分かり合える日が来ると信じている。
何年も零二の中に存在していたため、彼の事なら何でも解ると言う彼の良き理解者……なのだが、平和な時はエネルギー補充のために外でぐんにょりとしている上、兵器のクセに居候で食費もかかるため、零二からはダメ兵器の烙印を押されている。
☆正義感の強い、生真面目な零二の親友
■皇樹 龍一(すめらぎ りゅういち)
「その考えは危険だよ、零二。世界はそんなに単純には出来ていないんだ」
本作のもう一人の主人公。
零二と同じく戦争で両親を失っている戦争孤児で、養護施設時代に零二とよく喧嘩をしていつつも、なんだかんだで凸凹コンビの親友だった青年。自分を引き取ってくれた義理の父親の都合で戦地を転々としており、家族を奪った“戦争”を憎む反面、その終結の手段もまた争いでしか訪れないという矛盾に苦しむ日々を送っていた。
マホウツカイとして数多の戦地を渡り歩くが、多くの犠牲を出さずに戦争が終わった事は一度も無く、その度に自らの無力さを噛み締めていた。
零二の後を追うように戦争とは無縁の日本に帰国を果たし、故郷である月読島へと帰って来た矢先、今回の事件へと巻き込まれていく。性格は真面目すぎる上に不器用なため、自由奔放な零二とは対極となる。
☆明るく純粋可憐な、人気者の武士道娘
■鈴白 なぎさ(すずしろ なぎさ)
「あはは…私、誰かと戦うのとか苦手だから。恋でも、勉強でも」
本作のもう一人のメインヒロイン。
一見すると才色兼備でスポーツ万能の優等生だが、その実、得意な剣道以外からきしダメな武士道少女。
今時珍しいくらいに真っ直ぐで朗らかな性格を持ち、彼女を穢さぬようにとみんなに気を遣われるような人徳と人気を兼ね備えている、可愛らしい少女。剣道部の副部長を務め、その潜在能力は部長を上回るものの、試合では全くといっていいほど結果を残せないため、自ら部長を辞退した過去を持つ。
龍一とは幼馴染の関係にあり、月読島へと戻って来た彼とは四年ぶりとなる再会を果たした。昔から一途に龍一の事が好きだったのだが、素直になれず、自己主張も苦手なため、鈍感な龍一は未だ気づいてくれず、もどかしい恋愛をしている。
☆真っ直ぐに兄を慕う、猫好きのク―デレ義妹
■黒羽 紗雪(くろばね さゆき)
「兄さんは私が護るから。…たとえ、どんな犠牲を払っても」
四年ぶりに再会を果たした、零二の義理の妹。
口数はあまり多い方ではないが、自分の意思はハッキリと伝えるタイプ。
数年前にマホウツカイとして覚醒して以来、自分の大切な居場所である月読島を守るため、夜な夜な二挺拳銃を携えて治安を守っているうちに“正義の美少女ガンマン”として都市伝説のように扱われている女の子。しかし本人は不本意であり普通の女の子として生活をしたいため、その正体を隠している。だが、星見商店街では相当な愛猫家の女の子としてその名を轟かせているゆえ、どちらにせよ変わり者のレッテルは剥がせていなかったりする。
零二に付きまとう里村紅葉とは、遺伝子レベルでかみ合わない犬猿の仲。
☆恋する乙女な、毒舌小悪魔娘
■里村 紅葉(さとむら もみじ)
「今なら私、とってもお買い得なんだけど…どうかな?」
零二に一目惚れして逆ナンパしてきた、恋する小悪魔少女。
後に同じクラスへと転校して来た零二を運命の人だと確信して、ひたすらアプローチをしてくる大胆な女の子。クラスメイトであり数年来の付き合いでもある鈴白なぎさの親友で、よく生徒会室へと入り浸っているため、生徒会長の雨宮綾音とも仲が良い。
性格は大胆不敵にして唯我独尊、そしてナチュラルに男を惑わす様な一面も持ち合わせており、興味のない対象にはドライでかなりの毒舌。ただし好きな友人に対しては人懐っこく素直で、協調性を見せたりもする。大切なものは愛でるが、切り捨てたものには冷たい、まさに小悪魔の様な冷酷さを兼ね備えている少女。
零二に特別扱いされている黒羽紗雪とは、絶望的に波長が合わず犬猿の仲。
☆天才ピアニストのカリスマ生徒会長
■雨宮 綾音(あまみや あやね)
「私の前に立ちはだかる存在は許さないわ。零二くんを除いて、ね?」
天下無敵にして成績優秀、スポーツ万能のカリスマ生徒会長。
三年生であるにも関わらず、学園側からの強い希望により、三期連続での生徒会長を勤めている。両親が音楽一家のため、本人もピアニストを目指しており、ピアノの実力自体も、誰もが目を見張るほどの非凡な才能を魅せる。
容姿も美人なのだがモテるというより尊敬される場合が多いため、親しい友人は少なく、恋人もいないという意外な一面も持つ。そのためか友人の紅葉やなぎさには甘く、生徒会長の特権を利用して色々優遇していたりもする。
☆零二のクラスメイトで気の合う友人
■霧崎 剣悟(きりさき けんご)
「ほな、お近づきの印や。ワイがとっておきの場所教えたろやないか」
星見学園へ転校してきた零二と意気投合して、友人になったクラスメイト。
月読島から出た事は無いらしいが、怪しげな似非関西弁口調を扱う青年。気さくで飾らない竹を割ったような性格で、思春期よろしく四六時中、女体の神秘の事ばかりを考えている、爽やかエロスなお茶らけ男。しかし、そんな彼の時折見せる鋭い眼光は、まるでナイフのように冷たい輝きを覗かせる。
☆星見学園のアイドル的存在な後輩の巫女娘
■梶浦 海美(かじうら うみ)
「たとえ叶わぬ恋だっていいじゃない。だってそれは乙女に許された特権だもの」
まだ一年生にも関わらず、その可愛らしい容姿から学園のアイドルと呼ばれて親しまれている後輩の女の子。
ドジな一面を持つため、守ってあげたい子犬タイプのアイドルとして男女問わず人気がある。実は昔はかなり地味な女の子で、かつてしていたメガネに異様なほど強いコンプレックスを持っており、どんな時もコンタクトを愛用している。
☆『最終戦争』を告げる、メッセンジャーの少年
■有塚 陣(ありづか じん)
「ちなみに、拒否権とか無いから。殺さなきゃ死ぬだけだよ」
自らをマホウツカイの頂点・王になる存在だと豪語し、マホウツカイ達を呼び集めた張本人の、謎の少年。
究極のマホウツカイ・オーディンのメッセンジャーだと宣言し、物語の核となるバトルロイヤル、互いの存在を賭けた『最終戦争』の開始を告げる。常にしたり顔で物をいい、他人を見下したような態度で相手を愚弄するのだが、その根底には自らが絶対的強者なのだという王としての“自信”があるためである。
オーディンの圧倒的な強さに一種の憧れを抱き慕っているらしく、唯一謎の人物であるオーディンの正体を知っている少年でもある。また、色気づいて紅葉に認めてもらおうと執拗に彼女を追いかけているが零二一筋の彼女には、まるで相手にされていない。
☆余命僅かの、無垢で病弱可憐な薄幸少女
■高嶺 陽菜子(たかみね ひなこ)
「陽菜子の夢は、いつか元気になって星見学園に通う事なんだ」
先天性の難病のため、生まれてからずっと病院で暮らしてきた少女。
かつて世界に名を馳せる大企業の令嬢だったのだが、両親の死により幼くして莫大な遺産を持つ。しかしそれは彼女にとってあまり意味を成さないものだった。父親の友人であり、幼い頃からずっと一緒にいた真田に特別な感情を抱いており、今の彼女にとって唯一気の許せる相手であり、全幅の信頼を寄せている。
また、外の世界に憧れており、いつか元気になって普通の女の子みたいに学園へ通う事を夢見ている。
☆陽菜子に忠義を尽くす、孤高のボディーガード
■真田 卿介(さなだ けいすけ)
「お嬢。言葉とは、大切な相手へ想いを伝えるためにあるものです」
ただただ寡黙な、陽菜子のボディーガード。
陽菜子にとっては実質的な保護者であり、真田にとってもまた彼女は大切な娘のような存在である。ロクでもない生活をしていた真田を拾ってくれた亡き陽菜子の父に大きな恩義を感じており、忘れ形見である陽菜子がより幸せで穏やかな暮らしが出来るよう、ありとあらゆるサポートをしている。
☆零二の幼馴染の“守りたい、大切な人”
■水坂 美樹(みずさか みき)
「久しぶりだね、零二。…うん、本当に久しぶりだよ」
零二の幼馴染であり、現クラスメイトの少女。
☆無駄にハイテンションの熱血馬鹿一直線な青年
■轟木 鋼(とどろき はがね)
「戦いに卑怯もクソもねえ! 勝つか負けるかじゃボケっ!!」
あきれるほどに一直線な、熱血馬鹿にカテゴライズされる青年。
独自の“漢理論”を振りかざし、小難しい事は一切考えずに行動するため一度こうだと決めた行動は意地でも覆さず貫き通す、直情一直線馬鹿。ゆえに、良くも悪くも一度暴走し出した彼を止めるのは難しい。友人の霧崎剣悟からは“歩く死亡フラグ”などと呼ばれているが、それは決して馬鹿にしているわけではなく、それだけ死亡フラグを乱立してなお平然と日々を過ごしている鋼への、賛辞の通り名であるといえる。
☆居候先の独身熟女な、自称“謎のお姉さん”
■相楽 苺(さがら いちご)
「ワンコと呼ぶでない! そう呼んでいいのは、私の親友だけじゃ」
零二と紗雪が居候している相楽家の家主である女性。
見た目に反して“おばさん”という歳で、身長が低いのを気にしており、大人に見られたいという理由で奇抜な格好(本人曰く魅惑のオトナな女性スタイル)をしている、かなり変わり者の女性。大人扱いしなければ不機嫌になるが、その割に“おばさん”と呼ぶと怒るという、理不尽かつ複雑な乙女心を標準装備しており、よく姿を消したり日がな一日を家で過ごしたりなど、職種を含めて謎の多い人物。
☆黒いワンピースを身に纏った、謎のマホウツカイの少女
■ワルキューレ
「…………」
窮地に追い込まれた零二の前に度々現れる、謎の女性。
彼を常に守ろうとするその優雅な姿は、容姿が窺えないながらも美しく、いかなる敵を前にしても決して揺るがぬであろう彼女の神聖さを物語る。
■制作スタッフは超豪華。サーカスファン注目の要素も?
本作は,制作スタッフの豪華さも特徴の一つとなっている。まず,作品を手がけるLa'crymaは,ブロッコリーとサーカスの共同ブランド。劇中には,サーカスの人気シリーズ
「D.C.〜ダ・カーポ〜」を想起させる要素が散りばめられており,ファンならばニヤリとすること間違いなしだ。
原画を担当するのもメインの大場陽炎氏を始め,鷹乃ゆき氏,たにはらなつき氏などサーカスを代表するイラストレイターが参加している。
音楽関連では,主題歌にアニメ「とある科学の超電磁砲」のオープニングテーマで話題となった
「fripSide」が起用されているほか,
「妖精帝國」の橘 尭葉氏がBGMを担当している。ゲームの購入特典として,この2アーティストの楽曲を含むオリジナルサウンドトラックが同梱されるのも非常に嬉しい。
シナリオも,La'crymaではおなじみの神夜 優氏が筆を振るっている。神夜氏が手がけたほかの作品と関連する内容も,ゲーム内では見られるようなので,ファンはぜひ探してみよう。