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[AMショー2011]華麗な技に観客も熱狂。夢のカード連発の「バーチャファイター5」ドリームトーナメントをレポート
2代目バーチャガールを務める声優の下田麻美さんをゲストに,「バーチャ」の歴史を彩る名プレイヤー達によるドリームトーナメントが繰り広げられた。
「セクシィィィ!」コールで舞台に上がったのは,MCを務めるセガのセクシー齋藤氏。続いて下田さんが「こんバーチャ!」と,自ら考案した挨拶と共に登場。「夢はいつか『バーチャファイター』のプレイヤーキャラのCVになることです」との参戦宣言(?)に会場は一気に盛り上がる。
ここで明かされたのが「格闘新世紀VI」が開催されるという情報だ。「格闘新世紀」は「バーチャファイター」の公式全国大会。2008年〜2009年にかけて行われた「格闘新世紀V」から2年ぶりの開催となる。
今までの大会は,各ゲームセンターでの店舗予選からのスタートだったが,「格闘新世紀VI」では47都道府県ごとに予選が行われ,そこで選ばれると全国大会へと出場することになる。各都道府県に割り振られた出場枠や大会の詳細などの情報は,今後公式サイトなどで公開されていくとのこと。
続いて「格闘新世紀VI」の開催を記念した「ドリームトーナメント」大会がスタートした。これまでの「バーチャファイター」シリーズで数々の熱戦・名勝負を生み出した有名プレイヤーによる夢の対戦が行われたのだ。
メンバーと経歴は以下の通り(内は使用キャラ)。
・とまりおん選手(リオン):「格闘新世紀V」優勝
・ナポレオン選手(ジャッキー):「格闘新世紀」優勝
・大須晶選手(エル・ブレイズ):「お手並み拝見2」優勝
・ジン選手(カゲ):「お手並み拝見4」優勝
・ホームステイアキラ選手(アキラ):「ファイナルトーナメント」優勝
・ちび太選手(リオン):「バーチャ神」の異名を持つ
・キャサ夫選手(カゲ):「バーチャファイター2」全国大会優勝
・柏ジェフリー選手(ジェフリー):「バーチャファイターファイナルバトル」優勝
「『バーチャ』の歴史を知らなくても,ここにいるプレイヤーを見れば一日で全部が分かる」と齋藤氏が豪語するのもうなずける,そうそうたる顔ぶれだ。一人一人がステージに現れる度に,観客席から歓声があがっていた。ここからは「ドリームトーナメント」の名勝負をピックアップしていこう。
■第一試合:とまりおん選手(リオン)VS.ナポレオン選手(ジャッキー)
第一試合は「格闘新世紀」優勝者同士というカード。
とまりおん選手が「(『格闘新世紀』は)自分が初めて出て優勝した大会なんで,次も同じようにやります。このトーナメントは凄い人ばかりなんですけど,結構昔の人も多いんで,勝ちますよ」と挑発的にコメントすれば,ナポレオン選手は「気合いのみでがんばります」と淡々と語る。さすがは有名プレイヤー,席につく前から勝負はスタートしていた。
試合は3本先取の形式で行われたが,結果はなんと,とまりおん選手のストレート勝ち。終始攻勢を保ってコンボを決め,ナポレオン選手が仕掛けた投げをことごとく読んで抜けるなどの活躍で,一気にラウンドを持っていった。
■第二試合:ジン選手(カゲ)VS.大須晶選手(エル・ブレイズ)
第二試合は「お手並み拝見」の優勝経験者の戦い。
ジン選手は「集大成的な意味で勝ちたいと思っていた大会なので,優勝できたときは嬉しかったです。『バーチャファイター』を10年やっている中で『格闘新世紀』のタイトルだけは持っていないので,一度がんばりたいと思っています」と優勝狙い。大須晶選手は「『バーチャ4』以来,表舞台は久々なんで,若干恥ずかしいですね。緊張しています。『格闘新世紀』は長い間やっていなかったので,新鮮な気分です。上手くなかったころの気分で腕試しをしたいですね」と,こちらも「格闘新世紀VI」に参戦を表明した。
大須晶選手が選んだのは,なんとエル・ブレイズ。ジン選手のカゲと身軽なキャラクター同士の対戦だ。大須晶選手のトリッキーな動きに,齋藤氏も「大須,現役だ!」とエキサイト。大須晶選手が1ラウンドを取れば,ジン選手が大須晶選手をリングアウトさせて続くラウンドを取り返す。大須晶選手が壁を使って飛び回り,ジン選手も空を舞う。試合は最終5ラウンドまでもつれ,大技の連発でジン選手が勝利を掴む。格好良い「バーチャ」にこだわり,互いに魅せる大技を繰り出す展開に,観客席は大いに沸いた。
■決勝戦:とまりおん選手(リオン)VS.ホームステイアキラ選手(アキラ)
決勝戦はとまりおん選手VS.ホームステイアキラ選手。
ホームステイアキラ選手は,キャサ夫選手との準決勝戦において,齋藤氏に「このアキラは鬼だ!」と言わしめる大活躍。キャサ夫選手の攻撃を読んで当て身技の外門頂肘(がいもんちょうちゅう)で返し,さらに高難度技として知られる崩撃雲身双虎掌(ほうげきうんしんそうこしょう)を決める……と読みもコマンド入力の精度も冴え渡っている。
豪華なカードを凄いスピードで消化していく様はまさに「ドリームトーナメント」。観客と関係者を問わず試合観戦に熱中しているようで,下田さんも「セガの関係者の方も,プライベートの目つきで試合を見てますよ」と指摘していた。
果たして夢のトーナメントを制するのはどちらなのか? 注目の中で試合が始まった。
ホームステイアキラ選手は準決勝からの勢いに乗ったのか,決勝戦でも圧倒的な強さを見せる。1ラウンドはとまりおん選手を壁際に追い込んでの猛攻が炸裂。2ラウンドはなんと,対戦ではレアめなジャンプしてのダウン攻撃,撃崩捶(げきほうすい)で決着。そして決勝の3ラウンドでは再び高難度技,崩撃雲身双虎掌が炸裂し,とまりおん選手に一気にトドメを刺した。
優勝したホームステイアキラ選手は「さっきは,とまりおん君が古い人が多いと言っていたので,古い人の意地を見せれて良かったかな,と思っております」と,キャリアの厚みを感じさせる感想を語った。
下田さん vs.齋藤氏,大爆笑のエキシビションマッチ
「ドリームトーナメント」を見た下田さん,「みなさんとても強くて,見ていると『バーチャファイター』をやりたくなるような,触発されるプレイでした。戦わずにいられないような気持ちになっています」とハッスル。しかし,先日の「東西対抗戦」で行われた「あさぽん組み手」十番勝負では反省点も多かったそうで,プレイする勇気が出ないと弱気なところを見せる。そんな下田さんに向けて会場からは暖かい励ましの拍手がわき起こり,エキシビションマッチの開催が決定した。
下田さん操るジャッキーの相手を務めるのは齋藤氏のアキラ。齋藤氏はつい先日「錬士」に降格したばかりで,同じく「錬士」の下田さんとは同段位対決。実況しながら組み手をするという,MCならではの荒行に挑戦することとなった。
齋藤氏はアキラを操作しつつ,ジャッキーで戦う下田さんを応援する「あさぽん」コールを観客席に呼びかけるなど八面六臂の活躍。「気分はホームステイアキラだ! 行くぞ,立ち白虎!」(しゃがみ状態からしか出せないはずの白虎双掌打を立った状態から出すテクニック)とかけ声は勇ましいものの,なかなかうまくいかないようだ。第1ラウンドはなんとドロー。互いに体力をかなり減らしあった状態だけに,かなりの偶然だ。
第2ラウンドは下田さんの開幕サマーソルトキックを齋藤氏が回避。気をよくしたのか,「当て身!」と叫びつつ当て身技を試みる。勿論当て身技は相手の技を読んで出すものなので,自分で叫んでしまったら意味がない。下田さんは冷静に齋藤氏の当て身技の合間に打撃を入れて2ラウンド目を見事獲得。さらに会場から再びわき起こった「あさぽん」コールに力づけられてか,残るラウンドを立て続けに取って見事勝利。「ばいバーチャ!」という挨拶でイベントを締めくくった。
有名プレイヤーの魅せる試合,そして下田さんと齋藤氏による,上達する楽しさが見えるような組み手。両極端なように見えるが,どちらも「バーチャファイター」だ。今回のイベントは「バーチャファイター」の,魅せる競技としての可能性,そしてさまざまな意味での奥深さを感じさせるものだった。
「バーチャファイター5 ファイナルショーダウン」公式サイト
- 関連タイトル:
バーチャファイター5 ファイナルショーダウン
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