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[gamescom]9周年を迎える「World of Tanks」の現状とこれから。またユーザーコミュニティ支援制度について聞いた
Free-to-Playの長寿タイトルだけに,間欠的にプレイするカジュアルなプレイヤーも少なくないはずで,そういうファンにとっては,新規要素が増えたり減ったりするゲームの現状を追い続けるのは,容易ではない。
というわけで,World of Tanksの現状について,プレイヤーコミュニティの活動支援などを含めて,World of Tanks Publishing DirectorであるMax Chuvalov氏に話を聞いてみた。
「World of Tanks」公式サイト
4Gamer:
「World of Tanks」はずいぶん長期間にわたってサービスが続いていますが,現状についてどのように考えていますか。
Max Chuvalov氏(以下,Chuvalov氏):
良い状態にあると把握しています。地域による差は生まれていますが,全世界的に見ると,今年の夏までの数字は昨年同期に比べて良くなっています。
技術的な面では,BOTの研究が急速に進んでいます。BOTをコントロールするAIの能力がどんどん高まっているので,多くのテスターから「このBOTは強いね」という評価をもらっています。
4Gamer:
ゲームモードについて,昔よりも減って寂しいという意見を耳にすることがあります。これについてはいかがですか。
Chuvalov氏:
そうですね,減っているものもありますが,その一方で新しく始めたモードがとても好評だという側面もあります。
中でもバトルロワイヤルモードが非常に人気で,最初はエイプリルフール企画だったんですが,今では「20人が参加するFree for All」として定番コンテンツになりました。もちろん,大規模戦闘である「フロントライン」モードも好評です。
World of Tanksは,プレイスタイルによって楽しみ方が変わります。現状のゲームモードは,さまざまなプレイスタイルに対応しているので,いろいろな楽しみ方が可能になっていると思います。
4Gamer:
World of Tanksは,ゲームを始めたばかりの段階では狭いマップの戦いを経験して,次第にバトルのコツを理解していけるようになっています。しかし,それでもなお「マップが広くて,どう戦っていいのか分からない」という意見を耳にすることがあります。例えば,もっと狭いマップで,少人数で戦うといった入門用マップを増やすといった考えはありますか。
Chuvalov氏:
その問題はこちらでも把握しており,もっと手軽にゲームの基礎を学べるような場を作っていきたいと思っています。ただ,それをいつ発表できるかまでは言えない状況ですね。また,マップの追加については現在,バトルロワイヤルモードなどの特殊なマップ制作に注力しているところです。フロントラインも同様ですね。
とくにフロントラインモードは現状,マップが1つしかないので,新マップを追加したいと思っています。こちらは,もうすぐにでも実装されます。
4Gamer:
フロントラインモードのマップが増えるのは嬉しいですね。
ところで,World of Tanksに装輪車両が追加されましたが,このような高機動,小型,軽装甲タイプの車両は,「ものすごく大好き」という人もいれば,反対に「すごく嫌い,憎たらしい」と感じる人も少なくない,反応が両極端に分かれやすいカテゴリーだという気がします。コミュニティの反応はいかがでしょうか。
Chuvalov氏:
ご指摘のとおり,反応は完全に両極端です。
ただ,World of Tanksにとって装甲車は完全に新しい要素で,「完全に新しい要素」を追加したときは必ず賛否両方が出てきますし,それは往々にして極端になりがちです。
ともあれ,装輪車両がゲームにどのような影響を与えているのかについては,数字をしっかり見ながら,分析と調査を進めています。そして,マズい数字が出ているのであれば,その点については修正を行っています。
今のところ装輪車両の問題として把握しているのは,フロントラインモードで装輪車両が強すぎることです。フロントラインモードはマップが広いので,高機動であることのメリットが,あまりにも強烈に効きすぎているんですね。これについては,修正予定である旨のアナウンスもしています。
4Gamer:
World of Tanksは競技性の高いゲームですが,同時に趣味性の高いゲームでもあると思います。世界中の戦車ファンの心を掴んでいるのは,その趣味性と,こだわりの強さではないでしょうか。それだけに,もうちょっと気軽に,例えば「地域のWorld of Tanksファンが集まって,戦車とゲームをネタにして遊ぶ」といった,小さなイベントをができたらなと思うこともあるのですが……。
Chuvalov氏:
素晴らしい意見ですね! そして,実はまもなく,まさに言われたような小さな集いをサポートするプログラムが動こうとしているんです。
これまで我々はプレイヤーを主体とした活動,例えばJapan User ChampionshipやC4Lanパーティなどを,コミュニティと協力して支援してきました。それらを通じて得られたフィードバックは非常に多く,我々はそれらに基づいて,すべてのプレイヤーに対して開かれたコミュニティ支援プログラムを開始することにしたんです。
APAC地域においては,他国に先駆けて日本が最初の実施国になります。日本オフィスからの正式なアナウンスが9月2日にありますので,そちらをお待ちください。
また,これまで行ってきたようなプレイヤー・ギャザリングは,今後とも日本全国を舞台として行っていきます。こちらにもご期待ください。
4Gamer:
重要な情報を,ありがとうございます。最後に,今後の予定を教えてください。
Chuvalov氏:
夏のWorld of Tanksはイベント盛りだくさんです。直近で言えば,9月にはTank Raceイベントが始まりますね。今後の長期的なイベントのロードマップも完成していますので,順次お伝えできるでしょう。また,開発側は現在,バトルロワイヤルモードに力を入れています。
4Gamer:
ちょっと遠い話ですが,2020年はオリンピックイヤーです。しかし,東京に住むゲーマーである私は,できればこの時期,一歩も外に出ずにWorld of Tanksを遊びたいと思っています。というわけで,このタイミングに合わせたイベントの予定はありますか。例えばワールドカップの時期にはTank Soccerがあり,大いに盛り上がりました。
Chuvalov氏:
……ああ,そうなんですか(苦笑)。もちろん,オリンピックイヤーに向かっての予定は立てていますがまだ具体的にどうこう,というお話はできません。期待してお待ちください。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。
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