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  • Wargaming.net
  • 発売日:2011/04/12
  • 価格:基本プレイ無料+アイテム課金
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印刷2012/08/14 13:45

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[Gamescom]「100%のF2Pが必勝のコンセプト」だ。WargamingのCEOがGDC Europeの基調講演で熱弁をふるう

画像集#003のサムネイル/[Gamescom]「100%のF2Pが必勝のコンセプト」だ。WargamingのCEOがGDC Europeの基調講演で熱弁をふるう
 もともとコア向けのストラテジーゲームのメーカーとして知られていたWargaming.netは,2010年にロシア,2011年には欧米でローンチを果たしたFree-to-Play型のオンラインゲーム「World of Tanks」が大きなヒットとなり,現在も成長を続けている気鋭のメーカーだ。ベラルーシという,ゲーム開発においては“辺境”とも言える地域を基盤にする同社は,この2年で120人から1000人を超える従業員を抱えるほどにまで膨れ上がり,世界11か国にオフィスを構えている。中国にも進出を果たしており,今年は2億ドルもの収益が期待されているという。

Wargaming.netを率いるヴィクトル・キスリイ氏。世界11か国に開発拠点や支局を持ち,「あとブラジルにオフィスがあれば,“日の沈まない会社”を運営できる」と意気揚々と話す
画像集#002のサムネイル/[Gamescom]「100%のF2Pが必勝のコンセプト」だ。WargamingのCEOがGDC Europeの基調講演で熱弁をふるう
 そんなWargaming.netを率いるCEO,ヴィクトル・キスリイ(Victor Kislyi)氏が,ドイツ現地時間の8月13日よりスタートしたGDC Europeにおいて,「World of Free-to-Play」(Free-to-Playの世界)というタイトルで基調講演を行い,「100%のF2Pへの移行こそが必勝のコンセプトだ」と,そのビジネスモデルの有効性を説いた。

 キスリイ氏は,パッケージを販売するという旧来の欧米型MMORPGのようなビジネスモデルは,すでに過去のものだという。80ドルや300ドルという限定版を購入するようなマニアもいるが,続編ばかりが目に付くことからも分かるように,新たな市場は開拓できていない。ゲームのパッケージ代金を払い,さらに最初の1か月分が無料になったとしても,多くのプレイヤーは2か月目からの月額料金を払わないし,その後どれだけゲームを改善しても戻ってくることはほぼない。
 その一方で,高価な限定版を購入する人が後を絶たないように,月額料金以上のお金を払ってでもゲームに没入したいというプレイヤーからの潜在的な収入源のチャンスすらも,旧来のビジネスモデルは潰してしまっているというのである。

 また,「こうしたハイブリッド型の中途半端なビジネスモデルは,パッケージビジネス時代の思い出から,感情的に離れられない古い世代のプロデューサー達の悪い判断だ」とキスリイ氏は一刀両断にする。プレイヤーがゲームに接続した瞬間から,自分達のゲームのコンテンツの一部を隠すことなくすべてを見せることで,よりプレイヤー達からの信頼を勝ち得ることができるというのがキスリイ氏の主張するところだ。

「ローンチ初日がゲームのスタート地点」というキスリイ氏は,その運営者としてゲーマーのサポートから広報活動,そして法的な準備まで,越えなければならない難題も少なくないと,F2Pビジネスの難しさを解説した
画像集#004のサムネイル/[Gamescom]「100%のF2Pが必勝のコンセプト」だ。WargamingのCEOがGDC Europeの基調講演で熱弁をふるう

 キスリイ氏の話を「勝者の理論」と断ずるのはたやすいが,Wargaming.netの進んできた道は,決して平坦なものではなかったらしい。「アジア風なF2Pゲーム」という先入観から,欧米のメディアにはチープなゲームであるとしか見てもらえず,広報活動はなかなかうまくいかなかった。また,マニタリゼーション(収入源の確立)は,ゲーマーの評価と収益の微妙なバランスの上に成り立っているため,その調整も非常に難しいものであったという。しかし,そうした努力を重ねていくことにより,5年,10年とファンに愛されるゲームを作れるとキスリイ氏は信じているとのことだ。

World of Tanksは,じっくりと楽しめばゲームの腕前が上がるスキルベースのゲームでもあり,お金を使わずとも時間をかけて必要なものを揃えることもできる。こうした透明性のある運営方法が,ゲーマーの支持を得る理由の一つであろう
画像集#006のサムネイル/[Gamescom]「100%のF2Pが必勝のコンセプト」だ。WargamingのCEOがGDC Europeの基調講演で熱弁をふるう

 日本など,アジアのオンラインゲーム市場からしてみれば,とっくに誰もが知っているようなビジネスモデル論といえるが,このような話が「GDC Europe」の基調講演で語られるということは,欧米がまだFree-to-Playになじんでおらず,苦労しているところが多いということだろう。
 今年は,「World of Warplanes」のローンチが控えており,さらには「World of Warships」,そしてブラウザ版「World of Tanks: Generals」も発表されたばかり。Wargaming.netは,今後も欧米でのF2Pモデルの旗振り役として,その存在感を示していくことになりそうだ。

1988年に設立され,Square-Enixからリリースされた「Order of War」などのパッケージ作品で知られるWargaming.netだが,「World of Tanks」一作だけで,業界にその名を轟かせた。今後は,シリーズの姉妹品も次々と投入される予定だ
画像集#005のサムネイル/[Gamescom]「100%のF2Pが必勝のコンセプト」だ。WargamingのCEOがGDC Europeの基調講演で熱弁をふるう

(公式情報)
http://www.wargaming.net/
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