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[TGS 2011]KONAMIの「Never Dead」ステージイベントレポート。軽妙なトークでゲームの魅力を紹介。中島 愛さんも登場
東京ゲームショウ2011,一般公開日初日となる2011年9月17日,KONAMIが行った「NeverDead」(PlayStation 3/Xbox 360)のスペシャルステージをレポートしたい。
ステージでは,本作のプロデューサーである野尻真太氏と,サウンドプロデューサーのDes-ROW氏がNeverDeadのどこが魅力的なのかを,実機によるデモを交えつつ説明するはずだったのだが,フタを開けてみれば,ウソとも真実とも取れない発言が飛び交い,それに対して司会の森 一丁氏が軽快なノリのツッコミを入れ,本作でニキ役を演じる声優の中島 愛さんが明るく笑うという,なごやかなムードで進んだイベントになった。
野尻真太氏 |
Des-ROW氏 |
「NeverDead」公式サイト
KONAMI東京ゲームショウ2011 スペシャルサイト
オープニングでは,登壇者の紹介の前に森 一丁氏がゲームの特徴を一言でサラリと語ったのだが,これがいきなり「主人公の首が××」「足が××ても戦い続ける」とひたすら「ピー」という音が入り,NeverDeadの過激な設定を強調するような演出で幕を開けた。
企画,脚本,そしてプロデュースまですべて野尻氏が手がけたという本作のコンセプトは「NO DEATH」,そして「NO RULE」で,手が取れようが,頭と体が分離しようが,けっして死なない主人公のブライス・ボルツマンの,肉を切らせて骨を断つ……もとい,肉も骨も切らせて相手を倒すアクションがウリだ。
野尻氏によれば,最初に「不死身の主人公」という設定を思いつき,ダメージを食らってでも敵を倒すという大まかなデザインを社内でプレゼンしたときは,出席者全員が「何を言っているんだ君は」状態だったという。しかし,「まあ,作ってみようか」という流れになったそうだ。
開発はイギリスで行われており,単身イギリスに飛んだ野尻氏以外は日本人が一人もいない環境でのゲーム制作である。ゲームデザイン自体は,主人公が経験値を集めて成長してアビリティを付け……と,洋ゲーアクション的な見た目に反し,RPG要素の強い日本的な内容になっているという。
ここで,本作の主題歌を担当する世界的ロックバンド,MEGADEATHによる書き下ろし主題歌の紹介と,MEGADEATHからのメッセージビデオが上映された。MEGADEATHに対して,Des-ROW氏は1年以上前から「こういう曲がほしい」とアタックしていたそうだが,OKが出たのは2011年の3月〜4月あたりと,かなりギリギリだったという。もっとも,MEGADEATHが持ってきた曲は,一発で採用が決まったそうだ。
その後,ステージはゲームの内容紹介に入っていった。野尻氏の説明によれば,かつて主人公ブライスはデーモンハンターとして戦っていたが,魔王「アスタロテ」との戦いに敗れた際に妻を殺害され,不死身になるという呪いをかけられてしまう。それ以降,不死身の体で500年間暮らしてきた――というのがストーリーの大枠だ。
続いて,キャラクター紹介。ゲームには,上記のように若くてイケメンのブライスと,500年後の,ちょっとしょぼくれたブライスが登場するが,声優の白熊寛嗣さんに声を当ててもらったところ,両者の違いをバッチリ表現してもらえたそうだ。
主人公のパートナーであるアルカディア・マクシミルは,野尻氏によれば「性格はきついが,ちょっと好意をかけるとキャッ,みたいな,私好みの……いえ,一般的な好みのキャラクターに仕上がっています」とのこと。
もう一人の不死身のデーモンハンター,アレックスについては「(声優の)若本規夫さんをイメージして(シナリオを)書いたんですけど,アドリブが入りまくって,若本さんが発した言葉をシナリオに起こしていった」とのこと。いずれも,開発現場の裏事情が垣間見えるエピソードだ。
アイドルデビューを控えているという設定のニキには,ゲーム内で歌うデビュー曲が用意されている。作曲はDes-ROW氏だが,歌うのがとても難しい曲だったそうで心配していたが,中島さんは完璧に歌いあげてくれたという。この曲の感想について,中島さんは「音程の幅が広くて難しかったです。とにかく音が高く,裏の一番高いところを使ったりして,今まで出したことがない声を出しました。それに,ここまでダンサブルな曲は経験がなくて,どんな声でいこう,などいろいろ悩みました」と苦労を明かした。子供らしさの残るニキが大人っぽい歌を歌うという部分についても,大人っぽさと子供っぽさのバランスが難しかったそうだ。
野尻氏はニキに関して「最初は大声で叫んだりツンツンしているけど,根はいい子なので,だんだん変わっていく感じを出してほしい」というリクエストを出していたそうだが,中島さんは,その要求に見事に答えてくれたと語った。
キャラクター紹介が終わったところで,実機デモを用いた解説が始まった。まず「主人公が不死身とはどういうことなのか」を実演すべく,敵の攻撃に積極的に当たりに行くのだが,悪魔の攻撃を受けた途端ブライスの手がポロッ。人形かプラモデルのようにパーツがポロポロ落ちるが,近づいて拾えば再装着が可能だ。あるいは拾わなくてもそのうち再生するらしく,残ったパーツが頭だけになっても元に戻れる。
さらに,自分で腕を外して投げるといったこともでき,投げ込んだ腕に悪魔が集まってきたところをまとめて倒すことも可能だとか。門が閉じていて入れない施設に,頭だけ取り外して投げ込み,噴水の勢いで屋上に飛び上がり,そこで再生して乗り込むなど,今までのゲームでは見たことのないようなアクションは,まさに「NO DEATH」「NO RULE」のコンセプトどおりだ。
ブライスが使用する武器は,バタフライブレードという剣と銃の二種類だが,不死身を利用した攻撃のバリエーションもある。デモプレイで確認できたのは,燃え盛る炎の中に飛び込んで全身に火がついた状態でのみ使用可能な,「ファイアーバレット」で,敵を燃やす炎の銃弾が撃てるようになる。
まさに無敵といった感じのブライスだが,ゲームオーバーがないわけではない。例えば,ブライスに同行するアルカディアがダメージを受け続けて死んでしまうと,そこでゲームは終了だ。不死身のプレイヤーがいかにパートナーをかばって進んでいくかが攻略の鍵となるだろう。
中島さんが演じるニキは,マルチプレイには登場しないらしく,そのことについて野尻は「未成年なので武器を持っちゃいけないんじゃないかなって……」と述べたが,ここで中島さんに懇願されて,ニキでも遊べるように前向きに検討するという発言をする一幕もあった。
ゲームのフィーチャーを一通り紹介し終えたところで,デモプレイは終了。森 一丁氏がDes-ROW氏に現在の完成度を聞いたところ「,30……いや35%くらいですかね」。完成度の低さを森 一丁氏に突っ込まれると,野尻氏が「45%くらいですかね」と答えたが,それでもまだ半分以下のようだ。
最後にゲストの3名がそれぞれがNeverDeadに関するメッセージを語ってイベントは幕を閉じた。野尻氏,Des-ROW氏の両名ともゲームの出来についてはかなり自信を持っている様子。この冬発売予定の本作,今後公式Twitterとfacebookで順に新情報を公開していくそうなので,こちらもぜひチェックしてほしい。
出演者からのメッセージ
Des-ROW氏
「イギリス人のスタッフと一緒に作っているので,言葉の壁などもあり,かなり大変な思いもしていますが,でも,好きにやらせてもらってもいます。俺の大好きなサウンドを全開に盛り込んでいますんで,ぜひ楽しんでくれたら嬉しいと思ってます」
中島 愛さん
「NeverDeadは,アクションはもちろんなんですけど,物語を含めていろんな角度から楽しめるゲームだと思います。私も,声と歌両方で参加させていただけて,本当に嬉しいので,ぜひ発売を待っていてほしいと思います」
野尻真太氏
「ちょっと危険でバカなゲームっていう印象を持たれたかもしれませんが,実は結構シリアスな熱い話で,ニキもストーリーの鍵を握ります。今は言えませんが,そこに期待していただきたいと思います。この冬,PlayStation 3とXbox 360で発売されますので,よろしくお願いします」
KONAMI公式facebookページ
→公式Twitterアカウント
@NeverDead_jp
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