イベント
2012年発売予定タイトルに加え「モンスターハンター 4」の発表も! 「Nintendo 3DS Conference 2011」詳報レポート
会場では,ゼルダの伝説 スカイウォードソードのムービーが上映されたのち,任天堂の宮本 茂氏が剣と盾を装備した姿で登壇。「アメリカだと,よくこういう格好で出るんですけれども,日本だとちょっと恥ずかしい」と話し,会場の笑いを誘った。
続いて,改めて「ゼルダの伝説」シリーズが第1作から数えて25年を迎えたことを語り,記念企画の具体的な内容を紹介したいと述べた。宮本氏によると,2011年10月10日に東京フィルハーモニー交響楽団の演奏によるコンサートが開催され,続く10月14日には「ゼルダうごメモコンテスト」審査結果が発表されるとのこと。
なお,ゼルダうごメモコンテストは9月9日に応募を締め切っており,現在審査が進んでいる。
続いてゲームボーイ アドバンス用としてリリースされていた「ゼルダの伝説 4つの剣」をニンテンドーDSi/3DS用のDSiウェアとしてリリースすることが宮本氏の口から語られた。一定期間無料でダウンロードでき,キャラクターを切り替えることで,一人でもプレイ可能にしたとのこと。ただし宮本氏は,「やっぱり,このゲームは複数で声を掛け合いながら遊んでほしい」とも付け加えていた。
宮本氏によれば,このタイトルでは方向を考えながら剣を振ったり,タイミングよく盾を構えて敵の攻撃などを弾く必要があるという。またタイトルどおり,天空に剣をかざすことでパワーを集めることも可能だ。さらに宮本氏は,Wiiリモコンプラスとヌンチャクを手に持つと,自然に身体が動いてしまうと話し,実際に両手を使って縦横に回転切りする様子を披露した。モーションプラスの機能により,戦いながらアイテムを切り替えることも簡単にできるようになったそうだ。
さらに宮本氏は,ゼルダの伝説 スカイウォードソードは壮大な物語であると述べ,総勢100名を超えるスタッフにより5年もの歳月をかけたことを明かした。なお宮本氏自身が行ったテストプレイの時間は過去最長の数百時間におよんでいるそうだ。
宮本氏は「過去最大の制作規模となった今作は,内容の濃密さと多彩さにおいて“超弩級”」と表現した。
戦闘の映像では,敵が持っている木の盾を切り刻めることや,敵がガードしてくる様子などを紹介。さらに「今回の目玉」として新ボス「リダ姫」の映像も披露された。この新ボスは優れた剣の使い手で,宮本氏自身もかなり手こずるそうだ。
そのほか,剣で文字を書いたり,天空のパワーを集めて謎を解いたりする様子も登場した。
また,フックショットの連続使用や弓矢のエイミングは直感的に操作でき,今まで以上に容易に扱えるという。そして,砂や敵を吹き飛ばせる新アイテムや,攻撃/偵察に使う虫型ロボット「ビートル」などの新アイテムも紹介された。
さらに宮本氏は,空の世界では,リンクが赤い鳥「ロフトバード」に乗って移動することを紹介し,ゲームには100分にもおよぶカットシーンがあると付け加えた。総プレイ時間は50〜100時間に達するが,エンディングを迎えたあとも,ボス専用バトルなどで楽しめるそうだ。
また「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」と同じヒントシステムを採用し,初心者がゲームに詰まることのないよう配慮もなされているという。
続いて,任天堂 取締役社長 岩田 聡氏が登壇。ニンテンドー3DSの今後の展開を語る前に,まず2011年末までに発売されるWii用タイトルを紹介した。
・9月15日「ドラゴンクエストI・II・III」
・10月13日「JUST DANCE Wii」
・10月20日「ゴーバケーション」
・10月27日「星のカービィWii」
・11月23日「太鼓の達人Wii 決定版」
・11月23日「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」
・12月1日「いただきストリート Wii」
・12月8日「マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック」
・年内予定「ポケパーク2」
岩田氏は「JUST DANCE Wii」について,「みんなのリズム天国」に続くヒット作にしたいという。また,ゼルダの伝説 スカイウォードソードは,通常パッケージのほか,ゴールド仕様のWiiリモコンプラスと,上記の25周年記念コンサートのスペシャルCDをセットにした「25周年パック」を数量限定販売することも明らかにした。このスペシャルCDは2011年内生産分に限り,通常パッケージにも付属するそうだ。
岩田氏は「Wii用タイトルの発売間隔が開いたことで,ご心配をおかけしましたが,これから年末にかけて昨年以上の数の新作ソフトが出ます。Wiiは『みんなのリズム天国』がそうだったように,魅力的なソフトが出たとき,幅広い層のお客様に長期間楽しんでいただくチャンスが生まれます。これらのソフトが多くのお客様に楽しんでいただけるよう,年末商戦を盛り上げていきます」と意気込みを述べた。
それから,ニンテンドー3DS用タイトルの紹介に移っていったが,岩田氏はまず,WiiおよびニンテンドーDSそれぞれのユーザーの男女比がほぼ半々であることを紹介。その一方で,ニンテンドー3DSではまだ男性の割合が多いことを指摘し,女性ユーザーに訴求すべく新色ミスティピンク(関連記事)の本体を,2011年10月20日に発売するとした。岩田氏は,この新色と,これから紹介する新作タイトルによって,男性女性,バランスよく訴求していきたいと展望を述べた。
岩田氏は,2011年11月には本体更新を予定しており,3DSカメラでの3D動画撮影機能,現在の「ピースあつめの旅」「すれちがい伝説」に次ぐ「すれちがいMii広場」の強化,ニンテンドーeショップの改善など多くの機能が追加されることを明らかにした。それぞれの詳細は,追って発表されるという。
いよいよ話題はニンテンドー3DS用タイトルに。
岩田氏は,任天堂が販売するタイトルとして,まず2011年11月3日発売の「スーパーマリオ 3Dランド」を紹介。今回は3D立体視が加わり,コースもシステムも完全新作とのことだ。また,3D立体視でプレイするマリオは難しいと感じる人もいるようだが,ステージ構成やカメラコントロールを工夫して,初心者から腕に覚えのあるファンに至るまで,誰でも楽しめるものに仕上がっていると話す。
宮本氏も,これまでの3Dマリオが抱えていた課題を解決し,「新しいマリオ」だという手応えを感じていると話しているそうだ。
岩田氏が続いて紹介したのは,12月1日発売の「マリオカート7」。レースの世界は地上だけでなく空中にも広がり,またカートのフレーム/タイヤ/グライダーを組み合わせて自分好みのカスタムカートも作れる。
さらに60fpsの実現にもこだわるなど,ニンテンドー3DSの立体視の恩恵を最大限に受けられるようなっている。
最大の魅力である対戦に関しては,ローカル通信だけでなくWi-Fiを介したインターネット通信にも対応し,最大8人での対戦が可能。フレンドリストを使い,自分のフレンドが遊んでいるところに合流する機能も新たに加わった。
「ペーパーマリオ」は,3D立体視との相性が非常に良いとのこと。重なり合う表現がやりやすいと同時に,新たなギミックが生まれ,ゲーム性の拡張につながっているそうだ。
「ルイージマンション2」は,11年ぶりのシリーズ新作。バリエーション豊かな複数のマンションを舞台に,臆病なルイージが懐中電灯を使って棲みついたオバケを退治していくという内容だ。
「マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック」は,2011年末のWii版に続き,2012春に3DS版をリリースする予定だ。3D映像とジャイロセンサーなどを使った,新しいゲーム性を提示すべく,セガとの共同開発に取り組んでいるとのこと。
続いて岩田氏は「どうぶつの森」を紹介。岩田氏は,どうぶつの森はニンテンドーDSで大きく成長したタイトルとし,2012年にニンテンドー3DSで一層パワフルになるはずだと述べる。
今回は村長になって村おこしもできるとのことで,家だけでなく村を飾ることも可能になる。前作同様,ローカル通信とWi-Fiに対応していることに加え,すれちがい通信では,すれちがった人の家を住宅展示場のモデルルームとして見ることができるという。
「ガールズモード」も,ニンテンドー3DSの表現力でファッション要素をよりリアルに再現。バッグやメンズウェアなどアイテムも増え,これまで以上のコーディネートが楽しめる。ショーウインドウや自分の部屋の飾り付け,通信機能など,前作にはなかった機能も多数追加されるという。岩田氏は,「女性のオシャレに対するあらゆる欲求に応える」と表現し,女性ユーザーへの訴求に期待を寄せた。
さらに岩田氏は,「上記のタイトルに興味がない人に向けて」と前置きし,4本のタイトルを紹介した。
パリティビットの園部氏が手がける「カルチョビット」は,サッカーチームの監督となって,世界一を目指すゲームだ。全国の市町村から自分の本拠地を決めて代表権を争ったり,非同期対戦などのネットワークを使った楽しみも充実している。
ボードゲームとトレーディングカードゲームをミックスさせた大宮ソフトの「カルドセプト」は,シリーズ初の任天堂販売となり,ネットワーク機能を充実させたうえで,初めての人でも楽しめる新仕様を盛り込んだ。岩田氏は,「間口の広さとゲームの深さを両立させた内容になっている」と説明した。
「憑いてる手帳」は,コーエーテクモゲームスの零シリーズのチームと開発中の新規タイトルで,ARを活用するホラーゲームだ。
シリーズ最新作となる「ファイアーエムブレム」(仮題)は,久々の完全新作で,シリーズ初となる「仲間と二人で協力して戦える」モードを用意。過去作品で好評だった要素も強化しているとのことだった。
任天堂以外のゲームメーカーからリリースされるタイトルとしては,まずコーエーテクモゲームスの「真・三國無双 VS」が紹介された。一騎当千の無双アクションで,プレイヤー同士の4人対戦が可能だ。発売は2012年を予定している。
スクウェア・エニックスの新作RPG「BRAVELY DEFAULT」は,正統派/王道の原点回帰的な内容で,ARを利用した面白い仕掛けもあるという。
2011年12月22日発売の「Gジェネ」シリーズ最新作「SDガンダム Gジェネレーション 3D」には,歴代シリーズからモビルスーツやエースパイロットが登場。最新の「機動戦士ガンダム AGE」からも参戦する。
2012年3月発売予定のセガの「初音ミク Project mirai(仮)」は,ねんどろいど初音ミクが歌って踊るというもの。収録楽曲は20曲以上で,ARコンサートを使うことで,お気に入りの場所でライブが楽しめる。
そのほか,以下のラインナップが紹介された。
・11月2日「スライムもりもりドラゴンクエスト3 大海賊としっぽ団」
・12月8日「NEWラブプラス」
・2011年内「ガールズRPG シンデレライフ」
・2012年初頭「バイオハザード リベレーションズ」
・今冬予定「ACE COMBAT 3D CROSS RUMBLE」
・今冬予定「TEKKEN 3D PRIME EDITION」
・今冬予定「シアトリズム ファイナルファンタジー」
・今冬予定「METAL GEAR SOLID SNAKE EATER 3D」
なお,残念なことに2011年発売予定だった「新・光神話 パルテナの鏡」は,2012年第1四半期の発売に延期されてしまった。その代わりというわけではないが,プロダクションI.G,スタジオ4℃,そしてシャフトによる「パルテナの鏡」オリジナルアニメを3Dアニメとしてネット配信する予定とのことだ。
また,この発表会で紹介されたものを含めた全28タイトルの新作3D映像が,ニンテンドーeショップを通じて配信されることも明らかになった。岩田氏は,ぜひ3D立体視でどう見えるのか確認してほしいと話していた。
発表会の終盤には,「モンスターハンター3(トライ)G」の水中狩猟シーンなどを交えた映像が公開され,同タイトルのプロデューサーを務めるカプコンの辻本良三氏が岩田氏に招かれて登壇した。
辻本氏は2009年にWiiで発売した「モンスターハンター 3」に,さまざまな要素を付け加え,携帯機でもう一度遊んでもらいたいとの思いからモンスターハンター3(トライ)Gを制作したと述べる。
さらに辻本氏は,具体的な内容として,G級クエストが追加されたこと,シングルモードに上位クエストと新たなストーリーを追加したこと,そして集会所の役割を果たす港を新設したことを紹介した。もちろん完全初登場となる新モンスターもおり,これは今までにない攻撃的な性格になるとのこと。
岩田氏が,ニンテンドー3DSの性能が引き出された同タイトルの映像を賞賛し,任天堂ももっと頑張らなければいけないという感想を述べると,辻本氏も,開発チームが日々力を注いでおり,3D立体視の映像にも期待してほしいと答えた。
辻本氏が言うもう一つの映像とは,なんとなんと4(「モンスターハンター4(仮題)」)のもののもの。ティガレックスとリオレウスに挟み撃ちにされたハンターが逃げ惑うという内容で,ティガレックスが,ハンターの登っている柱を壊したりなど,高低差のあるフィールドでのアクションが紹介された。
岩田氏は,カプコンが同タイトルをニンテンドー3DS用として鋭意開発中であることを改めて発表するとともに,「ニンテンドーDSは広く普及したが,すべてのゲームファンを満足させるには至らなかった。ニンテンドー3DSでは広さと深さを両立し,あらゆるゲームファンを満足させるプラットフォームを実現したい。この目標は高いハードルだが,2011年末から2012年にかけて用意した,これまでにない充実したラインナップをもってニンテンドー3DSをDSの後継機としてしっかり育てていく」と力強く宣言し,カンファレンスを締めくくった。
- 関連タイトル:
ゼルダの伝説 スカイウォードソード
- 関連タイトル:
モンスターハンター3(トライ)G
- この記事のURL:
(C)2011 Nintendo
(C)CAPCOM CO., LTD. 2009, 2011 ALL RIGHTS RESERVED.