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[E3 2011]「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」プレイアブルデモレポートを掲載。いざ,剣術と謎解きに満ちたゼルダワールドへ
任天堂公式サイト「E3 2011情報」
今作のリンクは馬ではなく鳥に乗る
まず1つめのデモは「BIRD RIDE」。昨年公開されたトレイラーの最後は,リンクが空に向かってダイブするシーンで締めくくられていたのだが,このデモの冒頭では,まさにこのシーンを体験することができる。またゲーム中で“ゼルダ”と呼ばれている竪琴を持った少女が登場するのもこのデモである。
このデモの中でプレイヤーがやることは簡単で,村の若者達と一緒に空へとダイブすれば良い。そして「ゼルダの伝説 時のオカリナ」でエポナを呼ぶときの要領で,落下しながら口笛を吹けば,呼び出した鳥がリンクをキャッチしてくれる。うまく騎乗に成功したら,今度は目標となる黄色い鳥を追いかけていく。鳥に近づいたところでAボタンを押せば,目標の鳥のキャッチに成功し,無事クリアとなった。
ここでの操作方法は,Wiiのコントローラを鳥に見立て,コントローラの先が向く方向に旋回,上下に振ることで羽ばたいてスピードアップできるほか,上昇してから急降下することでも加速できる。Aボタンはダッシュ(?)で,連続で3回まで急加速が可能だ。一定時間が経過すれば,使用回数も徐々に回復していくので,この辺はエポナの操作方法にも通じるところがある。
ちなみにこのシーンは,物語的には憧れのゼルダ姫をかけた勝負ということになっていて,一緒にダイブした若者達は,当然リンクの邪魔をしてくる。目標の黄色い鳥は,「bird statue(鳥の像)」を持っていて,上手くそれを手に入れた者が勝者というわけだ。最後は喜んだゼルダが,リンクのところにダイブしてきてエンド。2人はかなり仲がよい雰囲気で,本作における2人の関係も気になるところだ。
なお本作のブース上空には,鳥にまたがったリンクとゼルダの巨大オブジェが展示されていた。掲載している写真を見てのとおり,鳥の上でお互いを見つめ合う構図だ。
熱いチャンバラとゼルダらしい謎解き
2つめのデモ「DUNGEON」の舞台となるのは,とあるダンジョンの1区画。ここには複数の敵や,宝を守る固定の中ボスが配されていて,雰囲気としてはE3 2010で公開されたバージョンのデモとよく似ている。中央に塔がそびえ立つドーナツ型の広場の各所に,敵や仕掛けが用意されていて,周囲には閉ざされた扉がある。
ここで試せるのは,一般的な戦闘方法と謎解きの基本部分だ。
マップには上空を飛ぶコウモリと天井からぶら下がるクモ,周囲を徘徊する亜人,そして扉の一つを守る食虫植物が敵として配置されている。蝙蝠などはリンクの攻撃でほぼ一撃だが,クモなどは固い皮に覆われていて,普通の攻撃ではダメージが通らない。そこでまずパチンコなどでクモを支える糸を切り,一度地上に落としてしまうのが良い。ひっくり返せば弱点の腹が見えるので,そこを狙って突きを入れるのだ。またぶら下がった状態でも,振り子のように揺れながら体当たりを仕掛けてくるので,それに合わせて突きを繰り出すことでも倒せるようだ。
このように敵の倒し方は一つではなく,いろいろなやり方があるのが本作の特徴の一つだ。扉の前に多数現れる食虫植物は,一匹一匹倒すほかにも,爆弾を食わせて一網打尽にすることもできる。
とはいえ基本となるのはやはり剣術だ。亜人は,武器の構えを変えながら巧みに防御してくる強敵。相手の防御の隙をつくか,防御を崩して畳みかけるといった戦術が必要になる。Wiiモーションプラスを使った戦闘には,昨年からさらに磨きがかかっていて,かなり高度なチャンバラが楽しめるようになっている。
閉ざされたエリアにいた中ボス的扱いの骸骨剣士などは,二刀流で防御を固めつつ,強力な溜め攻撃を駆使してくる。対応するためには,こちらもより高度な剣術が要求されることになりそうだ。
なお,そこらのキノコなどを試しに切ってみると,ちゃんと斬った角度に応じた切れ目が付く。開発にかなり時間がかかってしまっている本作だが,それもなるほどの芸の細かさといえるだろう。
広場中央の塔の入口は,鉄格子の扉によって閉ざされているのだが,その扉の上にはピンク色のクリスタルが光っている。実はこのクリスタルが扉の鍵になっていて,偵察に使う虫(一定時間自由に操作でき,空中を飛び回って周囲を確認できる)を飛ばし,体当たりさせると扉が開く仕組みだ。
しかし次の扉には,目に見える範囲にクリスタルは見当たらない。代わりに斜め上の壁に二つの穴が空いていて,いかにも怪しい。調べてみると二つの穴は中で繋がっていて,U字型のトンネルになっているようだ。虫を飛ばしてみると,中にクリスタルを発見。「この手の鉄格子で閉ざされた扉には,どこかに鍵となるクリスタルがある」という,基本と応用が学べる仕組みになっている。
そして解いた謎の先には,もちろん新たな敵やお宝が待っている。こうした冒険と発見こそ,「ゼルダ」の楽しさの根本の部分だろう。このデモからは,今回もそうした冒険の数々が待ち受けているだろう予感がひしひしと感じられた。
新しいタイプの敵“ギラヒム”登場
ギラヒム戦冒頭の会話では,どうやら彼,もしくは彼の仲間がゼルダを連れ去ったらしいことが分かる。これは許せんと剣を構えるリンク(筆者)に対し,ギラヒムは「彼女はむしろ我々に近い存在だ」などと謎のセリフを口にする。あまつさえ戦う覚悟があるのかとか,実力を見てやろうとか,とにかく上から目線なのが気にくわない。一刻も早く倒したいところだ。
しかし実際バトルが始まってみると,やはりこの時点のリンクとは格が違う相手であることは間違いないようだ。終始余裕の表情で立ち回り,なんとこちらの剣を指二本で止めてみせる始末だ。それでも連続攻撃などでダメージを与えてやると,ようやく本気を出したのか,どこからか黒い剣を持ちだしてくるのだ。
この状態のギラヒムは,赤い光弾を扇状に放つ遠距離攻撃と,遠方からの突進攻撃という,アウトレンジが中心の攻撃パターンとなる。普通に斬りつけるだけではすべてバックステップやテレポートでかわされ,距離を取られてしまう。ダメージを与えるためには,突進後のわずかな隙を狙うしかなさそうだ。
幸い今回のデモでは,1回まで復活が許されるうえに,周囲のツボに隠されたハートや,山盛りのレッドポーションを使い,ひたすら回復しながらゴリ押しでなんとか倒すことができた。きっともっとスマートな倒し方があるのだろうが,それは発売後の本番でのお楽しみだ。
個人的な印象だが,本作の戦闘は濃密な剣術の応酬が味になっているように思える。Wiiでの前作「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」では,巨大な敵によじ登って攻撃するなど,壮大かつダイナミックな戦闘が繰り広げられたが,それとはまた違う路線になるのかもしれない。
今回のプレイアブルデモは,もちろん全体のほんの一部ではあるのだが,戦闘システムや世界観など,その一端が垣間見えてきたように思う。Round Tableで紹介された精神世界“サイレント”の存在と合わせると,ゲームの雰囲気はぼんやりとだがつかめてきた。
世界観そのものは決して奇抜なものではない。しかしその作り込みは丁寧で,めくるめく冒険の予感を感じさえる。少なくともこれまでのゼルダを楽しんできたファンは安心してほしい。その期待は今回も裏切られることはないだろう。2011年末が本当に待ち遠しい!
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ゼルダの伝説 スカイウォードソード
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