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[E3 2010]Kinectはゲーム作りの常識を覆す? セガのKinect for Xbox 360対応ソフト「ソニックフリーライダーズ」の開発者,森本兼次郎氏に開発秘話を聞いてきた
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印刷2010/06/18 21:16

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[E3 2010]Kinectはゲーム作りの常識を覆す? セガのKinect for Xbox 360対応ソフト「ソニックフリーライダーズ」の開発者,森本兼次郎氏に開発秘話を聞いてきた

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 セガの“Kinect for Xbox 360”対応ソフト第1弾として発表された,「ソニック フリーライダーズ」。
 本作は,主人公のソニックをはじめとするキャラクター達が,“エクストリームギア”と呼ばれるボードに乗ってレースを展開するアクションゲーム。
 今回4Gamerでは,本作のプロデューサー兼ディレクターであるセガの森本兼次郎氏に,Microsoft Kinectという,これまでにない新しい操作を必要とするデバイスへの対応をいち早く決定して開発に着手した経緯や,開発の裏話を聞いてきた。

今回はセガブースでのプレイデモを見せるのみの展示となった「ソニックフリーライダーズ」。それでも多くの来場者が足を止め,デモプレイヤーのアクションとゲーム画面がシンクロするシーンに見入っていた
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 さっそくですが,「ソニック フリーライダーズ」がKinect対応となった経緯を教えてください。

セガ 第二CS研究開発部 森本兼次郎氏
Kinect for Xbox 360専用タイトル「ソニック フリーライダーズ」のプロデューサー兼ディレクターを務める。ソニックチームで,日本国内で開発された「ソニック」シリーズタイトルの多くを手掛けてきた人物。
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森本氏:
 やはり,2009年のE3でProject NatalとしてKinectが発表されて,その革新的な技術を見たことですね。いち早く僕が企画を出して,プロジェクトが動き出しました。

4Gamer:
 「ソニック」シリーズの中でも,なぜ「ライダーズ」をKinect対応タイトルとしてチョイスしたんですか?

森本氏:
 Kinectというデバイスは“直感性”がカギだと感じたので,そこをプレイヤーにアプローチするには,激しいアクロバティックな動きをするアクションゲームのソニックシリーズよりは,“X sports”に近い操作性を持っている「ライダーズ」のアクションのほうが受け入れられるだろう,と考えた結果です。
 企画も最初からこの形でいこうと考えていました。

4Gamer:
 企画のスタートはいつ頃だったんでしょうか?

森本氏:
 ベースのエンジンは「ソニックライダーズ」で使ったものを流用できたので,最初に動くものができあがったのが2009年末です。実質的にプロジェクトが動き始めたのは,2010年の1月ぐらいからです。

4Gamer:
 「ソニック フリーライダーズ」はどんな内容になるんでしょうか?

森本氏:
 トリックを決めることで“エア”というエナジーを獲得できて,それを消費することでスピードアップできます。それを繰り返してレースを展開していくというゲームです。
 基本は「ソニックライダーズ」がベースなので,シリーズのファンの方でしたら,直感的に理解できると思います。

4Gamer:
 タイトルの「フリー」にはどんな意味があるんですか?

森本氏:
 Kinectの操作性において,“自由にコントロールできる”という意味合いを込めて付けたものです。
 既存シリーズの流れを汲みつつ,「フリー」というタイトルをつけたことで,これまでとは違う新しい展開もあるということですね。

4Gamer:
 具体的には,どんな操作方法になるんでしょうか。

森本氏:
 動きによる操作はいろいろ用意していますが,基本的な操作はごくシンプルです。
 スノーボードやスケートボードを考えていただければ分かりやすいんですが,テレビの前に立って横を向くだけで走り出し,ギミックのある場所でタイミングよく前後に体を傾けると,ジャンプをしてトリックを決められます。
 また,スケートボードのキックの動作を行うことで,エアを消費して加速します。このあたりが基本の動作となります。

4Gamer:
 応用の動作ではどんなものがあるんですか?

森本氏:
 ジャンプ中に回転すると,キャラクターも回転してスピントリックとなり,高得点が入ります。
 また,滑走時に正面に対して右を向くか左を向くかでアクションが変わる,といった要素も用意しています。コース取りなどでポジションをスイッチして楽しめるような要素もありますよ。

4Gamer:
 会場でのプレイデモを見ていると,動きがかなり激しそうで,疲れやすいのでは,という印象を受けましたが,実際のところはどうなんでしょうか。

森本氏:
 実は,ブースでは楽しく遊んでいるよう見せるために,あえて大きくアクションをしてもらっていました。
 小さくしゃがんでから立ち上がるだけでジャンプができますし,プレイヤーの体の大きさに合わせて動きの大きさも設定できるように調整しています。実際にプレイをしていて疲れてしまうことはないと思います。

4Gamer:
 Kinectという新しい操作デバイスに対応したゲームを作るうえで,開発で苦労した点はありましたか?

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森本氏:
 初めて触るデバイスで,“コントローラで遊ぶ”という常識を最初に捨てなければいけなかったので,苦労した部分は多かったです。そういう意味では,ゲームの作り方自体に今までの常識が通用しないんですよ。
 また,コンセプトに“直感性”を掲げているんですが,万人が同じ動きをするわけではないので,いろんな人のアプローチに対して,それをソフト側で幅広く吸収してあげられるように,気を遣って開発しています。

4Gamer:
 ちなみに,Xbox 360のコントローラに対応しますか?

森本氏:
 今回はコントローラは一切使わない仕様で,タイトル画面からすべてKinectで操作する形になります。
 Kinectの場合,画面へのポインティングやタッチではなく,体の動きを使ったジェスチャーで操作することになります。これまでのゲームの常識がまったく通じないんですよね。
 さらには,我々独自のジェスチャーに特化してしまうのも厳しいでしょうから,他社さんのタイトルの様子なども見ながら,随時調整していきます。

4Gamer:
 「ソニック フリーライダーズ」のここを見てほしい,という部分はどこでしょうか?

森本氏:
 実は,今回とくにこだわっている部分はマルチプレイなんです。Kinectを使ったリアルコミュニケーションという部分ですね。
 通常のレースでの対戦以外にも,Kinectならではのマルチプレイの新しい形を提供したいと考えています。

4Gamer:
 なるほど。実際にプレイできる日を楽しみに待ちたいと思います。
それでは最後に,読者に向けてメッセージをお願いします。

森本氏:
 E3 2010で発表させていただきました「ソニック フリーライダーズ」ですが,今までのシリーズを遊んでいただいたファンの皆様にも,Kinectをとおして初めて遊んでいただく方にも,いまだかつてない斬新な遊びを提供することができると思っています。Kinectを購入予定の方には,ぜひ本作を手に取っていただきたいですね。

4Gamer:
 ありがとうございました。


(現地時間2010年6月18日収録)
  • 関連タイトル:

    ソニック フリーライダーズ

  • 関連タイトル:

    Kinect

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