インタビュー
本日開幕「GODSGARDEN #4」直前インタビュー。“格闘ゲームの神”ことウメハラに聞く,その見どころとは
前回の「鉄拳6」から,競技種目を「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」(ARCADE / PS3/ Xbox 360 / PC,以下,スパIV AE)へと移し,再び繰り広げられる,スタープレイヤー達の夢の競演。今回はGODSGARDENの代表である稲葉央明氏にも同席いただき,実に2年ぶりの出場となるプロゲーマーのウメハラ氏に,本大会への意気込みや見どころについてうかがった。GODS#4の開幕を心待ちにしているスパIV AEファン,格闘ゲームファン,そして動画勢の皆さんは,観戦の前にぜひご一読を。
“GODSGARDEN”とは
「ストリートファイターIV」シリーズや「鉄拳」シリーズを中心に,定期的なゲーム大会を開催しているプレイヤーコミュニティ。その活動の一端は,Ustreamやニコニコ動画などで見ることができる。そして待ちに待った正式ナンバリング第4回大会「GODSGARDEN #4」が,本日2011年8月20日開幕となる。出場選手は,人気投票によって決定した10名に加え,予選大会で決定した2名の招待選手。そして残る4つの当日予選枠の巡り,17:00から激戦が繰り広げられる予定だ。詳細は,以下の公式サイトを参照してほしい。
■本戦出場選手(12名)
- ウメハラ(ユン)
- ふ〜ど(フェイロン)
- ネモ(ヤン)
- ときど(豪鬼)
- YHC-餅(ダルシム)
- sako(ヤン)
- かずのこ(ユン)
- ハイタニ(まこと)
- あーるえふ(サガット〕
- うりょ(さくら)
- 【名古屋予選 NSB×NSB代表】ももち(ユン)
- 【京都予選 a-cho代表】KOK(フェイロン)
「GODSGARDEN #4」公式サイト
「GODSGARDEN #4」Ustream配信
「GODSGARDEN #4」ニコ生公式配信
「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」公式サイト
※文中の敬称は,一部省略しています。
ウメハラ2年ぶりの参戦となるオフラインGODSGARDEN
4Gamer:
スパIVが競技種目だった前回のGODS#2.5から1年が経ち,GODS#4がスパIV AEで初の開催となります。ウメハラさん自身は,実に2年ぶりとなるオフラインのGODS参戦となりますが,久々の出場に向け,まずは意気込みからお聞かせください。
そうですね。今までオン・オフを含めてGODSでは優勝が一度もないので,そろそろいい成績を出したいなと思っています。最近は国内の大会に出る回数が減っているから,出られる大会ではいい成績を残したいかなと。
4Gamer:
今や一大格闘ゲームイベントとして確立した感のあるGODSですが,その立ち上げにはウメハラさんも深く関わっていると聞いています。GODS立ち上げの経緯や,その意義について,簡単にお話しいただけますか。
ウメハラ:
経緯っていうともう結構前なんで,あまり覚えてないんですが(笑)。簡単に言うとスポンサーが付くことになって,じゃあ大きなゲーム大会やれるね,って感じだったと思います。自分が大会の主催者側になるのは初めてだったし,それなら日本の大会ルールよりも海外ルール(ダブルエリミネーション方式)のほうが実力も反映されやすく面白いので,それを日本でもやってみようと。
大会はやっぱり盛り上がりが一番だと思うんですよね。「誰が強いか」というのは,野試合である程度分かっているので,せっかくやるならなるべくいい試合を残したい。指名制(フォーチュンボックス方式)にしたのは,お互いがこの組み合わせならやってもいいと思える,つまり良い試合になる可能性が,単純なトーナメントをやるよりも高いと思ったからです。
4Gamer:
なるほど,お互い納得がいく形の試合になりやすいと。
ウメハラ:
そうですね。意義に関していえば,日本におけるゲームの地位を上げていきたいというのが主ですね。格闘ゲームが元々好きだった人もそうだし,興味がなかった人にも,何か面白いことをやってるなってお祭り感から興味を持ってもらって,格闘ゲームの楽しさを知ってもらえればいい。それは実際に,ここ1〜2年でかなり変わってきたと感じています。
4Gamer:
ウメハラさん自身がプロになったのも,そういうモチベーションから来たものですか?
ウメハラ:
いや,プロになったのはもっと単純。スポンサーになりたいんだけどってMadCatzから言われたので,じゃあやってみたいなっていう。格闘ゲーム全体とかじゃなかったですね。
4Gamer:
では,あまり深くは考えずに?
ウメハラ:
いざ契約というところまでは,結構悩みましたけど。でも話自体は嬉しかったし,凄く乗り気でした。向こうから提示された条件とかも,これ一本でやってくれとか,そういう拘束されるような重いものではなかったので。
4Gamer:
今ではプロ活動の一環ととして色々活動されていますね。公式twitterも始められましたし。
ウメハラ:
Twitter始めちゃいましたね。いちおう本物です(笑)。あとTシャツとか文庫本の帯とかいろいろ……。
4Gamer:
話題の「デーモン」ですね。実は今日持参させていただいたので,サインをいただいても良いでしょうか。後日読者プレゼントにさせていただきたいので。
ウメハラTシャツ
「EVO 2011」で特別販売されたMeat BunオリジナルのウメハラTシャツが,好評につきネット販売を開始。購入は「こちら」から。
講談社文庫「デーモン」(上下巻)
現在発売中の講談社文庫「デーモン」の推薦文を,なんとウメハラが寄稿。
購入は「こちら」と「こちら」から。なおこちらは,「GODSGARDEN #4」の当日,視聴者プレゼントも予定されているとのこと。
ウメハラ:
わかりました。そういえば今年の「Evolution 2011」(以下,EVO)では,2時間くらいずっとサインをしてて,ほんと大変でしたよ。その時に気づいたんですけど,ときどやマゴのサインが上手くてびっくりしました。とくにマゴのは別格で。普段サインの練習したとかひと言も言わないのに。俺はサインも練習せずにゲームやってるのに納得いかない(笑)。
4Gamer:
サインの練習も,プロ活動の一環としてはサボれませんよね(笑)。ウメハラさんに続けと,ここ1〜2年でどんどんプロゲーマーが増えていますが,この現状をどう見ていますか。ウメハラさんとしては歓迎なんですか?
ウメハラ:
それはもちろん。そもそも一人だけっていうのが無理ありますし。ただ,こんなに早く増えるとは思いませんでしたね。もっと増えてほしいという気持ちもありますが,あまり増えすぎちゃっても,プロとアマの境目が曖昧になるので,ほどほどに。今の人数くらいがちょうどいいのかも。
これまでのGODSGARDENを振り返る
4Gamer:
せっかくなので,これまでのGODSについても振り返ってみたいと思うんですが,とくに印象に残っている試合はありますか?
ウメハラ:
印象に残った試合…そうですね,餅さんと自分の試合かなあ。OnGODS#1と#2ともですが,けっこう対策立てて頑張ったんだけど,ダメだったので。自分以外の試合だと,GODSGARDEN#1のマゴとうりょの試合ですかね。一番最初の大会で東西対決が見れたのは面白かった。
4Gamer:
餅さんとの試合は確かに名勝負でしたね。かなり対策を立てて臨んでいたようでしたが,やっぱりその辺りが面白かった?
ウメハラ:
かなり腹立てながらやってましたけどね。なんでこの技が3F(フレーム)なの?とか(笑)。でも,なんだかんだで面白かったです。リュウvs.ダルシムは,リュウがかなり厳しい組み合わせではあったんですが,いくら乱入しても,餅さんは蹴らずに対戦してくれたので。大会は残念な結果でしたが,対策をしている過程は面白かった。基本的にはその対策がきちんと機能する実感が得られたので,そこは嬉しかったです。
4Gamer:
餅さんとの試合では,やっぱり「ウメハラ乱舞」と呼ばれている1戦が印象的なんですが,あれはやっぱり狙ってたんですか?
ウメハラ:
いや別に。端でセビを見せるところまでは考えてましたけど,ゲージを全部吐いたのは,たまたまゲージがあったからですね。
4Gamer:
え,じゃあ,あのコンボはアドリブですか?
ウメハラ:
そうですね。多分テンション上がってたんじゃないかな? うおー当たったーみたいな感じで(笑)。
4Gamer:
(絶句)……見てるほうはめちゃくちゃ盛り上がりましたけどね。試合後半ということもありましたし。
稲葉氏:(以下,稲葉)
あれ,アドリブだったんだ(笑)。そういえばあの頃は体調もひどかったよね。
ウメハラ:
そう,ちょうどあの頃はね。家庭用でずっと家に篭ってると,やりすぎてしまうのがネックで。ゲームセンターって閉店時間があるのでちゃんと止められるから,生活のリズムを作れるんですよ。家庭用だと相手がいる限りずっとやり続けてしまうんで。加えてストレスとかもあって体調壊しちゃいました。それもあって,今は対戦するならゲームセンターへ行くようにしています。
4Gamer:
そういえば,ネット対戦でときどさんとガチ対戦を連続101戦やったなんてのもありましたね。
ウメハラ:
あのときはガチっていう感覚はあまりなかったんです。数も数えてなかったし,そろそろ風呂に入ろうと思ってたところで,ときどから電話があって「あと数回で100なんですけど,やりましょう」って言われて。でもまぁ普段からあれくらいはやってましたよ。そこまで特別なことじゃないかな。
4Gamer:
ウメハラさんはネット対戦だと,ほぼ待ち受け専門とのことですが,あのときはたまたま?
ウメハラ:
いや,あの頃は結構自分からも入ってたんですよ。でもスパIV AEになってユンにキャラクターを変更したじゃないですか。そうするとユンとやりたくない人は結構いるだろうし,そこまでキャラ対策を煮詰めなくてもよくなっちゃんですよね。キャラが強すぎて。で,待ち受けでやってれば,ユン戦がそれなりに自信ある人,ユンとやっても良いって人が来てくれるので,待ち受け専門になりました。そもそもスパIV AEの家庭用はあまりやってないんです。ほとんどゲームセンターですね。
4Gamer:
ゲームセンターでプレイした後に,家で帰ってやるってこともあんまりない?
ウメハラ:
自分の家ではまったく。知り合いの家がすごく環境整っているんで,対戦してよっぽど気になったことがあれば,ゲームセンターの帰りにその人の家に寄って調べることはありますけど。ただ,この友人の家は俺がどれだけいても何も言わないところがダメです。閉店時間がない(笑)。
4Gamer:
対戦レベル的にはどうなんですか? やはりゲームセンターのほうが熱いとか。
ウメハラ:
うーん,スパIV AEって,やっぱりユン・ヤン・フェイロンじゃないですか。大会上位に来るのも,結局その3キャラが絡むことが多いので,そこの攻略が遅れていたらどうにもならない。で,ホームの新宿がこの3キャラの巣窟になってるので,そういった理由からゲームセンターに行くというのもあります。
豪華な顔ぶれが揃った「GODSGARDEN#4」,その見どころは?
4Gamer:
ではそろそろ今大会の見どころについて伺っていきたいと思います。ウメハラさんから見て,今回の招待選手の中で,とくに注目しているプレイヤーはいますか?
招待選手の中だと,sako(ヤン)さんとうりょ(さくら)は対戦したことがないので,どういうプレイをするのか気になりますね。2人とも動画ですら見たことないので。
4Gamer:
sakoさんはXbox 360版をプレイしているそうですが,ネット対戦でマッチングしたこともない?
ウメハラ:
ないですね。多分sakoさんも待ち受けメインだと思うんで,全然対戦する機会がなかったんです。
4Gamer:
さきほど話に出た餅さんのダルシムはどうですか? 招待選手の中で,ダルシムはかなり異彩を放っていますよね。
ウメハラ:
いや,今回の招待選手のキャラの中で,ダルシムは相当厳しいですよ。ユンはもちろん,ヤン・フェイロン・まこと・豪鬼とキツイ相手が揃っていて,残っているのがさくらとサガットしかいない。うりょとあーるえふ(サガット)の二人と,何か交渉がまとまってない限り,どうにもならないんじゃないかな(笑)。
稲葉:
あーるえふは絶対受けないだろうしね(笑)。しかしダルシムが投票で選ばれるのは凄いよね。
4Gamer:
餅さんなら,3強に対しても何かを魅せてくれるんじゃないかっていう期待が,票を集めたんでしょうね。では,もし今出た3人から,ウメハラさんが指名を受けたらどうでしょう。受けますか?
ウメハラ:
うーん,ユンvs.さくらだったら,ユンが凄く有利な組み合わせだと思っているので大丈夫かな。もちろん今まで対戦したさくらとは違うとは思いますけど。でも当たりたくない,とまでは思わない。餅さんも,さすがにあえてユンを選ぶことはないんじゃないかな。
4Gamer:
ヤンはどうです? 先月の「Evolution 2011」(以下,EVO)では,あまりヤンの姿が見られかったので,ユンvs.ヤン戦には,結構注目が集まると思うんですが。
ウメハラ:
EVOでヤンが少なかったのは,家庭用のスパIV AEが発売してから,まだそれほど時間が経っていなかったので,海外のプレイヤーが使い慣れているヴァイパーを選択したんだと思うんですよね。でもヤン戦自体はかなりやってるので,大丈夫かな。
4Gamer:
ユンvs.ヤン戦の見どころというと,どのあたりになりますか。
ウメハラ:
ヤンはユンに比べて,相手を画面端に追い詰めたときに,かなり有利になるんですよ。逆にユンはヤンを端に追い詰めても,それほどリターンはない。だから,ヤンがユンを追い詰めようとするのを,ユン側がどう交わすか。そういう対戦になると思います。でも二択の要素が多すぎて,展開の予想は難しいですね。結局コマ投げ決まりまくっちゃえば,もう全然関係ないんで。
4Gamer:
先日の座談会で,かずのこ(ユン)さんがユンvs.ヤンならヤンが有利かも,と言っていましたが。
ウメハラ:
ヤンにはまだ開発の余地が残ってるので,あり得る話ですね。ユンはここから大きな伸びしろはないと思うけど,ヤンはまだまだ伸びそうなので,それ次第では。sakoさんはその辺を結構詰めて来るんじゃないかな。
4Gamer:
ではsakoさんのユン戦の仕上がりに注目と。
ウメハラ:
そうですね。ネモ(ヤン)とはよく対戦しているので,sakoさんのヤンがユン戦をどう戦うのかは,興味あります。
4Gamer:
なるほど。では招待選手の中で,とくに当たりたくない相手というのもないわけですか。
ウメハラ:
あえて言えば,ユンの同キャラ戦はちょっと避けたいかな。やってもいいんですけど,勝ったほうも負けたほうあんまり納得いかない(笑)。別に嫌いでも苦手でもないですけど,ユンの同キャラ戦で負けて,俺のGODSGAREDEN終わりかよ! ってなったら,さすがにそれは寂しいので。だからかずのことももち(ユン)とは,あまりやりたくない。
4Gamer:
ユンの同キャラ戦って,実際のところどうなんですか?
ウメハラ:
知識の差がはっきりでますね。でもさすがにGODSに出てくる人達だと,そこは最低限押えてますし,簡単にはいかないと思います。とくに今回のルールは2本先取なので,今日はちょっと運が悪かったな,で終わりそう(笑)。
とくに格ゲーの同キャラってそうなりがちで,もしマゴ(フェイロン)が本戦に上がってきたとしたら,ふ〜ど(フェイロン)と同キャラ戦はやりたくないって言うだろうし。sakoさんとネモだって同キャラやりたくないだろうし,それはみんな一緒だと思う。
4Gamer:
お互い運が悪かったと思いたくないから,あえて同キャラを指名することはないと。
ウメハラ:
そう,ないと思うんですけどね。でも,指名されたら逆にムカついてやっちゃうかもしれない。もっといくらでも有利なキャラいるのに,同キャラ戦やるのかよ! って(笑)。
日本一レベルが高い当日予選枠
4Gamer:
では招待選手以外の,当日予選枠について。今回はPoongko(セス)やxian(ユン)など,海外での活躍がめざましいアジア勢の参戦が決定しています。海外選手の中で,とくに気になるプレイヤーはいますか?
ウメハラ:
海外の上手い人達も,結局ユン・ヤン・フェイロンに流れてることが多いんですけど,その3キャラだったら対策もできてるし,別に怖くないんですよ。だから,そういう意味ではPoongkoとかはみんな対策できてない分,あのトーナメントの中に入ったら面白いかなと思いますね。
4Gamer:
Poongkoさんは予選通過してきますかね?
ウメハラ:
予選は相当ハイレベルだって聞いているんで,その中で残れるかは分らないですね。セス自体は弱くはないんですけど,そんなに強くもないと思うんで。やっぱ知られてないって部分が最大の武器だから,どれくらいセスを理解している人がそのブロックの中にいるかが,本戦に残れるかどうかのポイントじゃないかな。
4Gamer:
もし予選を通過してきて,本戦でウメハラさんが指名された場合はどうでしょう。EVOのリベンジができそうですか?
ウメハラ:
先日ゲームセンターで,日本に来ているPoongkoと対戦してみたんですけど,そのときは結構いい感じでしたね。ただ,セス戦は二択三択の場面が多いので,さっきのユン同キャラ戦じゃないけど,ちょっと噛み合っちゃうと,それでもうあっさり2試合くらい取られてしまうので,安心はできないです。今の時点で当たりたいとは思わないし,多分どんなに対戦を重ねていても,当たりたいとは思わないんじゃないかな。
4Gamer:
指名することもないですか?
ウメハラ:
指名はしないです。来たらやるかも? ってとこですね。
4Gamer:
海外選手以外ではどうでしょう。注目しているプレイヤーはいますか?
ウメハラ:
海外勢以外だと,誰が出るんです?
稲葉:
めぼしいところは大体。マゴ(フェイロン),板橋ザンギエフ(ザンギエフ),士郎(まこと),瞬極ノイローゼ(ベガ),猫舌(アベル)とか。あと,えいた(豪鬼),どぐら(ベガ),NISHIKIN(ブランカ),BNBBN(ユン)とか,数えたらキリがない(笑)。あと,金デヴさんだけちょっと……。
ウメハラ:
え,来ないの?
稲葉:
いや来るんだけど,殺意リュウのほうがウケるかな……とか言ってた(笑)。後はもうみんなガチガチだね。後,ボンちゃん(サガット)も来るよ。人気の割に強いし,抜けて来そう。
ウメハラ:
人気の割に(笑)。たしかにボンちゃんはユン・ヤン戦得意だし,リーグ戦さえ抜ければ,指名制のルールがあるから事故る可能性は少ないかもね。後はマゴも緊張さえしなければ順当に上がって来そうだし。そのほかでは……まぁユン・ヤン・フェイロンが強いから,このキャラを使ってる人達が上がって来そうな気がするかな。いま思うと,ホントに投票で選ばれて良かった。予選,危なすぎだよ。
稲葉:
予選はホントに危ないよ。マジ危ない。
4Gamer:
仮にウメハラさんが予選から出場したとしても,確実に上がることは難しい感じですか。
稲葉:
日本最強の予選になりそうですよ。ウメハラが予選に出たとしても五分五分くらいの確率。ユンだからいけるんだろうけど,一回事故が起こると結構危ういはず。
ウメハラ:
とにかくキャラが多いゲームだから,全キャラ対策してる人なんてほとんどいないんだ。だから得意なキャラに当たるかどうかっていうのは,結構重要だと思いますよ。
スパ4調整版「Ver.2012」について
4Gamer:
ちょっと話は変わるんですが,先日スパIV AEのバランス調整版「Ver.2012」の開発が発表されました。まだ稼動から1年経ってない本作ですが,これについてはどう思いますか。
ウメハラ:
まず現状がベストなバランスだと思ってる人はいないと思うんですよね。だから,別に調整すること自体はいいんじゃないですか。むしろやるなら1年経った今がちょうどいいと思います。というか,今まで何でこういうことがなかったのか,逆に不思議ですよね。明らかに強すぎるキャラがいても全然調整されないから。
4Gamer:
それはスパIV以外のタイトルで,ということですか。
ウメハラ:
そうです。だから今後新しい格闘ゲームが出るときも,明らかにバランスが悪いなら,すぐに調整が入るのが普通になってくれればと思います。
4Gamer:
ウメハラさんは,仮に調整でユンが弱くなったとしても,ユンを使い続けますか?
ウメハラ:
絶対やらないです(笑)。遊びでもやらない気がします。別に気に入ってないわけじゃないんですけど,あまりにも強すぎるキャラって,プロ以前は使わなかったんですよ。なんかそのゲームの穴をついているみたいで嫌だって思ってたんですけど,今はプロとして大会に勝たなければいけないし。
4Gamer:
使わざるをえない?
使わざるをえないって気持ちもありますけど,「こんなの作ったら,こういう風になっちゃうよ」って気持ちもちょっとあります。次から気をつけてねって(笑)。別にそんな極端なゲームを求めているわけじゃないんで。
4Gamer:
もし,ユンがいい感じに調整されてまだまだ戦えそうな性能だったら?
ウメハラ:
それなら使い続けますね。でも個人的には飛び道具キャラが好きなので,飛び道具キャラが強化されると,新鮮に一から攻略できて楽しいかな。
4Gamer:
それはリュウに限らず?
ウメハラ:
そうですね。できればリュウがいいですけど,世の中そう甘くはないんで(笑)。ただリュウ使いは人口が多いので,そろそろリュウ使いにいい思いをさせてくれてもいいんじゃないかって。どんどん弱くなってますから。
4Gamer:
飛び道具を拒否するシステムが多すぎるという。
ウメハラ:
なんか突進系とかさ,そういうキャラを強くするなら俺も使いますけど。「ほら,あんまり見栄えよくないでしょ?」みたいな気持ちは正直あります。好みの問題ですけど,飛び道具キャラを強くしたほうが,見てるほうも面白いんじゃないかと思うんですよね。
4Gamer:
ウメハラさんといえば,キャラクターはリュウ・ケンの胴着系という印象が強いですが,そういうこだわりはない?
ウメハラ:
キャラクターの選択は,あまりにも簡単で,何の技術も要さず強いキャラってのは使いたくないという,ただそれだけですね。10代の頃までは「この大会は絶対勝つ」という想いでキャラを選んでました。「ストリートファイターZERO3」では,それがたまたま豪鬼だっただけで,それ以降は何がなんでも勝つって気持ちで選んだことがないんですよ。
だから,ホント13年ぶりぐらいに最強キャラ使うぞって気持ちで選んだのがユンです。今は強キャラの上に攻略重ねても,対戦してくれる相手がいるのが嬉しいですね。ちょっと前だと,強い人が強いキャラ使ってやりこむと,みんな白けちゃってた。もちろんプロ制度もなかったですし,大会だってそんなになかったから。
4Gamer:
強い人には乱入しないって空気はありましたね。なるほど,勝ちにこだわっても,いいことがなかったわけですか。
ウメハラ:
勝ちにこだわっちゃうと,逆に対戦相手がいなくなっちゃうっていうね。やっぱ時代の流れを感じますね。10年くらい前だと,これだけ格闘ゲームに時間を費やして,しかも最強キャラ使ってだと,都内でも対戦できなかったですよ。
4Gamer:
ちなみにスパIV AEの「Ver.2012」のほかにも,カプコンでは「STREET FIGHTER X 鉄拳」(PS3 / Xbox 360 / PSV)が控えてますが,こちらは参戦の予定とかありますか?
ウメハラ:
結局プレイヤーがどれだけ居着くかどうかですね。アメリカで流行ったり,大きな大会があったりすれば,やると思います。ゲームの内容自体は,もう今更どうこう言える立場でもないので。
4Gamer:
え,それはどういう意味で?
ウメハラ:
格闘ゲームをやり続けて目が肥えちゃったんで,ゲームの内容については,もうあんまり期待してないんですよね(笑)。どうしてもマニアな視点になっちゃうので。もちろんゲームバランスなんかは良いほうがいいですけど,人が居るかどうかが最重要ですね。それで世間が盛り上がってくれれば,いいんじゃないかな。
4Gamer:
……ちなみにウメハラさんの中で,ベストだった格ゲーってなんになるんでしょう。
ウメハラ:
うーん,作り手側が丁寧に作っていて,練りこまれてるなって思えたのはZERO3。もうほとんどのシステムが偶然で作られたものではないのが分るんで。だからああいうのがまた出てきてくれればいいですけど。
4Gamer:
でも今の盛り上がりが続いてけば,いつかは……。
ウメハラ:
そうですね。格闘ゲームブームが続いてくれれば,可能性はありますね。
スタープレイヤー達の夢の競演
「GODSGARDEN #4」は本日17:00スタート!
4Gamer:
それでは最後に,GODS #4でウメハラさんを応援するファンの皆さんにメッセージをお願いします。
ウメハラ:
過酷な予選をくぐり抜けなくて良いということだけでも,本当に感謝してます(笑)。応援に応えられるよう本戦でも頑張りたいと思います。キャラは変えたんですけど,攻略はかなり詰められたと思うんで,もしかしたら伝わらない部分もあるかもしれませんが,完成度を感じてもらえれば嬉しいです。
4Gamer:
やり込み具合を見てほしいと。
ウメハラ:
ほかのユンよりも……って言うとほかのユンに失礼かもですけど(笑)。ちょっとでも違いを見せられたらいいなと思います。
4Gamer:
ではGODSGARDEN自体を楽しみにしている人達にはどうでしょう。すべての格闘ゲームファン,もしくは動画勢の皆さんに一言。
ウメハラ:
そうですね。GODSGARDENは格闘ゲームの大会の中でも,一番内容が濃いと思うんです。例えば誰かの試合は興味ないから,今のうちに風呂入っておこう,とかもなく,どの試合も画面にかじりついて楽しめるものばかりだと思うので,ぜひ楽しみにしていてください。本戦開始前に風呂とかトイレは済ませておいたほうがいいですよ。
稲葉:
観戦用のお菓子とジュースも用意しといてください。そういえば今回は「奢られくん」があるけどウメハラも登録しとく?(※奢られくん=配信の視聴者から現地の選手やスタッフなどに,食事などを「奢る」ことができるシステム)
ウメハラ:
本戦前にお腹いっぱいになったり,酒飲んだりとかは厳しいよね。ま,登録だけしといて,負けたら発動とかならいいか。負けたときの楽しみも取っておきたいんで。負けてがっかりするだけじゃなく,負けても奢られくんがあったなって思えるくらいがいいですね。
4Gamer:
本日はお忙しい中ありがとうございました。本戦での活躍期待しております!
「GODSGARDEN #4」公式サイト
「GODSGARDEN #4」Ustream配信
「GODSGARDEN #4」ニコ生公式配信
「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」公式サイト
――2011年8月18日収録
- 関連タイトル:
スーパーストリートファイターIV アーケードエディション
- 関連タイトル:
スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(ダウンロード版)
- 関連タイトル:
スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(ダウンロード版)
- 関連タイトル:
スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(パッケージ版)
- 関連タイトル:
スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(パッケージ版)
- 関連タイトル:
スーパーストリートファイターIV
- 関連タイトル:
スーパーストリートファイターIV
- 関連タイトル:
Super Street Fighter IV Arcade Edition
- この記事のURL:
キーワード
- ARCADE:スーパーストリートファイターIV アーケードエディション
- アクション
- シングルプレイ
- カプコン
- 格闘
- 対戦プレイ
- PS3:スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(ダウンロード版)
- Xbox360:スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(ダウンロード版)
- PS3:スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(パッケージ版)
- Xbox360:スーパーストリートファイターIV アーケードエディション(パッケージ版)
- PS3:スーパーストリートファイターIV
- Xbox360:スーパーストリートファイターIV
- PC:Super Street Fighter IV Arcade Edition
- PS3
- ARCADE
- Xbox360
- PC
- インタビュー
- 企画記事
- 編集部:touge
- カメラマン:増田雄介
- ライター:ハナダ
(C) CAPCOM U.S.A., INC.2010 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM U.S.A., INC.2010, 2011 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM U.S.A., INC.2010, 2011 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM U.S.A., INC.2010, 2011 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM U.S.A., INC.2010, 2011 ALL RIGHTS RESERVED.
(C) CAPCOM U.S.A., INC.2010 ALL RIGHTS RESERVED.
(C) CAPCOM U.S.A., INC.2010 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM U.S.A., INC. 2010, 2011 ALL RIGHTS RESERVED
- リアルアーケードPro.V3 SA
- 価格:¥27,600円
- Video Games
- 発売日:2009/12/24
- リアルアーケードPro.V3 SA(Amazon.co.jpオリジナルカラー:「ブラック×ダークブルー」)
- 価格:¥25,000円
- Video Games
- 発売日:2010/03/18
- ELECOM USBアーケードスティック PS3用 ブラック JC-GMAS01BK
- Video Games
- 発売日:2010/08/05
- ファイティングスティックV3
- 価格:¥10,000円
- Video Games
- 発売日:2009/11/12
- ワイヤレスファイティングスティックEXVideo Games