アーケードと3DSで熱戦が繰り広げられた公式大会。西川善司の「スパIV AE XスパIV 3D EDITION 春の陣」イベントレポート（ムービー有）

　2011年5月1日（日），埼玉県入間市にあるカプコン直営のアミューズメント施設「プラサカプコン入間店」にて，「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」（以下，スパIV AE）の公式大会「スパIV AE X スパIV 3D EDITION 春の陣」が開催された。参加選手は，ランキング上位の強豪プレイヤー達のほか，今回はテレビ等で活躍中のお笑い芸人達も参加。笑いあり，ドラマありの，華やかな開催となったイベントの模様をムービーを交えつつお伝えしていこう。

「スーパーストリートファイターIV」公式サイト

お笑い芸人がガチ参戦。公式モバイルサイトのAndroid対応も発表された
「スパIV AE X スパIV 3D EDITION 春の陣」

　今回の大会に参加したお笑い芸人は，「流れ星」のちゅうえいさんと瀧上伸一郎さん，「風人雷人」の平岡伸也さん，「竹内兄弟」の竹内経宏さんと，ピン芸人のいけだてつやさんの総勢5名。ただし，芸人プレイヤー達も，単に場を盛り上げるためだけではなく，れっきとした選手としてのガチ参戦だ。実際に"お笑い"で場を盛り上げるよりも，プレイで場を盛り上げる場面も目立つほどで，腕に覚えのあるメンバーが選ばれていた。

　とくに「流れ星」の瀧上さんは，プライベートでもかなりやり混んでいるようで，なんと前作「ストリートファイターIV」では，E.本田でMASTER（上位ランク）までいったプレイヤーだという。また，いけだてつやさんは，日テレ系で毎週金曜日深夜24：38から放映中のバラエティ番組「夜遊び三姉妹」内にて，アイドルを「スパ4」でボコボコに痛めつける人気コーナー「ふるぼっこ堂」を担当している。両者ともに期待大の存在だ。

「流れ星」のちゅうえいさん（右），瀧上伸一郎さん（左）

左からいけだてつやさん，「竹内兄弟」の竹内経宏さん，「風人雷人」の平岡伸也さん

お笑い担当（？）の「流れ星」ちゅうえいさんはダルシムのしゃがみ大パンチ（のものまね）を披露

s.sf4.jp

　なお大会の開催に先立って，本作のアシスタントプロデューサー綾野智章氏より，「スパV AE」の公式モバイルサイトがAndroidベースの携帯電話に対応したことがサプライズ発表された。これで前作からサポートされていた通常の携帯電話，そして「スパIV AE」稼働とともに対応していたiPhoneに続き，Android端末でも本作のモバイルサイトが利用できるようになる。また，従来は不可能だったWi-Fi接続からのアクセスにも新たに対応。こちらはiPhoneとAndroid端末のどちらからでも利用できるとのことだ。アクセスは，従来どおりの「s.sf4.jp」で閲覧できるので，対応端末を持っている人は，さっそく試してみよう。

公式モバイルサイトのAndoroid対応を発表する，本作のアシスタントプロデューサー綾野智章氏（右）

サイトイメージ

“溜めなし”ガイルが大暴れした「スパIV 3DE」トーナメント〜優勝はお笑い芸人チームの助っ人，DIOR選手

　では，いよいよトーナメントの模様に移っていこう。当初の予定では，3on3形式の「スパIV AE」のチーム対戦トーナメントを行い，そこで敗れたチームが3DS用ソフト「スーパーストリートファイターIV 3D Edition」（以下，スパIV 3DE）を用いて敗者復活戦を行う予定だったが，急遽プログラムを変更。「スパIV 3DE」のトーナメントが独立し，個人戦で優勝を争う形となった。
　というわけで先に行われたのは「スパIV 3DE」の個人戦トーナメントだ。参加者はスパIV AEの参加選手に加え，なぜか居合わせた取材メディアからも数人が参加。というわけで4Gamerからも筆者が出場することに。ちなみに先日の記事を見ていただくと分かるように「スパIV 3DE」は相当にやり込んでいる。これは結構活躍できるかも？　と思ったものの，今回のレギュレーションは，操作モードはLITEモードに固定で，カスタマイズは一切禁止。……かなりガチなカスタマイズでやり込んでしまったために，もはやデフォルト設定の使い方はまったく分からない。むしろそれが徒となり，全然いいところなしで1回戦敗退となってしまった。


　そんな筆者はさておき，ほかの参加者達はどうだったのかというと，基本は「スパIV AE」の大会だけあってか，「スパIV 3DE」をやり混んでいるという人はほぼいなかった模様。しかし，トーナメントが進むにつれて，対戦レベルがみるみる上がっていったのが面白い。さすが上位プレイヤーだけあって，皆ゲームセンスは抜群のようである。最後は堅実な試合運びで，お笑い芸人チームの助っ人プレイヤー，DIOR選手が優勝者に輝いた。


　今回のトーナメントで活躍が目立っていたのは，なんといってもガイルだ。優勝のDIOR選手を含め，準決勝に進んだ4人全員がガイルという結果からも，その暴れっぶりが分かるというもの。それもそのはず，LITEモードではショートカットしてタッチパネルに必殺技を割り当てられるのだが，カスタマイズ禁止の今回のレギュレーションでは「デフォルト状態でどんな技が割り当てられているか」が鍵となる。その点，ガイルはソニックブームとサマーソルトという主力技がデフォルトで割り当てられており（というか必殺技はこの二つしかないのだが），しかもショートカットを使えばこれらを“溜め”なしで出すことができる。
　つまり通常は不可能なはずの前に歩きながらソニックブームや，立ち状態からのサマーソルトキックが出せるというわけで，かなり凶悪なことになっていた。
　もちろんほかのキャラクターにも「スパIV 3DE」ならではの戦略があるはずなので一概にはいえないものの，今回のレギュレーションでは，ガイルが強力なキャラクターの1人なのは間違いないだろう。

いよいよメインイベント，「スパIV AE」3on3トーナメント

　そして予想外の長丁場となった「スパIV 3DE」トーナメントに続き，メインイベントである「スパIV AE」トーナメントへと舞台は移る。個人戦だった「スパIV AE」とは違い，こちらは3on3での勝ち抜き団体戦である。トーナメント表には8つの枠が用意されており，エントリー済みのチームが7チームで，残る1枠は芸人チームということになっている。しかし，この日控えていた芸人勢は「流れ星」コンビ＋助っ人DIOR選手の「流れ星」チームと，いけだてつやさん率いる「いけだ」チームがいる。というわけで芸人勢の2チームによって，トーナメント参加の1枠を賭けた前座マッチ行われた。

　「流れ星」チームのちゅうえいさんは，どうやらまったくの初心者のようで，（試合の内容的には）とくに見せ場がなく終わってしまった（苦笑）。その分，場外からの応援というか煽りで場を盛り上げていたので，そのあたりはさすが芸人さんである。しかし，続く瀧上さんのＥ.本田がかなり本格的な立ち回り見せる。垂直ジャンプ大パンチからの張り手でプレッシャーをかけつつ，そこから大銀杏投げを決めるという，さすがMASTERクラスという動きで相手を翻弄していった。結局，助っ人のDIORさんを出すことなく，瀧上さんが相手チームの大将のいけだてつやさんを破り，「流れ星」チームがトーナメントの最後の参加枠を手中にした。

お笑い芸人チーム同士で最後のトーナメント参加枠を争った前座マッチの様子

　かくして本戦トーナメントがついに開幕。「スパIV 3DE」トーナメントとは違い，頂点を極めたプレイヤー達による，フルスペックの戦いが展開された。使用キャラの分布という意味では，本作からの新キャラであるユン/ヤン兄弟に，強キャラと目されるフェイロンが目立ってはいたが，ザンギエフに豪鬼，C.ヴァイパー，まこと，いぶきなど，多彩なキャラクターが登場してその美技を競った。
　個人戦ではどうしても総合力の高いキャラクターが多くなりがちだが，3on3ならば一芸に秀でたキャラクターにもチャンスが出てくる。これも団体戦ならではの魅力だろう。手に汗握る試合の連続に一般客のギャラリーも集まりだして，会場は一気にヒートアップしていった。

トーナメント開催時の様子

善戦虚しく敗退した「流れ星」チーム。ちゅうえいさんは腹痛を訴え，捨て試合必至（笑）の大将戦を辞退したいと申し出るが……

　いくつもの名勝負が繰り広げられた本戦トーナメントだが，なかでも活躍が印象的だった選手を紹介していこう。まず画面を縦横無尽に飛び回り，相手を翻弄したチーム「イガイトツヨイヨ」のまこと使いmelo@選手。まことらしい爆発力のある攻めで，会場を沸かせていた。残念ながら準決勝で敗退してしまったが，強キャラと目されるヤンやフェイロンにも一歩も引かない戦いぶりは見事の一言だ。

　前述の「流れ星」チームは，初心者であるちゅうえいさんを大将に据えて，優勝候補の一角「高モチベ」チームに挑む。大将を引っ張り出された時点でほぼ負け，という背水の陣でふ〜ど選手のフェイロンに相対する瀧上さんだったが，名勝負の末，先鋒戦を落としてしまった。いよいよ後がない「流れ星」，エースであるDIORさんが，MASTERリュウでフェイロンに善戦するが，これも一歩及ばずの敗退。残された応援担当のちゅうえいさんは，「もう，やりたくない」とだだをこねるも，声援を受け（？）強制的に筐体の前に座らされることに（笑）。最後は狙いをすましたふ〜ど選手の「逆鱗拳」で，芸人連合チームは1回戦敗退となった。


　盛り上がり絶頂となった決勝戦は，蓋を開けてみれば優勝候補チーム同士による決戦となった。決勝にコマを進めたのは，きゃべつ選手，きょく選手，スロプー選手というスタープレイヤー達からなる「祐★〜ヒゲのかなたに〜」チームと，板橋ザンギエフ選手，ふ〜ど選手，アイスソードを持つ男選手といった，ハイランカー達からなる「高モチベ」チーム。決勝にふさわしいメンバーが揃った好カードだ。

決勝に望む「高モチベ」チーム（左）と「祐★〜ヒゲのかなたに〜」チーム（右）

　「祐★〜ヒゲのかなたに〜」チームのオーダーは，「先鋒：きょく選手（ヤン）→中堅：スロプー選手（フェイロン）→大将：キャベツ選手（C.ヴァイパー）」。対する「高モチベ」チームは「先鋒：板橋ザンギエフ（ザンギエフ）→中堅：アイスソードを持つ男選手（ユン）→大将：ふ〜ど選手（フェイロン）」。詳しい試合の内容については，ムービーを用意しているので，そちらを参照してもらうとして，結果としてはこのオーダーが，勝敗を分けた一因といえるかもしれない。見事，優勝を収めたのは「高モチベ」チーム。メンバーの3名には，称号【2011 春の陣制覇】が贈られた。

表彰式の様子。キャラの狙いがぴたりとハマって，チームメンバー全員が活躍できたとは，優勝チーム「高モチベ」の板橋ザンギエフ選手の弁

最終結果

　こうして熱狂とともに終わりを告げた公式大会「スパIV AE X スパIV 3D EDITION 春の陣」。優勝チームへの表彰のあとには，カプコン綾野氏より次回大会「夏の陣」の開催もアナウンスされた。また「夏の陣」では，格闘ゲームイベント「闘劇2011」とのコラボも予定されているという。詳細については追って発表があるそうなので，楽しみにしておこう。

「夏の陣」も開催決定。「闘劇」とのコラボもあり

「ストリートファイター」シリーズがモチーフの店舗
「プラサカプコン 入間店」とは？

「プラサカプコン 入間店」道路脇のこの看板が目印

　今回のイベントが行われた「プラサカプコン 入間店」は，カプコン直営のアミューズメント施設「プラサカプコン」の中でも，ちょっと変わった店舗ということで，簡単に紹介しておこう。

　「プラサカプコン 入間店」は，郊外型のゲームセンターにしては珍しく，ビデオゲーム――なかでも「ストリートファイター」シリーズをはじめとした，格闘ゲームに力を入れているのが特徴だ。なんと，全ビデオゲーム筐体のうち，8割を格闘ゲームが占めているとのことで，懐かしの初代「ストリートファイター」から歴代ナンバリングタイトル，各スピンアウト作品までばっちり稼働中。もちろん，「鉄拳」や「バーチャファイター」シリーズ，「KOF」シリーズなど，カプコン以外の他社製人気格闘ゲームも完備している。

　店舗デザインも，外観から入口，店内の隅々までがストリートファイターの世界観をモチーフにしており，シリーズファンなら店に入った瞬間から楽しめること請け合いだ。思わずニヤリとしてしまいそうなグッズやポスターなどもあって，まさにストリートファイターのテーマパークといった風情。格闘ゲームファンなら，テンションがあがること間違いなしである。

入口からしてこの有様。すごい

　もちろん，一般客やファミリー層にも楽しめるよう配慮されていて，クレーンゲームなどのプライズゲームも地域最大級の63台が稼動している。格闘ゲーム以外のビデオゲームについても，人気作を中心に用意されており，現在は期間限定で「機動戦士ガンダム・戦場の絆」が300円，「三国志大戦3」が200円（6クレジット）で遊べるキャンペーンを実施中とのことだ。
　129台が停められる大型駐車場も完備しているので，ゴールデンウィーク期間中に遊びに行ってみるのもいいかもしれない。近くには三井アウトレットパーク入間やコストコ入間店もあるのでお買い物の帰りに立ち寄るのもアリだ。

店内の至るところにストリートファイター風のデコレーションが

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店舗データ

• プラサカプコン入間店
• オープン日　2007年7月27日
• 所在地：358-0014 埼玉県入間市宮寺 2982-1
• 営業時間：10:00〜24:00（現在は節電協力の為21:00）
• 営業面積：約875坪
• 駐車場台数：約129台
• 機種構成：約320台
• ビデオ台数80台（格ゲーは8割）
• UFOキャッチャー63台

入口を入るといきなりこんな感じ。ファンならワクワクしてしまうはず

「スーパーストリートファイターIV」公式サイト