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「フィルム・ノワール」の手法で描かれた新作。Rockstar Games,アクションアドベンチャー「L.A. Noire」のムービーを公開
「L.A. Noire」公式サイト
タイトルのL.A. Noireは“エル エー ノワール”と読むわけだが,これはロサンゼルスと「フィルム・ノワール」をかけたものだろう。「フィルム・ノワール」とは映画の類型のことで,このジャンルは不況や戦争,そして赤狩りといった1940〜50年代の世相を色濃く反映し,1930年代のドイツで起こった「表現主義映画」の影響で影を多用した陰湿な雰囲気の映画が多い。照明機材の小型化により,夜間での撮影が容易になったという技術的背景もあるのだが,1941年の「マルタの鷹」(ジョン・ヒューストン監督版)に始まり,「拳銃貸します」(1942年),「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1946年/テイ・ガーネット監督版),「上海から来た女」(1948年)など,このジャンルの代表作を上げればキリがない。上記のように,当時は多くのノワール映画が生み出され,やがては1980年代の香港映画や,たとえば「ターミネーター」のようなアクション映画にまでスタイルが受け継がれている。
本作は,そういったフィルム・ノワールの雰囲気をダイレクトにゲームに持ち込んだものである。内容の詳細はほとんど発表されていないものの,人間の腐敗や裏切り,悪女,そしてもちろん「夜」といったノワール的なモチーフが,ゲームの随所に散りばめられているはずだ。
そして,主人公が犯罪者ではなく刑事という立場であるところが,これまでのRockstar作品では珍しい点である。しかし,今回リリースされたムービーにある主人公の独白部分とおぼしきセリフには,
お前を一人前にする事件というものは,お前を破滅させることもある。
解決できない事件ってものは,お前を不眠症に陥れるものだ。
ある種の畜生じゃなければ,落ち着くことなんてできないものだ。
とある。一連の殺人事件を捜査していた刑事が,捜査を進めるにつれ社会の闇に染まっていくようなストーリーであることが暗示されている。
本作の開発を担当するのは,オーストラリアを拠点とするTeam Bondi。そしてL.A. Noireの制作には,同社独自のゲームエンジンが使用されている。本作には1940年代のロサンゼルスを再現した広大なマップが用意されており,ムービーでも,キャラクターの衣装からカメラのようなプロップ,看板や車に至るまで,キチンと当時の雰囲気を醸し出している様子がチェックできる。
同じくRockstar Games作品で西部劇をモチーフにした「Red Dead Redemption」と同様,多くのゲーマーにとっては馴染みの薄い題材を扱ってはいるが,それだけに期待以上の作品に仕上がる可能性もある。
なおL.A. Noireの発売は,2011年前半とだけ発表されている。
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(C) 2011 Rockstar Games, Inc.
(C) 2011 Rockstar Games, Inc.
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- ビデオゲーム
- 発売日:2011/07/07
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