［E3 2010］「F.E.A.R. 3」がプレイアブルな状態で公開！　ポイントマン＆フェテル兄弟が協力して母アルマを守り抜く

会場にいたアルマ役のモデル。じっと見るのも怖いメイクアップに，（ゲームの設定である）妊娠中のおなかを大事そうにさすっている姿が不気味な印象。おなかにいるのはポイントマンとフェテルなのか，それとも3人目のお子さんなのだろうか？

　Warner Bros. Interactive Entertainmentが，E3 2010において「F.E.A.R. 3」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）のライブデモを行い，人気ホラーFPS最新作の斬新な発想と激しいアクションの進化を見せつけた。
　デモの行われたシアターには2台のモニターが横並びに設置されており，傍らでゲームを説明するデモ担当者が主人公のポイントマンを，後方に座る別の開発者がフェテルをプレイするという形で開始された。モニターはそれぞれのキャラクターに割り振られており，これはつまり本作での新フィーチャーであるCo-op（協力モード）のデモというわけだ。

　デモは，まず崩れかけたアパートの室内から始まり，追い詰められたようなアルマとポイントマンの前に，敵兵に憑依したフェテルが小言を言いながら現れるところから始まった。第1作の主人公だったポイントマンに，眉間を撃ち抜かれて一度は死んだフェテルだが，本作では幽霊のような存在となって再び登場し，母を守るために兄弟が力を合わせて戦うという内容になっている。


　フェテルでプレイすると画面に全体的に赤みがかかる。プレイスタイルは銃撃が中心のポイントマンとは異なり，味方後方からテレキネシスで敵を持ち上げたり，敵の側面に回り込んで一度に複数の相手を爆死させるような戦法を用いることになるようだ。

アクションが激しかったのでブレブレのシーンだが，ポイントマンとフェテルで画面の色彩が大きく異なるのが分かるだろう

　今回のデモでは，キャラクターが時々白黒で表現された“アルマの世界”に飛ばされて，ベッドでうずくまる子供の頃の自分の姿を見たり，思い出に残る寂れた公園といった場所を見たかと思いきや，瞬時に時空が微妙に異なる現在に戻されて，いきなり激しいアクションの只中へと放り込まれたりする。デモでは「Demonic Horde」（悪魔の集団）とだけ表現されていたゾンビのようなモンスターと地下通路で戦ったり，アパートの屋外で機動隊の兵士達と撃ち合い，戦闘ヘリに悩ませられたり，2人が別々のメカに乗って再びアパートの中に飛び込んでいったり，かと思えば兵士の立て篭もる森の中の発電所のような場所に潜入したりと，15分ほどのデモの中でも状況は刻々と変化していた。


　なかでも気になったのがフェテルの使い方だが，やはり相手の体への憑依は相当強力な武器になるようだ。憑依した肉体が滅びるまで使い続けるという，一般的なFPSで言えばアーマーアイテムのように使い捨てていくようで，例えば遠方からスナイピングしたりメカを動したりといったように，人間の物理的な肉体が必要なときは憑依状態でプレイするという印象だった。また“発電所のような場所の室内で立て篭もる2人の兵士”といったシチュエーションでは，ポイントマンの銃によって破られた窓から赤いオーラを触手のように伸ばして1人に憑依し，隣の部屋で粘っていたもう1人の兵士を横から撃ち殺すというような連携ができるようになっている。

　今回のデモ担当者によると，今回使われていたマップはシングルプレイヤー用キャンペーンの一部とのこと。もっとも，用意されているのはポイントマンを主人公にしたストーリー1本のみで，フェテルのものはない。つまり，このCo-opプレイは基本的にはポイントマンでプレイしているプレイヤーに対して，オンラインの仲間が参加する形でフェテルのキャラクターを操るということになる。デモ担当者も，「1人で遊ぶのであれば，フェテルとなってプレイする状況はない」と念を押していた。


　これまでリリース済みの画面写真などでは少し旧式（？）に見えていたグラフィックスも，ライティング効果や高画質のテクスチャに変更されるなどして，それなりの進化を見せている。恐怖感よりもアクションが重視されたデモだったが，さて，両刀使いなF.E.A.R.シリーズファンを満足させられるだけのゲームとなるだろうか？