イベント
「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」プロデューサーの新妻良太氏がゲストで出演した,「アメコミnight(noon?) vol.2」に行ってきた
このイベントは,Vol.2とあるように,今年の7月に開催された「アメコミnight vol.1」に続く第2弾で,今回はカプコンから2011年2月17日発売予定の「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」(PS3 / Xbox 360)を特集して,2部構成で実施された。
なお本イベントの出演者は,イラストレーターのリタ・ジェイ氏,杉山すぴ豊氏,柳 亨英氏の3人で,第2部にはゲストとして,「MARVEL VS. CAPCOM 3」のプロデューサーである新妻良太氏が出演した。
ここでは,新妻氏が出演した第2部の模様を中心に,レポートをお伝えしていこう。
第1部は,New York Comic Conのレポートやアメコミを原作にした映画の最新情報といった内容が中心となった。なお詳細は来場者だけのお楽しみということで,ここではざっと紹介するに留めている点は,あらかじめご了承いただきたい。
柳氏によるNew York Comic Conのレポートトークでは,会場の模様や写真と共に紹介され,どのようなイベントであるかが紹介された。中でも「MARVEL VS. CAPCOM 3」を出展していたカプコンブースは非常に人気が高く,黒山の人だかりができるほどの人気だったそうである。
次は,杉山氏が映画会社から借りてきたという,アメコミ映画の予告編を上映。来場者達は,2010年12月18日公開の「キック・アス」(KICK-ASS)や2011年1月22日公開の「グリーン・ホーネット」,ANIMAXで2011年1月7日放送開始となるアニメ作品「ウルヴァリン」,2011年公開予定の映画「グリーンランタン」のティザームービーを見ることができ,最新アメコミ映像で盛り上がった。
また杉山氏は,「X-MEN」「マイティ・ソー」「キャプテン・アメリカ」といった,今後公開予定のアメコミ映画や,「カウボーイ&エイリアン」といった映画についてのプレゼンテーションも行っていた。
そして休憩を挟んだあとに第2部が開始となった。
まずは,「MARVEL VS. CAPCOM 3」のPVが上映された。このムービーは,以前4Gamerに掲載したものと同内容だったので,以下に再掲載しておこう。
そして,同作のプロデューサーである新妻氏が登場し,トークライブが開始となった。
「MARVEL VS. CAPCOM 3」は,MARVELとカプコンがタッグを組んだ作品としては5作めで,家庭用ゲーム機でのリリース作品となる。
ちなみに,前作にあたる「MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES」は,その原型となるアーケード版が登場したのは2000年(※のちに家庭用ゲーム機にも移植。現在はPS3/X360でDLC販売されている)のことで,実に11年振りの新作といえる。
新妻氏は,「MARVEL VS. CAPCOM 3」ではキャラクターモデルが3Dになり,表現も劇的に変化するなど,ほぼ別物といえるレベルにあるとコメント。また,対戦格闘ゲームとしての内容も大事ではあるが,キャラクターも大事であると話す。
キャラクターの動きはもちろん,技やセリフといった部分にも細かい監修が入ったと,版権ものならではの苦労を語ったのだが,それはMARVELのキャラクターに限らず,カプコンのキャラクターも同様だったそうだ。
新妻氏は,「MARVEL VS. CAPCOM 3」に登場させたいカプコンキャラクターについては,それぞれのシリーズを担当するプロデューサーに依頼をし,「MARVELは人気コミックなので,露出すれば海外での認知度が高まる」というように,対外的な交渉と同様に出演依頼を行っていたそうだ。
「デッドプールは日本では有名ではないキャラクターなのに,なぜ『MARVEL VS. CAPCOM 3』に登場することになったのか」という質問について新妻氏は,登場キャラクター選定の裏話を交えながら答えた。
新妻氏は,多数のMARVELキャラクターの中から出演キャラを選ぶときに,登場が必須といえるメインキャラ,MARVEL側でおすすめのキャラ,そして出演NG枠のキャラといったカテゴライズをしてもらったとのこと。
ただ,デッドプールはその中でいうとNG枠に当たるキャラだったのだが,キャラクター自体の存在感や,カプコン側のダンテと絡ませたら面白そうといったことから交渉を重ね、最終的に出演にOKが出たそうである。
開発チームでデッドプールを担当したスタッフも相当気に入っていたようで,通常のキャラであれば2〜3体作れるほどの作業工程をかけてしまっていたそうだ。
なお,ゲーム中でMARVELキャラクター達がしゃべるセリフは,MARVELのスタッフが担当したとのこと。デッドプールのセリフが「CEROレーティングに影響しかねない」ほどだったと新妻氏は語っていたので,いろんな意味での注目キャラといえるだろう。
続いての紹介となったのは,スーパースクラル。新妻氏は,当初「ファンタスティック・フォー」のメンバーの登場を考えていたが,すでに出演が決まっているキャラクターと特徴がかぶる部分があったり,常にメラメラ燃えているエフェクトが必要で容量を圧迫してしまうキャラクターがいたりと,決めるのが難しかったそうだ。
そんな折にMARVELから,いわばファンタスティック・フォー4人分の能力を持つという特徴があるこのスーパースクラルというキャラクターを推薦された。実際に作ってみたらゲーム映えし,セリフも特徴的。さらに登場枠が決まっている中でヒーローと悪役のバランスを取るにもいい感じだったと,ゲームキャラとしては非常に“おいしい”存在だったそうだ。
その次に話題に上がったのは,MARVELキャラクターに若い女性を出したいということから,登場が決定したX-23。ただ,彼女はウルヴァリンの遺伝子から作り出されたクローンということもあり,制作過程で差別化するのには非常に苦労したそうだ。
スーパースクラル |
X-23 |
また,海外含め全世界で大きく展開するような場合,キャラクターの公開順番一つをとっても,優先度を非常に気にしているそうである。
例えば,スパイダーマンについては,以前からアメリカで開催されるイベントで発表をさせてほしいとリクエストされていたのだが,日本でライト層に訴えかけるためには必要不可欠と考えたため,各所に掛け合って,最終的に東京ゲームショウ2010のタイミングで発表することに決まったとのこと。
ここで,「MARVEL側からの注文で変わったものは?」という質問が出た。
新妻氏は,ゲームについては,対戦格闘ゲームということでカプコン側が,ある程度イニシアチブをとって進められたが,ムービーについては映像作品という扱いになるので,ガンガン注文があったそうだ。
例えば,先に上映されたムービーでは,ウルヴァリンが昇竜拳を食らったあとに,「くるりと回ってから落ちる」というリクエストがあったとのこと。つまり「やられっぱなし」で終わってしまってはダメというわけだ。また,ハルクに向かってクリスが銃を撃たないでほしい,キャプテン・アメリカのシールドが小さく見える部分があるなど,非常に細かいところまで,こだわりのリクエストがあったそうである。
先日追加ダウンロードコンテンツとして配信されることが発表された「シュマゴラス」については,MARVEL側から「これを出すなら別のキャラクターを考えてほしい」と言われたものの,「2」のプレイヤーに愛されていたキャラクターだったため,説得して無事「3」に登場することができたそうだ。
ちなみに,シュマゴラスはMARVEL側のチェックが非常に早く,全キャラクターの中で最初に完成したそうである。
また新妻氏はキャラクターについて,実際には人間にできないような動きでもゲームでは表現できるため,そこに“リアリティ”を持たせられるかどうか,骨格を知ることが重要だと話す。そのためカプコンでは,アーティストはただ絵を描くだけでなく,骨格の勉強をするそうであり,その努力の結晶が「MARVEL VS. CAPCOM 3」にも詰め込まれているとのことだ。
トークライブはここで一段落となり,そのあとは「MARVEL VS. CAPCOM 3」のデモプレイが行われた。なおデモ版のプレイアブルキャラクターは18人で,東京ゲームショウ2010出展時と同じだった。そして,来場者の中から抽選で選ばれた2人が,会場でカプコンスタッフと対戦プレイを行った。
そして,最後はプレゼントコーナーとなり,リタ・ジェイ氏,杉山氏,柳氏,そして新妻氏が持ち寄った多数のグッズ類が,抽選で来場者にプレゼントされ,合計で3時間半という長時間にわたるトークライブは幕を下ろした。
「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」公式サイト
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