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5月28日公開の映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」。シリーズ生みの親であるジョーダン・メックナー氏に,映画について話を聞いた
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印刷2010/04/12 15:17

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5月28日公開の映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」。シリーズ生みの親であるジョーダン・メックナー氏に,映画について話を聞いた

画像集#004のサムネイル/5月28日公開の映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」。シリーズ生みの親であるジョーダン・メックナー氏に,映画について話を聞いた

 ジョーダン・メックナー(Jordan Mechner)氏といえば,1989年にリリースされた初代「Prince of Persia」の開発者として知られるゲームクリエイターだ。Prince of Persiaシリーズのほか,日本ではファミコンおよびゲームボーイ向けに発売された「カラテカ」(原題,Karateka。1984年)や「The Last Express」(1997年)などの開発に携わった経歴を持ち,いずれも欧米のメディアから高い評価を得ている。

ジョーダン・メックナー氏
画像集#002のサムネイル/5月28日公開の映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」。シリーズ生みの親であるジョーダン・メックナー氏に,映画について話を聞いた

 そんなメックナー氏がプロデューサーとして名を連ねるのが,2010年5月28日に日本公開が予定されている映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」だ。ベースとなったのは,2003年にリリースされた同名タイトル「Prince of Persia: The Sands of Time」で,ペルシャの王子が時間を自由に操れるという「時間の砂」をめぐり,世界の征服を企む邪悪な集団を相手に冒険を繰り広げるという物語になっている。

 監督は「フェイク」や「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」のマイク・ニューウェル氏で,主人公のペルシャの王子ダスタンを演じるのは「ブロークバック・マウンテン」でアカデミー助演男優賞にノミネートされたジェイク・ギレンホールさん。「007/慰めの報酬」でボンドガールを務めたジェマ・アータートンさんが花を添えるほか,アカデミー賞受賞のイギリスの名優ベン・キングズレーさんなど,豪華キャストが顔を揃えている。日本での配給は,ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン。

画像集#005のサムネイル/5月28日公開の映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」。シリーズ生みの親であるジョーダン・メックナー氏に,映画について話を聞いた

 Prince of Persiaシリーズの生みの親であるメックナー氏が映画のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるのは,それほど不自然な話ではないものの,それでもちょっと畑違いな雰囲気もあり,その辺どうなっているのだろうということで,メックナー氏にメールによるインタビューを行った。メールなので,どうしても一問一答形式になってしまうが,映画とゲームの関係などを答えてもらったので,お読みいただきたい。


 また,4月9日に掲載した記事でも紹介したように,ユービーアイソフトからPrince of Persia: The Sands of Timeの流れをくむシリーズ最新作「プリンス オブ ペルシャ 忘却の砂」PlayStation 3/Xbox 360/PSP)が2010年6月24日に発売される予定になっているので,こちらもぜひ楽しみにしよう。

「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」公式サイト


Q:
 「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」が映画化されることになった経緯を教えてください。また,映画化が決定したとき,どう思われましたか?

メックナー氏
 このゲームが映画化されることは,常々望んでいました。シリーズ1作目のゲームが誕生してから20年の時を経て,何千人というキャスト,そして素晴らしい特殊効果を駆使した,ジェリー・ブラッカイマーならではの壮大なスケールの映画になったのは,自分にとって本当に夢のようなことです。

Q
 「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」であなたはストーリー・ライターという肩書きになっていますが,具体的にどのようなことをされたのでしょう?

メックナー氏
 映画化にあたり,まずはプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーを説得する必要がありました。そこでゲームのストーリーが映画としてもきちんと成立することを証明するため,ゲームの映像を使って2分間の予告編のようなものを作ったんです。初期段階で準備稿をいくつか手掛けたこともあり,最終的にはエグゼクティブ・プロデューサーの一人として名を連ねることになったというわけです。

Q
 映画化にあたっての苦労をお聞かせください。

メックナー氏
 ゲームを映画化する作業で最も難しい点は,ゲームはそれを実際にプレイするプレイヤーによって定義づけられるのに対し,映画にはその法則が通用しないという,二つのメディアの根本的な違いです。映画化にあたっての最大のチャレンジは,ゲーム版のエッセンスを残しつつ,ゲームのプレイヤーではなく映画の観客にエモーショナルな体験を促す,映画版ならではのストーリーを作りだすことでした。

Q:
 映画化にあたって,最も考慮した部分はどこでしょうか? また,どのようなところを観客に見てほしいと思っていますか?

メックナー氏
 この映画を観てくれる人たちには,想像に満ちた素晴らしい大冒険をとおして別世界に旅立ち,繰り広げられる物語の世界にどっぷり浸かって,2時間のあいだ,とにかく楽しんでほしいですね。ジェリー・ブラッカイマーにこの映画の企画を持ち込んだときに私の中にあったのは,20年前にオリジナルのゲームを作る着想を与えてくれたような刺激的な映画にしたい,という願いでしたが,この映画はまさにそういった素晴らしい作品に仕上がっていると思います。

Q:
 ゲームと映画で異なっている点はありますか? あるとして,どうしてそうなったのでしょうか?

メックナー氏
 この映画は,主に2003年に発表した同タイトルのゲームを基にしていますが,ストーリーは異なっています。なぜそうしたかというと,ゲーム版ではあくまでプレイすることを念頭に置いてストーリーを考えたのに対し,今回の映画版では劇場で観ることに焦点を絞る必要があったからです。物語の出だしはある程度似通っていますが,例えば,ゲームではすべてのキャラクターが砂の影響によって化け物へと変身してしまうところから始まる一方,映画にはそのような展開はありません。

Q
 ゲームで演じられた激しい決闘シーン,そして床が抜け落ちたり,崖を飛び移るようなアクションシーンはあるのでしょうか?

メックナー氏
 ゲーム版をプレイしたことがある人なら,映画中で動きの点で多くの共通点に気づく思いますが,映画版ではさらにすごいアクションが展開します。とくにゲートが開いたり落ちてきたりといったアクションには注目して欲しいですね。

Q
 映画のシリーズ化の予定はありますか?

メックナー氏
 この先どうなるかなんて誰にも分かりませんし,私には“時のダガー”もないので知るすべもありませんが(笑),シリーズ化に関連した動きという点で一つだけいえるのは,この映画を基にしたグラフィック・ノベルが春頃,アメリカで発売になります。

Q
 最新作の「プリンス オブ ペルシャ」をどう思われました? やはり20年前とはだいぶ違っていると思いますが。

メックナー氏
 20年の間のPrince of Persiaシリーズの進化に大変驚いています。8bitのApple ?から,現代のコンソールで操作する素晴らしいグラフィックスのゲームに進化し,さらに今回は,信じられない大作映画になりました。1980年代に私がオリジナルのゲームを開発したときには,こんなことは夢にも思っていませんでした。

Q
 日本のゲームファン,また映画を楽しみにしている人たちに一言お願いいたします。

メックナー氏
 長年プリンス・オブ・ペルシャシリーズを応援してくれてありがとうございます。1989年にシリーズ1作目のゲームを発表して以来,日本のファンは根強く,そして熱心に支えてくれました。また,日本での成功が,その後のシリーズ化,そして今回の映画化につながったという点でも,日本のファンの皆さんには本当に感謝しています。

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