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サーバー向けCPU「Xeon 6」が発表に。下位モデルの「Xeon 6 6700E」でも高効率コアを最大144基搭載
Xeon 6は,2024年4月にIntelが公開したCPUだ(関連記事)。前世代までは「Intel Xeon Scarable Processor」というブランドで提供されていたが,今回から「Xeon+世代番号」といった形にブランドを変更した。
Intelによると,現在のサーバー市場では,AIの学習や推論処理など,高い性能が求められる分野と,動画配信やEコマースといった複数の機能を組み合わせて提供するマイクロサービスの分野が大きく成長しているそうだ。Xeon 6では,特性が異なる2種類の製品を用意することで,こうした要望に答えていくとのこと。
Xeon 6は,前世代の第5世代「Xeon Scalable Processor」と比べて,パッケージ内に搭載するチップのモジュール化を進めた。これにより,I/O周りを管理する「I/O die」はそのままに,CPUを搭載する「Compute die」は,CPUコア数に応じて柔軟に変えられるのがポイントだ。
Compute dieは,Intel 3プロセスで製造するダイで,CPUコアに加えて,Last Levelキャッシュやメモリコントローラを統合する。一方のI/O dieは,Intel 7プロセスによる製造で,PCI Express(以下,PCIe)や,チップ間を接続するIntel独自のインターコネクト機能「Ultra Path Interface」(UPI),CPUとメモリ,そのほかの周辺機器を接続するCompute Express Link(CXL)などを備える。
Xeon 6 E-coresは,動画のトランスコードなど,高密度のワークロード向けの製品で,CPUコアのアーキテクチャには,ノートPC向けCPU「Core Ultra」のE-coreと同じ「Crestmont」を採用した。CPUコア数は,Xeon 6 6700Eで最大144コア,その上位モデルである「Xeon 6 6900E」で,最大288コアとなる。
Xeon 6 E-coresは,5年前に登場した第2世代「Xeon Scalable Processor」と比べて,性能は4.2倍,電力効率は2.6倍に向上した。この性能向上により,サーバールームのラックをおよそ3割ほどまで減らせるという。
一方のXeon 6 P-coresは,従来のXeonと同様にビックデータの解析や設計業務,AIの学習と推論などに向けた製品だ。CPUコアのアーキテクチャは,Core UltraのP-coreと同じ「Redwood Cove」である。こちらは「Xeon 6 6900P」「Xeon 6 6700P」「Xeon 6 6500P」「Xeon 6 6300P」「Xeon 6 SoC」と幅広いラインナップをそろえている。CPUコア数は最大128コアだ。
詳しい性能については示されなかったが,AIの推論処理では,AMDのサーバー向けCPU「EPYC」と比べて,最大3.7倍の性能を発揮するそうだ。また,第5世代Xeon Scalable Processorと比べて,2〜2.3倍ほどの性能を実現するとのことだ。
また,IntelがNVIDIAを猛追すべく力を入れているデータセンター向けAIアクセラレータ「Gaudi 3 AI Accelerator」(以下,Gaudi 3)を搭載した,ベースボードキットの価格も明らかとなった。
Gaudi 3は,AI処理に使う第5世代の「Tensor Processor Cores」と「Matrix Math Engines」,容量128GBのHBM2eメモリ,PCIeなどを統合したSoCとなる。Intelによると,NVIDIAのデータセンター向けGPU「H100 Tensor Core GPU」(以下,H100)と比べて,AIの学習処理で,最大1.4倍,推論処理で平均2倍の性能を実現するという。
Gaudi 3は,専用コネクタで接続する拡張カードタイプのほか,単独で利用できるベースボードタイプと,PCI Express(以下,PCIe)拡張カードという3種類のフォームファクタで提供する。今回価格が明らかとなったのはベースボードタイプでGaudi 3を8基搭載した「Gaudi 3 AI Accelerator kit」が12万5000ドル(約1942万円)だ。Intelは,1ドルあたりの性能は,H100と比べて,2.3倍にもなるとアピールしていた。
Intel公式Webサイト
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