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Intel,基幹サーバー向け新型CPU「Xeon E7 v4」を発表。CPU 1基あたり最大容量3TBのメインメモリを搭載可能に
開発コードネーム「Broadwell-EX」とも呼ばれる新型CPUは,最大で24基のCPUコアを搭載し,L3キャッシュ容量は最大60MBに到達。CPU 1基あたりのメインメモリ容量は最大3TBとなり,8-way(8ソケット)であればシステムあたり最大24TBものメインメモリ構成を実現できるようになっている
一方で,14mmプロセス技術を採用して製造される点は前世代のXeon E7 v3ファミリーと変わらず,CPUソケットの互換性もあるのが特徴だ。
間違ってもゲーマー向けPCに搭載するようなCPUではないが,簡単に説明しよう。
今回発表された製品は,8-way(8ソケット,8P)対応のXeon E7-8000番台が7製品,4-way(4ソケット,4P)対応のXeon E7-4000番台が4製品というラインナップとなっている。本稿執筆時点では,スペックの詳細が明らかになっていない部分も多いのだが,判明している限りの情報は表にまとめたので,参考にしてほしい。
メモリコントローラは,Xeon E7 v3ファミリーと同様にDDR4とDDR3に対応するはずなのだが,具体的なスペックは不明だ。また,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は最大165Wで,115/140/150Wの製品もあるとのことだが,各製品ごとのTDPは公表されていない。
アーキテクチャがそれまでとは大きく変わったXeon E7 v3ファミリーとは異なり,Xeon E7 v4ではアーキテクチャそのものは前世代を継承しつつ,搭載CPUコア数やメインメモリ容量といったスペックを強化する方向での改良となっている。そのため,Intelの製品アピールも,スペック面での強化点や競合製品との差が中心となっており,アーキテクチャの細かい話はほとんど出ていない。
大きな特徴である対応可能なメインメモリ容量の増大は,積層メモリ技術を利用した「3DS LRDIMM」(3D Socket Load-Reduceed DIMM)への対応により,実現したものだ。複数枚のDRAMダイ(半導体本体)を重ね,1つのパッケージ内で積層させたメモリチップを採用することで,メモリソケット1基あたりの記憶容量を増やせるようになった。これにより,Xeon E7 v3ファミリーでは,CPU 1基あたりの最大メインメモリ容量が1.5TBだったのが,新しいXeon E7 v4では最大3TBに倍増したというわけだ。
Intelでは,この大容量メモリ対応を強くアピールしており,新しいXeon E7 v4搭載サーバーでは,メモリ空間上に大規模なデータを展開してのリアルタイムデータ解析が可能になると謳っている。
PC用途で積層メモリ技術といえば,「Radeon R9 Fury」に採用された「High Bandwidth Memory」(HBM)を思い起こす人もいるだろう。Xeon E7 v4が先鞭をつけたことにより,メインメモリにおける積層メモリ技術の採用に弾みがつけば,将来的に,一般消費者向けのPCで搭載できるメインメモリ容量が一気に増える時代がやってくるかもしれない。
IntelのXeon E7製品情報ページ
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