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AMD,サーバー向け製品のロードマップを改定。2014年からはARMとx86,両アーキテクチャの2本立てに
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印刷2013/06/19 00:00

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AMD,サーバー向け製品のロードマップを改定。2014年からはARMとx86,両アーキテクチャの2本立てに

 北米時間2013年6月18日,AMDは同社サーバー向けプロセッサ製品のロードマップを明らかにした。今回の目玉となるのは,AMDとして初めて本格的にARMアーキテクチャを採用することになるSoC(System-on-a-Chip)や,HSA対応APUの概要が明らかにされた点だ。2014年のAMDのサーバー戦略を見てみよう。


ARMとx86の両アーキテクチャ,そしてHSAにすべてを賭けるAMD


 下に示したのは,「エンタープライスサーバーやデータセンターサーバーの市場を奪い返す」として発表されたロードマップだ。

画像集#002のサムネイル/AMD,サーバー向け製品のロードマップを改定。2014年からはARMとx86,両アーキテクチャの2本立てに

 1P(=1-way,1ソケット)の市場に対して「Berlin」(ベルリン,同)と「Seattle」(シアトル,開発コードネーム),2P(=2-way,2ソケット)および4P(=4-way,4ソケット)の市場に対して「Warsaw」(ワルシャワもしくはウォーソウ,開発コードネーム)をそれぞれ投入するというのが2013年後半から2014年にかけての動きということになるわけだが,小規模サーバー向けから順に見ていくこととしよう。


■Seattle

 2014年下半期に投入が予定されているSeattleは,現行製品であるOpteron Xシリーズの「Opteron X1150 CPU」「Opteron X2150 APU」を置き換える,64bit版ARMアーキテクチャを採用するプロセッサだ。
 AMDが「業界初のサーバー向け64bit ARM採用SoC」と位置づけるSeattleは,「Cortex-A57」CPUコアを16基統合し,CPUコアクロックは2GHz以上がターゲットになるという。採用される製造プロセス技術は28nmとされるので,おそらくはGLOBALFOUNDRIESの28nmプロセスではなかろうか。
 最大容量128GBのメインメモリをサポートし,データの暗号化や圧縮を行う「高効率のオフロードエンジン」が集積されるとのことだ。

 Seattleは,現行のOpteron X1150 CPUおよびOpteron X2150 APUに対して2〜4倍の性能と,高い電力効率も合わせて実現するとAMDは述べているが,CPUアーキテクチャがx86からARMへと大転換してしまうため,顧客は直線的に移行できないことも考えられる。
 なので,ロードマップ上はOpteron X1150 CPUとOpteron X2150 APUの後継だが,むしろAMDは完全な新製品として訴求し,既存の顧客はBerlinへの移行を促す,といったことになる可能性もあるだろう。


■Berlin

 2014年上半期に投入されるBerlinは,現行のOpteron 3300シリーズを置き換える製品とされるAPUだ。
 BerlinのCPU側は,現行のハイエンドCPUコアモジュール「Piledriver」の後継となる「Steamroller」を採用する,2モジュール4コアのx86プロセッサとなる。組み合わされるGPUコア側の概要は明らかになっていないが,28nmプロセス技術を用いて製造され,現行の「Opteron 6386SE」と比べて,消費電力あたり演算の性能は8倍に達するとのことなので,GPUコア性能にもかなりの手は入るものと考えられる。
 AMDが「サーバー向けとして初めてHSA(Heterogeneous System Architecture)をサポートするAPUになる」としているのも見逃せないところだ。


■Warsaw

 2014年上半期に投入される予定のWarsawは,現行のOpteron 6300シリーズおよびOpteron 4300シリーズを置き換えるエンタープライズ向けのx86プロセッサとなる。採用されるCPUコアモジュールはPiledriver,また製造プロセスは32nmで,これらは現行製品と同じだ。
 AMDは「コストダウンと電力性能の引き上げを実現する」としているが,コアアーキテクチャや製造プロセスが変わらない以上,現行のOpteron 6300シリーズやOpteron 4300シリーズと大差はないと見ていいと思われる。


 ……以上が2014年のAMDのサーバー製品になるわけだが,総じて,x86とARMの両アーキテクチャで小型サーバー市場を狙う戦略に出た,と見るのが,このロードマップの正しい解釈ではなかろうか。
 従来の顧客に対してはWarsawを提供しつつも,消費電力あたりの性能を追求し,HSAにも対応するBerlinを軸に据え,さらにARMアーキテクチャのSeattleで新たな顧客の獲得に向かう,という方向性が,このロードマップからは見て取れる。意地悪く言えば,2P&4Pの市場において対Xeonでにっちもさっちもいかなくなり,この戦略を取らざるを得なくなった,といった印象でもあるのだが。

 実際にどうなるかは2014年にならなければ分からないが,HSAを中心に据えたx86とARMの両アーキテクチャ2本立て体勢に,AMDが賭けていることは容易に想像がつく。APUの動向はゲーマーにとっても重要であるだけに,AMDがサーバー市場で向かっている方向は押さえておく必要がありそうだ。

AMDによるプレスリリース(英語)

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