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iPadがもたらす新たなゲームの可能性とは? トークイベント「粒谷区立ツブヤ大学レギュラー講座『GaMe』」2時限目
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印刷2010/05/31 20:43

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iPadがもたらす新たなゲームの可能性とは? トークイベント「粒谷区立ツブヤ大学レギュラー講座『GaMe』」2時限目

 5月28日,東京都内の「ゲームスペース渋谷 道玄坂カフェ」にて,イベント「粒谷区立ツブヤ大学レギュラー講座『GaMe』」の2時限目が行われた。
 このイベントは,ゲーム業界関係者を招いて,そのときどきの旬の話題をテーマにトークを繰り広げるというもの。今回はVJ_TAKUMAこと岸本拓磨氏をMCに迎え,当日国内で発売されたiPadをフィーチャーした内容となった。

画像集#002のサムネイル/iPadがもたらす新たなゲームの可能性とは? トークイベント「粒谷区立ツブヤ大学レギュラー講座『GaMe』」2時限目

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 今回の講義で大きな目玉となったのは,マーベラスエンターテイメントからリリース予定のiPad用ゲーム「Followars」だ。
 このタイトルはTwitterと連動しており,プレイヤー自身のキャラと,フォロワーの中から召喚したキャラの計3人を使って対戦するというゲーム。実は4月23日に行われたGaMe1時限目でも紹介されたのだが,その時点では不具合が発生していたため,まだ鋭意開発中という段階だったのだ。
 開発を手がけたRoute24の西 健一氏によると,そのあと不具合の修正を終わらせ,iPadの国内発売に間に合うよう申請したとのこと。しかし,当日になっても(そして本日の時点でも)AppStoreからは配信されていないという残念な状態になっている。

 会場では,西氏と岸本氏によるiPad実機上でのデモプレイが披露された。各キャラのパラメータはフォロワーやつぶやきの数などを特定の数式に当てはめて算出するのだが,面白いのはTwitter歴が長いほど“かしこさ”が高くなる点。
 つまり,どんなにフォロワーが多い有名人のキャラであっても,先日Twitterを始めたばかりであれば,それほどかしこくないので付け入る隙があるというわけだ。
 ちなみに2年以上前からTwitterのアカウントを取得している西氏のキャラは,相当かしこいらしい。

 なお現バージョンは,キャラ同士が殴り合って勝敗を決めるというシンプルな仕様だが,次回以降のバージョンでは魔法や転職,つぶやきによる召喚獣などの要素が追加される予定。
 また現在は,1台のiPadを挟んでプレイヤー同士が向い合って対戦する形式だが,あらかじめ設定しておくことで,ネット上の不特定多数の相手と非同期対戦できるような仕様も検討しているとのこと。

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 そのほか,Klabのエンジニアである竹井英行氏は,同社のiPadと複数のiPhoneを使うゲーム「PartyGames」シリーズから,「PartyPoker β版」と「PartyCoupleMatching β版」の2タイトルを紹介した。
 前者は,その名の通りポーカーで,中央に置かれたiPadに“場”が,プレイヤー各自のiPhoneに手札がそれぞれ表示される。iPhoneをフリックすると選択した手札がスムースにiPadに移動する様子などが披露された。
 竹井氏は「何もiPadでなくとも,普通のトランプを使えばいいじゃないか」と自分でツッコミを入れていたが,同シリーズは“リアルソーシャル”なゲームとして,今後もボウリング,ダーツ,フィッシング,ヨガなどをモチーフに展開していくとのこと。

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 ロボットの田中朝子氏は,同社が開発を手がけた「PhoneBook」を紹介。これは専用の絵本とiPhoneを組み合わせたもので,物語の内容に沿って画面をタッチしたり,本そのものを傾けたりといったインタラクティブなアクションを楽しめる。
 コンセプトは「モバイルを介した新しい親子のコミュニケーションの創出」とのことで,子供の絵本と親のiPhoneを使って一緒に楽しむというアイデアに,会場からは感嘆の声が上がった。

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 また,NHK教育テレビ「趣味悠々」の講師などでおなじみのクリエーター,佐々木 博氏は,iPadにおけるゲームについて岸本氏とトークを展開。
 まずはiPad用ピンボールゲーム「The Pinball HD」などを例に,キーワードとして“大きければいい”を挙げた。加えて,iPhone/iPod touch用としてリリースされているハドソン「Catch The Egg」などの加速度センサーを使ったゲームも,iPadのサイズを利用すればより楽しめるのではないかと見解を述べた。
 その一方で,画面が大きすぎて3D酔いしやすい,コントローラとしては重いといった,iPadの大きさから生まれるデメリットも指摘していた。

 佐々木氏が挙げるもう一つのキーワードは,iPadの大きな画面がもたらす“リアリティ”。佐々木氏は,リアリティを感じるような画面をうまくiPadに落とし込むことで,今までゲームに関心を示さなかった層──例えばお年寄りや主婦に向けて,生活の中にさり気なくゲームを組み込んで行く余地があるのではないかとの考えを述べた。

 さらに佐々木氏は,テーブルの上などに置くことで,1台のiPadを“皆で見られる”ことから,上記の「PartyGames」のようなパーティ用ゲームに向いていると指摘。
 これからは喫茶店や居酒屋,あるいはレストランに集まったら,テーブルの真ん中にiPadを置き,皆でゲームをしたり動画を見たりする光景が見られるようになるのではないかと語っていた。

 また,大画面のiPadのゲームは,皆で“シェア”することはできても,公衆の面前ではなかなかプレイしにくい。佐々木氏はそこを逆手に取り,ゲーム機として使用するだけでなく,“あえて見せる”ような遊びもアリなのではないかと指摘。
 具体的な例として,GPS機能とシェイクを使った「すれ違い通信」,サイネージアプリを使ったオリエンテーション,GPS機能を利用した宝探し,昔撮った写真に写っている場所に行き,もう一度写真を撮るというような遊びの可能性を示唆した。
 こうした佐々木氏のアイデアを受けて,岸本氏は「今の出版業界やゲーム業界には“崩壊”という言葉が飛び交っているが,実は新しい形に“チェンジ”している」のだという見解を述べた。

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 イベントの最後には,1時限目のMCを務めた米光一成氏が登場した。米光氏は,一連の内容を受けて,iPadのような新しいものに触れると刺激され,さらに新しいものが生まれていくと指摘。
 さらに,そうしたループを持続させていく要素として,iPadは「三つの“C”」を提供していると述べた。一つめの“C”は,人と人や音と映像,書籍とインタラクティビティを繋ぐ「コラボレーション(collaboration)」。二つめの“C”は,iPadをテーブルに置いて皆で囲むことにより発生する「コミュニケーション(communication)」。最後の“C”は,「ココ(Coco)にいる」。
 ……最後がちょっと強引な気もするが,米光氏曰く,必ずしも同じ場所にいなくとも繋がっている,ココとココが繋がっていると感じられるものをiPadは提供できるというわけだ。

 なお次回以降のGaMeでは,米光氏と岸本氏が交互にMCを務めていく予定。次回3時限目は,米光氏のMCで「電子書籍」をテーマにした内容となるとのことなので,興味のある人はぜひチェックしておこう。

粒谷区立ツブヤ大学公式サイト

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