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[GDC 2010]テーブル型ゲームエンターテイメント「Microsoft Surface」はデベロッパを大募集中
Microsoft Surfaceは,「プレイテーブル」をコンセプトに,商業施設やホテル,バーなどで複数のプレイヤーが同時に楽しめる,マルチタッチ/マルチユーザーによるゲームプレイを目的に開発された。Windows 7でマルチタッチインタフェースは珍しくなくなったが,Microsoft Surfaceにおけるマルチタッチインタフェースは,複数のプレイヤーが同時にタッチ操作をしても大丈夫なように,テーブル内に5台のカメラを内蔵することで死角をなくすとともに,テーブル上にグラスなどのオブジェクトが置かれても,それを正しく認識できるようになっている。
MicrosoftがSurfaceで目指したのは,
1. キーボードやマウス操作では実現できないマルチタッチインタフェースによる自然な動き
2. 40本以上の指が同時に触れても処理できる認識能力の高さ(現在は最大で52タッチを認識可能)
3. その場で面と向かってプレイするマルチユーザープレイでしか味わえない楽しさ
4. グラスやチケットなど,指以外のオブジェクトも認識できるようにすることで,現実社会とデジタル世界をつなぐ新しいゲームの実現(バーに置かれたSurfaceにグラスを置けば,そのムードに合ったゲームの選択メニューが表われるなど)
同セッションではSurfaceにおけるゲーム実装の実例として,カーネギーメロン大学が開発したダンジョンゲーム「Dungeons & Dragons」が使用された。昔ながらのカードゲームの要素と,現在のRPGの要素を融合させ,複数のプレイヤーがテーブルを囲みながら楽しめるようにしてある。ゲームプレイは,一人がダンジョンマスターとなり,ノートPCなどを介してプレイするストーリーや,登場するキャラクターを選択。プレイヤーは,ゲームマスターが設定したダンジョンに挑戦していく。プレイヤーには各自,キャラクターとなるコマが与えられ,Surface上のマス目のどこに進み,どういったアクションを行うかを決めていくのだ。
また,Vectorformが開発した,複数のプレイヤーが協力して敵を倒していく「Galactic Alliance」や,複数のプレイヤーがDJプレイを楽しめる「SurfaceDJ」などが披露された。
同社は,このパートナープログラムの立ち上げとともに,小型機や薄型機の開発に着手していることも明かした。これは,現在のSurfaceがデベロッパキットで5000ドル(約45万円),商業機関向けのユニット販売でも2500ドル(約23万円)と,高額だからだ。さらに同セッションでは,Surfaceは19か国語に対応するが,おもに欧米・中東圏の言語のみのサポートで,アジア圏の言語対応が遅れていることも吐露した。マルチタッチインタフェースを使ったゲームの可能性は,十分にデベロッパに伝えることはできたが,それ以上に,改善しなければならない課題が数多くあることを知らせた結果になったのも事実だ。
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