プレイレポート
スクウェア・エニックスから6月10日の発売が決まった,南国破天荒アクション「ジャストコーズ 2」とは?
2月25日に掲載したニュースでもお伝えしたように,スクウェア・エニックスが6月10日の発売を予定している三人称視点のアクションゲーム,「ジャストコーズ 2」(PlayStation 3/Xbox 360)。
広大なフィールドを自由に行き来し,発生するミッションを次々に攻略していくという,オープンエンドなシステムを持ったジャストコーズ2の舞台になるのは,東南アジアの島国「パナウ」だ。まさに南国の楽園という雰囲気満々だが,実は政情不安定で,現大統領は実の親である前大統領を殺害して現職に就任したのではないかとウワサされるような人物。いかにも独裁者らしく,国全体に圧政を敷いており,さらには警察や官僚の汚職も日常茶飯事という絵に描いたようなありさまだ。そのため各地にゲリラ組織が誕生しているが,ゲリラ同士もまたいがみ合ったりしており,複雑だったらありゃしないのね。
うるわしのパナウ
「ジャストコーズ 2」公式サイト
主人公は2006年にリリースされた前作「JUST CAUSE」と同じく,リコ・ロドリゲスが務める。前作ではフリオ・イグレシアス風のヤサ男だったリコだが,今回は髪を短く刈り込み,精悍な雰囲気を漂わせている。かつてある秘密組織に属し,政府転覆のスペシャリストとして鳴らしたが,現在は第一線から退いている男だ。
そんな彼が現役復帰したのは,決して同僚のマリア・ケーンのノースリーブ姿に惹かれたからではなく(それもあったかもしれないが),彼の元上官であり相談役でもあったトム・シェルドンが,よりによって組織の最高機密情報と工作資金数百万ドルを持ったまま,パナウを最後に消息を絶ったからだ。彼は逃げたのか? それとも誘拐されたのか? 逃げたとしたら,目的は何か……そういったことを探るため,リコは陰謀と戦乱の渦巻く南の島にダイブすることになったのだ。
そんなジャストコーズ 2を,スクウェア・エニックスで実際にプレイする機会が得られたので,ゲームの内容をごくかいつまんでお知らせしよう。広い島内を舞台にホント自由になんでもかんでもできるというゲーム性を持った本作であるため,細かく説明するとキリがないような気がしてならないので,とりあえず,今回はゲームの概略といった感じで。
ちなみに,プレイできたのはXbox 360版で,状況としては日本語版のプレβ版程度。写真撮影はNGということで,掲載したスクリーンショットはスクウェア・エニックスから提供してもらったものを使っている。
製品には「字幕付き英語音声」と「日本語吹き替え」が収録される予定で,切り替え可能。これで,アクションシーンのまっただ中で文字なんか読んでられん,という人も,海外生まれのゲームなんだから雰囲気を重視したいという人も揃って大丈夫だ。
迫力満点のオープニング
さあ,オープニングからゲームは快調である。ヘリコプターの機内でマリアと会話していると,突然ミサイル攻撃を受け,機体が揺れて重要なデータが入ったPDAとメモリカードが落下してしまう。それを見たリコは一瞬の躊躇もなく,落ちた品々を追って夜の闇に飛び出す。降りたところは政府軍の軍事基地で,もちろん銃撃戦の始まりだ。ここまではアッという間。たたみ込むようなアクションの連続が前作の大きな特徴だったが,本作はそれがさらにパワーアップしているという印象。アクションゲームなんだから,余計なことは考えない! なんだったら,考えなくてはいけないことまで考えない! 制作者側のそんな熱いメッセージが聞こえてくるようだが,空耳かもしれない。
開発は,スクウェア・エニックス傘下のEidosと,前作を担当したスウェーデンのAvalanche Studiosが行っており,ぱっと見,前作に比べてグラフィックスが圧倒的によくなった。このページに掲載したスクリーンショットからも分かるように,南国風のパナウではあるものの,島の中央に高い山がそびえており,ジャングルだけでなく雪山から砂漠地帯までさまざまな地域があるため,ロケーションは豊富だ。
ゲーム内の時間は自動的に流れ(ミッションによっては,夜間とか,時間が決まっているものもあるが),天候も変わっていく。雨の降る様子や,日の出,日没の雰囲気などは抜群で,ミッションの合間に島を観光するのも悪くなさそう。
便利すぎるグラップリングフック
さて,リコの秘密兵器は,“グラップリングフック”である。ララ・クラフトといいリコといい,Eidosは本当にグラップリングフックが好きだと思う。
説明するのもナンだが,これは要するに,かぎ爪が先端に付いたヒモで,それをぶん投げて何かに引っかかったら,ヒモを巻き上げるわけだ。とはいえ,それがもう常識外れに遠くまで飛び,降下地点から基地に近づく段階ですでにグラップリングフック使いまくり。一見,難攻不落の政府軍の軍事基地だが,壁をスルスル登ってあっさり潜入してしまうのだ。まるでスパイダーマン。ゲーム中,フックが引っかからない場所もあるが,ごくわずか,ほとんどどこへでも好きなように投げられるという印象だ。説明してくれたスクウェア・エニックスの人によると,ちょっとした移動ならグラップルのほうがラクチンとのこと。もちろん,長距離の移動には多数用意されたビークル類を使うわけだが,このグラップリングフックを使ったアクションは,ほかにも使い道が多い。
例えば,高いところにいる敵兵にフックを引っかけて思い切りひっぱると,敵は「あー!」という悲鳴とともに落下していく。あるいは,どういう仕掛けなのかは知らないが敵とオブジェクトを結びつけることも可能で,プロパンガスのボンベと敵をくっつけてボンベの尻を撃つと,ボンベはまるでロケットのように敵をくっつけたまま火を吹いてどこかへ飛び去っていくのだ。
このあたりのことは,2月25日の記事や2009年11月11日の記事中にあるムービーを確認してほしい。思わず笑ってしまうような,多彩なグラップルさばきが見られるのだ。
正直な話,「広大なフィールドで自由な冒険」と聞いて,またか,と思う人も多いはず。だが,ここまでイマジネーション満点の大暴れを許容するゲームはなかった。ボンベに乗って空中に飛び上がったり,飛んでいるジェットにグラップリングフックで飛び乗ったりなど,信じられないアクションは,まだまだほかにも隠されていることだろう。なんだか楽しみだ。
なんでもかんでもぶっ壊せ!
というわけで,PDAとメモリカードを回収したリコは,続いて基地の破壊にかかる。爆弾を投げつけ,いたるところにある爆発物に銃弾を撃ち込み,敵の機関銃を奪って乱射。こうして,破壊を重ねることで政府に混乱をもたらし,どこからなのかはよく分からないが,ごほうびのお金がもらえ,それで買い物をしてゲーム展開が楽になるという仕掛けだ。とはいえ,それよりなにより,物理エンジンを駆使して派手にぶっ飛んでいく建物や,こんなものまで壊れるかという面白さのほうが強い。暗い夜空に,オレンジ色の火の玉がよく映えるのである。
また,この破壊行動はサブミッションにもなっており,ミッションではそのまま何もしないで脱出し,あとから基地破壊に戻ってくるということも可能だ。
その後,マリアのヘリコプターで基地を脱出し,最初のミッションはクリア。さらに,カジノのある超高層ビルでの大立ち回りが待っているのだが,それはまた次の機会に譲りたい。
いずれにせよ,意外な佳作が日本語版になって登場することになったわけだ。確かに“世界注目の超大作”とは呼べないかもしれないが,ハリウッド映画もかなわないほどのアクションを満載した本作。たぶん日本語版は出ないだろうなあと思っていた海外ゲームファンには嬉しいニュースである。
スクウェア・エニックス傘下のEidosには,このジャストコーズ2以外にも,2010年の発売が予定されている気になるタイトルがいくつもある。アレ2とかコレ3とかね。こうしたゲームの日本発売についても,期待していいんじゃないかと思う。
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(C) 2010 Square Enix Ltd. All rights reserved. Published by SQUARE ENIX CO.,LTD. Developed by Avalanche Studios.
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