お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(3)マイク入力テストと総合評価
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2015/04/06 10:00

ニュース

HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(3)マイク入力テストと総合評価

総試用時間:5時間
短評(2)短評(1)

Kave XTD Stereo
メーカー:ROCCAT
問い合わせ先:岡谷エレクトロニクス(販売代理店):問い合わせフォーム
実勢価格:1万〜1万2000円程度(※2015年4月6日現在)
画像集 No.002のサムネイル画像 / HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(3)マイク入力テストと総合評価
 ROCCAT製のアナログ接続型ヘッドセット「Kave XTD Stereo」の短評,3回め。今回はマイク部分の試聴テストと計測結果分析をお届けする。マイクテストの計測方法は解説ページを参照してほしい。

 というわけでさっそくテスト結果だが,周波数特性は,かなり個性的な結果となった。公称では10Hz〜10kHzなのだが,実際には30Hz〜5kHzくらいの結果で,とくに5kHz以上で帯域の落ち込みが激しい。
 12kHz〜16kHzくらいで盛り返しているのだが,プレゼンス※より高い帯域ががっつり落ち込んでいるせいで,声を録音して聞いてみると,何を言ってるかはもちろん分かるものの,回線状況がよろしくないときに「Skype」を使ったときのような,「高域がない」印象になる。もっと言うと,4kHz以上が切れていて低域が強いため,全体のバランスとしては低域が中域より上に被っているような感じだ。

テスト結果。2つあるペインの上側に示した周波数特性は,グリーンがリファレンス。オレンジがKave XTD Stereoのものだ。下ペインは位相波形で,リファレンスとテスト結果が重なっており,問題ないのが分かる
画像集 No.003のサムネイル画像 / HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(3)マイク入力テストと総合評価
※2kHz〜4kHz付近の周波数帯域。プレゼンス(Presence)という言葉のとおり,音の存在感を左右する帯域であり,ここの強さが適切だと,ぱりっとした,心地よい音に聞こえる。逆に強すぎたり弱すぎたりすると,とたんに不快になるので,メーカーは腕の見せどころとなる

ご覧のとおり,マイクは結構口から離れる。口元に寄せたければ,ブーム中央あたりを思い切ってぐいっと内側に曲げると,意外と曲がるので,試してみてほしい
画像集 No.004のサムネイル画像 / HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(3)マイク入力テストと総合評価
 ゲーム中のチャット音声だと,一般にサンプリング周波数が8kHzで,実際の上限周波数は4kHz付近※なので,4kHzまで問題なく入力されている以上,問題ないともいえるが,ボイスチャットで高周波まで扱えるゲームタイトルで,かつネットワーク環境が良好な場合,この入力特性がストレスになる可能性もゼロではない。なんというか,「ゲームならネットワーク帯域幅考えても8kHzもあれば十分だよね」という割り切りを感じる。

※「あるオーディオ波形を正確にサンプリング(標本化,つまりデータ化)するためには,当該波形の周波数成分よりも2倍以上高い周波数を用いる必要がある」という「サンプリング定理」に基づいた解釈

マイクの口側の空気孔(上)は,写真では分かりづらいが,大きなものが1つだけだ。下はマイク部分の外側で,空気孔が1つあるように見えるが,こちらは単なるデザインだろう
画像集 No.005のサムネイル画像 / HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(3)マイク入力テストと総合評価
画像集 No.006のサムネイル画像 / HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(3)マイク入力テストと総合評価
 一方で低周波は30Hzくらいまで出ており,十分過ぎるくらいでもある。ここまで低周波が出ていると,低周波ノイズが気になるところだが,スペック表に記載されている「ノイズキャンセラー」のおかげか,低周波ノイズは気にならない。
 ただし,アナログ接続で無指向性ということ,そして実際の位相波形を見ても,ノイズキャンセリング機能が用意されているのではなく,ノイズリダクション機能付きマイクを搭載しているか,ノイズリダクション機能を本体に実装している可能性のほうが高い。

 ノイズがいい感じで減るのはいいのだが,ここまで明瞭感に欠ける音質傾向でいいものか。若干の疑問は残る。

インラインリモコンは,マイクミュート有効/無効の切り替え用スライドスイッチとヘッドフォン出力調整用ノブのみを装備した,シンプルなもの。サイズは実測26(W)×70(D)×17(H)mm程度で,大きくも小さくもない。クリップがあるので,衣服への固定は可能だ
画像集 No.007のサムネイル画像 / HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(3)マイク入力テストと総合評価 画像集 No.008のサムネイル画像 / HW短評:ROCCAT「Kave XTD Stereo」(3)マイク入力テストと総合評価

 ここまでの3回からまとめてみると,バーチャルサラウンドサウンドがきれいに“効く”のと,中低域が効果音が密集してもこもこしないこと,そして,ノイズが多くて低いレートのネットワーク環境でもきちんと聞こえる,というところが狙いのように感じられた。マイクの特性も含め,今日(こんにち)的なゲームのサウンドと,ゲームのボイスチャット環境へ最適化された製品という印象である。

Kave XTD StereoをAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)

ROCCATのKave XTD Stereo製品情報ページ(※英語)


※HW短評に関する注意
  • HW短評(ハードウェア短評)は,各執筆者が,テスト経過時点でのインプレッションをまとめたものです。最終的な評価の掲載を目的とするわけではないため,次回以降のHW短評,もしくは別途掲載されるレビュー記事などとは異なる評価が掲載されることもあります
  • HW短評について,お気づきの点や,「こんな追加テストをしてほしい」という要望があれば,問い合わせフォームの「記事について(掲載情報の間違いや修正依頼など)」からお伝えいただければ幸いです。ただし,ご要望にお応えできない場合もありますので,この点はご容赦ください
  • 関連タイトル:

    ROCCAT

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:11月12日〜11月13日