このゲームの読者の評価
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非実在型の爆弾か、それとも成長株か 35 - 投稿者:のらくろ(男性/30代)
- 投稿日:2010/09/03
- 良い点
- 現在ではマルチゲームのスタンダードになりつつある4人CooPですが、
この作品も格安でありながら4人COOPを楽しめるというSFチックなFPSです。
プレイしてみるとそのアンリアルエンジンによって彩られた美麗なグラフィック、
そして寒天のように重厚感が溢れる銃撃戦と尻尾を追い回す犬のように賢いAIに
きっと驚くでしょう。
そんな作品の唯一といってもいいほどの良い点は、そのデザインです。
4人の主人公達は正にスタンダードな4人組的デザインになっています。
地味なリーダー、紅一点、ガチムチ、ワル坊と一見しただけで
どんな性格をしているのかが把握出来ます。
特にワル坊のShadeの半サイボーグしたキャラデザインはかなり秀逸です。
音声も機械音声が混じっており、一見の価値はある格好良いキャラクターでした。
もしもう一つ挙げるならば、TPSをこれから作る、作りたいという製作者様には
是非とも一度はプレイして欲しい教科書的な存在になりうる、という事でしょうか。
どうしたら射撃感が出るか、何が爽快感に繋がるのか、オプションは何が必要なのか
というTPSの設計の基本の失敗点が余りにも分かり易い。
これを反面教師にすれば、きっと佳作にはなるんではないだろうか、
と思うほど素材の調理が勿体無い作品でした。 - 悪い点
- まず戦闘全般について挙げます。
敵味方問わずAI全般が酷く、
殆ど棒立ちでこちらの銃撃を一方的に浴びる、敵が遮蔽物から乗り出したと思ったら
こちらの銃撃が一方的に当てれる位置で謎のカバーリングを始めたりします。
味方AIも同じようなもので、大量の敵のど真ん中でカバーリングしているので
誤射がしょっちゅう発生します。
味方が占拠したと思った陣地で敵がしゃがんでいて、
自分だけそいつから射撃を喰らった事もありました。
味方AIに関してはフレンドを呼んでCOOPにするか、
もしくはゲーム内コンフィグでは確認する事が出来ない
Gキーでの指令、Fキーでの指令解除が出来るという事を発見すると解消出来ます。
DL販売で購入した海外ゲームをプレイする時の操作方法の把握なんて
コンフィグを見れば一目瞭然だ!と思っていた私は非常に甘かったです。
昨今のDLゲームという媒体が発達した時代でも説明書をPDFファイルに残し、
「説明書を見ないからこうなるんだ!」とも言わんばかりの仕様には
この時代に対する警鐘を1秒だけ感じましたが、
シングルプレイヤーへの嫌がらせ以外の何物でも無いな、と思いました。
で、COOPならば問題が解消するかと言えばそうでもありません。
前述した射撃感と爽快感の皆無さが4人の友情を壊しかねないからです。
まずガトリング以外に銃のリコイルが無く、敵も弾着したら微妙に振動するだけで
本当に当たってるのかどうかがクロスヘアの変色以外では把握し辛い。
それに加えて敵が無意味に固く、ヘッドショットを10発近くぶち込まないと倒れず、
時にはAIがその硬さに身を任せて特攻してくるので、
理不尽なダウンを強いられてストレスが増します。
そのリコイルの無さから使用する銃の一択感が強まってるのもダメな点でした。
そのポインター合わせのような銃撃戦は作業としか思えず、
マリオペイントのハエ叩きの方がまだ面白かったと言えるでしょう。
さらにカバーアクション部分も全然ダメでした。
まず全体的にもっさりとしており、スピーディーな感じは全然しません。
さらに敵の銃撃の命中判定が"リーン(覗き込み)をしているか?"という
要素だけでしか判定していないようで、
敵の銃撃中に体を出していると敵が放った10発の銃弾は
全部"確実"に被弾し、例えオブジェクトから体がはみ出てようが
リーンをしてなければ1発も被弾しない酷い設計になっていました。
戦場の臨場感を演出する隠れながら銃だけを出して適当撃ちをする
"ブラインドショット"も出来るのですが、上記の命中判定のせいで
ブラインドショット中も100%被弾し、手を隠すのに1アクション必要になるせいで
リーンをした方が逆に安全という本末転倒な事になっていました。
このような設計のおかげでCOOPプレイは
3チェックポイントまでしか出来ませんでした。
シングルでプレイする場合は友情破壊のリスクが無いだけ安心してプレイが出来、
ボス戦も基本的に難易度が一部を除いて爪を切るより簡単なので、
指令が出来るという事を知っていればサクサク進められます。
一見シングルでは詰んでいるという場面でも、
1 味方はアホだが指令は聞く、敵はただアホなだけ
2 AIの味方は自分よりも体力が多めに設定されている
という2点を把握すれば詰め将棋のような知的ゲームに早変わりします。
味方を集合させて蘇生を繰り返させて壁役にし、自分は後ろから撃つというような
スーファミ時代の攻略法が現代のゲームで再現出来るとは思いませんでした。
次に挙げるのはその演出面です。
グラフィックはアンリアルエンジンを使っているだけに良質なのですが、
エフェクトがまったく追いついていない。
グレネードは家庭用花火のようにポンと光るだけで爆発の音だけが凄く、
邪魔なオブジェクトを蹴って壊す場面でも非常にゆっくりと蹴った後、
若干のラグの後にオブジェクトが飛ぶため、
まるでしょっぱいドラマの喧嘩シーンのようでした。
さらにムービーが飛ばせないため、
極悪難易度+長時間ムービーがあるステージではその1ステージだけで
クリアするのに6時間がかかり、一種の悟りを開けてしまいそうでした。
ちなみにこの作品はエピソード形式になっているので今後に続くようです。 - 総評
- 「一緒にプレイしましょう!」とゲームの購入をフレンドに呼びかけた事を
本気で後悔した初めてのゲームであり、ムービーでは本当に良作に見える
アンリアル型の高性能地雷です。
「俺達の戦いはこれからだ!」という最後の締めに対し、
「私のプレイはこれまでだ!」という返答を出したい出来でした。
しかしながら難所をクリアした時の爽快感は嘘では無く、
最近のゲームには無い快感であったのも事実です。
もしプレイし、もしクリア出来たならば続編を心の底で期待してしまう
本当の自分を発見してしまうかもしれません。
ですが、安売りがあったら4人でやってみよう!と考えている人には
純度100%の善意で「止めろ」と言える内容だと私は思っています。
しかし、一昔前の青葉の香りがするゲームを一人で楽しみたい、という人には
お勧めする事は出来るでしょう。
「The Scourge Project」
和訳すると"惨劇の計画"ですが私の計画はタイトル通りになってしまいました。
思わず開発、販売事情を色々と深読みさせてしまう、
そんなタイトルなのではないかと思っています。 - プレイ時間
- 10〜20時間
グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム 4 3 1 1 2
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