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[E3 2010]EAのブースで「Medal of Honor」のマルチプレイを体験。よりシリアスでスピーディになった戦いとは
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印刷2010/06/16 17:36

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[E3 2010]EAのブースで「Medal of Honor」のマルチプレイを体験。よりシリアスでスピーディになった戦いとは

画像集#002のサムネイル/[E3 2010]EAのブースで「Medal of Honor」のマルチプレイを体験。よりシリアスでスピーディになった戦いとは
 Electronic Arts(以下,EA)のMedal of Honor(メダル・オブ・オナー)は,長い歴史を誇るミリタリーFPSのシリーズであり,第1作は,1999年に発売されたPlayStation用タイトルにまでさかのぼれる。
 ゲーマーの人気を集めたのは,2002年にPC向けとしてリリースされた「Medal of Honor: Allied Assault」で,デベロッパは2015。一人で多数の敵と戦うランボースタイルゆえ,リアリティには欠けていたものの,スクリプトを多用したドラマチックな演出によって世界的なヒット作になり,Medal of Honorシリーズの名前を広く認知させた。

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E3 2010のEAブース
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ブースにあったポップ
 その後,Allied Assaultを制作したメンバーの多くは退社し,新たなデベロッパ,Infinity Wardを設立。彼らが開発したCall of DutyシリーズがミリタリーFPSのスタンダードとして長らく君臨することになる。とくに,2007年に発売された「Call of Duty: Modern Warfare」のメガヒットにより,このジャンルのリーダーとしての地位を確立。EAが同年に投入した「Medal of Honor: Airborne」が,新しい試みにチャレンジしていたものの,評価としては今一つだったのとは対照的であった。

 そんな状況を打破するため,2010年10月に発売されるのが「Medal of Honor」(邦題 メダル オブ オナー,PC/PlayStation 3/Xbox 360)だ。サブタイトルなしでシリーズの仕切り直しを図った本作は,テーマもこれまでの第二次世界大戦から離れて現代戦となり,舞台も中央アジアのアフガニスタンとなる。

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 現地時間6月14日に開催されたメディア向けカンファレンスでも,15日に開幕したE3 2010本番でも,EAは本作を大々的にプッシュしているのだが,興味深いのは,シングルプレイの情報がまったくなく,マルチプレイを前面に押し出したプロモーションが行われていたことだ。
 ちなみにMedal of Honorは,シングルプレイ部分をEAのLos Angelesスタジオ(EA LA)が,またマルチプレイ部分をスウェーデンのEA DICEが作るという割と豪華な“配役”になっている。マルチプレイ部分については,2010年6月中にもβテストが始まるという順調な展開を見せており,E3 2010のブースでも,8台並んだ試遊台を使って誰でもマルチプレイができるという,そこだけ見るならほとんど完成したような雰囲気だけに,この落差はちょっと解せないほど。シングルプレイのことを聞いても,誰も答えてくれないし。

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 というわけでマルチプレイだが,EA DICEはこの3月に「Battlefield: Bad Company 2」(以下,Bad Company 2)をリリースしたばかり。はみ出し兵士4人を主人公にしたシングルプレイに加え,最大32人のプレイヤーが参加できるマルチプレイが大きな魅力であるのはご存じのとおりだ。
 同じ年に二つの現代戦ミリタリータイトルを出すとあって,「Bad Company 2とどう違うのか?」というのもFPSファンの興味を引くところだろう。

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 いま述べたように,ブースには誰でもプレイできる試遊台が用意されていたが,EAはこのほかに,いわゆるビハインド・ザ・クローズド・ドア形式で,奥の小部屋でもマルチプレイ体験ができるという紹介方法を採っていた。
 ブースで誰でもプレイできるマルチプレイのモードは「Team Assault」で,つまりデスマッチのこと。対して,別室で紹介されたのは,攻撃と守備に分かれたチームが,マップ上に置かれた五つのオブジェクトを奪い合うという「Combat」だった。オブジェクトには順番が定められており,一つを奪う(もしくは奪われる)と,その奥のオブジェクトがアンロックされるというスタイルだ。Bad Company 2のプレイヤーには,「『ラッシュ』のバリエーションだ」と言ったほうが分かりやすいかもしれない。

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EA DICEのプロデューサー,Patrick Liu氏
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 別室でゲームの紹介をしてくれたのは,マルチプレイ部分のプロデューサーを務めるEA DICEのPatrick Liu氏だが,実はLiu氏,GDC 2010のタイミングで「Battlefield 1943」のレクチャーをしてくれたプロデューサー,その人である。既存のアセットを再利用し,少ない開発費用で手堅くダウンロード専用タイトルを作り,それをヒットにつなげた手腕を買われたのではないだろうか。


近接戦闘に特化し,スピーディな戦場を実現

全体としてシンプルなマルチプレイシステムに


 さて,そんなLiu氏によれば,Bad Company 2との最も大きな違いは,Medal of HonorがCQC(Close Quarters Combat=近接戦闘)に強くフォーカスしている点にあるとのこと。Battlefieldシリーズといえば,大型兵器が大量に登場し,大砲が唸り,爆弾の雨が降る戦いがイメージされる。対してMedal of Honorでは,少数の兵士達による白兵戦がメインとなるわけだ。
 もっとも,ビークル類がまったく出てこないわけではなく,使用方法は限定的ながら,戦車や装甲車を使うこともできるとのこと。ただし,戦闘機や戦闘ヘリコプターなどは登場しない。

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 また,「よりシリアスでスピーディ」というのも,Medal of Honorの大きな特徴だとLiu氏。
 マップとなる街は,カブールなど,すべて実在するものをモチーフにしており,アフガニスタンのゲリラとアメリカ兵は,そこで,実在する武器を使って近距離の戦闘を繰り返すのだ。死にやすいがリスポーンスピードが早く,また移動速度も大きいため,確かに戦闘は非常にスピーディだ。

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 基本のクラスは「Rifleman」「Spec Ops」「Sniper」の3種類と少なめだが,それぞれに二つの武器セットが用意されているほか,落ちている敵の武器を拾うことも可能なので,それなりのバリエーションにはなる。
 メディックがいないのは,最近のFPSでおなじみの自動回復ルールを採用しているため。弾薬の補給については聞きもらしてしまったものの,弾薬箱を持った兵科がいるわけではないので,どうやらマップ上にある弾薬箱のようなものを使うようだ。

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 このように,Medal of Honorのマルチプレイは,Battlefieldシリーズに比べて非常にシンプルになっている。どうしても比べてしまうが,短時間で熱烈な戦いを楽しむことを主眼としているという意味で,やはりCall of Duty: Modern Warfareシリーズに近い立ち位置だと感じた。

 用意されたマップの総数や,ポイントによってアンロックされる武器やアイテムの有無,種類については現段階では語れないということで教えてもらえなかったが,このマルチプレイがシェイプアップされ,さらに魅力的なシングルプレイが用意されれば,Medal of Honorの巻き返しも考えられるだろう。

ちなみに,実際にプレイした筆者は非常に死にやすく,キル/デスレシオは0.1以下。筆者がPC&マウス派で,試遊台に使われていたPlayStation 3のコントローラに慣れていなかったことが原因だと思われてならないが,何を言っても言い訳にしか聞こえないのが悲しい
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