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[G-Star 2010]ドラゴンは敵ではなく,“崇高な存在”。新作MMORPG「War of Dragons」のディレクターが語る,本作開発の原動力とは
G-Star 2010のMGameブースにて,同社が現在開発中のMMORPG「War of Dragons」(以下,WoD)がプレイアブル展示されている。WoDは,ドラゴンの背にまたがり,共に冒険していくことを特徴とするタイトルで,今回の展示内容についてはすでにプレイレポートを掲載済みだ。
今回4Gamerでは,同社で開発ディレクターを務めているJade Byun氏から,本作の開発のいきさつや,ゲームの舞台背景などについて説明を受けたので,プロモーションムービーと合わせてお伝えしよう。
WoDでは,ドラゴンは敵ではなく“崇高な存在”
一方,映画では,「ドラゴンハート」「エラゴン 遺志を継ぐ者」など,ドラゴンを崇高な存在として描いている作品は割と多い。「ドラゴン=敵」と決め付けているかのような昨今のファンタジー系ゲーム作品に納得できないという思いが,WoD開発の原動力になったと,Byun氏は語る。
ドラゴンを,いわゆる“ペットモンスター”としてゲームに登場させる方法も検討したが,ドラゴンの崇高さを表現するには物足りないと感じたという。
そこで,WoDの世界では,“ロードドラゴン”を筆頭とするドラゴン達が,プレイヤーキャラクター達が住む国々を支配しているという舞台設定に決定したのだそうだ。
WoDで興味深いのは,“冒険者がドラゴンを使役する”立場にあるのではなく,“ドラゴンが冒険者を選ぶ”立場だということ。
本作では,プレイヤーが国家に貢献することでポイントを溜めていき,それによって国家の主たるドラゴンに認めてもらうという流れになっている。
ドラゴンに認められた冒険者は“ドラゴンライダー”となり,その背中にまたがって一緒に冒険できるようになる。WoDでは空中戦も可能で,立体的なバトルが楽しめるとのことだ。
ただし,アクションゲームにあまり馴染みがないという人のことを考慮してか,移動速度は若干遅めに設定されている印象だ。
Byun氏によると,キャラクターレベル20前後,プレイ期間1か月ほどがドラゴンライダーになるための目安とのこと。ドラゴンの数には限りがあるため,ドラゴンライダーになることが本作における最大の目標になるそうだ。
ちなみに,ドラゴンに対する愛情(忠誠度?)の大きさを示すパラメータが用意されており,ドラゴンをほったらかしにすると,やがてドラゴンから愛想をつかされてしまうという。ドラゴンライダー家業(?)も大変そうだ。
西洋的国家と東洋的国家のRvRに,第三の勢力が介入する
WoDの世界では,“Firan”“Rokbi”という2国家が対立しており,プレイヤーは最初にいずれかを選択することになる。
両者は背景にある文化が大きく異なり,Firanは西洋ファンタジー,Rokbiは東洋ファンタジーあるいは武侠のテイストが色濃い国家となっている。
ちなみにFiranとRokbiは,それぞれの国家を統治するロードドラゴンの名前でもある。Firanは,ファンタジーRPGで一般的に見られるドラゴンと同様の外見なのに対し,Rokbiは“龍”に近い。ファンタジーRPGで龍が登場する作品は割と珍しい気がする。
そしてWoDには,第三のロードドラゴンである“Devilo”が登場する。このDeviloは,世界全体の支配をもくろんでおり,FiranとRokbiのいずれかが強くなりすぎ,やがて自分を脅かす存在となることを懸念している。
そこで,RvRにおいていずれかが優位に立つと,その国家に攻撃を仕掛けてくるのだ。
見方を変えれば,Deviloは,RvRにおけるFiranとRokbi間のパワーバランスを維持するための役割を担っているといえる。
RvRでどちらかが一方に勝ち続けると,負けている国家のプレイヤーのモチベーションは下がってしまいがちだが,Deviloの存在のおかげで,WoDではそういったことが起こりにくくなっているのだ。
今後のサービススケジュールなど
本作は,まず韓国でサービスされる予定となっている。基盤となるゲームシステムはすでにほぼ完成しており,現在は,10月末に実施された“フォーカスグループテスト”で寄せられた意見や要望を,ゲームに反映させている段階とのこと。主にビジュアル面を強化しているそうだ。
韓国での今後のサービススケジュールは,近日中に2度目のフォーカスグループテスト,年内にクローズドβテストが実施される予定。
開発が順調に進めば,2011年の第2四半期にオープンβテストに移行し,その後正式サービスをスタートする計画だ。
なお本作は,G-Star 2010のB2Bブース(商談ブース)にも出展されており,バイヤーからの反応はとても良いという。そして韓国に続き,「英雄オンライン」のサービスが好調な中国やシンガポールなどへの展開を検討しているそうだ。
気になる日本でのサービスは,今のところ未定。世界観を重視して開発されている作品だけに,ファンタジーものが好きな人にとって気になるタイトルではないだろうか。
本稿や,プレイレポートを見て興味を持った人は,情報を追ってみよう。
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