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[G-Star 2010]「ワケあり物件」ほか,小ネタをまとめて紹介するG-Star 2010拾遺録
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印刷2010/11/26 00:00

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[G-Star 2010]「ワケあり物件」ほか,小ネタをまとめて紹介するG-Star 2010拾遺録

画像集#011のサムネイル/[G-Star 2010]「ワケあり物件」ほか,小ネタをまとめて紹介するG-Star 2010拾遺録
 11月18日から21日にかけてプサンで行われた「G-Star 2010」は,公式発表によれば4日間の入場者数が28万人とのこと。今年の東京ゲームショウがついに20万人を突破したというのがニュースになっていたことを思うと,「そんなにいた?」という感じなのだが,10時開場で11時くらいには帰りの列が大挙して出て行く光景も目にしており,アイテムなどをもらって早々に帰っていく人がかなり多いのは確かだ。平日は人出もさほどでもなく,列のできるブースはあるものの,比較的平和な印象。土日にはどっと人が増えていた。人の出入りはかなり激しく,滞留時間は比較的短い人が多い。そのあたり,東京ゲームショウとはちょっと性格が違うようだ。

 さて,今回のG-Star取材のとくにB2Bブースでは,取材はできたものの,素材をもらえなくて記事化できなかったものが大量にあった。少しもったいないので,概要だけでもまとめておきたい。

●Berkanix
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 ChoiRock Games(旧名:SONOV)による,UnrealEngine 3を採用した「第3の次世代MMORPG」ともいえる「Berkanix」は,短時間ながら実働デモに触ることができたのだが,写真やSSはNG。触ってみての印象は,TERAやBlade & Soulに比べると,はるかに普通のMMORPGという雰囲気。アクション性を強く求める人ばかりではないので,こういうのも需要はあるだろう。実画面の画質的には,昨年紹介したプロモーションビデオほどのものではなかったのがちょっと残念。
 ゲーム内容としては,

  • クラスの概念はなく,装備によって役割が変わる
  • 近距離と遠距離で自動的に武器を持ち替える
  • ブースターを使えば,ゲージが続く限り飛行が可能
  • クエストなどは,NPCではなくPDA端末にアクセスして進める
  • ダメージを受けると,プローブが自動的に修理してくれる
  • 陸海空の戦闘が楽しめる

といった特徴がある。

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気になる人のためにクローズアップ画像も
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●Super Star King
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 同じくChoiRock Gamesによる「Super Star King」は,もともとダンスゲームなのだが,「歌える」というのがなによりの特徴だ。「歌う」といわれても感じがつかみにくいかもしれないが,要するにルームを作成して,実際にカラオケを歌うことができるというもの。
 友達など複数人がその人のルームに入って歌を聴くことができる。ステージなどは,当然自由に飾り付けできる仕様だ。紅白歌合戦のような豪華な舞台にするのも空き地に土管を置いてジャイアンリサイタルにするのも,プレイヤー次第?
 一応,カラオケの機械採点も行われるようだが,いっそゲーム要素なしでコミュニティツールとして作りこめば,それなりの需要が出てくるかもしれない。
 ちなみに,Star KingというのはAmerican Idolの韓国版みたいなテレビ番組のことだそうだ。G-Star期間中に同番組のチャンピオンがSeed9ブースのステージにやってきていたのだが,その瞬間がG-Starで最大の混雑ぶりとなっていた。

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Star Kingのチャンピオンがきていたときの会場の状況
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ちょっとかわいそうだった隣のRazerブース


●TROY
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 「TROY」は,「十二ノ天 〜TwelveSky〜」を作ったAlt1の作品で,古代ギリシャを舞台としたMMORPG。大雑把に言うと,十二之天を西洋風にして,勢力戦などを改良したものだと思えばよいだろう。グラフィックス的に,「十二之天2(天地大乱)」ではなく十二之天の続編らしいのがちょっと残念なところか。
 このゲームは,基本的には,トロイ軍とギリシャ軍の戦いとなり,戦車戦(レース)も実装されている。戦車は,通常の戦闘でも勢力戦でも使用可能。馬とパーツをアップグレードしていくカスタマイズの楽しみがある。
 トロイ戦争ということで,巨大な木馬が登場するのだが,この木馬は弱いほうの勢力に加勢する調整役となっているという。Alt1では,7年間にわたって練り上げた勢力戦のシステムには自信を持っているようで,今回は大きな問題点であった勢力の均衡崩れについても配慮した木馬を導入して,根本的な改善を図っている。海外ウケしやすいテーマを選んだのもポイントといえるだろう。TROYは2011年に公開予定となっている。
 
●Waren Story
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 同じくAlt1の「Waren Story」はファンタジーと機械文明のフュージョンタイプの世界観のMMORPGとなっている。
 前述のTROYより早く,12月にはティザーサイトが公開され,そのタイミングでなら情報も出せるとのことだったが,公開が近い作品ほど情報が出ないのも困りものだ。
 TROYと同様に,十二之天のファンタジー版かと聞くと,そうではないとのことで,システム的にはまた違ったものになっているようだ。
 確認できた情報は少ないが,クラスはWarrior,Archer,Fighter,Technicianの4種。ギルド戦が中心的なコンテンツになる模様である。

●Guardian
 「Guardian」は,ノンターゲッティング方式のアクションMORPG。パーティは5人までで,基本はMOだが,50対50程度のGvGもサポートされるという。
 基本的に未来の地球を舞台にしているようで,悪の魔法師が魔界の悪魔を呼び出したことに対して,5人のガーディアンが立ち向かうといったストーリーだ。
 種族は人間のみでクラスは,戦士,魔法師,精霊師,アーチャー,アベンジャーの5種類。性別はクラスで固定されており,魔法師とアーチャーが女性,ほかは男性キャラとなる。
 特徴は,とにかくスキルの種類が多いことだという。コンボについては,現在960種類程度が実装されているという。

●LAST ONLINE
 昨年も紹介した「LAST ONLINE」は,産業革命期の西洋風の世界観を採用したファンタジーMMORPG。ノンターゲッティング方式のリアルタイムバトルで,背景のボカしとジャンプ攻撃&空中コンボが目立つ派手な印象の作品だ。
 昨年は単に動いているところをムービーで示しているだけだったのだが,今年はデザインなどの完成度が上がって,ゲームとしての体裁が整ってきた印象。サービスを目前としているようで,来月に韓国サービスが行われ,ドイツ,タイ,香港,ロシア,そして日本でのサービスが予定されているという。
 確認できた情報だけ挙げておくと,クラスは,デュエリスト(近接),チェインソード(中距離主体の忍者的クラス),バトルメイジ(武器を召喚して戦う),ルーンウォリアー(いわゆるタンク系)の4種類。100対100(200対200まで可能だというが,100対100に制限しているという)の大規模戦闘や,攻城戦やPvPモード各種が用意されている。
 デモムービーで屋根の上に登っていたので聞くと,実際,あちこち登れて,落ちてもダメージはないとのことで,個人的に好印象。あちこち登りたがる人は期待してよさそうだ。
 グラフィックスオプションなどは,最新ゲームと同等のものが揃っているとのこと。

●Ragnarok Online II
 ご覧のような看板(?)とポスターが出ていたB2BのGravityブース。「Ragnarok Online II」の新情報はあるかと取材を申し込むと,日本からの取材は受け付けていないようでガンホーに聞いてくれという返答だった。会場にきているというガンホーの代表に取り次げるということだったので仲介を頼んだのだが,音沙汰なし。わざわざ看板を出しているということは,少しは発表できる動きがあったのではないかと思われるのだが。

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会場で見かけた小ネタ集


 続いて,G-Star会場で見かけた小ネタをいくつか紹介してみよう。

●曲面ディスプレイ Ostendo CRVD
 昨今では2画面,3画面,6画面とゲームでもマルチディスプレイ化が進んでいる。マルチディスプレイで視野角が広がるのはよいのだが,ディスプレイのエッジ部は,どう考えても邪魔になる。そこで,というわけでもないのだろうが,継ぎ目のない曲面による横長画面を実現したディスプレイの登場だ。ぱっと見には液晶の貼りあわせかと思ったのだが,厚みを見る限りリアプロジェクタ式のディスプレイのようだ。
 43インチで解像度は2880×900ドット。なんというか,ちょっとそそられる製品ではあった。ゲーム用というわけではないので,お値段はそれなりで,6000ドル程度とのこと。

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●Miss Pilot
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 G-Starでは,一般的なオンラインゲームやコンシューマゲーム以外に,ボードゲームやアーケードゲームまで多彩なゲームが一堂に集められている。これは,アーケードゲームの例で,立体視表示(偏光メガネ方式)と体感筐体の組み合わせによるフライトシューティングゲームである。
 ゲーム内容は浮遊する戦艦や障害物を避けつつ,敵機を撃墜するというもので,ゲーム性は,簡単にいえばアフターバーナーライク。途中でプレイヤーが操縦しない(ギャラクシアン3的な?)パートもあるという。宇宙空間ということもあって,スピード感はアフターバーナーほどではないが,そこは立体視の迫力で補うというところだろうか。まだ開発途上のデモということで,内容自体はやや単調ではあった。
 偏光メガネ方式の利点の一つに,メガネがほぼ使い捨てにできるくらい安く作れるということがあり,メガネはそのまま持ち帰りできるようにする方針とのこと。衛生上の理由からも,他人の使ったメガネは再利用しにくいと判断したという。
 また,メガネ式ではギャラリーもメガネをかけることで立体視を楽しめるのだが,ギャラリーにまでメガネを配るかどうかは,ゲームセンター側の判断次第とのこと。
 題名やキャライラストからして,マクロスをイメージしたものかと聞いたのだが,とくに否定はしていなかった。ちなみにイメージキャライラストには,もともと別の濃い目のものもあって,アニメ絵のほうは日本市場を意識して作ったものらしい。
 日本でもいくつか立体視対応のアーケードゲームが開発されているようだが,こういったジャンルのものはないようなので,参入の余地はあると見ているようだ。立体視+体感筐体という組み合わせには,それなりに可能性がありそうだ。ちなみに,出展していたPark E.S.Mは,オンラインゲームの「OPERATION7 RELOAD」を作ったメーカーである。

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●iPhoneによる釣りコントローラ
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 トローリングが楽しめるHanbit Softのオンラインゲーム「Grand Mer」。昨年は釣りコンによるデモが公開されていたのだが,今年はさらにiPhoneをコントローラにできるというデモが行われていた。
 コンシューマゲーム機では,Wiiをはじめ,KinectやらMoveやらモーションコントローラが流行中なのだが,PCではわざわざコントローラ(日本では見かけないが,一応,いろいろ発売されている)を買ってまで導入したいと思う人も少ないだろう。iPhoneユーザーなら比較的多いと思われるので,これはなかなか新しい方向性かもしれない。
 ゲーム内容については,以下の二つの記事を続けて読むことをお勧めしておこう。

https://www.4gamer.net/games/087/G008700/20090401046/
https://www.4gamer.net/games/087/G008700/20090410061/

●ELSWORDのムービー
 すでに日本でもサービスが始まっている「ELSWORD」だが,会場で流れていたムービーのデキが妙にいいぞということで,ムービーファイルをもらってきた。とくにアップデートと関わりのある話というわけではないが,ELSWORDプレイヤーはご堪能いただきたい。


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●謎の人形
 Nexonブースにいたというか,置いてあった謎の人形。遠目には,動かない人だな程度にしか思わなかったのだが,よく見ると人形が腰掛けていたのでびっくり。「アラド戦記」関係での展示らしい。マネキンというか,気のせいか危ない人形に見えなくもない。ひょっとしてコンパニオン不足なんだろうか? 

●アラド学園?
 これも会場のNexonブースで流されていた謎のムービー。アラド戦記の新拡張は学園モノなのか? と聞いてみたところ,単に以前イベント用にそういうムービーが作られていただけとのことで,ゲーム本体にはあまり関係ない模様。もしかしてテレビアニメでも始まるのかと思ったが,そうでもないらしい。妙に気合が入っているので,とりあえず,まとめて紹介しておこう。







●設営時の風景
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 G-Star開催の前日である11月17日の午後,会場となるBEXCOを下見していると,設営中の会場に入れてくれたので,何枚か写真を撮ってきた。
 下のかなりブレブレの写真に写っているNHNブースは,2階建て構造で,おそらく今回最も凝った構造になっていたブース。前日作業を見ても,最も集中的に作業が行われていたブースであり,これって明日までに間に合うんだろうかという感じだったのだが,翌日にはちゃんと右のようなな綺麗な仕上がりになっていた。
 
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リアルタイム戦闘雑感


 今回のG-Starでは,MMORPGほか,多くのゲームでアクション性の追求がトレンドとなっていた。ノンターゲッティングは当たり前といった風潮だ。リアルタイム性が上がるということは,サーバー/クライアント通信技術の高度な基盤が必要であり,日本のメーカーが,もっとスタティックなMMORPGに手を焼くケースが多いことを考えると,オンラインゲームに関する技術力では,3周遅れくらいの雰囲気で水を空けられている感じだ。
 ノンターゲッティングのアクション戦闘が今後の主流になるかどうかは置いておいて,気になったのは操作が複雑になっていることだ。W/A/S/Dキーで動き回りながら,その上の数字キーで技を繰り出すのは少し無理がある。W/A/S/Dキーを使うMMORPGはこれまでにもたくさんあったのだが,ターゲッティング式であれば,位置取りなどもあまり要求されないので,多少立ち止まってもさほど問題はなかった(というか,動いていてもどうせ避けられない)。同種の既存ゲームだと,SEKIHEKIで採用されているセミターゲッティング方式とでもいうべき方式も,リアルタイムで戦うことを考慮したうえでの工夫が感じられたものだった。
TERAの操作キー例
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 今回見たゲームでは,従来のスキルスロット+αの操作体系のままリアルタイムの戦闘を取り入れているものが多く,多彩なアクションができるのは事実なのだが,操作にちょっとムリがあると感じられた。今回,「Blade&Soul」が予想以上だったのも,マウントなどを含む格闘であれだけの多彩なアクションをシンプルな操作にまとめていたことの驚きによるところが大きい(それでも移動キーから指を離さなければならないのだが)。「TERA The Exiled Realm of Arborea」では,基本的な攻撃をマウスボタンに割り当て,スキルスロットを指の届きそうな6つに制限するなどの配慮は見られるが,十分かどうかは疑問も残る。日本でもサービスされているノンターゲッティングアクションの「タルタロス」では,使用キーを少なくしつつ技を増やす工夫が見られるのだが,こういう部分にまで手が入っているのは今回見た中ではほとんどなかった。

 日本であれば,アーケードゲームやコンシューマゲームの,スティック+数個のボタン対応にせざるをえないため,その中で操作系を洗練させていった文化がある。PCオンラインゲームが中心の韓国では,キーボード+マウスという多彩な入力ができるデバイスが当たり前になっているため,安易な実装をしてしまうのだろう。もちろん,ゲーム会社の人は難なくプレイしているわけだし,複雑な操作を使いこなすことをプレイヤースキルとみなすこともできなくはない。だが,初見のプレイヤーにとってはハードルが高い。操作難度の高さをもってゲーム性にするのは間違ったデザインだ。
 韓国製MMORPGは,これまでの「クリックゲー」として,それはそれで,ある程度完成されていた操作体系から,未知なる部分に移行しつつある。韓国製ゲームでは操作系に対する配慮はこれまでのゲームではほとんど考慮されてこないまま,右へならえ的な実装しか行われていなかったのが実状ではないだろうか。むしろ中国,台湾製のほうが操作系については工夫が見られるものが少なくない。アクション性を上げる方向とともに,操作系の見直しについてももっと注力してほしいところである。
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