会場となったYas Marina Circuitのメディアセンター
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日本時間2011年6月14日13:01は,AMDは,開発コードネーム
「Llano」(ラノ)として知られてきたエントリー〜ミドルクラス市場向けFusion APU,
「AMD A-Series」(以下,A-Series)を正式発表した。今回リリースされたのはノートPC向けモデルのみで,デスクトップ市場向けモデルはあらためて発表される見込みだ。
今回の発表に先立ち,AMDは,アラブ首長国連邦アブダビ市にある「Yas Marina Circuit」のメディアセンターにおいて,現地時間の2011年5月17日に,A-Seriesの技術説明会「Llano Tech Day」を開催している。今回は,このLlano Tech Dayで公開された情報をもとに,ノートPC向けA-Seriesの概要を追っていこう。
4モデルがラインナップされるA-Series
統合されるGPUは「BeaverCreek」と「WinterPark」の2つ
さて,さっそくだが気になるラインナップは下記のとおりだ。
- A8-3530MX/1.9GHz(4 CPUコア,最大2.6GHz,400 GPUコア,TDP 45W)
- A8-3510MX/1.8GHz(4 CPUコア,最大2.5GHz,400 GPUコア,TDP 45W)
- A8-3500M/1.5GHz(4 CPUコア,最大2.4GHz,400 GPUコア,TDP 35W)
- A6-3410MX/1.6GHz(4 CPUコア,最大2.3GHz,320 GPUコア,TDP 45W)
- A6-3400M/1.4GHz(4 CPUコア,最大2.3GHz,320 GPUコア,TDP 35W)
- A4-3310MX/2.1GHz(2 CPUコア,最大2.5GHz,240 GPUコア,TDP 45W)
- A4-3300M/1.9GHz(2 CPUコア,最大2.5GHz,240 GPUコア,TDP 35W)
※「最大○GHz」という表記は,「AMD Turbo CORE Technology」有効時の最大動作クロックを示す。詳細は後述
6月3日の記事でお伝えしたとおり,AMDはLlanoをA-Seriesの「A8」「A6」「A4」という製品名で展開するとCOMPUTEX TAIPEI 2011のときに予告していたが,ノートPC向けA-Seriesでは,
その後ろに4桁のモデルナンバーと,モバイル向けであることを示す「M」の文字が付記されるのが特徴だ。「X」の意味は説明されていないが,ラインナップを見る限り,X付きがTDP(Thermal Design Power)45W,Xなしが35Wと見てよさそうである。
なお同じタイミングで,Llanoの最下位モデルを「AMD E-Series」の「E2」として展開するともAMDは述べていたが,今回発表された製品群にE2は含まれていない。
ノートPC向けA-Seriesのラインナップ
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A6はCore i3を対抗としている |
A6とCore i3との機能比較 |
Mike Goddard氏(Chief Engineer, Client, AMD) |
ノートPC向けA-Seriesの演算性能 |
A-Seriesは,GLOBALFOUNDRIESの32nmプロセス技術を用いて製造されるFusion APUだ。
統合されるCPUコアは「Husky」(ハスキー)。現行のPhenom II X4シリーズなどと同じく,「Stars」(もしくはK10)と呼ばれるアーキテクチャ世代のもの。ただし,AMDでエンジニアを務めるMike Goddard氏は,コアあたり容量1MBのL2キャッシュを搭載し,ハードウェアプリフェッチやロード・ストアバッファサイズが強化されているため,従来のStarsコアと比べて,演算能力は約6%向上していると述べる。
「ノートPC向けのA8とA6,そしてA4は,14.5億トランジスタを採用する『Llano1』ダイを採用するが,将来的に,A4とE2は,7億5800万トランジスタを集積した,より小さな『Llano2』ダイへ移行する計画だ」とGoddard氏が述べていたことも付記しておきたい。
4つのCPUコアを搭載したA-Seriesのダイ |
A-Seriesが統合するHuskyコアの概要 |
さて,一方のGPUコアは,
「Sumo」(スモ)と呼ばれており,ATI Radeon HD 5600/5500シリーズに搭載される「Redwood」コアがベースとなっている。
A-Seriesのチップを掲げるEric Demers氏(CTO and Corporate Vice President, Graphics Business Unit, AMD)
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AMDでグラフィックスビジネスの技術を統括するEric Demers副社長兼CTOは,「GLOBALFOUNDRIESの32nm Hi-kプロセスに最適化するとともに,UVD 3エンジンの実装とパワーゲーティングのサポートなども施した」と説明。さらに,「メインメモリをCPUとGPUとで共有するため,GPUコアのメモリインタフェースを新規に設計し直した」とし,APU向けに最適化されたグラフィックスコアデザインであるこをを強調した。
ノートPC向けA-SeriesのA8,A6,A4とで,統合型GPUのスペックを比較したもの
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Demers氏によれば,このSumoコアは,いわばATI Radeon HD 5000シリーズと同6000シリーズの中間世代という位置づけとなるようだ。Llanoでは,400コアの「BeaverCreek」(ビーバークリーク,AMDの内部コード名は「Super Sumo」)と,240コアの「WinterPark」(ウインターパーク),2種類の統合型グラフィックス機能が用意されているが,2 CPUコア+240 GPUコアのA4-3300Mでもグラフィックス性能はノートPC向け単体GPU「Radeon HD 6470M」より高く,これが「単体GPU並みの性能」を謳う背景にもなっている。
中間的位置づけであることの証左としては,Radeon HD 6000シリーズから採用される動画再生支援機能「UVD 3」が搭載されている点も挙げられそうだ。
A-SeriesのGPUコアアーキテクチャ,Sumo。AMDは,OEMベンダーなどに対して,400コア版を「BeaverCreek」,240コア版を「WinterPark」と伝えている |
SumoコアのThread Processor構成。「VLIW5」アーキテクチャを採用しており,デスクトップ向けで最大480GFLOPSの単精度浮動小数点演算性能を実現する |
ノートPC向けA-Seriesのグラフィックス性能。ノートPC向け単体GPUの現行モデル,Radeon HD 6470Mよりも優れた性能を示すとされる
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「統合型グラフィックスとしては画期的」とAMDが謳う,高精度の異方性フィルタリングをサポートするのもA-Seriesの特徴。上のスライドは,左がA-Series,右がSandy Bridge世代のCore iシリーズで統合される「Intel HD Graphics 3000」を使ったときの,ぞれぞれ異方性フィルタリング品質テストの結果とされるが,差は歴然だ
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Radeon HD 6000シリーズの投入とともに追加された「Morphological Anti-Aliasing」(モーフォロジカルアンチエイリアシング)もサポートされる
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A-Seriesにおけるメモリサポート。デスクトップ版ではPC3-14900に対応することも公表された
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アンコア(Un-core)部では,メモリコントローラが,デュアルチャネルDDR3-1600&DDR3L-1333対応になっている点が特徴として挙げられよう。1.5VではPC3-12800,1.35VではPC3-10600のモジュールに対応できるわけだ。また,デスクトップPC向けA-Seriesの場合,1.5VでDDR3-1866までサポートできるともされているため,より広いグラフィックスメモリバス帯域幅が必要な場合には有効なオプションとなるだろう。
このほかGoddard氏は,TDPやCPUの動作クロック,GPUの動作クロックについて,下記の4点を,仕様面におけるA-Seriesの特徴としてまとめている。
- デスクトップ向けモデルのTDP:65Wもしくは100W
- ノートPC向けモデルのTDP:35Wもしくは45W
- CPUの動作クロック:1.4〜2.9GHz
- GPUの動作クロック:400〜600MHz
そんなA-Seriesの主なスペックをまとめたものが
表1だ。
※本文にあるとおり,Goddard氏は14.5億と述べていたが,AMDの公式では15億トランジスタとなる。またA4は初期出荷時の仕様。将来的には,7億5800万トランジスタを採用したデュアルコア専用のダイであるLlano2へ移行する
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進化した「Turbo CORE」と省電力機能
「Dual Graphics」でマルチGPUが強化される
A-Seriesでは,「AMD Turbo CORE Technology」(以下,Turbo CORE)の強化が,機能面におけるポイントとなる。
GPUコアがアイドル状態のときは,TDPの余裕分すべてがCPUコアの動作クロック引き上げに割り当てられる。なお「ROC」は,CPUコアとGPUコア以外の消費電力(Rests Of Chip)を示す |
CPUコアとGPUコアの負荷がいずれも高いときは,GPUの動作クロックを優先的に引き上げる仕組みになっている |
Goddard氏は,「CPUコアの消費電力は,アプリケーションが利用するコア数とその負荷に比例する」と述べ,WebブラウジングやOfficeアプリケーションにおいて,2つ以上のコアを利用することはほどんどないという分析結果を示す。そこでA-Seriesでは,各CPUコアに消費電力をモニタリングするデジタルセンサーを搭載し,Fusion APU全体のTDP値に対する「余裕」がどの程度あるかを正確に把握したうえで,各コアの動作クロックを制御するようになっているという。例えば,GPUコアの負荷が低いときは,その余剰分をCPUコアの動作クロック引き上げに振り分けるような実装になっているとのことだ。
Goddard氏によれば,A-SeriesにおけるTurbo CORE機能は,CPUコアよりもGPUコアクロックの引き上げに比重が置かれており,CPUコアとGPUコアの両方に負荷がかかっているときは,まずGPUコアがあらかじめ設定されている最大TDPまでを利用したうえで,残りを各CPUコアへ分散する仕組みだそうだ。
さらにA-Seriesでは,電力供給を段階的に制御するパワーゲーティング機能をGPUコアとUVD 3用に備え,積極的に省電力化を図り,TDPの余裕を作りだそうという設計になっているのも特徴である。
AMDは,A-SeriesにTurbo CORE機能を実装するにあたって,アプリケーションごとのCPU負荷や消費電力特性を解析したという。そのうえで,TDP値に対する余裕分を各CPUコアに振り分けて動作クロックを制御しているとのこと
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A-Seriesにおけるパワーマネジメント手法。CPUコアがそれぞれ独立して電力制御を行えるほか,GPUコアとUVD 3もパワーゲーティングによって省電力化が図られている
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手ブレによって画面が揺れたように見える動画を再生時に補正できるSteady Video機能が追加される予定だ
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なお,UVD 3のの機能は基本的にRadeon HD 6000シリーズがで採用されるものと同等だが,GPUコンピューティング機能を使って,撮影した動画の手ブレを再生時に補正する「AMD Steady Video」(以下,Steady Video)が,新規に追加されているとのこと。なお本機能は,Radeon HD 6000シリーズでも,グラフィックスドライバ「Catalyst」のアップデートによって利用できるようになるとのことだ。
Steady Videoは,オブジェクトのエッジや手ぶれの大きさなどをCPUとGPUのリソースをフル活用して検出し,次のフレームを補正するというチカラワザで実現されている |
A-Seriesの場合はVISION Engine Control Centerから,AMD製CPUを搭載していないシステムではCatalyst Control Centerから,それぞれSteady Videoを利用できるようになるという |
A-SeriesのDual Graphics機能は,Hybrid CrossFireに対応し,グラフィックス性能を最大75%引き上げることが可能という
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Turbo CORE以外では,AMD独自のスイッチャブルグラフィックス機能「AMD Dual Graphics Technology」(以下,AMD Dual Graphics)がトピックとして挙げられる。これは,Fusion APUに統合されているグラフィックス機能と単体GPUとの「Hybrid CrossFire」動作や切り替え動作を実現するのものだ。
Demers氏よれば,A-Seriesでは,24レーンのPCI Express 2.0インタフェースをサポートし,外付けのグラフィックスカードやノートPC向け単体GPUにも対応するとのこと。実際の挙動は別途掲載しているレビュー記事において宮崎真一氏が検証しているが,Demers氏は,A-Seriesを単独で使っていたときと比べ,最大で75%のパフォーマンス向上が得られるとしている。
デスクトップ向けA8とRadeon HD 6570とを組み合わせたAMD Dual Graphics構成時のシステムと,「Core i5-2500K/3.3GHz」とRadeon HD 6570とを組み合わせたシステムでの性能比較。AMD Dual Graphicsにより,前者のスコアが大きく伸びる
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John Taylor氏(Director of Product Marketing, AMD) |
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VISIONロゴに加え,AMD Dual Graphicsも訴求される |
なお,ノートPC向けA-Seriesでは,「Radeon HD 6620G」などといった「G」付きモデルナンバーが統合型GPUに対して与えられるが,AMD Dual Graphicsが有効なシステムにおいては,「G2」などといった形で,「2」付きの,新たなモデルナンバーが与えられる。例えばノートPC向けA8のRadeon HD 6620Gの場合,「Radeon HD 6770M」と組み合わせられたときは「Radeon HD 6775G2」,「Radeon HD 6630M」と組み合わせられたときは「Radeon HD 6690G2」といった具合に,モデルナンバーが引き上げられるのである。
AMDでCPUとAPU製品のマーケティングを統括するJohn Taylor氏は,「ノートPCだけでなく,メーカー製PCやオールインワンPCにもこのルールを適用したうえで,消費者が製品のグラフィックス性能を一目で分かるようにロゴも採用する」と説明する。
ノートPC向けA-SeriesにおけるAMD Dual Graphics構成時のモデルナンバー(上)。デスクトップPCやオールインワンPC向けA-Seriesでも,同様の手法がされる(下)
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Neal Robison氏(Senior Director, ISV Relations, AMD)
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続いて,AMDでソフトウェアデベロッパサポートなどを統括するNeal Robison氏が登壇し,最新ゲームタイトルにおけるDirectX 11対応グラフィックスの重要性について説明。「Shogun 2: Total War」と「DiRT 3」を例に,同氏は,「同じゲームレンダリング処理でも,DirectX 9で動作させるより,Direct 11で動作させたほうがフレームレートが上がる」とアピールした。また,Core i5内蔵グラフィックスとのパフォーマンス差なども公開している。
同じゲームタイトルでも,DirectX 9で動作させるよりも,DirectX 11で動作させたほうがフレームレートが向上する(ケースがある)とアピール
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CordemastersのAndrew Dennison氏(Lead Programmer,Codemasters)
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ここでDiRT 3のプログラミングを統括したCodemastersのAndrew Dennison氏が登場。DiRT 3ではグラフィックス品質の向上にDirectX 11を活用したとして,影が投影される地面や壁などの固さに応じて濃淡を調整する「Contact Hardening」(コンタクトハーデニング)や,各オブジェクトの環境光における遮蔽具合に応じて濃淡を調整するポストプロセシング処理である「High Definition Ambient Occlusion」(ハイディフィニション・アンビエントオクルージョン,HDAO)の効果を紹介した。「A-Seriesの登場は,ノートPCにおけるゲームパフォーマンスと描画品質の向上に大きく貢献するだろう」(Dennison氏)。
DiRT 3においてDirectX 11で動作させるアドバンテージとして,DirectComputeやShader Model 5.0対応による高画質化などが挙げられる
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現実世界だと,地面の固さによって影の映り方は異なるが,これまでは単調なシャドーレンダリングになっていた。しかし,DirectX 11でContact HardeningをONにすれば,より自然に影を表現できるという
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DirectX 11最大の特徴ともいえるハードウェアテッセレーションへの対応も,ゲームの高画質化につながるとアピールする
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DirectComputeを使ったポストプロセシングによるHDAOの比較。各オブジェクトにおける環境光の遮蔽度合いを計算し,反射光などが当たらない部分は影を濃くするなど,より自然な表現を実現できるとか
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DiRT 3における,ノートPCシステムでのパフォーマンス比較。A8-3510MXと「Core i5-2410M/2.30GHz」とでは大きな差が生まれるとされた
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デスクトップ向け「A8-3800/2.40GHz」との「Core i5-2500K/3.3GHz」とでDiRT 3におけるパフォーマンスの比較を行った結果。1920×1200ドットの解像度では,メモリ帯域幅の制約が影響し,より複雑な処理を行うため,DirectX 11のほうがフレームレートは低くなるという
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ノートPC向けA-Seriesのプラットフォームは「Sabine」
対応のチップセットは「A70M」と「A60M」の2種類
ノートPC向けプラットフォームSabineの概要
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最後にノートPC向けA-Seriesのプラットフォーム
「Sabine」(サビーネ)を紹介しておきたい。
Sabineプラットフォームとして,ノートPC向けA-Seriesに対応するチップセットは,「Hudson M3」の開発コードネームで知られる
「A70M FCH」(FCH:Fusion Controller Hub)と,「Hudson M2」(開発コードネーム)こと
「A60M FCH」との2種類が用意される。
いずれも,APUとの接続は,CI Express 2.0 ×4ベースのUMI(Universal Media Interface)と,Display Port 1.1とが採用されている。そのほかの主な仕様は,下の
表2を見てほしいが,USB 3.0の有無が大きく異なる部分といえるだろう。
「COMPUTEX TAIPEI 2011」会場で展示されていた「A75」FCHチップセット搭載のASUSTeK Computer製マザーボード「F1A75」
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なお,COMPUTEX TAIPEI 2011では,デスクトップ向けA-Series対応のマザーボードが各ベンダーから
数多く公開されていたのを覚えている人も多いだろう。しかし,デスクトップ向けA-Seriesや,同プラットフォーム向けチップセットの情報はまだ公開されていない。
AMDに近いOEM関係者は,「A-Seriesは,AMDの予想以上にノートPCへの採用が進んでいるため,デスクトップ向けの供給が遅れているようだ」と述べており,デスクトップ向けA-Seriesの発表が未だ行われないのは,このことに関係しているようだ。
そのため,多くのマザーボードベンダー関係者からは,デスクトップ向けA-Seriesが自作PC市場にどの程度供給されるかを不安視する声が多く届いている。
Rick Bergman氏がまとめる
ノートPC向けA-Series,三つのポイント
Llano Tech DayでA-Seriesの概要を紹介するRick Bergman氏(Senior Vice President and General Manager, AMD)
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ところで,Llano Tech Dayのオープニングに登場したRick Bergman上級副社長は,ノートPC向けA-Seriesにおける3つのポイントを下記のとおり挙げていた。
- より優れたHD体験:
単体グラフィックスカード並みのグラフィックス性能を備えたことで,より優れたHDビデオやHDゲームを体験できる
- ノートPCで実現するスーパーコンピュータ性能:
クアッドコアCPUと最大400のRadeonグラフィックスコアを実装により,ノートPCでもスーパーコンピュータ性能を実現
- AMD All Day Power:
Windowsアイドル時で10時間以上のバッテリー駆動を実現。100分間のBlu-rayディスク2本を1度の充電で視聴可能
A-Seriesの特徴
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AMD Analyst Day 2009でのFusion APUの公約
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氏は,「2009年に開催の投資家向け会議『AMD Analyst Day 2009』で公約した,
『スーパーコンピュータ並みの性能を備えつつ,8時間以上のバッテリー駆動を可能としたノートPC』がいま実現する」と宣言。500GLOPS超の浮動小数点演算性能と,Windowsアイドル時で10時間34分のバッテリー駆動とがA-Seriesで実現したと明らかにした。
さらに同氏は,このA-Seriesを採用するOEMベンダーがAMD史上で最多となると付け加えている。
A-Seriesの浮動小数点演算性能とバッテリー駆動時間。2012年に市場投入が計画されている「Trinity」(トリニティ,開発コードネーム)の浮動小数点演算性能にも注目だ
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では,実際のところ,Sabineプラットフォーム,そしてLlanoにはどれだけの可能性があるのか。本稿の中盤でも触れたとおり,4Gamerでは,A8-3500Mを搭載したノートPCの評価機を入手し,別途レビュー記事を掲載している。ノートPC向けA-Seriesの性能が気になる人は,そちらもチェックしてほしい。
●参考資料(出典:AMD)
3DMark 11や3DMark Vantageでのパフォーマンス比較 |
A8-3510MXと「Core i5-2520M/2.50GHz」とのゲーム性能比較 |
A8-3400Mと「Core i3-2310Mi/2.10GHz」とのゲームでの性能比較 |
A8-3510MXとCore i5-2410MとのOpenGLゲームでの性能比較 |
A8-3510MXとCore i5-2410Mとのパフォーマンス比較 |
A6-3410MXとCore i3-2310Mとのパフォーマンス比較 |
MotionDSPの「vReveal」を使用したA8-3500MとCore i5-2410Mとでの動画トランスコード性能比較
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バッテリー駆動時間の比較。駆動時間が10時間34分といっても,Windowsをアイドル状態で使うケースは稀有だと思うが……
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