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ゲームサウンドクリエイター座談会,「おとや」第3回は,盛り上がりすぎて5時間オーバー。盛りだくさんの内容を徹底レポート
「おとや」は,ゲーム音楽制作会社であるノイジークロークの代表取締役である坂本英城氏が提案した,ゲームウンドクリエイターによる座談会を番組化したもの。これまでに3回(そのうちの一度は「『おとや(貧)』 〜酒がたりないぜ!〜」という番外編)開催され,4回目となる今回は,総勢12名となる多彩なゲストが参加し,放送時間が5時間以上という盛りだくさんの内容となった。
4Gamerでは,これまでに放送されたおとやをすべて取材しているので,興味のある人はそちらのレポートにも目をとおしてほしい。
左奥から時計回りで,光田康典氏,下村陽子氏,なるけみちこ氏,佐野電磁氏,坂本英城氏,光吉猛修氏 |
「『おとや』第1回〜愛が100万トンたりないぜ!〜」レポート
「『おとや』第2回 〜きみのためならなまいきだ。〜」レポート
「『おとや(貧)』 〜酒がたりないぜ!〜」レポート
●司会
坂本英城氏(ノイジークローク)
光吉猛修氏(セガ)
●コメンテーター
佐野電磁氏
光田康典氏
なるけみちこ氏
下村陽子氏
菊田氏の登場とともに聖剣伝説2のオープニング曲「天使の怖れ」が流れ,菊田氏は「この曲はオープニング用ですが,ゲームがかなりできてから作ったんです」というエピソードを披露した。
当時のスクウェア(現スクウェア・エニックス)の開発スタイルは,長いスパンで一つの作品を開発することが多く,聖剣伝説2には2年の歳月がかけられたそうだ。
ゲームの開発がスタートするのと同時に曲を作ることになったが,初期の頃は,そもそもどんなゲームになるかも決まっていなかった。そこで菊田氏は開発がスタートしてから最初の半年間,開発スタッフと食事に出かけ,そこで“聞き込み”を行い,どんなイメージの曲を作ればいいかなどを研究していたそうだ。
菊田氏がメインで曲を手がけたゲームは,聖剣伝説2が初めてだという。スーパーファミコンでは使用できる音が限られるため,かなりの制約があった。また当時はあまり一般的ではなかった,映像と音を合わせて作るという,映画的な表現を目指したそうだ。
RPGは,プレイ時間が長くなる傾向がある。どんなにいい曲でも何十時間も聞いていると飽きてしまうし,ゲームの音楽はプレイヤーがずっと聞くものなので,飽きさせないことを意識して作曲したという。そして飽きないようにするには,「聞こえなくなる」という結論に至ったそうだ。聞いているうちに意識の下に入ってしまい,聞こえなくなるが耳に残るという,難しいテーマを掲げて制作に励んでいたという。
ちなみに,当時のスクウェアでは新人のサウンドデザイナーは効果音を作るという慣習があり,菊田氏も一年先輩の伊藤賢治氏が手がけていた「ロマンシング サ・ガ」の効果音を担当したそうだ。また,当時のスクウェアでは一つのゲームを一人の作曲家が担当していた。そのためサウンドクリエイターは自由にやれた反面,すべての責任を取らなければいけなかったそうで,かなりプレッシャーを感じながら曲作りを行っていたそうだ。
菊田裕樹氏(中央)は作曲スタイルを語る際,ホワイトボードに鍵盤を描き,どういった風にコードを作っていくかを紹介 |
ここで菊田氏の代表曲「危機」「呪術師」「HIGHTENSION WIRE」「Fire Wire」の中から,聞きたい曲を視聴者が選ぶアンケートが実施され,「危機」が選ばれた。
聖剣伝説2は,システム的に突然バトルが発生する。「危機」はゲームの中で,最初のボスバトルでかかる曲となり,「うわっ,なにかすごいことが起こった」「どうすればいいんだろう?」と分からなくなるくらいの緊張感を与えることを狙って作曲したという。
続いて「危機」楽曲制作にあたっての方法論に話題が変わった。菊田氏の作曲スタイルは,最初にリフ(繰り返されるコード進行)を考える場合が多いという。
これは「メロディという次元から外れたほうがいい」という考えに基づいており,フレーズの衝撃が残った状態で,それが一旦解体され音楽が始まっていく流れが面白いと感じているという。
当時やりたいと思っていたことは,ボスに会って「うわ,やられる」となっても,「頑張っていけば勝てるかも?」と盛り返していくという心の中の動きを,音楽として表現することだと,自身の思いを披露した。
「おとや」のイベントTシャツには,出演者のサインが書き込まれ,視聴者用のプレゼントとして10枚用意された |
ここで菊田氏は聖剣伝説2の制作時を振り返り,与えられた2年間という開発期間の中で,最も忙しい時期には毎日18時間ぐらいを音楽制作に充てていたことを明かす。「あれだけの熱意,密度で仕事をするのはなかなかないけど,それによって納得のいく曲ができ,みなさんに今でも覚えてもらっているのは嬉しい」と続けた。
会場内では聖剣伝説2のラストバトルの曲「子牛線の祀り」が流れ,菊田氏はこの名前をつけた理由として,壇ノ浦の戦いを描いた山本安英の同名の芝居を見たことを挙げた。芝居では潮の満ち引きで戦の勝敗が変わるというドラマチックな展開になるそうで,そこがゲームと重なる部分があったそうだ。
最後に12月16日に発売されるシャイニングシリーズの最新作,「シャイニング・ハーツ」の音楽についても触れられた。ここ数年の菊田氏は,オンラインゲーム制作を活動の場としており,コンシューマゲーム機向けRPGの楽曲を担当するのは実に10年ぶりなのだという。そんな事情もあってか,力を入れて作曲したとのこと。
次のコーナーには,「ゲ音団」を主宰するTECHNOuchi氏が登場。ゲ音団とは「ゲームの音屋の団体」の略称で,現在は参加者が100名を超えている。これは,同じ業界にいるのに会社が違うため,なかなか繋がりができなくてもったいないと考えたTECHNOuchi氏が,「飲み会の連絡網」の延長といった感覚で作った団体だ。
TECHNOuchi氏はゲ音団の活動の一部として携わった,悪魔城ドラキュラのアレンジCDを紹介。こういった活動を続けていきたいとのこと |
ここで,ドワンゴと協力して2011年1月から月2回程度,ニコニコ生放送でゲ音団のチャンネル「生だらゲ音団」を開始することが発表された。内容はまだ確定していないそうだが,TECHNOuchi氏と今回のメインゲストで,ゲ音団のメンバーでもある菊田氏がそれぞれプロデュースするそうだ。
また,TECHNOuchi氏とコナミ時代の同期でもある竹安ディレクターが企画,ゲ音団の連絡網をフル活用する形で総勢26組の著名アレンジャーが参加した「悪魔城ドラキュラ」のアレンジCDについての発表も行われた。CDは,Vol.1&2の2枚があり,2011年1月13日にコナミスタイルで独占販売される。このほか,年末に開催されるコミケ79において,ゲ音団のコンピレーション第2弾が発売されるという情報もここで発表された。
続いてTECHNOuchi氏の招きでゲームアイドルの古川未鈴さんが登場し,彼女の所属するディアステージとゲ音団とのコラボレーション第1弾となる楽曲「トゥインクルリンク」を紹介。こちらも先に紹介されたコミケ79にて同時発売されるとのこと。
最後にTECHNOuchi氏は「ゲ音団に参加しているメンバーはそれぞれ仕事を持っているが,音楽活動を広げていけるサークルみたいな場にしたい。今回紹介したような,アイドルへの楽曲提供や,アレンジアルバムへの参加,コンピレーションCDの制作など,仕事以外の場で音楽活動を楽しみ,それを仕事にフィードバックできればいい」とまとめ,コーナーは終了した。
TECHNOuchi氏の招きで古川未鈴さん(中央)が登壇。司会者,コメンテーター陣の中では,下村氏の「ライブ・ア・ライブ」の曲が好きだという |
セガの広報,西村健作氏による「歴史大戦ゲッテンカ 天下一バトルロイヤル」のPRが行われた |
同作は,ゲームセンターやショッピングセンターに設置されているアーケードカードゲームをDSに移植したもの。とはいえ,ゲーム性は若干変わっており,4人で遊べるアクションゲームになっている。
次のコーナーでは,「モンスターハンターポータブル 3rd」の作曲を手がけたカプコンサウンドチームから,サウンドマネージャー岡田信弥氏とコンポーザー牧野忠義氏が登場。音楽の制作環境についてや煮詰まったときのリフレッシュ方法など,さまざまな話題のトークが繰り広げられた。
牧野氏によるとカプコン社内ではCubase(キューベース)を使用して音楽を作っているという。Windows派とMacintosh派は,個人的な好みとしては分かれてるが,会社の環境はWindowsに統一されているそうだ。
煮詰まったときの対処法は,「モンスターハンターの世界観を通じて,民族楽器に触るのがいい気分転換になる」と牧野氏が返答。とはいえ,「奥の深い楽器が多いので,それを自分で研究しつつ楽曲に落とし込むようにしている」とも答えていたので,リフレッシュといつつ,つい仕事のことを考えてしまうのかもしれない。
苦労したタイトルについては,岡田氏が「モンスターハンター2(ドス)」,牧野氏が「モンスターハンター3(tri-)」と,それぞれモンハンを挙げた。その理由としては,それまで「ロックマンX」シリーズを担当していたところに,いきなりタイプのまったく違う音楽を作曲することになったためと,岡田氏は返答。「楽器そのものから勉強しなければならなかったですし,楽器の持ち味をどうやって表現するか,ゲーム音楽としてどこまでデフォルメするかが大変だった」と述べた。
カプコンサウンドチームの牧野忠義氏(左)と,岡田信弥氏。牧野氏はモンスターハンターポータブル 3rdのレコーディングに使用した譜面を披露した |
牧野氏は,モンスターハンター3(tri-)で楽曲制作と同時に曲のミックスも担当したそうで,MAルームという防音設備の整った部屋に3か月ほど篭り,自分の曲を作りつつ,他メンバーの曲も並行してミックスするという作業をずっと繰り返していたそうだ。
続いて話題は,ゲーム制作中の苦労話に。牧野氏によると,モンスターハンターシリーズは曲のリテイクが多く,ディレクターや企画担当者に曲を聞いてもらう際,彼らがイメージするコンセプトからずれていると,やり直しになってしまうことが大変だったという。作曲者個人のイメージだけではなく,関係者と共に楽曲を作り上げるスタンスは,モンスターハンターの楽曲をよりマッチングさせる重要な工程であると語った。
モンスターハンター3(tri-)では,モンスターハンターシリーズのテーマ曲「英雄の証」をチェコで収録したそうで,オリジナルとMH3(tri-)バージョンの聞き比べが行われた。曲が流れ始めると番組のコメント欄には,「お互いの良さを感じ取れた」,「音の広がりや厚みが違う」などさまざまな意見が挙がり,盛り上がりを見せた。
ここで新登場のモンスター「ジンオウガ」をイメージした曲が流され,牧野氏から作曲のコンセプトが語られた。ジンオウガは,大型モンスターでアクロバティックに動き,全身に雷をまとうということで,エレキギターをフィーチャーしつつ,和とロックをミックスしたサウンドに仕上げたそうだ。モンスターハンターシリーズでここまでエレキギターが鳴っているBGMは少なく,新しいイメージの狩猟曲になっているという。
モンスターハンターシリーズはBGM以外,モンスターの鳴き声などさまざまな効果音にもこだわりが感じられる。なんと,効果音の収録はハリウッドの制作会社と協業で行っているそうで,カリフォルニアやフロリダなどに足を運び,トラやクロコダイル,セイウチなどの鳴き声を録っているとのこと。ちなみにアイルーの鳴き声は,カプコンのサウンドデザイナーmomora氏の飼い猫から収録しているそうだ。
ド派手なスーツの3人組がiPad用アプリ「iMS-20」とDS用ソフト「KORG M01」を紹介
Trio the M01の面々。左からDETUNEの岡宮道生氏,佐野氏,光田氏。KORG MS-20を再現したiMS-20が紹介された |
佐野氏は自らのiPadを持ち込み「iMS-20」というiPad向けのアプリを紹介。iMS-20はKORGのシンセサイザー「MS-20」を再現したアプリで,日本,アメリカ,ドイツ,イタリア,フランスのダウンロードランキングで1位を獲得したそうだ。
まずは機能紹介。iMS-20は音楽配信共有サイト「SoundCloud」へ作った曲と,そのセッティングデーターなどのアップロード/ダウンロードも可能になっているという。たとえばドイツのユーザーがアップした曲を,日本のユーザーがアレンジするといったことも出来るそうだ。価格は3800円だが,2011年1月31日まではキャンペーン価格が設定されており,1800円で購入できる。佐野氏は「iPadを持っていなくても,先にこっちを買ってもいいよ」とアプリのPRに余念がなかった。
このコーナーでは12月3日に発売されるニンテンドーDS用ソフト「KORG M01」の紹介も行われた。M01は「音を作るのではなく,選ぶ」ことが可能になったデジタルシンセサイザーで,佐野氏,光田氏,岡宮氏によるセッションも披露された。曲を作っている最中に佐野氏はテンションが上がってきたのか,「この服装はバブルを象徴してるんです」「バスドラムにリバーブ。これぞ1980年代ですよ」とコメントしつつ,自身のコーナーを盛り上げた。
なお,12月14日にはロフトプラスワンで「DETUNE忘年会」と称したイベントが開催されることも告知された。KORG M01のほかiMS-20の開発者やデモ曲を作った人が出演し,みんなでワイワイと楽しむイベントとのこと。
KORG MS01の紹介風景。3人で演奏をしようということになり,即席でそれらしいものを仕上げるのは,さすが |
アンケートコーナーで出演者の達の意外な一面が明らかに
「私服がおしゃれそうな人」という設問では,ホワイトボードに絵を描くことに。ここではなるけ氏が画伯と呼ばれ,その絵に注目が集まった |
「メンバーの中で寝相がひどそうな人は誰?」という設問に,佐野氏は「いつ撃たれても大丈夫なように膝を抱えて寝ている」と独特の言い回しで寝相の良さをアピール。なるけ氏は「眼鏡をかけたまま寝てるけど,朝起きても眼鏡をかけている」とわりと衝撃的なエピソードを披露した。ちなみに,お風呂にも眼鏡をかけたまま入ってしまうこともあるそうで,なるけ氏にとって眼鏡は体の一部に近い存在かもしれない。
結果はダントツで佐野氏がトップとなったが,僅差で下村氏が2位につけた。実際,下村氏は子どもの頃は寝相がひどかったそうで,冬の時期に湯たんぽを使ったら,朝,湯たんぽを枕にして寝ていたと告白。どうやら自身が180度回転していたようだ。
「他人の不幸を喜んでいそうな人は誰?」というあまり選ばれたくない設問では,光田氏がトップになった。だが本人は,「他の人がやっていることにはあまり興味がない」とコメント。ほかのメンバーに,「それをアピールタイムのときにいっておけ」と総突っ込みを入れられていた。
霜月はるかさんが登場して歌声を披露した「ラジアントヒストリア」コーナー
ラジアントヒストリアの主題歌,-HISTORIA-(ヒストリア)を担当した霜月はるかさん(中央) |
霜月さんは,レコーディング終了後,下村氏に飲みに誘われお店に行ったら,途中で下村氏が寝てしまったという話を暴露。下村氏は全員から一斉にツッコまれたが,お店でよく寝てしまうことがあるそうだ。というわけで,飲み会のある日の前日は寝る,もしくは昼寝をしておくのが最近の対策だという。トーク後にはミニライブが行われ,主題歌の「-HISTORIA-」が披露された。
その後,なるけ氏より,PSP用RPG「勇者30 SECOND」に関する発表もなされた。本作には光田氏,下村氏をはじめ大勢の作曲家が関わっており,その一人であるなるけ氏が作曲した歌を,霜月さんが歌っている。 下村氏からも「パラサイト・イブ」シリーズの主人公,アヤをフィーチャーした新作「ザ・サード バースデイ」(12月22日発売)で曲を担当したことや,廃盤となっていたパラサイト・イブのサウンドトラックが,再販されることが告知された。
霜月はるかさんからは,「グリオットの眠り姫」という自身のボーカルアルバムが紹介された。歌詞や曲でRPG的な冒険物語を描いているそうで,特装盤に付属する設定集を読みながら聞くと,より理解が進むとのこと。
新解釈の「トロ」も描かれたPlayStation Move紹介コーナー
Beat Sketch!の開発者の面々。左からノイジークロークの蛭子一郎氏,川越康弘氏,ソニー・コンピュータエンタテインメントの椎名寛氏。蛭子氏が手に持っているイラストは,実父である蛭子能収氏がBeat Sketch!を遊ぶ様子を描いたもので,このイベントのためだけに描かれたレアな一枚 |
Beat Sketch !はMoveを絵筆に,テレビをキャンバスに見立て,絵を描くと同時に音も作れるというもの。絵を描くのが苦手,もしくは音楽に詳しくないという人でも,Moveを使ってテレビの前で体を動かしていれば絵も音も同時にできあがるという。
ここで川越氏がゲームのメインモードとなる「クリエイトモード」のデモプレイを披露。音色は100種類以上あり,エレクトリックピアノやストリングスなどが収録されているとのこと。パフォーマンスをしながらライブペインティングをしてみたりと,いろいろな遊び方ができる。さらにプレイの録画機能も搭載され,そのままYouTubeにアップロードするということも可能だ。
意図的に鳴らしたい音を出すことも出来るし,気にせずに好きなように音を出してもいいし,自由に楽しく遊べるということが強調されていた。
ほかに自分が着ている服からスポイトで色を吸い取って絵を描いてみたり,顔をコピーして,ハンコのように使ってみたりと,絵を描くツールとしても楽しめそうだ。
蛭子氏の実演プレイで描かれた,どこでもいっしょのトロ。その衝撃にスタジオではどよめきが起こり,放送中のコメント欄もすごいことになっていた |
この後,蛭子氏は画面の指示に従って線を引いて絵を描き,完成度を競う「チャレンジモード」を遊ぶことに。このモードは完成度によってメダルを得られるのだが,最終ステージ「ダイナソー」で最上位のプラチナメダルを獲得できるかに挑戦することになった。ここで目標を達成できれば,視聴者に「PlayStation Move スターターパック」がプレゼントされることになり,プレッシャーを受ける蛭子氏。結果としてはシルバーメダルだったのだが,椎名氏の厚意で無事プレゼントという運びとなった。めでたしめでたし。
その次に12月23日に発売される「無限回廊 光と影の箱」を手がけたソニー・コンピュータエンタテインメントの鈴木達也氏,鈴田健氏,大木友和氏が登場。ノイジークロークの坂本氏は本作の作曲を担当してもいることから,引き続き司会を務めた。
無限回廊はMoveを懐中電灯に見立て,ステージ内にあるブロックを映して影作って遊ぶパズルゲームだ。
ライトの当て方によって影の出来方が異なるため,正解は一つだけではない。そのためさまざまな角度から検証する必要があり,デバッグが大変だったと開発中の苦労話が披露された。
無限回廊の開発者の面々。左からソニー・コンピュータエンタテインメントの大木友和氏,鈴田 健氏,鈴木達也氏,坂本英城氏。モーションコントローラーを使用した新しい形のパズルゲームを制作するのは,苦労の連続だったそうだ |
ユーザーが自由にステージを作成できる「クリエイトモード」が用意される。ここで作成したオリジナルステージは,「ワールドモード」を通じてアップロードしたり,ほかのユーザーが作成したものをダウンロードするという機能があるという。
無限回廊の楽曲を担当した坂本氏は,このゲームのために1トラック75分07秒の曲を制作したという。譜面は全部で2628小節という途方もないものとなり,この曲は弦楽四重奏とピアノで作られたそうだ。
坂本氏は75分という点に着目し,これを人の寿命として考えてみたという。1分=1歳ということで人生に置き換え,15分あたりを初恋,次に受験戦争,20分で会社に就職。30分で仕事にも慣れルーチンワークに。40〜42分は男の厄年,そこを乗り越えれば優しい曲になるという展開を作ったそうだ。坂本氏の中で50代は「今までの人生でやってきた経験が凝縮され,いろいろなことを楽しめる10年」と捉え,49分あたりまでのいいところを使ったメドレーを入れたとのこと。そして晩年は童心に返るよう,フレーズなども調整をしているというこだわりを披露した。
このように大変力の入った楽曲となっているが,ノイジークロークで作ったレーベル(noisycroakRECORDS)よりサウンドトラックを発表するということも告知された。価格は2100円,12月29日に発売される予定だ。
そんなこんなで番組は終盤を迎え,感想を求められた菊田氏は,「音楽の話もできるし,それ以外の話題も出来る。こういう場があるのは嬉しい」とコメント。TECHNOuchi氏は「緊張しましたが,呼んでいただいてありがとうございます」と述べた。
そしてエンディングは恒例となった,光吉氏のミニライブ。視聴者からどの曲を聞きたいか投票してもらい,今回は「Burning Hearts」と「赤ちゃんはどこからくるの?」の2曲が披露されることに。こちらを光吉氏が熱唱し,イベントは幕を閉じた。
今回の放送は18時にスタートし,予定では21時に終わるはずだった。しかし最終的には23時過ぎに終わるという事態になり,2時間もオーバー。視聴者数は約3万2000人,コメント数も約11万件とかなり盛り上がった。
次回開催に向けて,さまざまな計画も練られてはいるようだが,具体的な日時は未定となっている。とはいえ,これだけ楽しめる番組なのだから,ぜひとも第4回,第5回と続けていってほしいものだ。
また,番組終了後,参加者からコメントを頂く機会を得たので,こちらも併せて紹介しよう。
光吉氏:
第2回よりも内容が濃くなって,どんどん延びてしまいましたが,すごく充実した時間を過ごせました。ありがとうございました。
坂本氏:
2回目から3回目ということで,今回は長かったけど内容的にはシェイプアップできたと思います。やることが分かって,ひとつの形になったと思いますね。
佐野氏:
編集すれば30分ぐらいになるような内容でしたが,楽しくやらさせてもらえました。次回は24時間,ゲーム業界で「サライ」をやりたいです(笑)
光田氏:
次は菊田先生を迎えて,締めてもらえばいいのではないでしょうか。ありがとうございました。
なるけ氏:
回を追うごとにしっかりしてきましたね。あとは光田さんがしゃべるコーナーは作らないといけないですね。
菊田氏:
面白い番組になってきました。楽しい部分だけじゃなく,曲の作り方を紹介するコーナーとかできればいいですね。
下村氏:
今回は光田さんがほとんど話していなかったので,次回はもっとしゃべらせるコーナーを作りたいです。
TECHNOuchi氏:
「おとや(貧)」以外はスタジオで見させて貰って来ましたが,今までの中で1番スムーズな展開だったと思いますし,内容もとても濃かったのではないかと思います。ただ時間延長で間延びした部分もあると思うので,今後の課題に出来ればよいかと思います。
岡田氏:
大阪から来てよかったです。内容も充実していたし,生で見るのはいい緊張感がありますね。今後も日本のゲームサウンドを明るくしていければと思います。
牧野氏:
初めてこういうものに出させて頂きましたが,モンスターハンターで今まであまり触れられなかった音楽のことについて,一般の方に公開できたのは良かったと思います。コンポーザーとして,また機会があれば呼んで頂ければと思います。
霜月氏:
今日はとてもためになる話が多かったと思います。作曲家としても勉強になることが多かったです。番組の内容も濃くてゲーマーや作曲家と,この番組に興味を持ってくれる人が広がるのではないかと思います。歌うことも出来て光栄でした。
古川氏:
ゲームの仕事をしたくてこの業界に入りましたが,こんなに素敵な番組に出させていただいて本当にうれしいです。機会があったらまた出たいです。ありがとうございました
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