テストレポート
ZOWIE「DIVINA S」ファーストインプレッション。「縦方向の操作がしやすいマウス」は本当か?
取扱店である東京秋葉原のパソコンショップ アーク,そして大阪日本橋のPCワンズにおける実勢価格は9380円(税込)だ。
とにもかくにも,これまでのZOWIEにはないカラーリングが真っ先に目を惹くDIVINA Sだが,その実,ZOWIEにとっては非常に重要な位置づけのマウスでもある。これまで「Counter-Strike: Global Offensive」(以下,CS:GO)に軸足を置き,「CS:GOのためのマウス」を主に開発してきたZOWIEにとって事実上初の「それ以外のゲームを対象にしたマウス」だからだ。
DIVINA Sで縦方向の操作は行いやすくなったのか
ワイヤードマウス固有の問題として,ケーブルがマウスパッドと接触しやすく,それが摩擦を生むということが挙げられる。摩擦が生じればそこに抵抗が生まれ,ひいてはマウスの操作性に少なからず影響を及ぼす。
高い位置の敵を攻撃するのに上下の視点移動を多用するOverwatch,そして建築でせわしく上下左右に視点を動かす必要があるFortniteのいずれにおいても,ワイヤードマウスらしいケーブルの抵抗を気にすることなく,思いどおりの操作が行えるのだ。
もちろん物理的にケーブルは存在するので,ワイヤレスマウスほどの軽快感までは得られないものの,左右の動きと上下の動きで違いを感じないというのは,DIVINA Sの持つ大きなメリットという印象を受けた。
ただし,DIVINA Sの持つフルポテンシャルを発揮させるにはしっかりした事前準備が必要だ。というのも,せっかく本体の根元側でケーブルが斜め上を向いていても,ケーブルアンカーまでの間でたるみが発生してしまうと,結局のところ,奥方向へマウスを振ったときにケーブルがマウスパッドに触れてしまうからだ。
手持ちのケーブルアンカーだと高さが足りないといった場合は,より背の高いものへ買い換えるとか,もっとシンプルにケーブルアンカーを高い場所へ設置し直すなどの対策が必要である。ここがDIVINA Sというマウスの「縦方向操作を行いやすくするためのキモ」なのだが,ZOWIEが下の画像1枚で説明を済ませてしまっているのはちょっと残念に思う。
「DIVINA Sを購入したらケーブルの取り回しに気を配りましょう」程度では甘い。どんな操作を行ってもケーブルがマウスパッドへ触れないよう,取り回しを徹底的に最適化しなければならないと肝に銘じてほしい。
中サイズと小サイズの2モデル展開は何を生んでいるか
「S」が「Small」を意味している……かどうかは分からないが,ZOWIEはこれまでのマウスで展開してきた「大・中」「大・小」「大・中・小」ではなく,DIVINA Sの2モデル展開にあたって「中・小」サイズを選択している。ZOWIEの創業者でもあるVincent Tang(ヴィンセント・タン)氏によれば,上下左右にマウスを振り回すことになるOverwatchやFortniteのプレイヤーは小型のマウスを好むために,このようなサイズ展開にしたのだそうだ。
日本人にしては手の大きな筆者なりにもう少し突っ込んで語ってみると,より大きなS1 DIVINAはつまみ持ちとかぶせ持ちのどちらでも違和感がない。一方,S2 DIVINAはよりつまみ持ちに特化したデザインと感じられた。というか,筆者のサイズだと,S2 DIVINAをかぶせ持ちした場合に左右メインボタンから人差し指と中指がはみ出てしまうのである。
より一般的な手の大きさの人ならそんなことはないと思うが,手の大きな人はちょっとだけ注意が必要かもしれない。
ZOWIEはその理由を「既存の左右対称形状マウスであるFKシリーズやZAシリーズと同じにしつつ,右サイドボタンがグリップと干渉するのを防ぐため」としているのだが,握ってみると,「つかみ持ちのとき,薬指と小指を本体右側面部の凹みに添えるようにして配置させたいのだろう」という意図を感じることができる。
実際,その意図に従うようにして指を置いてみると,確かに握り込みやすい。見た目はシンプルながら,細かいところまでよく錬ったデザインと言えるだろう。
なお,S1 DIVINAとS2 DIVINAの間にある約5gという公称重量差――公称重量は順に87g,82g――は,交互に持ち替えてみて「ああ,確かにちょっと違うな」程度で,どちらも十分に軽いという点において大した違いはない。重量バランスの違和感もなかった。
「縦方向操作対策」が予想以上に効果的なDIVINA S
入手から数日。ゲームで使い込んでみたひとまずのインプレッションは以上となる。ケーブルの付け根がわずかに持ち上がっていること“程度”で,縦方向の操作性にどれだけの違いが出るのか,正直半信半疑だったのだが,ケーブルがマウスパッドに触れないようきちんとセッティングしてからの快適さは見事と言うほかない。
これまでのワイヤードマウスでも筆者はできる限りケーブルがマウスパッドに触れないよう持ち上げて使っていたが,そもそも設置面に対してケーブルが平行に出てしまうと,「触れないようにする」と言っても限界がある。そこをクリアできるというのは本当にアイデア賞モノだと思う。
もしケーブルアンカーなどを持っていないなら,先端が少し側面方向へ飛び出るような形でディスプレイ背面に鉛筆や割り箸を貼り付ければ簡易的なケーブルアンカーとして使えるので,試してみてほしい。
センサーのテスト結果などはまた追ってお伝えしたいと思うが,定番の「PMW3360」搭載なので,少なくとも大外しはないのではなかろうか。価格は決して安価とは言えないが,ケーブル周りの仕様に惹かれたのであれば,DIVINA Sは後悔しないはずだ。
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ZOWIEのDIVINAシリーズ製品情報ページ(英語)
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ZOWIE(旧称:ZOWIE GEAR)
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