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ZOWIEの新作マウス「FK」レビュー。Counter-Strikeのレジェンドが監修した新型は,完成度も価格も高い
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印刷2013/04/15 00:00

レビュー

Counter-Strikeレジェンドプレイヤー「NEO」監修のマウスを吟味する

ZOWIE FK

Text by BRZRK


FK
メーカー:Briccity International
問い合わせ先:マスタードシード(販売代理店)
価格:7980円(税込)
画像集#002のサムネイル/ZOWIEの新作マウス「FK」レビュー。Counter-Strikeのレジェンドが監修した新型は,完成度も価格も高い
 ZOWIE GEARといえば,「Counter-Strike」界のレジェンドプレイヤーであるEmil“HeatoN”Christenssen氏とAbdisamad“SpawN”Mohamed氏が参加するPCゲーマー向けブランドであるという認識をしている人が多いだろう。実際,ZOWIE GEARも設立以来,HeatoNとSpawNを2枚看板としてきた。
 しかし,2012年の9月にHeatoNはZOWIE GEARとの契約を終了。自身がオーナーとなるCounter-StrikeチームでStealSeriesをスポンサーに迎えるに至っているので,氏が監修していたマウスシリーズ,ECは事実上の終了となった。

 そこでZOWIE GEARは新たに,ポーランド出身のCounter-Strikeシリーズプレイヤー,Filip“NEO”Kubski氏へ新製品の開発協力を要請。その結果として,今週金曜日,2013年4月19日に国内発売となるのが,新製品「FK」である。
 NEOはWorld Cyber GamesやElectronic Sports Worldcupといった世界大会で何度も優勝しており,その実力は世界的にもよく知られている。HeatoNの後釜がNEOというのは,FPSコアプレイヤーなら納得がいく人選といったところだ。

 ではこのFK,その完成度はどれほどのものだろうか。現行製品であるAMシリーズとの比較も交えつつ,発売直前となるこのタイミングで実力に迫ってみたい。


一見はAMにそっくりだが

側面に違いがあるFK


 FKは,左右対称形状を採用する,光学センサー搭載のワイヤードマウスだ。サイズは実測で65(W)×125(D)×36(H)mm。重量はケーブル込みで約122g,後述する方法によりケーブルを物理的に取り外した状態では約80gで,ゲーマー向けマウスとしてはかなり軽い。

4Gamerの比較用リファレンス「G5 Laser Mouse」(型番:G-5T)と並べたところ。FKは一回り小さい
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 実のところ,この形状と外観は,冒頭で比較対象にすると述べたAMとほとんど同じだ。AMの実測サイズが65(W)×125(D)×39(H)mmで,FKはそれと比べて高さが3mm低いだけなので,FKがAMをベースとしているであろうことは,容易に想像できる。
 基調色がオリジナルのAMと同じ黒で,左右メインボタンとスクロールホイール,左サイドと右サイド各2というボタン構成になっている点,サイドボタンだけ光沢加工され,それ以外はつや消しのマット加工がなされている点,底面にDPI設定を切り替えるための専用ボタンが用意されている点にも違いはない。「スクロールホイールとZOWIEロゴ,底面が黄色くなった,AMのカラーバリエーション」と紹介したら,信じてしまう人もいるのではなかろうか。

オリジナルAMと並べたところ。横に並べてみると3mmという高さの違いが分かるが,言われなければ気づかない程度の違いでもある
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左右メインボタンの比較。こうして見比べるとけっこう違う
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 ただ,「AMと“ほとんど”同じ」と書いたとおり,色以外にも違いは3つある。
 1つめは,左右メインボタンの形状が変化した点だ。「左右メインボタンが上面カバーと一体型のワンピースタイプになっている」という点では共通のFKとAMだが,指を置く場所の形状が異なっているのである。AMでは人差し指と中指を置く部分が丸みを帯びて盛り上がった形状となっていたのだが,FKでは逆に凹みのある形状に変更されたのだ。Razer製マウスっぽくなったとすら言えそうだが,この変更により,気持ち程度ながら,指を置きやすくなったように感じる。

サイドボタンの配置を比較したカット
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 2つめは,左右に2個ずつ配置されたサイドボタンの位置と形状である。AMシリーズのサイドボタンは,上面カバーと隣接する場所に置かれており,かつ,サイドボタンの上側は上面カバーと同じ高さになるよう調整され,下側が少し盛り上がった形状になっていた。それに対してFKだと,まず,上面カバーとサイドボタンが隣接しておらず,側面で少し低めのところに置かれている。また,ボタンに傾斜はなく,どの部分でも側面カバーから約1mm高くなった。

 3つめの変更点は側面カバーの形状だ。AMシリーズだと,底面部に向けて広がった形状となっているのに対し,FKは本体前後中央部に凹みを持たせた形状になっている。左右側面でそれぞれ約2mm,合計で約4mm凹んでいるので,実際に握ったときの違いはこの部分が最も大きい。

サイドボタンの形状,側面の凹みを比較したカット2点。サイドボタンは左の写真,本体前後中央部の凹みは左と右の写真を見比べると分かりやすいと思う
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形状が変わり,ターゲットとなる握り方も変わったが,持ちやすさに影響はない


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 以上,細かく形状の変更が入ったことで,特定の持ち方に向くとは謳われていなかったAMに対し,FKでは,「つかみ持ち」(claw grip)のユーザーと,小さい手で「かぶせ持ち」(palm grip)するユーザーに向くと,明確に位置づけられている。

 というわけで今回は,つかみ持ちとかぶせ持ちに加え,「つまみ持ち」(fingertip grip)と,筆者独自の持ち方だと思っている「BRZRK持ち」の4パターンで握りやすさを比較してみた。その結果が下の写真とキャプションだ。

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つまみ持ちの例。マウス側面部の,手前側にかけて膨らみだしている部分に親指と小指,薬指を配置することでグリップ力を高めることが可能だ。これといった問題もなく,普通に扱える
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つかみ持ちの例。FK独自の凹んだ構造のため,つまみ持ち同様,親指と小指でホールドしやすい。また,左右メインボタンが凹みのある構造になっているため,指を配置しやすい印象を受けた。筆者個人としてはつまみ持ちより扱いやすいと思う
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かぶせ持ちの例。側面部に薬指と小指を縦に並ぶように配置することで,快適に操作できる。この持ち方をする場合は,両側面の凹みに合わせるように指を配置すると負担が少ない
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BRZRK持ちの例。小指と薬指を立てるように配置し,親指はベタ置きにすることで,左右からガッチリとホールドできる。ただ,指の長さによっては薬指が若干窮屈に感じる可能性もあるだろう

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 つかみ持ちと(手の小さい人による)かぶせ持ちに向くとされていたことで,クセのようなものを覚悟しながら検証したのだが,総じて,どの持ち方にも対応できる印象だ。ただ,たしかにつまみ持ちとかぶせ持ちのほうが,より扱いやすい。
 なお,筆者のように,手が大きく,指も長い人だと,BRZRK持ちでは,側面部に置く指のベストポジションを見つけるまで,立てている薬指と小指が少々窮屈に感じるかもしれないとは思った。


メインボタンは強いクリック感が得られる

サイドボタンはAMと変わらず


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 続いてボタン類をチェックしていこう。前提条件として,上面カバーと一体化した左右メインボタンを採用する点や,左利きモードにしたいときは「中指もしくは薬指で押すほうのメインボタンとスクロールホイールボタンを同時押ししながらUSBポートに差す」ことで切り替えられる(※もう一度同じ操作をすれば右利きモードに戻る)ようになっており,どちらのモードでも薬指や小指を置くほうの側面にあるサイドボタンが無効化されるため,5ボタンマウスとして機能するというのは,AMシリーズから変わっていないので,この点は先にお伝えしておきたい。また,ここからはAMシリーズの最新モデルで,クリック感がオリジナルとは異なる「AM-FG」と比較していく。

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 というわけで左右メインボタンだが,クリック時に押し込めるストロークは,筆者の感覚だと,AM-FGよりもFKのほうが若干深くなっている。ただ,スイッチが反応するタイミング自体はAMとFKで変わらない印象だ。
 また,押下時の感覚はFKのほうがカチっとして,AM-FGよりも強いクリック感が得られる。オープンエア型のヘッドセットやヘッドフォンを使っている人なら,ゲーム中でもクリック音を聞き取れるので,クリック音を頼りにタップ撃ちするタイプのプレイヤーはリズムを取りやすいだろう。

 スクロールホイールは横幅が実測約7mm。表面のラバーコートには,約2mm間隔で1mm幅の溝が彫られている。これは,AM-FGやオリジナルのAMと色違いなだけで,まったく同じと述べていい。センタークリックの硬さも変わらずだ。

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 本体両側面のサイドボタンは,前後方向に2個ずつ並んでいるが,FKの場合,奥側(=メインボタン側)が約15mm,手前側(=後方側)が約15mmという長さになっているのに対し,AM-FGは実測で奥側(=メインボタン側)が約15mm,手前側(=後方側)が約17mmの長さなので,手前側のボタンが2mmほど短くなった計算になる。
 ただ,サイドボタンの位置が下がり,ボタン形状もフラットとなった割に,AM-FGとの間で特筆すべき違いがあるとは感じない。今回はFKとAM-FGの間でクリック音比較ムービーを用意してみたので,興味のある人は再生して聞き比べてみてほしい。



AMシリーズと変わらずADNS-3090センサーを搭載

中身もAM-FGと大きくは変わらない


ビニール皮膜で柔らかいケーブルを採用する点や,ソールが2枚で交換用が1セット付属する点もAMシリーズと同じ
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 ZOWIE GEAR製マウスの伝統を引き継ぎ,FKも,Windowsのクラスドライバで動作する,いわゆるドライバレス仕様の製品だ。つまり,ドライバソフトウェアや専用ツールをどこかからダウンロードして導入したりするような手間はまったく不要。自宅以外の環境で使う場合も,Windows側のマウス設定とゲーム側の設定さえ揃っていれば,同じ環境を再現できる。

 これはこれで非常に便利なのだが,裏を返せば,他社製品のように,設定ツールからマウスのカスタマイズが行えないということでもある。たとえば,細かなDPI設定などは,FKではサポートされない。
 では,DPIの変更はどうやるのかというと,前述のとおり,底面部にDPI切り替え用ボタンが用意されているので,これを使うことになる。

 これといった説明書きのない横長のボタンを押すと,近くに用意されたLEDインジケータの色が変わる。色はDPI設定と連動しており,赤の450 DPI,紫の1150 DPI,青の2300 DPIという順番で色とDPI設定が変わり,青く光っている状態でもう一度押せば赤に戻る,といった具合だ。450/1150/2300 DPIという,あまり一般的でない設定値を順繰りに切り替えるあたりは,AMシリーズとまったく同じである。

本体底面のDPI切り替えボタンを押したところ。押すごとにLEDの色は赤→紫→青→赤→……と切り替わり,DPI設定も切り替わる
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 まったく同じといえば,レポートレートの変更方法もAMシリーズと同じで,下記のとおり,特定のサイドボタンを押しながらFKのUSBケーブルをPCと接続することで,125/500/1000Hzの3段階から選択できるようになる。ちなみに工場出荷時の設定は1000Hzだ。

  • 有効なサイドボタンを両方押しながら接続→125Hz
  • 有効なサイドボタンの奥側(=マウス前方側)を押しながら接続→500Hz
  • 有効なサイドボタンの手前側(=マウス後方側)を押しながら接続→1000Hz

 ここで念のため,FKとAM-FGのスペックをにまとめておきたい。ZOWIE GEARはスペックを公開したがらないブランドなので,あまり情報はないが。

※左サイド×2と右サイド×2は排他。別途,本体底面にDPI切り替え用ボタンを搭載
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 ここで,恒例の分解を行ってみたい。今回は,AM-FGのレビューから同製品の分解写真を流用しつつ,内部をチェックしていく。以下,分解写真はいずれも左がFK,右がAM-FGだが,まず,とりあえず開いた状態で比較すると,メイン基板の型番らしきものが両製品共通なので,機能的にはやはり同じと見てよさそうだ。違いは,マウスケーブルの固定方法が変わっていることくらいである。

マウスカバーを取り外したところ。マウスケーブルの固定方法がAM-FGの「ネジ+柱」からFKでは「プラスチック製の部品」に変わっているが,それを除けばよく似ている
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 メイン基板に寄ってみると,サブ基板との接続に用いるリボンケーブル用端子が変わっている点と,AM-FGで用意されていたレンズユニット用カバーがFKでは取り外されている点に気づく。光学センサーはAvago Technologies製の「ADNS-A3090」で共通だ。

メイン基板に寄ったところ。本文で触れたように,細かく変更されている。ただし,「レンズユニットにカバーが取り付けられていない」というのは,オリジナルのAMと同じなので,この点は先祖返りしたといえるかもしれない。なお,本文で指摘したリボンケーブル用端子というのは,写真で基板右下側に見えるもののことだ
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FKで採用している光学センサーは,AMシリーズから変わらずADNS-3090だ
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 以下,一気に写真とキャプションで比較してみたい。

USBコントローラがCypress Semiconductor製なのも変わらず。シルク印刷がぼやけていてすべてを読みとることはできないが,「CY7C64215-28PVXC」と書かれているので,AM-FGと同じ製品のロット違いを使用していると判断していいだろう
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左右メインボタンのスイッチ。中国Huano製のZOWIE GEAR向けカスタムモデルになっている。型番は確認できないが,同じものだと見て間違いないのではなかろうか
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サイドボタン用のメイン基板(上)。シルク印刷は同じだ。一方,サイドボタンのスイッチは,AM-FGだと左右メインボタン用と同じなのだが,FKではセンタークリック用と同じものに切り替わっている(下)。もっとも,ボタンの作りは(表面加工を除いて)変わっていないため,操作感は変わらないというのは,本稿の前半で述べたとおりだ
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センサー部は漏光防止用のカバーが取り除かれた点を除けば,まったく一緒だ(上)。レンズユニットはFKの表と裏を掲載しているが(下),これもAM-FGやAMと同じ
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※注意
 マウスの分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は筆者が入手した個体についてのものであり,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものではありません。

 以上,分解してみても,AM-FGとの違いはサイドボタンのスイッチくらいであるということが分かった。そろそろ,「FKとAM-FGの違いは外観デザインのみ」と言い切れそうな雰囲気である。


マウスパッド全15製品との相性テスト

テスト結果はAMシリーズと多少異なる


 FKに搭載されているセンサーはAMと同じもということからも,マウスパッドとの相性テストは似た物となるはずだ。だが,AM-FGをテストしたときと比べると,Razer製マウスパッド「Razer Destructor 2」と「Razer Manticor」が新たに採用されているので,そこでどうなるかは興味深い。
 下記に示したテスト環境とマウス設定で検証してみよう。


●テスト環境
  • CPU:Core i7-860/2.8GHz
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-P55A-UD4(BIOS F15)
    ※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB×2
  • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-N560OC-1GI(GeForce GTX 560 Ti,グラフィックスメモリ容量1GB)
  • ストレージ:Western Digital Caviar Green(WD10EADS,容量1TB,Serial ATA 3Gbps)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

●テスト時のマウス設定
  • ファームウェアバージョン:未公開(※ファームウェアアップデート非対応)
  • DPI設定:450/1150/2300 DPI(※主に1150 DPIを利用)
  • レポートレート設定:1000Hz(※デフォルト設定)
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

 今回のテストでも,リフトオフディスタンスの検証を行う。FKにおける公称値は1.5〜1.8mmとなっているので,「厚さ1mmの1円玉を2枚重ねた状態で反応しなければ合格」という立場から,以下にまとめた短評の最後に【○】か【×】かで検証結果を書き加えることにした。【○】なら2枚置いたとき無反応になったという意味だ。

●ARTISAN 隼XSOFT(布系)
 滑りはいいのだが,低速でゆっくり動かしたとき,カーソルの動作が怪しくなることが数回あった。【○】

●ARTISAN 疾風SOFT(布系)
 操作性にこれといった問題はない。快適に操作できる。【○】

●ARTISAN 飛燕MID(布系)
 よく滑るが,カーソルの動作に違和感を受けることがまれにあった。【○】

●DHARMAPOINT DRTCPW35CS(布系)
 布との摩擦を感じたものの,操作に問題はない。【○】

●DHARMAPOINT DRTCPW35RS(布系)
 布の擦れる感触が強いが,操作性自体は良好。【○】

●Razer Destructor 2(プラスチック系)
 抵抗感を感じるが,操作は問題なく行える。【○】

●Razer Goliathus Control Edition(布系)
 ザラザラとした抵抗を感じる。ただし,操作性は良好。【○】

●Razer Goliathus Speed Edition(布系)
 よく滑るが,止めやすく操作しやすい。【○】

●Razer Manticor(金属系)
 金属系特有の擦れを感じる。滑りはよくないが,操作はしやすい。【○】

●Razer Sphex(プラスチック系)
 少々抵抗を感じるが,操作に問題なし。【○】

●Razer Vespula(プラスチック系,両面)
 両面とも操作しやすく,滑りも良好。【○】

●SteelSeries 9HD(プラスチック系)
 プラスチック特有の摩擦を感じるものの,操作自体は問題なく行える。【○】

●SteelSeries QcK(布系)
 ザラつきを少し感じるが,快適に操作可能。【○】

●ZOWIE G-TF Speed Version(布系)
 かなり滑りやすいが,止めやすい。良好な操作が行える。【○】

●ZOWIE Swift(プラスチック系)
 擦れる感触が強いが,快適に操作できた。【○】

 結果はご覧のとおり,AM-FGとそう大差ない。ただ,ARTISAN 隼XSOFTを使用しているとき,まれにWindowsのカーソルおよびゲーム内照準の動作が不安定になったのと,ARTISAN 飛燕MIDで操作時に若干の違和感があったことは付記しておきたいと思う。明らかにおかしい,とまでは言い切れない挙動なので,一概に相性問題と断じることはできず,また,「ここまでAM-FGと仕様が近いのに,FKでだけ相性が出るのか?」と聞かれると,正直,筆者としても「うーん」としか答えづらいのだが,一応,頭の片隅に入れておいてもらうといいかもしれない。

直線補正について,ZOWIE GEARは「オフ」だとしている。実際のところ,完全なる補正の無効化は不可能だと言われているが,使用してみた感じだと,補正を受けている印象はない
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AMシリーズより握りやすく,軽量マウスを求めているなら選択肢になる。しかし価格が……


製品ボックス
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 FKを実際に2週間強使ってみたが,使用感は本当に「つかみ持ちしやすくなったAM-FG」といったところである。筆者がAM-FGのレビュー時に不満点として挙げた「DPI設定が3段階しかないこと」は継承されてしまっているので,「DPI設定のおおざっぱさが気にならなければ」という前提条件は必要になるのだが,軽量のマウスを探していた人なら選択肢になるだろう。筆者個人としては,AMシリーズより握りやすくなったFKの形状を大変気に入っている。このタイミングでマウスを買い換えるなら,有力な候補になると思う。

 ただ,そんなFKに影を落としているのが価格設定だ。AM-FGが登場した2012年10月と比べると,円安が相当に進んでいるとはいえ,メーカー想定売価59.99ドルの製品が,日本で7980円(税込)――1ドル133円!――というのはさすがに厳しい。せめて店頭価格がもう少し下がってくれればいいのだが。

ZOWIE GEARのFK製品情報ページ(英語)

  • 関連タイトル:

    ZOWIE(旧称:ZOWIE GEAR)

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