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「ArcheAge」の新種族「ドワーフ」は「漢!ヒゲ!ロボ!」が3拍子そろった熱いクラス。リアルドワーフが「ArcheAge」をプレイしながら熱く語る
さて,実はこのアップデート前に,リアルドワーフ(?)がゲームオンに訪れていた。ドワーフとはどのような存在なのかを語ってもらいつつ,ArcheAgeのドワーフをプレイしてもらう……という,ArcheAge恒例の“リアル”取材を行ったのだ。いろいろツッコミどころが多い紹介になったが……ともあれ,リアルとゲームが交錯した,リアルドワーフと石元一輝氏との邂逅の瞬間をレポートしよう。
■前回のリアルArcheAge(「ArcheAge」のドワーフ実装に向けて,ドワーフらしさを身体で学ぶために刀鍛冶を体験してきた)
リアルドワーフことベーテ・有理・黒崎氏,ドワーフを語る
ドワーフについて詳しくレクチャーをしてくれたのは,テーブルトークRPG界で「リアルドワーフ」として高名なベーテ・有理・黒崎氏(以下,ベーテ氏)。グループSNEに所属するクリエイターで,「ソード・ワールド2.0」のリプレイなどの執筆に携わりながら,実際のリプレイでもその容姿と相まって「リアルドワーフ」として知られるドワーフの権威だ。
その容姿はと言えば……確かに,一般的な「ドワーフ」のイメージが,そのまま現実世界に現れたかのようだ。とはいえ,ドワーフらしからぬベーテ氏の巨体に「こんなにおっきいドワーフとか違うだろ!」と思う読者もいるかもしれない。だが,「トンネルズ&トロールズ」というテーブルトークRPGには,身長180〜190cmほどある,ジャイアントドワーフという種族もいるので,身長はたいした問題ではないようだ。さすがファンタジー。もう,なんでもアリである。
そんなベーテ氏に,メディア合同インタビューをする機会が設けられた。ベーテ氏がドワーフにハマったきっかけから,ドワーフについての蘊蓄(うんちく),そしてドワーフへの愛などについて熱く語ったインタビューの模様をお届けしよう。
――ベーテさんが,ドワーフに興味を持たれたきっかけはなんでしょうか。
ベーテ氏:
子供のころに,母親が寝物語でC・S・ルイスの「ナルニア国ものがたり」を読んでくれたんです。そこでファンタジーにずぶずぶとハマっていきました。中学生のころに北欧神話にハマったことと,ほぼ同時期に「ホビットの冒険」や「指輪物語」など,ドワーフをとてもフィーチャーした作品に触れたことが決定的だったと思います。
――作品によってドワーフに違いがあると思いますが,そのなかでも共通したキーワードはありますか。
ベーテ氏:
鍛冶などの職人であり戦士,というのが一番大きいと思います。もともとが,地下に住んでいる小人っていうイメージに,J・R・R・トールキン先生がヴァイキングの要素を付け足したものが現在のドワーフ像だと思いますし,僕もドワーフに惹かれるところです。あとはヒゲですかね(笑)。
――ドワーフにはいくつか特徴がありますが,ベーテさんが「コレは外せない」という特徴はありますか。
ベーテ氏:
ぱっと見でドワーフと分かるのは,やはりヒゲですね。ドワーフのヒゲに対する誇りと愛着は外せないと思います。TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の場合は,男性はヒゲを伸ばして編み込んだりするかわりに,女性は短くシャープに刈り込むという設定があります。それ以外となると,体格ですね。そういう意味で言えば,背が低くてがっしりしているのがドワーフといえるかもしれません。
――ドワーフを日本に定着させた作品はなんでしょう。
ベーテ氏:
遡っていくと,「ロードス島戦記」か「ドラゴンランス」になるんじゃないでしょうか。
――ベーテさんの知る限りで,最初期のドワーフと現在のドワーフとで,異なる部分はありますか。
ベーテ氏:
「妖精物語について」や「白雪姫」,あとは北欧神話のドヴェルグなど,まだ妖精の一種だった最初期のドワーフは,技術はあっても“小さくて戦士”という要素は強くなかったと思います。フィクションのなかで親しまれていくうちに,金が好き,欲望が強い,人を信じないというネガティブな要素が少しずつ削れていって,頑固な職人ぐらいのところに落ち着いたイメージがあります。
――エルフと仲が悪いというのはどこから始まったんでしょう。
ベーテ氏:
神話や民話になると,現在我々が知っているエルフは存在せず,ドワーフもエルフも一緒です。「エルフと仲が悪い」という設定は,トールキン先生の「指輪物語」や「シルマリルの物語」などの作品の影響が,TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」へ,そして「ウィザードリィ」といった流れで一般化したのが大きいと思います。
――ドワーフの描かれ方は,日本と海外とで違いますか。
ベーテ氏:
鍛冶や戦士の一族というイメージは,そんなに変わらないと思います。ただ,女性ドワーフの描かれ方はだいぶ違ってきています。
日本の女性のドワーフは,昨今,人間の女の子,幼女や童女といった姿でありながら,成熟した女性といった描かれ方をしていることが多いです。見た目と年齢のアンバランスさを狙っているんでしょうが,個人的には思うところもあります。
西洋では,さすがに最初期の女性にもヒゲがあるという特徴はスポイルされがちですが,骨格や体格の描き方で,普通の人間とは違う種族であることを強調する傾向があります。
――ベーテさんは,いまの日本の幼女っぽいドワーフと,昔ながらの女性ドワーフのどちらが魅力的だと感じてますか。
ベーテ氏:
僕はファンタジーでもSFでも,人間じゃない種族に心惹かれる人間でして,ドワーフはドワーフとして一個の種族である,というイメージを強く持っています。だからこそ,ドワーフならばドワーフの体格,骨格にあった女性像があるべきではないかと常々考えています。安易に人間の幼女の姿にするのは,人間にこびすぎていて嫌な考えもありますが……可愛いのは可愛いので,完全に否定するものではないです。
――これまで「これは変化球だな」と強く印象に残ったドワーフはありますか。
ベーテ氏:
TRPG「ルーンクエスト」という作品では,機械の神を奉じる種族としてドワーフが描かれています。社会の中でゼンマイのように働くというイメージは,職人集団としてのドワーフを突き詰めた面白い解釈だと思いました。あとは,おそらく日本ではじめて人間の少女のような女性ドワーフを描いた「クイーンズブレード(日本版)」を見たときに衝撃を受けました。「ウォーハンマーRPG」に登場するパンクなドワーフも好きですね。
典型的なドワーフから外れるわけではないですが,古いTRPG「アースドーン」では,世界の人口比のマジョリティがドワーフで,共用語がドワーフ語だったり,ドワーフの賢者や詩人などがいたりと,ドワーフ愛に溢れた作品で印象に残ってます。同じ会社のTRPG「シャドウラン」のドワーフも,現代社会に溶け込んだ感じがして,こちらも好きですね。
ベーテ氏がArcheAgeのドワーフに挑戦。キャラメイクでこだわったのは,やはりヒゲ
ベーテ氏からドワーフの講釈を受けたあと,石元氏からArcheAgeのドワーフの歴史背景について説明が行われた。
そもそもArcheAgeの世界は“神々の世界”で,現在の旧大陸には,いろいろな種族がいたという。今回,新たに追加されるドワーフも,もともと旧大陸に住んでいたらしい。
その後,ある事故によってすべての種族が東西の新大陸へと移住した際に,ドワーフもヌイア大陸のはずれに土地を確保し,自らの持つ技術力を使い再興を図っていく。しかし,その技術力の高さが発展を後押しすると同時に,土地不足を招いてしまい,土地をめぐってほかの種族との戦争に突入。その結果,歴史の表舞台に立つのが遅れてしまったという。その戦争が一段落したことで,このたび,旧大陸の奪還へ向けてドワーフが登場するというわけだ。
ベーテ氏のドワーフ考を聞いた石元氏は,ArcheAgeのドワーフについて,戦士,そして職人としての側面が強く表れていると述べた。ArcheAgeのドワーフは「変身」という固有スキルを持っていて,ドワーフの技術力の粋を極めた「機甲兵」というロボットを召喚し,それに乗り込んで戦うことができると説明。なお,「女性ドワーフは……可愛い女の子です」と付け加えて,ベーテ氏を笑わせていた。
一通りの説明が終わると,ベーテ氏は実際にArcheAgeのドワーフをプレイすることに。キャラクターメイクからスタートすると,ベーテ氏は「男性ドワーフを」と要望し,さっそくプレイが始まった。
自らメイクしたドワーフを使い,ArcheAgeをプレイするベーテ氏。コミカルなモーションでダッシュする姿を見て,「真面目で頑固という職人気質のキャラクターが,ちっちゃい身体で動いているのを見るのは楽しい」と感想を述べていた。
続いて,女性ドワーフのメイキングに入ったベーテ氏は「体つきが華奢だから難しい」とポロリ。小柄な体型と比べて,少し頭が大きいため,どうバランスをとろうかが悩みどころだったようだ。また,作品によって女性ドワーフの描かれ方は異なるが,そもそも基準となる「女性ドワーフのイメージ」が男性ドワーフほど明確ではないことも,難しさに拍車をかけた感じだった。最終的には女性ドワーフというよりも,原点に近い妖精っぽい感じの女性キャラクターとして落ち着いた。
ベーテ氏は,ドワーフがレベル30になると変身する「機甲兵」も体験。ドワーフが変身する姿に「おおぉ!」と雄叫びをあげながら,「トップヘビーなゴリラ体型なのが,またいい」とドワーフの技術力を絶賛。先ほどまで戦ってたモンスターを一発で倒す機甲兵の火力には,「コレはヒドイ」と思わず笑いが飛び出してしまったほどだ。
そのほか,実際に使うことはできなかったが,機甲兵の持つ「爆弾発射準備」や「次元のカーテン」といったスキルの名称にはかなり興味を引かれたようだ。石元氏によると機甲兵は,攻撃だけでなく味方を助けたり敵にデバフをかけたりする能力も持っているという。
ArcheAgeのドワーフをプレイしたベーテ氏は,キャラクターの動きなどもさることながら,ドワーフの拠点である村のところどころに,機械のようなものが散りばめられていることが「この世界のドワーフがどういう生活をしているのか分かっていいですね」と,世界設定をフォローするような環境に感心していた。
また,女性ドワーフについては,体型のチョイスが西洋に良くあるずんぐりむっくりとした体型と違って,解釈として面白いと話した。一方,男性ドワーフについては,フェイスにヒゲがないものが多いと指摘した。
最後に,日本全国のドワーフファンに向けてのコメントを求められたベーテ氏は,「ArcheAgeのドワーフのイメージは『漢!ヒゲ!ロボ!』」というドワーフ愛に溢れた言葉を贈って,今回のインタビュー並びにドワーフ体験プレイを締めた。
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