紹介記事
MMORPGで“生産者”として生きること。「ArcheAge」における生産システムの魅力をあらためて紹介してみよう
今回行われたアップデートには,「農業用トラクター」の作成に必要な素材の追加もある。本作の醍醐味の一つである「生産」に関してもしっかりと更新が行われているのだ。
そこで今回は,「本作の生産ってどんなもの?」という未経験者向けに,あらためて生産を紹介してみることにした。生産の概要をはじめ,そこから派生する「特産品」や「貿易」などといった各種システムや,つまずきやすい場所の解説を行っているので,参考にしてほしい。
プレイスタイルが果てしなく広がるArcheAgeの「生産」
MMORPGでは生産というコンテンツ自体がサブ的な扱われ方をされていることも多いが,ArcheAgeではキャラクターの育成や冒険と並んで,生産も主な遊び方の一つとなっている。本作の生産はとにかく膨大なボリュームがあり,プレイヤーがその気になればさらにあそび遊び方を広げていける。このあたりは一般的なMMORPGと大きく異なっているのだ。
また,生産に関して言えば,ずっとPCに張り付いてプレイする必要がないところも,社会人など忙しいプレイヤーにとって嬉しいポイントだろう。というのも,生産素材が得られる間隔は――物によって変わってくるのだが――半日から丸一日を要することがあるからだ。
例えば農園で種を撒いたり,家畜に餌を与えたりといった指示を数分程度のログイン時間で行うだけで,しっかりと収穫にまで結び付けられるわけだ。もちろん,自生している木々などから素材を集める時間があれば,収集しておきたいところだが。
そうして日々の短い時間で育成と収穫を繰り返し,ガッツリ遊べる週末に収穫物を用いて調理や鍛冶などの本格的な生産活動を行ったり,特産品を作って「貿易」を行ったり,家や船などを自分の手で造ったりできるのだ。
本作の生産は想像以上に大きなボリュームのため,キャラクターの育成や冒険をそっちのけで生産活動にのめり込むプレイヤーも少なくない。むしろ,レベルアップを目指すのは,より効率的に生産をしたいから,といった逆転現象が見られるのもArcheAgeらしい。
生産にまつわる各種活動では経験値も得られるのだが,「冒険をせずにひたすら牛の乳搾りをしていたら,レベルキャップに到達していた」くらいの次元で酪農にハマる人(?)もいるくらいなのだ。
序盤は「ブルーソルト商会」の関連クエストをプレイ
最初の大きな目標は「麦わらカカシ」だ
ArcheAgeの生産は,やるもやらないもプレイヤーの自由で,やる気があればレベル1からでも挑戦できる。
とはいえ,本稿を参考にプレイを始めるプレイヤーであれば,MMORPGとしての基本システムに慣れる時間も必要だろう。そのあたりを考慮すると,挑戦するタイミングとしては,キャラクターレベル10以降で受けられる「ブルーソルト商会」の一連クエストをオススメしたい。この一連クエストでは,共同農園での栽培を皮切りに,生産関連の各種システムに段階的に触れられるのだ。
「ブルーソルト商会」のクエストではさまざまな報酬が得られるが,それらの中で最初の大きな目標となるのは「“麦わらカカシ”の設計図」である。これがなくても共同農園を利用して栽培などが行えるが,麦わらカカシがあると,カカシを建てた周囲を自分の所有地として利用できるのだ。共同農園は,その場所によって育てられる品目が決まっているのだが,自分の農園であればそうした制限はない。何よりインスタンスではなくワールドマップ内に土地を所有できれば,それだけでも大きな達成感を得られるだろう。
ただ,実際にArcheAgeの初心者が挑戦するときは,麦わらカカシを建てるための材料となる「“木材”×10本」を集めるのが,大きなハードルになるかもしれない。なにせ,木材に必要な「丸太」を自生する木々から切り取らねばならないのだが,切り倒せばその木は当然のように消えるうえ,丸太が採れる段階まで木の成長を待つ必要があるのだ。
そのため,クエストに関係なく普段のプレイから,エリア内で立派な「木」を見つけたら,カーソルを合わせて伐採できる木かどうかを確認するクセを付けておきたい。また,どうしても集めるのが大変なら“競売所”を通じて木材を購入するのも一つの手だ。
奥深い“農園”の運用方法
ArcheAgeにおける農園の運用は奥が深い。四畳半程度の広さしかない麦わらカカシの土地でも,きっちり運用しようとすると,意外なほどたくさんのノウハウが必要なのだ。
まず,農園で育てられる品目だが,大きく分けて「種(主な収穫物:米や野菜など)」「苗(木材)」「家畜(肉などの食材)」の3系統がある。全体的な傾向をざっくりと説明すると,種は単価が安く育てるときの面積が狭い,苗は面積が広く収穫までの時間が長い,家畜は単価が高く手間も掛かるが利益が大きい,といったところだ。種類がたくさんあるので最初は戸惑ってしまいがちだが,しばらくの間はブルーソルト商会のクエストで指定されたものを作っていればいい。
初心者が農園を運用するうえで,気をつけてほしい点が二つある。
一つは,一度育て始めた品は,収穫できる時間をしっかりと確認しておくことだ。先に述べたように,収穫物が得られるまでには,数十分から数時間,ものによっては半日〜1日以上といった長い時間を要する。それだけ長い時間を農園で待っていても仕方がないので,基本的にプレイヤーは農園からいったん離れて冒険するなり,ログアウトすることになるだろう。しかし,収穫可能になってから時間が大幅に経過してしまうと,作物が枯れたり家畜が病気になってしまうのだ。そうなれば,結果として赤字だ。そのため,冒険に出るのなら戻る時間を忘れないようにし,ログアウトするなら収穫できる時間が自分の生活リズムに合った品目を選ぶといいだろう。
そしてもう一つは,余った収穫物などは積極的にNPCショップへ売却することだ。
一般的なMMORPGでは,こうした収穫物や生産品は,店売り価格だと二束三文となってしまうものだが,ArcheAgeではそこそこ高く買い取ってくれる。作物をきちんと収穫して売れば,大きな儲けこそ出ないものの,逆に極端な赤字にもなりにくいわけだ。
「特産品」の生産と「貿易」にチャレンジ
農園で得られる収穫物は基本的に一次生産物,つまり「材料」になる。この材料を用いてさまざまな加工(生産)が行え,例えば料理や武具,屋内に設置できる家具などを制作できる。
どの生産ジャンルもゆくゆくはプレイヤーに欠かせないものとなるが,初心者にとってとくに注目してほしいのは,それぞれのエリアでしか作れない「特産品」だろう。というのも,作った特産品は遠方まで運んで売る「貿易」を通じて,大きな利益が生み出せるからだ。農園における収穫までの流れを一通り把握したら,次は貿易にチャレンジしてみよう。
ArcheAgeでは各エリアで,固有の特産品が作れる。例えばヌイアン大陸の序盤エリアであるソルズリード半島で作れる,「ソルズリードのストロベリージャム」がそれだ。しかし,ストロベリージャムを作る場合には,100個の苺とNPCが販売する品質保証書が必要になる。一度の生産で複数の苺が収穫できるので,“100個”は非現実的というほどの量ではないのだが,それでもでき上がった特産品は“一財産”だ。
特産品を生産しているところ。これに限らず,ゲーム内の各種施設を探すときは,マップ画面のチェックボックスのON/OFFを繰り返し点滅させると見つけやすい |
クエストを進めると,貿易時に役立つ“ロバ”も得られるが,最初のうちは徒歩で貿易を行う必要がある。材料を1から手がけているだけに,特産品は一財産。緊張もする |
貿易がとくにユニークなのは,特産品を背負っている間は移動スピードが極端に遅くなり,しかも基本的に自分の足で運ぶ必要があるということ。エリアをたった一つまたぐ程度の短距離貿易でも,かなりの時間が掛かってしまうのだ。それだけに,貿易を見事に成し遂げられれば大金が得られるという仕組みだ。また,貿易時の直線距離が長いほど,得られる報酬も大きくなる。
貿易品を無事に送り届けることに成功! 報酬は金銭または“デルフィナードの星”から選ぶことができ,後者はハウジングなどでも必要になる |
貿易の途中でPKなどにやられてしまうと,特産品は手を離れ,最悪の場合は取り戻すのが不可能に。敵対種族と遭遇しやすい貿易経路は極力避けよう |
さらなる目的のために広がっていく生産活動
貿易まで行えば,生産にまつわる基本システムは一通り経験したと言えるだろう。そこから先はプレイヤーが興味を持った方面へ進んでいけばいいし,そのための“きっかけ”は,これまでのゲーム内で数多く目にしているだろう。
ここでは,現在プレイヤーの人気が高い目標を三つ,紹介しよう。どれも一筋縄ではいかないが,大きな達成感とメリットが得られるものばかりだ。
【カボチャカカシ】
「カボチャカカシ」による農園は,麦わらカカシと比較して約4倍もの広さがある。そのため,収穫効率は大きくアップする。ここまでは“労働力”の残量をさほど意識する必要はなかったと思うが,カボチャカカシ農園をきっちり運用しようとなると,労働力が尽きてしまうほどの作業量となる。
カボチャカカシを建てるために必要な設計図は,ブルーソルト商会のクエスト終盤で得られるのだが,難度が高いので要注意。というのも,貿易を別の大陸まで行うというクエスト内容で,海を渡らねばならないのだ。つまり,敵対プレイヤーに襲われる危険が高いことを意味しており,万が一途中でやられたりすると,最悪の場合,特産品を見捨てなければならない。大陸間貿易を行うときは,勢力チャットで呼びかけて,同じ目的の仲間を探したいところだ。
【ハウジング】
ArcheAgeでは小さな一軒屋からギルドハウス級まで,さまざまな規模の建物が用意されている。屋内には家具や生産施設などを自由に置けたり,敷地内で作物が育てられたりと,数多くのメリットがある。もちろん,自分だけの家を持つことはそれだけでも嬉しいものだ。
ハウジングに関しては以前に「こちら」の記事で詳しく紹介しているが,主に必要となるのは「設計図」と「土地」,そして「材料」となる。「設計図」を入手するために必要な“デルフィナードの星”は,貿易を通じて一度に1〜2個が得られ,一番小さな建物の設計図で15個が必要だ。土地に関しては,サーバー内のいわゆる一等地はすでに押さえられていることが多いものの,探せばまだまだ建てられる場所は残っているはずだ。
そして最後の「材料」だが,これがかなり大変だ。当たり前だが麦わらカカシとは比較にならない量が必要となるので,ハウジングに挑戦するときは事前に入手手段を考えておこう。
【船】
貿易は距離に応じて報酬がアップするが,なんといっても美味しいのは“大陸間貿易”である。カボチャカカシを入手するためにも,海上の移動手段は確保しておきたい。
序盤で得られる“手漕ぎボート”で海を渡ることも不可能ではないが,万が一海上でモンスターや敵対勢力に遭遇したら,逃げることはほとんど不可能。また貿易以外にも,先日のアップデートで実装された「旧大陸」などもあり,もし立派な船があればプレイヤーの行動範囲は大きく広がるだろう。
こういった海での冒険に興味がある人は,より移動スピードの速い船を作ることがオススメだ。船にはいくつかのランクがあるが,貿易目的を踏まえると,「ハープーン高速艇」または「アドベンチャークルーザー」が現実的な候補となるだろう。
・「ArcheAge」の海には何が待っているのだろう。単なる貿易の航路だけではない,さまざまな“海”の姿を紹介しよう
船を作る際は,「設計図」と「材料」が必要で,海上に造船用の“ドック”を一時的に作る形になる。建造方法はハウジングと似た流れだが,異なるのは設計図の入手のために「ヌイの涙」が必要になることだ。クエストのほか,いかにも怪しい場所に行くと得られることがある。普通にプレイしていたのでは足を踏み入れそうもない場所を探してみよう。
村ゲーとは違うリアルな生産体験
時間と手間をかけてコツコツと収穫物を得る生産システムは,古くは「Ultima Online」のころから根強い人気があるコンテンツだ。これまで国内でサービスされてきたオンラインゲームを振り返っても,生産システム周りがしっかり作られているタイトルは,それだけで一定の人気があった。やはり,日本人向きのコンテンツなのだろう。
こういった生産にまつわる作業は,近年はブラウザゲームやソーシャルゲームなどの“村ゲー”でお手軽に楽しめるようになった。しかし,MMORPGであるArcheAgeで行う生産は手間が掛かる分,それらとは得られる体験がまるで違い,リアリティに溢れているのだ。
競売所で商品の目録とにらめっこして,次に生産するニーズの高い品目を見極めたり,道端で特産品を背負った他プレイヤーとすれ違ったり,貿易の途中でふと足を止めて景観を眺めたり,そういった細かな描写ひとつひとつに世界の広さが感じられるだろう。これは,MMORPGをプレイして良かったと実感できる瞬間だ。もしに興味を持ったのなら,一度は本作の生産を体験してほしい。
「ArcheAge」公式サイト
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