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[TGS 2013]日本初開催の「Mad Catz Unveiled JAPAN」フォトレポート。ウメハラvs.Infiltrationなど,珠玉の対戦が繰り広げられた夢の一夜
ウメハラ選手を始めとしたプロゲーマーのスポンサーとして,格ゲーファンにはお馴染みの周辺機器メーカーMad Catzによる,このイベントは,これまでアメリカ・サンディエゴのCOMIC-CONやシアトルのPAX Prime,ボストンのPAX Eastなどの大型ゲームイベントに合わせて開催されてきた”ゲーマーのためのパーティ”とでも言うべきもので,今回が初の日本開催となる。
本イベントでは,Team Mad Catzの面々――ウメハラ選手,ときど選手,マゴ選手を始め,世界屈指の有名格闘ゲーマー同士による,「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」(AC / PS3 / Xbox 360 / PC)(以下,スパIV)と「ソウルキャリバーV」(PS3 / Xbox 360)(以下,SC5)によるエキシビションマッチが組まれていた。夢のような対戦カードと各選手の使用キャラクター,そして試合形式は以下のとおりだ。
この組み合わせは,イベント開催に先立って発表(関連記事)されていたため,選手達には対戦相手への対策をじっくりと煮詰める時間が与えられることになった。それ故に一般的なトーナメントでの試合を超える,文字どおり“極まった”試合が見られるとのことで,会場には数多くの観覧者達が詰めかけており,その熱気は大規模なトーナメントとなんら変わらないものであった。本稿では,そんな期待通りに究極の試合が目白押しとなったこのイベントの模様を,フォトレポートしていこう。
第1試合:因縁のフェイロン同キャラ対決
マゴ選手 vs. ふ〜ど選手(5本先取制)
そうこうしているうちにエキシビションマッチが開幕。初戦は,同じフェイロン使いとして,これまで幾度となく激戦を繰り広げてきたマゴ選手とふ〜ど選手によるカードとなった。先にリードされた側が非常に苦しくなる,この同キャラ戦では,前に出るマゴ選手に対して,ふ〜ど選手が的確なガードからの反撃を軸にペースを握り,2試合を連取。
マゴ選手も負けじと攻め立てて1試合を取り,流れを取り戻すかに思われたが,ギリギリの削り合いや烈火拳を出し切るかどうかといった,ここぞという場面での勝負勘が冴え渡っていたふ〜ど選手が一気に3試合連取し,5-1で見事勝利を収めた。
第2試合:日英サガット同キャラ対決
Ryan Hart選手 vs. ボンちゃん選手(5本先取制)
第2試合は,日本が誇るサガット使いのボンちゃん選手と,Team Mad Catzに所属するイギリスのプロゲーマー,Ryan Hart選手のサガットによる再度の同キャラ戦だ。序盤戦はRyan選手が驚異の反応速度による割り込みタイガーキャノンを幾度となく見せ付け,主導権を握っていくという展開に。
対するボンちゃん選手は珍しくミスが目立ったものの,持ち味である冷静かつ正確な間合い管理と対空タイガーアッパーカットを軸に自分のプレイを取り戻していく。そして迎えた最終戦のファイナルラウンド。Ryan選手の割り込みタイガーキャノンが再度火を吹き,試合は決まったかに思えたものの,なんとこの後にタイガーニークラッシュを空振り。そのスキに的確な反撃を叩き込んだボンちゃん選手が,5-4で勝利を手にした。
第3試合:世界王者対国内タイトルホルダー
Xian選手 vs. かずのこ選手(5本先取制)
第3試合はEvolution 2013(以下,EVO2013)のスパIV部門で見事優勝を勝ち取った世界最強の元使い・Xian選手と,持ち前の勝負強さを武器に,国内の大会で優秀な成績を収めてきたユン使い・かずのこ選手による対戦。
鋭いタイミングの雷撃蹴と,堅実な地上戦で序盤を優位に進めたかずのこ選手だったが,Xian選手はかずのこ選手の癖を見切ったかのように,雷撃蹴読みの対空激龍や,バックステップ読みの絶影といった強気の選択肢を被せるなど,一歩も引かない戦いを見せて3-3に。続く7試合目で追い詰められた状況から,魂の忌流しゃがみ弱K→ウルトラコンボで大逆転を果たしたXian選手が,そのままの勢いで2連勝を果たし,5-3で勝利を果たした。
第4試合:日仏ソウルキャリバー対決
Kayane選手 vs. 神園選手(3本先取制)
タイトルをソウルキャリバーVに変えて行われた第4試合は,フランスの女性プロ格闘ゲーマー・Kayane選手が操るヴィオラと,国内のシングルトーナメントで幾度も上位入賞を果たしている神園選手のヒルダというマッチアップだ。
近距離戦になれば攻めと空中コンボの総合ダメージ,およびリングアウト能力に秀でたヴィオラが,遠距離戦では後退速度と差し込み技に優れるヒルダが優位となるこの組み合わせだったが,試合では終始神園選手が得意の遠距離戦を展開。Kayane選手の技の空振りを一切見逃さずに反撃を叩き込んでいくという流れになった。
Kayane選手も持ち前の読みの強さで1試合を取り返したものの,より鋭い反応で対応を繰り返した神園選手が2連勝を果たし,3-1で勝利をつかみ取った。
第5試合:稀代のマルチプレイヤー対決
ときど選手 vs. Justin Wong選手(5本先取制)
タイトルを再びスパIVに戻して行われた第5試合では,ともに複数の格闘ゲームタイトルで数多くの大会入賞経験を誇る,ときど選手(豪鬼)とJustin Wong選手(ルーファス)が激突。
序盤戦は,ときど選手が自ら攻め込んでいく珍しい(?)展開となったものの,Justin選手がそのほとんどを鉄壁のガードで防ぎきるという構図に。要所でのEX救世主キックによる切り返しも見事ハマり,先に2つ勝ち星を上げたJustin選手であったが,今度はときど選手の立ち弱Pと豪昇龍拳を使い分けたファルコーンキック対策が光り始め,あれよあれよという間に4勝を果たす。
そのまま流れをつかみ取ったときど選手が,勝っているからこそできる強気の暴れを盾に体力を削り取っていき,5-2で勝利となった。
第6試合:世界中の格ゲーマーが待ち望んだ一戦
ウメハラ選手 vs. Infiltration選手(10本先取制)
その試合内容は,Infiltration選手操る豪鬼のしゃがみ中Kやしゃがみ強Kに対する的確な差し返し,そして驚異の対空精度を武器に,ウメハラ選手が終始ペースを握っていくという展開に。さらには豪鬼の勝ちパターンである百鬼襲を利用した起き攻めのガード率は凄まじく,ウメハラ選手はなんと一気に5連勝。流れは完全にウメハラ選手と思われたが,Infiltration選手も底力を見せ,ここぞという場面で対空瞬獄殺を決めるなどで,2本を取り返す。ただ続く中盤戦,ウメハラ選手6勝,Infiltration選手2勝で迎えた8試合目からは,Infiltration選手が必ず1ラウンドを取るものの,あと1発がどうしても足りず,ウメハラ選手の魔法のような差し返しの前に連敗を喫してしまう展開に。
最後は,Infiltration選手の勝負を賭けた豪昇龍拳をきっちりと読み切ったウメハラ選手が,10-2という驚異のスコアでこのドリームマッチを制したのだった。
格ゲーファン達からの期待を上回る“神試合”の連発となった「Mad Catz Unveiled JAPAN」は,こうして幕を閉じた。筆者としては,選手達の一喜一憂する様が,何より印象に残った。本イベントで行われたのは,あくまでもエキシビションマッチであり,海外の大規模大会のように,高額の賞金などはかかっていない。それぞれの選手が因縁ある相手に勝ちたいと本気で取り組んできたからこそ,そこに神試合が生まれたのだろう。また,訪れていたファン達もイベント中ほとんど腰を上げることなく,技が1発決まると歓声を上げ,選手の健闘には惜しみない拍手を贈っていたシーンも,また印象深い。
ただただ残念なのは,予定よりも大幅にイベントの開始が遅れてしまったこと。ほかにもさまざまなアクシデントに見舞われた本イベントだったが,それすら含めて,対戦格闘ゲーマー達にとって忘れることのできない一夜となったのは間違いない。次回はさらに良いイベントになることを願いつつ,その開催を心待ちにしたいと思う。
「Mad Catz」公式サイト
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