プレイレポート
[TGS 2012]戦って生きるか,のんびり暮らすか? 気ままに暮らせる3DS用ほのぼのRPG「ファンタジーライフ」プレイレポート
まずはライフを選ぶ前に,ゲーム中のアバターを作るところから始まる。このアバターは男女のほか,体型と肌の色,髪型と髪の色,そして顔のパーツを複数パターンの中から選択可能だ。顔のパーツは種類が多く,「Mii」のようにパーツの幅や位置などを細かく設定可能なので,プレイヤー自身の顔に似せて作ることもできそうだ。
アバターが完成すると,いよいよライフの選択だ。ライフは一度選んだあとでもプレイ中に変更できるようだが,TGSの体験版はプレイ時間が限られているので,基本的には1つのライフを時間終了までプレイすることになるだろう。
前述のとおり,体験版ではライフは大まかに“のんびり系”と“たたかう系”に分類されている。前者はアイテムの採集をメインとするライフで,後者は戦闘をメインとするライフだ。この体験版ではすべてのライフに,それぞれの役割に対するクエストが一つずつ用意されていて,1人のNPCと一緒にクエストを遂行するのが目的となっている。7種類もあると,どれを選ぶべきか迷ってしまうが,見た目や雰囲気などの好みで選んでいいだろう。
王国兵士 |
採掘師 |
裁縫師 |
狩人 |
大工 |
鍛冶屋 |
釣り人 |
魔法使い |
木こり |
傭兵 |
料理人 |
錬金術師 |
“のんびり系”ライフは,体験版では「採掘師」「木こり」「釣り人」の3種類が用意されている。筆者がこの中で最初に選んだ「釣り人」は,フィールドにある川や池などで魚影を探し,Aボタンで釣り糸を垂れて「釣り」ができる。ウキが沈んだ瞬間にAボタンを押すと,魚にダメージを与えてフッキングし,魚のHPがゼロになるまで,スライドパッドとAボタンでファイトをすることとなる。
ファイト中は魚のHPを少しずつ減らせるが,上画面にある糸のゲージが一定値を越えると糸が切れてしまうので,ときにはスライドパッドの方向で糸を緩めることも重要だ。無事に魚のHPをゼロにできれば,釣り上げることができるという仕組みだ。釣り人はのんびり系といいつつも,魚とのファイトは,たたかう系のライフとはまた違った駆け引きの面白さがありそうだ。
「採掘師」「木こり」は,ともに無機物の採取をするという内容で,採掘師はフィールドにある鉱石や宝石をピッケルで掘り出し,木こりはフィールドの特定の木を斧で切り倒して採取する。ともにAボタンの道具で木を切ったり採掘し,対象のHPをゼロにすることで素材となるアイテムを採取できる。
木や鉱石には“スイートスポット”という弱点のようなものが存在し,対象の周囲を移動して特定の場所でAボタンを押すことで,普段よりも大きくHPを削ることができる。このスイートスポットを見つけることが,採取にとって大きなポイントのように感じられた。
“たたかう系”で最初に選んだライフは,「傭兵」である。傭兵は自らの生活のために戦う兵士で,この体験版のクエストでは,フィールドの特定の場所にいるクマの姿をしたモンスターを討伐するという内容だった。
戦闘の基本はリアルタイムのアクションで,Aボタンを押すと武器を抜いて攻撃し,敵にヒットすればダメージを与えられる。傭兵に限っては,Aボタン連打でコンボ,長押しなら強攻撃,そしてXボタンで必殺技が繰り出せるようになっており,かなり戦闘的な設定だ。傭兵が最初に装備している武器は両手持ちの剣で,振るのは遅いが大きなダメージを与えられる。たたかう系ライフの中でも,とくに高い攻撃力を持っている印象だった。なお,構えた武器はBボタンでしまえる。
ステータスには体力を表すHPのほかに,SPという特殊能力を使うためのものがあり,これを消費することで必殺技などを繰り出せる。なおSPはスライドパッド+Bボタンでのダッシュ移動,「採掘師」「木こり」で道具を使用する際などにも消費する。SPはアイテム回復のほか,時間経過でも少しずつ回復していくので,積極的にSPを消費してプレイしても,さほど問題はない印象だ。
たたかう系のライフは,体験版ではいずれも中ボス的なモンスターを倒すのが目的となっていた。傭兵以外のたたかう系ライフの特徴としては,「王国兵士」は片手剣と盾を装備し,盾でのガードを交えたオーソドックスな戦い方が得意。「狩人」は弓を使った遠距離からの攻撃がメインで,毒,眠り,麻痺などの効果を矢に加える必殺技を持っている。「魔法使い」は繰り出す魔法の属性を十字ボタンで変更でき,属性によっては,自身の減ったHPを回復することもできる。狩人と魔法使いはややテクニカルなキャラクターだが,うまく戦えば王国兵士や傭兵とはまた違った,面白い戦いができそうな感触だった。
なお,のんびり系のライフでプレイしていても,フィールドに存在するモンスターと戦わなければならないことがある。そのときはフィールド上でAボタンを押すことでナイフを構えて,モンスターを攻撃することになる。もちろん,たたかう系のライフより戦闘力は低いので,あくまで補助的なものと考えていいかもしれない。
一般的なファンタジー系のRPGというと,冒険して敵と戦って経験値を得てレベルアップし,さらに強い敵の待つエリアへと進んでいくのが普通だろう。ところが本作では,のんびり何かを採取したり,何かを作り出したりすることも,プレイヤーの目的の中心となりうるのだ。MMORPGならそのような遊び方もさほど珍しくはないが,シングルプレイがメインのRPGとしては,なかなか珍しい部類に入るのではないだろうか。
今回の体験版は各ライフの雰囲気を味わえるという程度の内容なので,各ライフの“その後”の生活がどんな様子になるのかまでは分からなかった。12種類のライフには,それぞれを極める道なども用意されているようで,たとえば釣り人を徹底してプレイした先に一体何が待っているのかを目指すのも一興かもしれない。
またライフは冒険の途中で変更できるので,最初に始めたライフで得た力を持ったまま,別のライフに転職して,以前のライフの能力(スキル)を活かして新たなライフに挑むなど,プレイヤーが好きなようにファンタジールでの生活を進められるというのも面白い点だろう。オープンワールド型で自由度の高い世界で,一体どんな出来事が待ち受けているのか,今から楽しみなところだ。本作の発売日は2012年12月27日,価格は5800円(税込)となっている。
TGSブースでの試遊は1人約10分で,混雑具合によってプレイ時間が変わる可能性はあるが,この間なら何度でもプレイが可能なようだ。とにかくクリアを目指してみてもいいし,目的を無視して自由に世界を歩き回ってみるのもいい。体験版ながら比較的自由度は高いので,一般入場日に来て遊ぶ予定の人は,自分の好きなように遊んでみるのがいいだろう。また植松伸夫氏によるクオリティの高いサウンドも,会場ではヘッドホンで聴けるので,ぜひじっくりと聴いてみてほしい。
「ファンタジーライフ」公式サイト
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