連載
【ミートたけし】俺の最近の悩みを聞いてほしい
ミートたけし / 川村 竜 / ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー
ミートたけしの「世界の平和が俺を守る!」ミートたけしYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@meatalk |
第8回:俺の最近の悩みを聞いてほしい
常に成功し続けている男……俺はそんなイメージだと思う。
あ,嘘です,ブラウザバックしないで!
要は普段なら偉そうに自分の考えを好き勝手に書いているこのコラムだが,今日は珍しく皆さんへの悩み相談から始めようと思う。
「ストリートファイター6」(PC / PlayStation 5 / Xbox Series X|S / PlayStation 4)。
相も変わらず盛り上がっておりますね。最近ではCR CUPやREJECT FIGHT NIGHTといった大規模な大会,イベントも大盛況のうちに幕を閉じた。
が,CR CUPの日もREJECT FIGHT NIGHTの日も,俺がTwitchでやっていたのはそう,「Apex Legends」(PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)だった。スト6熱は冷めてしまったのか,って? 違う,違うんだ。まだ熱を帯びてすらいないのだよ俺は。
JPからスタートした俺のスト6。マスターに到達するもなんだかしっくりこない。プレイスタイルなのか,何なのか……。そんな中,Outufit 2,いわゆる新衣装を携えたガイルに胸が高鳴りキャラ変更。初めての溜めキャラの扱いに苦戦するも何とかマスターに。
でも何かが違う。ここは一つ基本から学び直そうと,いわゆる「道着キャラ」のリュウへ。今までの中では一番楽しかった。初めての昇竜対空や歩き波動からの昇竜暴発など,これまた今まで経験したことのないものばかりで新鮮だった。そしてリスナーのみんなのアドバイスのおかげでやっとマスターに。
頑張った。すごく頑張った。格ゲー下手な自分が3キャラもマスター到達を成功させるなんて。本当によく頑張った。
頑張った?
YouTubeなどで俺が常々言っている言葉に,「努力を努力として自覚してしまうのは決していいことではない」というものがある。20年以上,音楽業界で生きていくことを許されているが,その礎を築くために“努力”をした記憶は一切ない。ただただ楽しい,と思えることを積み重ねてきて今の自分がいる。
つらかったことなど一度もない。多分。
苦しかったことなど一度もない。おそらく。
頑張ったことなど一度もない。はず。
長々お付き合い頂き感謝いたします。
そうなんですよ,コーディーなんですよ。
彼がいないとダメなんです。
「ストリートファイターV」はコーディーがいたから,のめり込んだんです。いや,のめり込めたんです。これがいわゆる“キャラ萌え勢”ってやつなんです。萌えキャラ,愛せるキャラがいないとそのゲームを愛せないんです……。
Apexでいうとクリプト萌えなミートたけし。最近問題になったハッキングによるチート付与など,穏やかではないApex界隈は離れていく人も多いと聞くけれど,クリプトがいる限り俺は一生Apexをプレイできる。アプデによるゲーム性のアップダウンや新機能の賛否など,一切関係なくApexを続けられる。それはクリプトのおかげ。
スト6にハマっていない。この残酷な現実に気付いてしまった俺はもはや,追加された豪鬼を触ってもいない……。こんな気持ちでスト6をプレイなんてできない! 格ゲー配信者なんて名乗れない! もしかしたら俺はコーディー配信者だったのかもしれない。
だけど,待っていてほしい。コーディーが帰ってきたとき,俺もまた帰ってくる。こんなこと言ったら怒られるかもしれないが,そのときはプロを目指すつもりでやる。
待って! 怒らないで! お願い!
そのぐらいの想いでコーディーを待ってるの!
大嫌いだったトレモも毎日やる!
フレームの勉強もする! 座学もやる!
強くなるためだったらなんでもする!
ストV時代のコーディーは“趣味”だった。趣味で努力なんて絶対イヤだった。トレモなんてほとんどやらなかった。俺を鍛えてくれたコーディー軍団にも本当に迷惑をかけた。ときどくんがYouTubeで,「いやぁミートさん強いよ? 俺ランクマで負けるもん!」とリップサービス込みだとしても,とてもうれしいことを言ってくれたとき,コーディー軍団は口をそろえて言った。「ときどは何も分かっていない」と。
立川がわざわざ家まで来ていろいろと教えてくれ,「いやぁ,ミートさんならすぐ強くなりますよ」とお世辞とはいえ背中を押すようなことを言ってくれたときも,コーディー軍団は口をそろえて言った。「立川は何も分かっていない」と。
「この人は努力をしない,練習をしない」「『なるほど』と相づちを打つのは何も分かっていないときだ」などなど,思春期だったらその場から逃げ出したくなるような罵詈雑言を投げつけられた。
でも今となってはそんな時間が愛しい。
罵ってほしい! 俺のコーディーを!
踏みにじってくれ! 俺のダブルキックを!
とにかく並々ならぬ覚悟でコーディーを待つことを決めたわけだが,さぁ,コーディー追加されました! なんて日が来たら,一体どのようにスト6に取り組むことになるのか。
このままでは今回の連載は,40過ぎた太ったおっさんの暑苦しいキャラ愛を語るだけのスペースと成り果ててしまいそうなので,次のお話はきちんと読んでくれている皆さんにお土産を持って帰ってもらえるような内容にしようと思う。
真剣に取り組むスト6とは
スト6に,というよりもあらゆる物事に真剣に取り組むというのは,どういうことか。自分の経験を元に言えるのはただ一つ。
「どこまで自分で考えられるか」。
これに尽きる。
仕事でも何でも新しい物事に取り組むとき,必ず必要な作業は“覚える”ということだと思う。その覚えたことが何のためのものなのか。何をどうするために覚えたのか。それを“考える”ことがとてつもなく重要なのです。
ただ言われたことを漫然と覚えているだけだと,応用がまったく効かなくなるはず。例えば最大コンボはなぜ覚える必要があるのか? 火力(与えるダメージ)が高いからだろうか? 半分正解だと思う。だが高火力を狙う理由はもっと深くにある。
格ゲーはハイスピードで繰り広げられるカードゲームのようなものだと思う。1万という相手の体力に対して3500のダメージを与えるカードを持っていたとしよう。そのとき,このゲームはどうにかしてこのカードを3回ぶつける機会を作り上げるゲームになる。3000のダメージを与えるカードしかなければ,その機会は4回必要となってくる。この1回の差が本当に大きい。
ちなみに今の俺のスト6は手持ちのカードのダメージは1000程度なので、10回くらいこのチャンスを作らなければならない。でも仕方がない。トレモしないんだもん。手持ちのカードを増やそうとしないんだもん。
プロ格ゲーマーからも「格ゲーはプランを組み立てるゲームだ」と何度も聞いた。最終ゴール,つまり相手の体力を0にするのを目的として,そこから逆算してプランを組み立てる。もちろん途中でプラン変更を余儀なくされる場合もあるだろう。その瞬間,手持ちのカードを見てあと何回,チャンスを作れば勝てるのか。こっちのカードのほうが確率が高くて,こっちのカードのほうが確率が低い……といった計算が,プランの構築が,すさまじいスピードで繰り広げられるのが格闘ゲームというものなのだ。
……と思うんだけど,あってるかな? 自信ないや。
あってるものとして話を進めるが,上記のやり取りを高速で繰り広げる場合において,やはりそれは“自分で考える”ということをしなければ,とてもじゃないが上手くなるのは難しいだろう。
そしてカードゲームに例えたが,格ゲーとカードゲームの違いは顕著だ。カードゲームの場合は持っているカードを出すだけでいい。格ゲーはこのカードを出すという行為がコンボに当たるので,そこにはコンボ失敗,という可能性がついてまわる。つまり鼻くそをほじりながらでもカードを出せるのと同様に,鼻くそをほじりながらでもコンボを正確に出せる必要がある。ちなみに鼻くそはほじらなくていい。
つまりトレモのコンボ練習はカードゲームにおいて,カードを選び,場に出す,という基本中の基本を学ぶものなのだ。ね? ちゃんと分かってるでしょ? 分かっててもやらないで今までずっとやってきたのよ! だって“趣味”だからね! 趣味で努力したくないじゃん! 少しでもイヤなことはやりたくない。だって“趣味”だから。
とまぁ,そんな俺がスト6でコーディーさえ出たらトレモ頑張る! っつうんだから,その思いたるや,って感じでしょ? だからそのときが来たらみんな,応援してくれよ? みんなでプロミュージシャン兼プロゲーマーを誕生させちゃおうぜ!? 俺のこれからの格ゲー人生はみんなの応援にかかってるんだぜ!?
だから……世界の平和が俺を守る,ってわけ!
とりあえずそれまではApex頑張るわ。無言でずっとランクマやってるけど,参加者,アドバイスは常に募集中だからよろしくね。
■■ミートたけし / 川村 竜(ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー)■■ ベーシストとして国内外各所でライブやコンサートで演奏活動をしつつ,配信活動も活発に行っているミートたけしこと川村 竜さん。現在は主にYouTubeチャンネル「ミートたけし-MEAT TAKESHI-」とTwitchチャンネル「ミートたけしの『太くてニューゲーム』」で,雑談配信をしたりゲーム配信をしたりと大忙しの様子です。 |
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