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【ヒャダイン】「Fit Boxing 2」で汗をかいていたらフラッシュバックした「ファミリートレーナー」
ヒャダイン / 音楽クリエイター
ヒャダインの「あの時俺は若かった」 |
第94回:「Fit Boxing 2」で汗をかいていたらフラッシュバックした「ファミリートレーナー」
いやー。参りました。過去最高体重です。周りに言っても「見えませんよぉ」とか「筋肉量が増えたんじゃないですか」とかポジティブなことを言っていただけて大変ありがたいんですが,分かっているんです。これは単純に加齢と怠惰による肥満だ,ということを。
サウナに入って酒を飲み,日本酒を飲んで寿司を食い,自家製の梅シロップを毎日のように飲み,移動は基本的に車,なんて生活していて太らないほうがおかしいよ! この間,自分が出ていたTVの録画を見たら明らかにフェイスラインがおかしなことになっている。ええい。痩せよう。
そう決意した私はニンテンドーeショップで即「Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-」を購入。Joy-Conを両手に持ってスタンバイ。画面上でお姉さんが優しく操作方法を教えてくれる。
ちなみに人生の中で人を殴ったこともないし殴られたこともない。ボクシングを観戦する趣味もないのでジャブとストレートの違いも分かりません。画面のお姉さんは「上半身だけでパンチしようとしないで,下半身も使って!」と言ってくれるのですが,どうにもこうにも運動音痴。上半身だけでピヨピヨパンチ。誰かに見られたら恥ずかしくて死んでしまいたくなりそうなフォームでパンチを繰り出します。運動中はずっと前後にステップを踏んでなきゃいけないんですが,パンチをすると足が止まる。絶望的な運動神経の悪さに泣けてきます。
しかし,お情け忖度の当たり判定により「Good」を繰り返しているとなんだか楽しくなってくるものです。徐々にフックやアッパーが追加されて複雑になっていくんですが,まあなんとかなる。徐々にできることが多くなっている自分に嬉しくなります。30分のセッションが終わるとしっとり汗もかいていて,まあ効いているのかなあ,なんて思いますがどうなんでしょうね。
そんな感じで部屋の中,パンいちでFit Boxing 2をやっていたら,唐突にフラッシュバックが起きました。そういえば小さい頃,ファミコンでトレーニングソフトあったよな,と。思い出した! 「ファミリートレーナー」だ。1986年発売のファミコンソフトで,ファミコンの拡張端子に正方形のマット型コントローラーをつなぎ,12か所のボタンを踏んで操作するという画期的なゲームでした。
それに最初から付属している「アスレチックワールド」というゲームが好きだったんですよ。基本真ん中の赤い二つの丸を使用するのですが,そこに立ってダッシュするとキャラクターが走り,ジャンプすると連動,しゃがむ時は赤丸の上にあるボタンに両手をつけたらしゃがみ判定になります。
ゲームの内容は横スクロールのアクションで,草原だったり山道,砦,丸太橋,川を進んでいくという内容ですが,タイミング良くジャンプしたりしゃがんだり,たまには片足でけんけんしたりとやることがなかなかに多い。砦には坂道があってめっちゃダッシュしないといけないのですが,幼少期の私はズル賢く,坂道では両手で赤丸を連打することでクリアしていました。片足けんけんに至っては当たり判定がないところに片足を置いてクリアするという悪知恵。よくないですねえ。
しかし今考えると,なんであれが我が家にあったのだろう。父はゲームをする人間ではなく,母は「テトリス」となぜか「グーニーズ」をよくやっていました。運動が苦手なヒャダイン少年がちょっとでもスポーツしてくれればいいな,と思って購入したのだったら親の優しさに泣けちゃいそうです。そして今は自分で自分を育てている43歳。運動不足解消のためにFit Boxing 2を買ってあげているのはデジャヴめいたものも感じます。
そうそう。そのファミリートレーナーのマット,裏返したらエアロビクス用のマットになり,番号が1から12まで書かれたボタンになっていました。これを使うには別売りの「エアロビスタジオ」というソフトを買わなければならず,当時エアロビは「キャッツ・アイ」の三姉妹のような人達がするものだと決めつけていたので,親にねだることもなかったのですが,今となってはそっちもやりたいなあなんて。
さらに調べてみると「ジョギングレース」や「ランニングスタジアム」といったソフトも出ていたんですね。家でめっちゃ走る想定。みんながみんな一軒家に住んでいると思わないで! ということで流行しなかったのかもしれません。
さて,毎日続けるように設計されているFit Boxing 2,いつまで続けられるか分かりませんが,がんばります! ……と言った矢先に長期旅行に出る私なのでありました。旅行先ではしないよなあ。
■■ヒャダイン(音楽クリエイター)■■ ヒャダイン氏が15周年を迎えたももいろクローバーZに書き下ろした「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」。MVも話題になりましたが,ライブでは熱いコールが起こって感無量だったそうです。 |
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Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-
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