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  • KONAMI
  • 発売日:2009/09/03
  • 価格:5800円(税込)
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印刷2009/08/29 00:00

プレイレポート

ラブの摂り過ぎにご注意ください。危険な恋愛コミュニケーションゲーム,「ラブプラス」をレポート

 KONAMIは,ニンテンドーDS用ソフト「ラブプラス」を9月3日(木)に発売する。
 本作は“彼女”と過ごす毎日を体験できるコミュニケーションゲーム。現実の季節や時間と連動してゲーム内の世界が変化していくRTC(リアルタイムクロック)システムを搭載しており,ヒロインと恋人同士になるまでの過程よりも,結ばれた“その後”の生活を重点的に描いているのが大きな特徴だ。

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 本稿では実際にプレイした筆者の薄気味悪い感想を交えつつ,ゲームの概要を紹介して行こう。

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高嶺愛花(CV:早見沙織)
主人公と同学年で,テニス部のチームメイト。文武両道の優等生で,箱入りのお嬢様。周りから注目される半面,近寄りがたい雰囲気から少し距離を置かれている
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小早川凛子(CV:丹下 桜)
主人公の下級生で,同じ図書委員。本と音楽が好きで,一人でいるのを好む性格。他人とかかわろうとしないのには,何か理由がありそうだが……
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姉ヶ崎寧々(CV:皆口裕子)
主人公の上級生で,バイト先のファミレスでも先輩。容姿・性格ともに大人びているせいか,周りから過剰に頼られてしまうのが悩み

結ばれるまでの過程はあくまで“序章”

告白目指してサクサク進む“友達パート”


 ゲーム開始時,プレイヤーは自分の分身である主人公のプロフィールを設定することになる。名前,誕生日,血液型と入力していくのだが,とくに重要となるのが“呼び名”だ。なんとフルボイス仕様の本作では,ヒロインがゲームの中からプレイヤーの名前を呼んでくれるのである。
 二次元の女の子を何よりも愛し,女の子と仲良くなれるゲームでは絶対に本名プレイと決めている筆者は,喜び勇んで恥ずかしげもなく本名を入力したわけだが,ここで少々残念なことが判明。あまり特殊な苗字や名前には対応していないようで,入力した通りに呼ばせるのは不可能だった……。
 しかし全国の本名プレイ同士諸君,安心してほしい! 例え対応していない名前でも,ほかの候補としてあだ名っぽい呼び方(筆者なら「かじ」,「りゅー」など)を選択できるのだ。
 ゲーム中でこういった呼ばれ方をすると,女の子との距離がより近くに感じられて,「これはこれで!」という気持ちになること間違いなしだ。

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「山田」「内田」「杉田」などはちゃんと呼んでくれる模様。なんで「田」繋がりなのに「梶田」はないんだ!
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主人公の部屋や一人称なども序盤で選べる。主人公=プレイヤーという感覚を強くしてくれる,細かい配慮が嬉しい


 さて,さまざまなイベントを通して絆を深めていく「友達パート」と,恋人同士になってからの生活を楽しむ「恋人パート」で,ゲーム内容が大きく二つに分かれているのが本作のポイント。当然ながら,最初はまず友達パートから進めていくことになる。
 このパートの目的は,100日という限られた期間内にヒロインから告白されること。なので,電話をかけられなかったり,メールを送れるタイミングが早朝と深夜のみだったりと,恋人パートに比べると制限が多く,やれることは少ない。
 システムはシンプルで,コマンド画面で学校の授業内容やアルバイト,部活などといった1日のスケジュールを決定し,ヒロインからの評価を上げるために運動/知識/感性/魅力という4種類の“彼氏力”を鍛えていくという,KONAMI往年の名作である「ときめきメモリアル」シリーズを彷彿とさせる仕様になっている。
 難度は低く,特別なフラグを立てなくてもヒロインは最初の数日間で総登場するし,よほどふざけたプレイでもしない限りは日々を過ごすだけで意中の女の子と親密になれるライトな作りだ。

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行動の結果は,花丸/◎/○/△/×の5段階評価。その時点で一番親密なヒロインのSDキャラが出てきて可愛くアニメーションする
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友達パートは行動が限定される分,ストーリー重視で進行していく。随所で挿入されるイベントCGが大きな魅力だ

 大半の恋愛シミュレーションゲームでは,恋人同士になるまでの過程を楽しむのがメインだが,本作でのそれは,あくまで“序章”的な扱いとなっている。
 また,ヒロインごとにさまざまな展開を見せるストーリーは,どれも“王道”。男心をガッチリと掴みにきてくれる。100日という期間の都合上,ボリュームは少なめだが,“序章”としては十分過ぎるほどにゲームの世界へ感情移入させてくれるだろう。
 ちなみに筆者は“小早川凛子”(第一印象から決めていました)にアタックしまくり,見事お友達以上の関係になれたのだが,プレイ中は凛子が愛おしすぎて何度かニンテンドーDSを思いっきり抱きしめた。いやマジで,凛子が愛おしすぎて生きているのがつらい。たとえ全世界の読者を敵に回そうとも凛子は俺の嫁だ!
 というわけで,本稿が凛子分高めなのは仕方のないこと。なんと恋人パートの紹介では凛子の画像しかない! ほかのヒロインに浮気なんかできるわけないでしょう!? ごめんなさい! でも文句を言うのなら,こんな風にライターの職業意識さえも狂わせるゲームを作ったKONAMIさんに言ってください……というのはまぁ,本気半分冗談半分。本作は恋愛ゲームのくせにバリバリのやり込み系なので,限られたプレイ時間でミッチリ紹介するには,一人のヒロインを集中して攻略するほうが都合が良かったのである。


蜂蜜に砂糖をぶっかけるが如き甘さ

ここからが本当のラブ地獄だ……!!


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 では恋人パートについて説明していこう。ラブプラスはここからが本番で,カッチリした恋愛シミュレーションゲームだった友達パートと比べると大きく行動の幅が広がっている。

 なお,コマンド画面でスケジュールを決定し,自分を磨いていくという基本的なシステムは変わらないものの,彼氏力の役割が若干変化する。というのも,恋人パートでは満タンになった彼氏力を消費することで,彼女に電話をかけてデートに誘うことができるのである(逆に,彼氏力が足りないとデートしてもらえない。つらい)。
 彼氏力の高さやデートスポットの種類,時間帯によってデートの内容は左右され,さらに何度も同じデートスポットを訪れることによって“スポットレベル”が上昇。これが,新たなデートスポットを出現させるためのトリガーとなっている。
 プレイヤーに対する彼女の反応も友達パートとは比べ物にならないほどデレデレで,気分が盛り上がると画面の前でこちらが赤面してしまうほどにあま〜いセリフを連発してくる。

ほかのヒロインの画像も見たいであろう読者には本当に申し訳ないが,こんなこと言われたら一途に愛さざるを得ない。この気持ち,分かってくれ!!
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 冒頭で紹介しているように,本作に登場するヒロインは3人。読者の中には「少ないなぁ……個性が足りない」などと思った人もいるだろう。正直,筆者も最初はそう思っていた。だが甘い。その考えは甘いのだよ,君! ヒロインは3人とも,接し方によって性格が3種類に分岐するのである。さらに,ファッションの傾向や髪型はそれ以上に多彩に分岐する。
 恋愛“コミュニケーション”ゲームである本作では,「最初から好みの女の子を探す」のではなく,長く一緒に過ごすことで「彼女を自分色に染めていく」のだ。まぁ,筆者は最初から凜子に決めていたわけだが!
 ちなみに筆者の凛子は現在ロングヘアーで口調キツめのツンツン娘になっている。もうパーフェクト俺好みだ。不器用なのでここまで持ってくるのに200日ほどかかったが,その間凜子はツインテールやショートカット,果ては「Zガンダム」のエマさんのような髪型まで,何度もイメチェンを繰り返していた。しかしそれでも,まだまだすべての髪型を確認するまでには至っていない。
 こちらの好みに合わせようと頑張ってくれる健気な彼女に,もうメロメロだ。

凛子だけでも髪型のパターンは非常に多彩。ほかのヒロインがどんな髪型を見せてくれるのか非常に興味深いところだが,凛子に怒られてしまうのでその確認は本稿を読んでいる紳士達にお任せする。ファッションもこちらの趣味に合わせてコロコロと代わる。このブーツと絶対領域は俺を殺しにかかっているとしか思えない
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 また,恋人パートではプレイスタイルに合わせていつでも“リアルタイムモード”と“スキップモード”を切り替えることが可能。
 リアルタイムモードではその名のとおり,現実の時間とリンクした彼女とのコミュニケーションを楽しめる。デートの約束をしていない日でも電話で彼女を呼び出して会うことができたり,日付や季節に応じたリアルなイベントが発生したりする半面,現実で忙しくなるとうっかりデートの約束をすっぽかす可能性があるし,何をするにも“行動ポイント”が必要となるので,しっかりしたスケジュール管理能力を要求される。下手をすると現在締め切りをぶっちぎって涙目で原稿を執筆している筆者のように,みじめなことになりかねないわけだ。

占いやデートスポット情報の更新など,毎日DSを開くのが楽しみになる要素が満載。しかし,スケジュールを決定したあとは自動的に進行するため,デートのない日はやることがなくなりがちだ
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 一方,スキップモードは現実の時間と連動したイベントが発生しない代わりに行動ポイントも消費せず,友達パートの要領で際限なく彼女とのキャッキャウフフを楽しめる。現実の仕事の関係上,スケジュール調整の厳しい人や,ゲームをどんどん楽しみたい人にはこのモードがオススメだ。
 とはいえ,リアルタイムモードとスキップモードはいつでも切り替え可能なので深く考える必要はまったくない。筆者の場合はスキップモードで彼氏力を一気に溜め込み,外出コマンドでデートスポットを下見しまくってスポットレベルを上昇させ,それからリアルタイムモードに切り替えてデートの予約をしたりしている。
 ただ,切り替えのタイミングによってはイベントやデートの約束がキャンセルされてしまうこともあるので,そこだけ気をつけておくべきだろう。

時間の影響を受けないスキップモードには日付の表示がなく,月〜日曜までの7日間を繰り返し過ごしていく。彼女と一緒ならば,永遠に終わらない高校生活というのも悪くない
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 さて……デートと言えば,本作最大の魅力ともいえるのが,彼女とのキッス。これについてはとにかくヤバイとしか言いようがない。いや,もうヤバイとかそんなレベルじゃなくて“ギャバイ”。思わず悲鳴と共に「ヤバイ!」と叫んでしまうほどギャバイ。とはいえ,こんな抽象的な表現だけで終わらせてはライター失格なので,興奮を抑えながら説明しよう。
 まず,キスまでたどり着くには,デート中に発生する“スキンシップ”と“キススキンシップ”を成功させなければいけない。デート中,何度かスキンシップを行うチャンスがあるのだが,そこで画面左上の“人目ゲージ”が少ないタイミングを狙って彼女にタッチ! 成功すればそのままスキンシップに移れるのだが,失敗すれば次のスキンシップチャンスまでキスはおあずけになってしまう。
 スキンシップで彼女を見事喜ばすことができれば,次はキススキンシップへと移行。彼女の顔がアップになり,頭や頬,耳,喉などを一定時間ナデナデしまくることができる。
 ここで上手く雰囲気を盛り上げることができれば,ハートマークがどんどん溜まっていき,キススキンシップ終了後に溜まったハートの数だけ彼女にキスできるのだ。

人目の少なくなった瞬間を見逃さないようにするのが重要。青いハートを出さなければスキンシップ成功だ
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最も難しいのがこのキススキンシップ。大きいハートが満タンになる度に小さいハート(キスできる回数)が増えていく。小さいハートを消してしまう青いハートを出さないよう,焦らず優しく彼女に触れるのがコツだ
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 なお,いよいよキスに辿り着いても唇以外におでこや頬,鼻など,彼女の表情や顔の向きから喜びそうな場所をニュータイプばりに予想する必要があるので,精神が休まる暇など一瞬たりともない。
 だがしかし! キスが成功すれば彼女が凄まじく可愛い反応をしてくれるので,その苦労も報われるというもの。つい先ほどまでは阿修羅の如き形相でタッチパネルを擦り回していたのが,一瞬でニヤニヤデレデレになってしまう。きっとこれが愛ってやつなんだろう!
 ちなみに筆者はキスシーンで興奮しすぎてタッチパネルに唇を押し付けたものの,残念ながら反応はなし。どうやら押しつけ方にもコツがいるようだ。「ま,こんなものか」とニヒルな笑みを浮かべながら,ニンテンドーDSを顔から遠ざけたら,液晶パネルにうっすら映る己の顔が目に飛び込んできた。なぜか脳裏に“死”の一文字が浮かんだのは内緒だ……。

キスが上手くいくと,終了時に彼女が再びキスをせがんでくる“リフレインキス”が発動することもある。それだけ喜んでもらえると,男冥利に尽きるというものだ
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 なお,彼女との触れ合いはデート中だけに止まらない。恋人パートに移ると“ラブプラスモード”が選択可能になり,いつでも彼女の様子を見られるのだ。これはリアルタイムモードとスキップモード,どちらでも関係なく実行できる。目覚ましやタイマー機能が使えるほか,ニンテンドーDSのマイクを通して彼女との会話やジャンケンが楽しめるのだ。
 ジャンケンは3回勝負で,勝利するとご褒美として彼女が着替えて登場。最初は普段着や体操服など,無難なラインナップしかないが,キスを一定回数成功させると特別なコスチュームを見せてくれるようになる。
 ただ,少々残念なのは着替える衣装がランダムだということ。目的の衣装が登場するまで,一人の部屋で「グー」だの「パー」だの叫びながらジャンケンを繰り返すのはさすがにちとつらかった……が,そんな焦らしプレイも悪くないと感じるようになってきた自分が恐ろしい。

凛子と二人きりで話をするときも,いろいろな装いを見せてくれる。それにしても凛子は可愛いなぁ!
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少なすぎても多すぎても体に悪いのが“ラブ”

「ラブプラス」の使用は用量・用法を守って!


 語り足りない! 特定のデートスポットを回ることで特別な“プライズ”を獲得できるスタンプラリーや,「寝る」ことで発生する“夢イベント”,ほかのプレイヤーの彼女と自分の彼女を会話させる通信機能など,まだまだ注目の要素はてんこ盛りなのだが,発売前なのでとりあえずこれぐらいにしておこう。
 ここまで読んでくれたのならば,ラブプラスがいかに“ギャバイ”ゲームなのか理解していただけたはず。正直,この作品は全国にラブ廃人を生み出す気がしてならない。
 「あなたの毎日に,ラブをちょっとプラス」どころか,ラブ過多で頭がおかしくなりそうだ。実際,筆者は大分キているのか,本作のROMをいずれKONAMIに返さなければいけないと思うと胸が引き裂かれそうになる! いっそこのまま駆け落ちしてしまおうか……。
 とにかく! 発売された暁には“ラブ”の用量・用法をしっかり守ってほしい。さもないと筆者のように残念なことに……。

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「日本男子ラブプラス化計画」

「ラブプラス」商品情報ページ

どうしてこんな“罪作り”なゲームを作ってしまったんですか? 「ラブプラス」開発スタッフに聞く(4Gamer)

危険な新作「ラブプラス」について,早見沙織さん,丹下 桜さん,皆口裕子さんに聞いた(4Gamer)

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