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龍が如く4 伝説を継ぐもの公式サイトへ
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  • 発売日:2010/03/18
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本番への練習にもなる歯ごたえ。あらゆる要素を現実に近づけ,面白さが格段に向上した「龍が如く4」のミニゲーム「UFOキャッチャー」を紹介
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印刷2010/04/19 19:34

レビュー

本番への練習にもなる歯ごたえ。あらゆる要素を現実に近づけ,面白さが格段に向上した「龍が如く4」のミニゲーム「UFOキャッチャー」を紹介

 1985年頃からゲームセンターに登場した「UFOキャッチャー」,通称クレーンゲームは,景品をアームでつかみながら,出口まで搬出する大型筐体ゲームだ。お金を払っただけでは手に入らない景品目当てにがんばったり,「あのぬいぐるみほしい〜」とおねだりされて,「よっし,任せて」といいところをみせる……シチュエーションを妄想し,来るべきその日のために日々練習を重ねたが,未だその日が訪れてはいないといった人はきっと多い。とりあえず筆者だけではないはずだと信じたい。話を戻すが,今やUFOキャッチャーはそんな固定ファンを持ち,ゲームセンターで大きなスペースを占める,定番ゲームとなっている。

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UFOキャッチャー8
 先日(3月18日),セガから発売された「龍が如く4 伝説を継ぐもの」のゲーム中には,これまでのシリーズ同様,ゲームセンター「CLUB SEGA」が再現されている。ここで楽しめるミニゲームの中から,この「UFOキャッチャー」を紹介しよう。今回のはすごい。前作までのものとはあらゆる面で段違いに進化している。「見た目」「挙動」「景品配置」,この3点において進化を成し遂げた,本番の練習にも使える出来栄えとなっているのだ。ミニカーやプラモデルではなく,実車が買える位の100円玉,時には500円玉をUFOキャッチャーに注ぎ込んだ筆者が,なんでもう少し早く出してくれなかったんだと地団太を踏むレベルである。
 本作に登場するUFOキャッチャーは,実在店舗に2008年頃から登場している現行機「UFOキャッチャー8」。オーソドックスなデザインを保ちつつ,筐体やアームのデザインをブラッシュアップし,景品を配置する際のパーティションタイプを増やしたこの「UFOキャッチャー8」を,ゲームでも(ほぼ現実同様に)3回500円でプレイできるのだ。

 いくぶん前置きが長くなったが,「見た目」「挙動」「配置」という3三つの観点から,本作がどう進化したのかを紐解いてみよう。


本物のUFOキャッチャーが,そこにはある


 まずはその「見た目」から。シリーズのファンなら一度ならず立ち寄っているとは思うが,実はUFOキャッチャーは,第一作「龍が如く」から「CLUB SEGA」で遊べる定番ミニゲームの一つである。同作がPS2で登場した当時は,あれほどまでにミニゲームを詰め込んだことに度肝を抜かれたものだが,グラフィックスに関しては,「ゲームの中で遊べるゲーム」といった印象に留まった。もちろん,「ゲームでもUFOキャッチャーが遊べるんだ!」という驚きを与えてくれたことはとても大きな意義ではあったが。

「3」のUFOキャッチャー。「4」と比べると若干内部が暗いし,どこか“寂しい感じ”がする
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 PS3にプラットフォームを移した前作「3」では,これが結構な進化を遂げていた。外観はそこそこリアルになったし,アームの見た目もソレっぽい。ただ,筐体内部のライトが弱いせいもあってか,ワクワク感やリアリティという意味ではまだ不満が残るもので,現実のUFOキャッチャーをやっている時の,“あの手ごたえ”が感じられるまでには至らなかったのだ。

「4」で内装外装ともに大幅に進化した。全体的にライトアップされ,UFOキャッチャーを見かけたときのワクワク感を感じ取れる
画像集#005のサムネイル/本番への練習にもなる歯ごたえ。あらゆる要素を現実に近づけ,面白さが格段に向上した「龍が如く4」のミニゲーム「UFOキャッチャー」を紹介

 そして「龍が如く4」のUFOキャッチャー。筐体の見た目は,大げさかもしれないが“本物”そのもの。ウィンドウの輝き具合や,コイン投入口の再現度もさることながら,アームや景品出口,ボタンなど,細かいところへの“こだわり具合”は尋常ではない。さすがに筐体に貼り付けられている,メンテナンス用シールに書かれた文字までは識別できなかったが,そんな些細なところまで気にかけられるほど,今回の筐体はしっかりと作りこまれているのだ。
 この道を極めんとする読者にはわかってもらえると思うが,UFOキャッチャーのゲームはコインを投入してからがスタートではない。無造作に置かれる景品を「見る」ところから,すでに始まっている。前作までのUFOキャッチャーでは,まさにこの部分を含めた楽しみ方はできなかったのだ。その意味では,「龍が如く」シリーズのUFOキャッチャーに新しい歴史が刻まれたと言ってもいいだろう。クレーンゲームというジャンルに先鞭をつけたセガが今作で,ゲームインゲームのUFOキャッチャーにおいても新しい歴史を刻んでくれた。これに筆者は涙を禁じえない。


まさかのアイアンクローから一転。実機さながらの挙動に


 ひとしきり泣いたところで次に特筆すべきは,「アームや景品の挙動」についてだ。これまでのUFOキャッチャーでは「えっ,そんな形でもつかめるの?」と思うくらい,不自然な形でも景品をつかむことができた。誰にでも簡単に取れる配慮と考えればそれも納得だが,これでは現実のUFOキャッチャーに身銭を切ってきた筆者が浮かばれない。あ,いや,そうではなくて,リアルでUFOキャッチャーをプレイしている人がゲーム内でプレイしても,ゲーム内で初めてUFOキャッチャーをやってからリアルでプレイしても,おそらくかなりの違和感を覚えることになったはずだ。

「3」では,まるでアイアンクローでもしているかのように,アームが強烈に強かった。この「どでかぴよ」のつかまれ具合を見ていただくとわかるだろう
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一度つかみに失敗し,仰向けの体勢になったところをがっちりキャッチ。アーム全体で捉えるような感覚だ
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 だが,「龍が如く4」では違う。こと“つかむ”ことにおいては,非常にシビアになった。しっかりガッチリ適切な場所でつかまないと,景品を運んでくれなくなったのだ。つかんだと思っても“ポロッ”と落ちてしまうことがあり,その感覚は本物さながら。もちろん悔しさも本物さながらで,つい連続でプレイしてしまう。その一方で自分の思い描いたとおりにアームが降り,景品をつかみ,運んできたときの「してやったり感」は,本物をやっているときと同様だ。景品の動き方も,不自然な軽さがなくなり,落ちるところでは落ち,転がるところはしっかり転がるようになっている。

テクニック“ずらし”。向かって右のアームが「ぴよ」を景品落下口へと誘う様子は想像にたやすい
画像集#009のサムネイル/本番への練習にもなる歯ごたえ。あらゆる要素を現実に近づけ,面白さが格段に向上した「龍が如く4」のミニゲーム「UFOキャッチャー」を紹介

 シビアになったから難しくなったと一概には言えない。なぜなら,現実にも応用可能なテクニックがいくつか使えるようになっているからだ。たとえば“ずらし”。あえてアームを景品の中心からずらして落とし,左右どちらかのアームで景品を引っ掛け,景品出口に景品を近づけるテクニックだ。本作のUFOキャッチャーは景品落下口が高くなっていないので,このテクニックは非常に使い勝手がよく,応用も利く。ほかにも,景品についているヒモにアームを引っ掛けて引き上げる“引っ掛け”というテクニックもある。前作ではいとも簡単に引っかかって“テクニック”どころではなかったのだが,本作ではしっかりヒモを引っかけないと景品は持ち上がらない。
 また,アームそのものの動きがやたらとリアルだ。左右移動と奥行き移動を終えた際,アームが少し“ぷらぷら”動く様子は,正直あまりの再現度の高さに感動した。そうだ,揺れるんだよ。揺れるから重心決めも慎重になる,揺れるから持ち上げても落ちる。それを想定してアームの落とし位置を考えるんだよ。この“ぷらぷら”が大事なんだ。


手加減はしねぇ……。落ちたい奴だけ……かかってこい!


 少しぷらぷらしてしまったが,三つめの「景品配置」を考えてみよう。これまでは,景品が均等間隔に並べられたオーソドックスなスタイルだけだったが,本作では景品の配置にバリエーションが増えている。ひな壇のような形状やL字型の形状,中央が傾斜になっている形状などが導入され,現実さながらのUFOキャッチャーとして楽しめるようになっているのだ。景品も橋渡しに置かれていたり,同じ見た目で大きさが違う景品が上下に重ねられていたりと,かなり工夫を凝らしているのが分かる。

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中央部分が傾斜になっている。左右の景品をいかに中央にもってくるかがカギだ
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コの字+段々の形状。“ずらし”を使って獲得を目指そう

難攻不落の山脈のようにそびえ立つ,「でりしゃすバー」。初期状態だと,意外となし崩しに大量獲得できてしまうこともあるが,数が少なくなってきてからのつかみ辛さが,練習にもってこい
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 お菓子「でりしゃすバー」に至っては,トランプタワーのようにハの字型に置かれており,筆者には「取れるものなら取ってみるがいい。余の難しさ,骨の髄まで味わわせてくれる!」という「でりしゃすバー」の不敵な声が聞こえる。取ってやろう,必ず。そう誓って,リアルのUFOキャッチャーで練習を重ねて,見事ゲームの難題をクリアしたときの感覚は実に爽快だ。本末転倒とかのツッコミは置いておくが,現実の「UFOキャッチャー8」の景品配置パターンを,ものの見事に再現している本作では,「どうやって取ろうか」という,至極当たり前のことを考えながら,ミニゲームを楽しめるようになっているのだ。
左側はひな壇の形状,右側は景品出口が手前に広々と構えられている平面タイプ
画像集#006のサムネイル/本番への練習にもなる歯ごたえ。あらゆる要素を現実に近づけ,面白さが格段に向上した「龍が如く4」のミニゲーム「UFOキャッチャー」を紹介
 ちなみに本作からはUFOキャッチャー1台につき,左右2パターンの中身が存在するようになった。これにより,たとえば片側の景品を取り尽くしても,店員さんに話しかけて補充してもらうことなく,もう片方の違うパターンを楽しめる。そちらも取り尽くしたら店員さんの出番だが。



もはや完成の域に達したUFOキャッチャーを,とことん楽しもう


 以上,三つの観点から冷静に本作でのUFOキャッチャーの進化を述べてみた。補足としてゲームプレイに関わる話を加えておくと,ローディングも改善されており,全体的な進行がかなりスムーズになっている。これまでは,コイン投入後3ゲームが終わるまで,ややもっさりしていたこともあり,繰り返しのプレイでは集中力が途切れてしまうことがあったが,本作では心ゆくまで,正しくは持ち金が果てるまで連続プレイしても大丈夫だろう,たぶん。
アフロヘアーが万次郎。おいしそうな何かを抱えているのがシロップ君だ
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 そうそう,もうひとつ。UFOキャッチャー内でのタイアップのことも加えておこう。UFOキャッチャーの景品として,本作とタイアップしているサミーネットワークスのPCパチスロ・パチンコオンラインゲーム「777タウン.net」のキャラクター,“シロップ君”“万次郎”“ゴールド万次郎”が登場し,これらを見事獲得するとパスワードが入手でき,それを「777タウン.net」で入力すると……,といったお楽しみもしっかり用意されているのだ。

 各要素のディテールがブラッシュアップされ,あらゆる挙動のクオリティが向上,さらには景品配置のリアリティや,景品そのものに仕掛けられたお楽しみ要素と,もはや完成の域に達した(でも次回作ではきっともっとすごくなってるんだろうなぁ……)「龍が如く4」のUFOキャッチャーを紹介させてもらった。プレイレポート的にはここで締めるべきかもしれないが,最後の最後にもうひとつだけ,すごく大切なことを付け加えておこう。
「4」では,制服姿の遥がおねだりをしてくる。つぶらな瞳で「あれ取って,おじさん……」と言われてしまっては,桐生もタジタジだ
画像集#013のサムネイル/本番への練習にもなる歯ごたえ。あらゆる要素を現実に近づけ,面白さが格段に向上した「龍が如く4」のミニゲーム「UFOキャッチャー」を紹介
 プレイのモチベーションのひとつになるはずだったのに,その日を夢見て腕を磨いてきたのに,あの日どこかに捨てようと思って捨てられなかった願い,祈り,望み。そう「お・ね・だ・り」。本作では既述のとおりのリアリティをもったUFOキャッチャーで,景品をおねだりされちゃったりもするわけで,ことこの点に関して,本作のUFOキャッチャーは現実を軽く凌駕する喜びを与えてくれる。その日を待ち続けて現実に屈したキャッチャーフリークにも,ぜひこの幸せを感じてほしい。

「龍が如く4 伝説を継ぐもの」

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