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【PR】「Mafia II」の主人公,ヴィトを襲う過酷な運命とは? 一人の男が裏社会で成り上がっていく様子を丹念に描いた本作の魅力を紹介(後編)
裏社会に足を踏み入れることを選んだ男,ヴィト・スカレッタ。貧しいイタリア移民の子として生まれ,従軍してシチリア島で戦い,なんとか生きて故郷に帰ってきたが,相変わらず暮らし向きは厳しく,死んだ父親の残した借金にも苦しめられる。
そこでヴィトは,一足早く暗黒街に身を置き,名を広めつつあった幼なじみのジョー・バルバロに誘われるまま,解体業者のマイク・ブルスキーの元に向かい,車泥棒の仕事を請け負う。報酬は,400ドル。1945年当時としては,かなりの大金だ。だがもちろん,それなりの危険は伴う。なにしろ目的の車は,彼らの住む街でも,一,二を争う危険地帯にあるのだ。
予想どおり,チンピラどもと撃ち合いになったが,なんとか3人を殺し,追いすがる車も振り切って最初の仕事を終わらせた。深い自覚があったかどうかは分からないが,これでもう,後戻りはできないことは確かだろう。法や秩序とは無縁の世界で,ひたすらのし上がっていくしかないのだ。
2010年11月11日にTake-Two Intaractive Japanからリリースされるアクションゲーム,「Mafia II」(PlayStation 3/Xbox 360)の序盤はこのように進む。緻密に描かれた広大な都市,エンパイアベイを背景に,1940年代から1950年代にかけてのアメリカの暗い歴史が主人公の目をとおして描かれるのだ。
10月31日に掲載した前編でも書いているように,Mafia IIは2000年にリリースされた「Mafia: The City of Lost Heaven」の続編で,ゲームの開発も同じ2K Czech(旧称 Illusion Softworks)が担当しているが,物語自体につながりはなく独立したゲームとして楽しめるので,前作をプレイしていなくても問題ない。
ただ,ロード画面のエピグラフに前作の主人公トミー・アンジェロの法廷証言が引用されたりなど,ごく細い線がつながっており,トミーの言葉は,ゲーム全体を象徴しているような雰囲気もある。
英語版「Mafia II」公式サイト(要年齢認証)
11月11日発売の「Mafia II」は,重厚なストーリーでアメリカの裏社会を描いた作品。その魅力を徹底紹介(前編)
さまざまな登場人物とバイオレンスに彩られた
ヴィトのサクセスストーリー
さて,ここからしばらく彼の物語の続きを追ってみよう。
ヴィトの母親は,当然ながらヴィトがジョーの仲間になることを心配しており,そのため,かつて彼の父親も働いていたというサウスポートへ行き,まっとうな仕事をしてほしいと願う。
母親の頼みを聞いたヴィトは港へ向かうが,港湾労働者組合の組合長フェデリコ・パパラルドがヴィトに与えたのは,倉庫の木箱を車に積み込む仕事で,報酬はわずか10ドル。
そういえば,昔トミーも密造酒を一生懸命トラックに積み込んだなぁ……と懐かしく思い出すのは前作のプレイヤーだが,ヴィトはバカバカしくなってすぐに辞めてしまう。割と短気だ。
だが,ヴィトの捨てゼリフから,フェデリコは彼がジョーの知り合いであることを知り,ヴィトに新しい仕事をオファーする。実はフェデリコは「散髪代」と称して労働者達から金を徴収しており,その仕事を代わりにやれというのだ。「払わない」という大男を乱闘の末に叩きのめして仕事を終わらせたヴィトに,フェデリコと彼の片腕スティーブは感心する。
そう,この二人もやはり,裏の顔を持った男達だった。堅気の仕事をするつもりでやってきたのに,妙な知り合いが増えてしまったような感じがするが,ヴィトはそういう運命なのだろう。
このミッションは比較的ボリュームがあり,実をいえばここからが本番となる。ただし前作のように一度失敗したら最初からやり直しということはなく,セーブポイントから再挑戦できる。長いミッションの最後の最後で死んじゃって涙目,ということはないが,セーブポイントの数はそう多くないので,ほどよい緊張感が維持できる。
サウスポートを出てレストランでジョーと落ち合ったヴィトは,ヘンリー・トマシーノという男を紹介される。見るからに裏社会に属していることが明らかな彼が持ちかけたのは,政府の施設に忍び込んでガソリンの配給券を盗み出すこと。報酬は,ガソリン1万ガロン分の配給券につき600ドル。
トマシーノに指示された女性と会って情報を聞き出したヴィトは,教えられたとおり,夜間でも施錠されていないトイレの窓から侵入し,2階の金庫室へ向かう。
ここでは,「ステルスキル」が学べる。これは,背後からこっそり近づいて敵を始末するテクニックで,あちこちに立っている警備員相手に重宝する。なにしろ,トマシーノから「見つかって騒ぎになったら,取り分は3分の1」と言われているのだ。
とはいえ,金庫からガソリンの配給券を取り出したとたん,警報機が鳴り響くのはお約束。しかも,次々に現れる警備員と警察を振り払い,ようやくトマシーノのところへ戻ったら,「配給券の期限が本日まで」と言われてしまうのだから,踏んだり蹴ったりだ。さあ,どうする?
と,このように,ミッションの状況が次々に変化していくのもMafia IIの特徴の一つ。簡単な仕事のはずだったのに,思いがけない事態が起きてしまうのだから,油断もスキもない。
ところでこのミッション,文字だけで読むと,まず目的地へ行き(これがけっこう時間がかかる),相手の話を聞き,また移動して情報提供者と会って話を聞き,政府施設に忍び込み,警察の追跡を振り切り……と,ダンドリはなかなか複雑で,そのつど移動を伴ったりするので,ゲームを始めたばかりの頃はこのあたりを冗長だと感じてしまうかもしれない。しかし,この実際と同じ流れがゲーム世界への没入感を高めているのは間違いない。
エンパイアベイの地理にも慣れてくると,一仕事終わったあと,わざと遠回りして景色のよいところを車で流したりしたくなる。ゲームの中には時間が流れており,街の風景も時間と共に変化する。運転しながら,次の仕事のことを考えてもいいし,ラジオから流れる1950年代のサウンドに身をゆだねるのもよさそうだ。
紹介記事でいきなりこんなことを書くのもなんだけど,本作は,仕事のダンドリがすっかり分かった2週目以降がさらに光るゲームという気もする。
もう引き返すことはできない
裏社会で順調に地歩を固めていくヴィト
次の仕事もまた盗みだ。今度は宝石店で,ミッションをくれるのは,ヘンリーが「うちのボス」というだけの電話の相手で,正体はよく分からない。ちなみに,ヴィトはまだファミリーのメンバーではなく,しょせんはフリーランスのチンピラ。ファミリーメンバーになるには,与えられるそれなりの仕事をこなしていかなくてはならない。さらに,支度金まで必要だというのだから,裏社会もなかなかせちがらい。
ともあれ,電話会社の作業員を装ってショッピングモールの宝石店に忍び込んだヴィトとジョー。仕事は順調にいきそうだったが,やっぱりそうは問屋がおろさないようで,突然,車が飛び込んでくる。乗っていたのはブライアン・オニールとその仲間。銃を振り回す乱暴な仕事ばかりしている,あぶないヤツらだ。
ここからは,警報を聞いて駆けつけてきた警察を相手にしたアクションが続く。前編でも書いたように,撃ち合いの基本はカバーアクションだ。手近なオブジェクトの背後に隠れて,タイミングよく銃を撃つのだが,ここが最初の本格的な銃撃戦になるため,失敗の可能性も高い。ヴィトが撃たれ強くないせいもあるが,AIの動きは悪くないという印象を受ける。AIの出現はスクリプトで,それ以降の動きは独自に判断しているようだが,それほど意表をついた動きをしてくるわけではないので,落ち着いて狙えば問題ないはずだ。あ,やられちゃった。
警察からうまく逃げ切り,オニール一味が全員逮捕されたのを確認したら,ミッションは終了だ。
さて,いよいよヴィトがファミリーの一員になるときがやってきた。与えられた仕事は,暗殺である。もちろん,ヴィトにとって人を撃つのは初めてではない。戦争中も,これまでのミッションでも撃ち合いは起きており,撃った相手がケガではすまないこともある。
とはいえ,今回は素性の分かっている相手を,明確な殺意を持って殺すのであり,これまでとはちょっと違う。犯罪組織の残酷さ,陰惨さがなんとなく分かるような雰囲気だ。
もっとも,相手は武装した取り巻きを多数抱えているので,事はそう簡単ではない。暗殺というよりは,殴り込みチックだ。全体として本作では,組織の人間ではない一般人に残酷な行為をはたらくようなシーンはほとんどなく,また,丸腰の相手を撃つこともめったにないので,「犯罪に手を染めている」という後ろめたい雰囲気は少ない。
街のチンピラを殴り倒したりするとき,「ああ,オレってマフィアだったんだ」と思い出す程度である。
ミッションが進むにつれて,撃ち合いもだんだんと派手になっていくが,今回はドイツ軍が戦時中に使っていたMG-42機関銃まで登場する。売っているのは「ヘンリーの店」で,前回紹介した「ジュゼッペの店」と共に,今後もときどきお世話になりそうだ。
言い忘れたが,ミッションをくれるのはクラーク・ゲーブルのような髭を生やしたルカ・グリノ。そんな彼は彼で,さらに上のボスから叱責されたりしている。このように,だんだん登場人物が増えてきて,普段から顔と名前がなかなか一致しない筆者には苦しくなってきたが,いずれも一癖も二癖もありそうなムードをたたえた男達で,いかにも犯罪映画という雰囲気が魅力的だ。彼らの会話も映画のように,気が利いている。
殺しのターゲットは,川向こうに住む通称ファットマンだ。何をやったのかはよく分からないが,以前送った殺し屋が返り討ちにあったというのだから,まっとうな稼業の人間ではないだろう。遠慮はいらないのだ。
ファットマンのアパートの前で張り込んでいると,やがて彼を乗せた車がやってくる。ここからは,機関銃やサブマシンガン,ショットガンなどを使った派手なアクションが楽しめる。ただし,弾丸には限りがあるので,あまり調子よくぶっ放しているとあとで苦労するかもしれない。また,ファットマンを始末したあとも銃撃戦が続くので,油断は禁物よ。それにしても,口に銃口を押し込まれたファットマンが命乞いをするシーンはいささかショッキングだ。
そして,そんな仕事で得た大金を持って家に帰り,姉のフランチェスカを喜ばせるヴィトの姿もまた複雑。やはり,大人向きのゲームなのだと思う。
マフィアの世界と主人公の生き様を
残酷なまでに丹念に描いた大人向けのゲーム
かくして,ヴィトは晴れてファミリーのメンバーに……とはいかなかった。以前やったガソリン配給券強盗の件で逮捕され,懲役10年の判決を受けてしまうのだ。1950年代の刑務所は「更正」という言葉とは縁遠い犯罪者の巣窟であり,看守による暴力や賄賂などがまかりとおる悪夢のような世界。ヴィトはそんなところで生き抜いていけるのだろうか……というあたりで,物語の紹介をひとまず終えよう。
シャバに戻ったあとも,ヴィトの裏稼業は順調に拡大を続けるはずだ。これまでよりもさらに多くの男女が登場し,彼のバイオレンスに彩られたサクセスストーリーに花を添えてくれるだろう。強烈な銃撃戦とカーアクションも,引き続き繰り広げられるのは間違いない。果たして最後にヴィトがたどり着くのは,どこなのだろうか。
前回も書いたように,ストーリーテリングに徹したMafia IIは,オープンワールドな見かけと異なり,ミッションが順に続く比較的リニアな構造になっている。そのため探索にはあまり興味がないという人でも楽しめるはずだ。
ミッションには濃淡があり,短くて簡単なものから,長くて複雑なものまでバラエティ豊か。ミッションが単調だという意見もあるようだが,なにしろマフィアなのだから,どうしても撃ち合いだの殺し合いになってしまうのは仕方ないだろう。
移動の手間やダンドリの複雑さも,上記のようにゲーム世界に没入させるメカニズムとして機能していると思う(時間がかかるのはネックかもしれないが)。「マフィア」や「犯罪映画」と聞いてついムズムズしてしまう人は,なんとしてでもプレイしてほしい。
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(c) 1998-2010 Take-Two Interactive Software, Inc., and its subsidiaries. Mafia (R) II developed by 2K Czech. 2K Czech, the 2K Czech logo, 2K Games, the 2K Games logo, Illusion Engine, Mafia, Mafia II, the Mafia II logo and Take-Two Interactive Software are all trademarks and/or registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. All other marks are property of their respective owners. All rights reserved.
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