Take-Two Interactive Japan，「Mafia II」の新情報を公開。アメリカの裏社会をリアルに描く，重厚なストーリーが最大の魅力

　マフィアの世界を描いたアクションゲーム，「Mafia II」の発売がいよいよ近づいてきた。欧米では2010年8月に発売されたMafia IIだが，9月9日に掲載した記事でお伝えしたとおり，当初の発売予定を1週間前倒しにして，日本語版は2010年11月11日に発売される。対応機種はPlayStation 3とXbox 360で，価格はいずれも7140円（税込）。

　Mafia IIは，2002年にリリースされた「Mafia: The City of Lost Heaven」の実に8年ぶりの続編だ。もっとも，前作とのストーリー的なつながりはなく，独立した作品として制作されている。開発は，Illusion Softworks時代に前作を手がけたチェコの2K Czechが担当している。

主人公，ヴィト・スカレッタ

幼なじみのジョー・バルバロ

英語版「Mafia II」公式サイト（要年齢認証）

　今回の主人公は，イタリア移民の子として生まれたヴィト・スカレッタ。子供の頃から盗みや万引きなど，犯罪に手を染めなければ生きられない貧しい境遇にあり，成長した彼は，幼なじみのジョー・バルバロと共に裏社会に加わっていくことになる。彼らがさまざまな危険なミッションに挑み，命令されるだけのチンピラから，犯罪組織の頂点を目指して進んでいくという物語が本作で描かれるのだ。

希望に燃えてアメリカにやってきたスカレッタ一家だったが，新天地は甘くなかった。盗みを働いているところを捕まったヴィトだったが，従軍と引き替えに収監をまぬがれる。イタリアに上陸した連合軍は，イタリア語を話す兵士を必要としていたのだ

生まれ故郷のシチリア島に降下したヴィト達。イタリア軍との激戦の最中，間一髪の危機を救ってくれたのは，シチリアマフィアのドン・カロだった

　ゲームの舞台となるエンパイア・ベイは，かなり広いと思った前作の2倍の広さを持つ広大な都市であり，ヴィトの属するイタリアンマフィア以外に，さまざまな犯罪組織が勢力を争いを繰り広げる危険な街である。割と一本道のゲーム展開だった前作だが，今回はメインミッションのほかに，数多くのサブミッションが用意され，ヴィト達はそんな広いエンパイア・ベイを東奔西走するのだ。
　ミッションの進行によっては，街のさまざまな勢力が味方になったり，あるいは敵対するようになるという。また，例によって，暗黒街の一癖も二癖もある登場人物が物語に花を添える。

　前作が1920年〜1930年代の再現に力を入れていたように，今回も，登場する車や服装，そして街並みなどが見事に1950年代を再現しており，ゲームの世界に深く浸れる。武器などの小道具も十分に考証されているほか，ゲームの中で見られるテレビ番組も，1950年代当時のものだというから，尋常ではない凝りようだ。

休暇でエンパイア・ベイに戻ってきたヴィトだが，姉のフランチェスカが借金取りにからまれている場面を目撃する。死んだ父親が，2000ドルの借金を残していたのだ。軍に戻る場合ではないと考えたヴィトは，ジョーと共にジュゼッペの店へ行き，偽造の除隊証明を手に入れる。そして，金を得るためにマイク・ブルスキーの経営する解体工場へ。ブルスキーは，不法に手に入れた車を売り払う悪人だ。彼のくれた仕事は，黒人街のバーに停まっているとある車を盗んでくること。そこは，エンパイア・ベイでもとりわけ危険な地帯であり，どう考えても何事もなく仕事が終わるとは思えない……

　犯罪をテーマにしたオープンワールド型のアクションゲームといえば，Mafia IIと同じくTake-Two Interactiveから発売されている「Grand Theft Auto」シリーズが思い出されるが，ゲームの内容はかなり違うようだ。
　前作で最も魅力的だったのは，その重厚なストーリーラインである。数多くの登場人物が織りなす人間模様の中，地位が上がるにつれて次第に組織に違和感を持ち始める主人公の姿を中心に，友情と裏切りが渦巻く物語が展開していく。
　続編となる本作でも，犯罪組織という特殊な世界を背景に，練り込まれた物語が展開していくことになる。もちろん，銃撃戦やカーチェイスなど，アクションシーンも最新作らしくパワーアップしており，ゲームとしての面白さも増している。
　今回は，ゲーム序盤のざっとした内容をお伝えしたが，続報が入り次第，掲載する予定だ。お楽しみに。

ジュゼッペの店では，たいていの鍵を開けられるという「解錠ピック」が手に入る。仕事の足となる車は，これを使って拝借するのだ

車を盗んでいるところが見つかれば，当然警察が追ってくる。車を完全に自分のものにするには，ナンバープレートの交換が必要だ。戦闘場面には，遮蔽物の背後から敵を撃つ，いわゆるカバーアクションが採用されている