イベント
[TGS 2009]世界初公開の情報もアリ! 「Alan Wake」デモンストレーション
まずは,いままでさまざまな場所で紹介してきたフィーチャーを一つにまとめたという“既出情報のハイライト”的なデモを実演してもらった。主人公アラン・ウェイクはベストセラー作家。ただしここ数年はスランプに陥っており……といったような本作のバックグラウンドについては,以前の記事に詳しいのでそちらを見てほしい。
Myllyrinne氏によれば,本作は“ストーリードリブン”でジェットコースターのような体験が楽しめるサイコアクションスリラーである。ゲームのメインテーマである“恐怖”を効果的に表現するためには出来の良い“ストーリー”が不可欠ということで,本作の物語開発に当たってはクリフハンガー(絶体絶命のピンチのまま「次回に続く」となるような手法のこと)を効果的に使うなど,テレビの連続ドラマの手法が取り入れられているとのことだ。
デモは山小屋らしき場所から始まった。時間は夜。アランがライトで先を照らしながら外に出て,先に進もうとすると,近くに置いてある木箱などの物体がアランに向かって飛んできた。見れば遠くの木々の不自然な揺れかたをしていて,大規模な“ポルターガイスト現象”のようなものが起こっているようだ。
本作は,闇の力のようなものに主人公が翻弄されるという筋書きになっており,飛んでくる物体は,その“闇”によって動かされている。“闇”を払うには,手にしているライトで“光”を当てればいい。だからオブジェクトが飛んできた場合は,さっと光を当てることでその場に押しとどめられるのだ。
さらに進むとゾンビのような動きの敵がわらわらと襲ってきた。このあたりのスクリプトは非常に良くできている印象を受けた。飛んでくるオブジェクトを退けて一息ついたところで先に歩を進めようとすると,自分のすぐそばに立っている標識に何かがバンと当たる。当たったのは後方(つまり視界の外)からこちらに向かって投げつけられた何かで,ハッと思って後ろを振り向くと,複数の敵がまさにこちらに襲いかかってこようとしている……! この後ろを振り向くところのなめらかなカメラワークや,襲いかかってくる敵が目に入った瞬間にスローモーションになって敵の恐ろしげな表情と動きをじっくり見せる演出の巧みさなどには,見ていて思わず引き込まれるうまさを感じた。
ゾンビ風の敵キャラクターは“闇”の力に支配されてしまった地元の人たちらしい。ここでも“闇”を払うのに“光”が使われる。敵にライトの光を当てると,その身体からバリバリバリと黒い火花のようなものが飛び散る。闇がはがされている表現だ。そうすることで,武器を使ってとどめが刺せるようになるというわけだ。
このような仕組みであるがゆえに,プレイヤーにとって大型の光源は安全地帯確保装置のように働く。デモでは敵に追われているときに,行く手に工事現場用のライト&発電器のようなものが見えてきて,そこに駆け寄って発電器をオンにすると強い光が周囲を照らし,敵はアランに近づけなくなる……という展開が見られた。
さて,ここで既出情報のハイライトシーンのデモは終了。次はなんと,このTGSのために開発現場から無理やりもぎ取ってきた最新のデモを見せてくれるという。海外産タイトルのデモンストレーションの場合,TGSでは(数か月前に開催された)E3用の素材が使い回されるだけのパターンが結構多いので,これは嬉しい驚きだった。
そのデモはゲームの中盤以降のシーンらしい。物語が進むと,ナイチンゲールという名前の男性FBI捜査官が登場するとのこと。ナイチンゲールは一連の怪事件の原因がすべてアランにあると信じ切っており,警官隊も動員しつつアランのことを執拗に追いかける……というキャラクターだそうだ。アランは“闇”の力に加えてナイチンゲールにも対処しながら,妻を探さなければならなくなる。
こちらの新しいデモでは,先ほどとくらべてゲームの雰囲気が一変している。前のデモは静かな恐怖にフォーカスしたものだったが,新しいデモはサイレンの音やアランを追うポリスたちの怒声,上空からこちらを探すヘリコプターのローター音などがあちらこちらから聞こえてきて,同じ森の中なのにかなり騒がしい。そこここをアランを探すサーチライトの光が横切っていく。これまで“光”はアランの味方だったが,この状況下では“光”はアランの敵であり,避けなくてはならないものなのだ。プレイのほうもサーチライトが行き過ぎるのを待ってサッと走り抜けたり,ポリスがいる橋の下をこっそりと移動したりといったものにゲーム性が変化していた。
もちろん“闇”の力も健在で,そちらはアランと警官隊を区別することなく無差別に攻撃してくる。突然真横からふっ飛んできたブルドーザーに,数人の警官隊がはじき飛ばされるのが見える。彼らは自分たちが何に襲われているのか分からずに大混乱に陥っている。頭上を横切るヘリをやり過ごし,見上げると今度はそのヘリが“闇”に操られているらしき鳥の群に絡まれて,墜落する。そんなアウトオブコントロールな状況の中,アランは目的を達成することが出来るのか? ……というのが中盤以降の物語となるようだ。
これまでは「なんとなくホラー系かな」ぐらいの印象だった「Alan Wake」だが,今回のデモでだいぶしっかりした輪郭が見えてきた。静かなだけでなく,アクティブな展開もありのメリハリのついたゲーム体験が用意されているようだ。リリース予定は2010年春としばらく先だが,楽しみに待ちたい。
- 関連タイトル:
Alan Wake
- 関連タイトル:
アラン ウェイク 日本語版
- この記事のURL:
キーワード
(C) 2010 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.
(C) 2012 Remedy Entertainment Ltd. Developed by Remedy Entertainment. Published by Nordic Games GmbH. All other brands, product names and logos are trademarks or registered trademarks of their respective owners. Alan Wake and Remedy are registered trademark of Remedy Entertainment Ltd. All rights reserved. Havok™ Physics. (C) Copyright 1999-2012 Havok.com Inc. (and its Licensors). All Rights Reserved. See www.havok.com for details. Bink Video. Copyright (C) 1997-2012 by RADGame Tools, Inc. Umbra"! visibility optimization. Copyright (C) 2006-2012 by Umbra Software Ltd. Steam. (C) 2009 Valve Corporation. Steam and the Steam logo are trademarks and/or registered trademarks of Valve Corporation in the U.S. and/or other countries.