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写真とインタビューで紐解くDellの新型ノートPC「ALIENWARE m15 R2」。第1世代から大きく変わったデザインを採用した理由とは?
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印刷2019/05/30 11:43

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写真とインタビューで紐解くDellの新型ノートPC「ALIENWARE m15 R2」。第1世代から大きく変わったデザインを採用した理由とは?

ALIENWARE m15 R2
画像集 No.015のサムネイル画像 / 写真とインタビューで紐解くDellの新型ノートPC「ALIENWARE m15 R2」。第1世代から大きく変わったデザインを採用した理由とは?
 COMPUTEX TAIPEI 2019の初日である5月28日に発表となった,Alienwareの新型ゲーマー向けノートPC「ALIENWARE m15 R2」および「ALIENWARE m17 R2」。これらのノートPCは,第1世代モデルと比べてスペックが向上し,問題点が解消されただけでなく,筐体のデザインも大きく変わるなど,見どころの多い製品となっている。

ALIENWAREの新製品に対する質問に答えてくれたJoe Olmsted氏
画像集 No.002のサムネイル画像 / 写真とインタビューで紐解くDellの新型ノートPC「ALIENWARE m15 R2」。第1世代から大きく変わったデザインを採用した理由とは?
 第1世代モデルが出てから1年も経たないうちの筐体変更というのは,1つの筐体に小改良を加えながら,数年間使うことも珍しくないゲーマー向けノートPCとしては異例のことだ。なぜAlienwareは,そこまで思い切ったモデルチェンジを行ったのか。新製品を写真で紹介しつつ,DellでAlienwareのゲーマー向け製品担当ディレクターを務めるJoe Olmsted氏(Director,Gaming Products,Alienware,Dell)にうかがった話をレポートしよう。
 なお,ALIENWARE m15 R2とALIENWARE m17 R2の特徴やスペックについては,5月28日掲載のニュース記事に詳しくあるので,本稿では割愛している。未見の人,あるいはもう一度確認しておきたいという人は,そちらも見てほしい。


Legendデザイン採用で見違えるほど格好良くなったALIENWARE m15 R2


Area-51mの背面。Legendデザインの特徴的な要素が分かる
画像集 No.016のサムネイル画像 / 写真とインタビューで紐解くDellの新型ノートPC「ALIENWARE m15 R2」。第1世代から大きく変わったデザインを採用した理由とは?
 まずはALIENWARE m15 R2を写真で見ていこう。
 ALIENWARE m15 R2の外観は,2019年1月に発表となった「ALIENWARE Area-51m」(以下,Area-51m)が採用した「Legend」デザインを踏襲したものだ。
 Legendデザインは,筐体の背面側に黒い冷却機構が突き出して,背面を楕円状に縁取るような形でカラーLEDを配置。天板には製品名の数字をあしらうと言った要素が特徴となっている。とても個性的な一方で,悪目立ちはしない落ち着きも感じられる。

ALIENWARE m15 R2の全景。なお,写真がやや紫がかっているのは,取材会場の照明によるもので,展示機本来の色は,明るい白色である
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 カラーバリエーションは,白基調の「Lunar Light」と黒基調の「Dark Side of the Moon」の2色展開となっているが,とくにLunar Lightは,ゲーマー向け製品では珍しい白系のカラーで,日本でも人気を呼びそうだ。

ALIENWARE m15 R2の天板には,製品名にある数字――m15 R2なら15――の意匠が描かれている
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筐体後部の冷却機構部分は,どのカラーバリエーションでも黒色だ。背面を縁取る楕円形のLEDが目を惹く
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 第1世代のALIENWARE m15が登場してから,1年も経たないうちにデザインを変更した理由についてOlmsted氏は,Legendデザインを生み出すに当たっては,数年前からリサーチを重ねていたと述べた。リサーチの結果として生まれたデザインは,対象となる製品群のなかでデザイン変更を行う準備ができたものから導入することになっており,最初の製品となったのがArea-51mだったとOlmsted氏は述べる。
 つまり,Area-51mに続いてデザイン変更の準備ができたのが,ALIENWARE m15 R2とALIENWARE m17 R2だったというわけで,第1世代になにか問題があったから変えたというわけではないようだ。

17.3インチモデルのALIENWARE m17 R2は,前世代の製品が登場して半年も経たないうちにLegendデザインへ変更となった
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ALIENWARE m17 R2の天板にも「17」が描かれている
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ヘッドセットのALIENWARE 7.1 Gaming Headset AW510Hも,Legendデザインを採用している
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 今回,Legendデザインを採用したのはノートPCの2製品と,ヘッドセットの「ALIENWARE 7.1 Gaming Headset AW510H」および「ALIENWARE Stereo Gaming Headset AW310H」の2製品であるが,今後もALIENWAREの製品群でLegendデザインを採用するものは増やす予定であるとのこと。2020年にも,デザインのアップデートを行った製品が登場するだろうと,Olmsted氏は予告していた。
 さらにOlmsted氏は,Legendデザインをどんな製品に広げていくのかという質問に対して,「すべてのプロダクトにおけるデザインを変更していく」と答えている。遠くない将来に,ALIENWAREブランドのマウスやディスプレイにも,Legendデザインを採用するものが登場してくるのではないだろうか。

 デザインと並んで,ALIENWARE m15 R2における大きな変更点となったのが,キーボードのNキーロールオーバー対応だ。4Gamerでも,第1世代のALIENWARE m15における唯一の問題点は,同時押し対応への配慮が欠けている点であると指摘していた。
 第2世代モデルでNキーロールオーバー対応を実現した理由についてOlmsted氏は,率直に「(世界中の)顧客の声を聞いた結果である」と述べている。同時押し対応数が最小で2キーしかないというのは,ゲーマー向けノートPCではありえないと言ってもいい仕様であり,それだけ多くの批判や要望がDellに寄せられたということなのだろう。

ALIENWARE m15 R2のキーボード。Nキーロールオーバー対応は重要な改善点だ
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ALIENWARE m17 R2のキーボードやタッチパッドの配置は,第1世代モデルとほぼ変わっていない
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 Olmsted氏によると,ALIENWARE m15 R2のキーボードはNキーロールオーバーだけでなく,10キーの省略や,アクチュエーションポイントの浅いキースイッチへの変更,各キーごとのカラーLED設定を可能にするといった改良も加えているとのこと。たとえば,アクチュエーションポイントは,従来の1.7mmから1.4mmに短縮したという。
 第1世代モデルでは採用していた10キーを,ALIENWARE m15 R2で廃止した理由をたずねたところ,Olmsted氏は「過去12年間,15インチ級のゲーマー向けノートPCには10キーがなかったからね」と,ユーザーが10キーのない環境に慣れ親しんでいたことを理由として挙げた。第1世代モデルで10キーを採用してみたものの,やはり反応はかんばしくなかったので,第2世代では省略したということだった。


視線追跡技術は未来の機能を先取りするもの


 ALIENWARE m15 R2では,ディスプレイの選択肢として1920×1080ドットで垂直リフレッシュレート240Hz表示対応の液晶パネルと,3840×2160ドットのDisplayHDR 400対応の有機ELパネルを用意している。Dellは,これらの液晶ディスプレイが,どのようなゲーマーに適すると考えているのかをOlmsted氏に聞いてみた。

 氏によると,240Hz対応液晶パネルは,やはりFPSのゲーマー――たとえば「Counter-Strike: Global Offensive」――が好むという予想どおりの答えが返ってきた。一方,有機ELパネルはゲーマーだけでなく,コンテンツクリエイターのニーズを考慮したものであるとのこと。また,RTSやシティビルダー――たとえば「Cities: Skylines」やトロピコシリーズなど――タイプのゲームを好むゲーマーは,高解像度のディスプレイを好むという点から有機ELパネルのほうを求めると考えているそうだ。

ALIENWARE m15 R2のヒンジ部分に組み込まれているTobii製の視線追跡デバイス
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 ところで,240Hz対応液晶パネルや4K有機ELパネルを選択すると,Tobii Technology(以下,Tobii)製の視線追跡デバイスがもれなく組み込まれた状態になる。4Gamerでは,以前からTobiiの視線追跡技術を継続的にウォッチしているのだが,さまざまな利点があるとはいえ,実際にゲームにおいて利用すると,今ひとつ期待したようには動かず,もどかしい思いをすることが少なくなかった。
 これは認識精度の問題ではなく――実際,認識精度はかなり高い――認識した視線の動きをゲームにおいてどう利用するのが妥当なのかという,UI設計に関わる問題だからではないだろうか。

 可能性は感じるものの,実際の使い勝手において難のある視線追跡デバイスを,なぜAlienwareは採用し続けるのだろうか。Olmsted氏にこの質問をぶつけてみたところ,氏は,2018年にスタートしたオンラインのゲームトレーニングサービス「Alienware Academy」で,視線追跡デバイストレーニングツールとして使っているという実用例を挙げた。つまり,「すでに実用的に利用しているよ」というわけだ。

 ただ,Olmsted氏は視線追跡技術をゲームのトレーニング用とだけ見ているわけではないと言う。
 仮想現実の世界で話題となる技術に,ユーザーの視線を認識して,注視している部分は詳細にレンダリングし,そこから離れるほど解像度を低くしてレンダリングするという技法「Foveated Rendering」(フォビエイテッドレンダリング)がある。Olmsted氏は,半年から1年以内にフォビエイテッドレンダリングがゲームの世界に入ってくる。そのときに視線追跡デバイスは必要とされるだろうという考えを示した。氏が,期間を区切って予想を述べたということは,フォビエイテッドレンダリングをゲームにおいて実用化するための取り組みが,実際に動いているということなのだろう。

 Olmsted氏は,「(視線追跡デバイスは)プレミアムPCにおける未来の機能である」とも述べている。他社が積極的に取り組みはじめる前から未来の機能を取り込んで差を付ける。そのための先行投資という意味合いが,ALIENWAREのPCにおける視線追跡デバイスの活用にはあるようだ。

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