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[E3 2013]2年ぶりのフルモデルチェンジ,ALIENWAREがゲーマー向けノートPCなど4シリーズを発表。米国での発表イベントもレポート
また,Dellはロサンゼルスで開催される「E3 2013」に合わせて,6月10日(北米時間)に米国でも,これら新製品の発表イベントを開催している。現地からのレポート記事を記事後半に掲載したので,合わせてご覧いただきたい。
ステルス機をイメージした金属的なボディに変更
今回発表された3シリーズのノートPCは,いずれもALIENWAREとしては2年ぶりとなるフルモデルチェンジを遂げた製品となっている。ALIENWAREのノートPCといえば,フラットな面を組み合わせた独特のデザインが魅力のひとつであった。
それが新製品では,工業製品,とくに「ジェットエンジンやステルス戦闘機からインスピレーションを得た」というデザインに一新。ノートPCの顔となる天板を見ると,3つの面を組み合わせた形状に,ステルス機の面構成に似たものを感じさせる。また,ボディはマグネシウム合金のフレームとアルミ合金のパネルを組み合わせて製作するなど,金属素材を多用。主要パーツの実に60%以上に金属を使用しているという。
デザイン上の特徴は背面にあり。3つの金属パネルを組み合わせて,接線にカラーLEDを埋め込んだ形状は,たしかに言われてみるとステルス機っぽさを感じる |
ちなみに,ノートPCの製品名が,従来の「ALIENWARE M○○X」から変更されているが,これは「シンプルで分かりやすい表記に改めよう」という理由があるとのことで,搭載液晶パネルを表す数字のみに変更されたとのことだ。
世界最速の14インチノート!?
ALIENWARE 14
ALIENWAREのブランド名を冠するだけに,14インチ級と言えどもスペックは充実している。とくにGPUは,標準構成となるスタンダードモデル(以下,スタンダード)でGeForce GT 750M(グラフィックスメモリ容量1GB)を,上位モデルにあたるプラチナモデル(以下,プラチナ)やプレミアムモデル(以下,プレミアム)ではGeForce GTX 765M(グラフィックスメモリ容量2GB)を搭載可能となっている。
CPUも大型のノートに劣らないもので,スタンダードやプラチナモデルではCore i7-4700MQ/2.4GHzを,プラチナモデルではCore i7-4900MQ/2.8GHzを選択可能となっている。また,ストレージも充実していて,64GB mSATA SSDと750GB HDDの2台を標準搭載するなど,スペック面の充実ぶりはなかなかのものだ。
ボディの前面や側面,タッチパッド,キーボードバックライトにはカラーLEDが埋め込まれている |
小さめのボディで強力なCPUとGPUを冷却するために,底面には大きな開口部があり,大量の空気を給気できるようになっている |
液晶パネルは14インチサイズながら,1920×1080ドットのノングレア液晶パネルを標準搭載。ノングレア液晶パネルの採用は,既存ユーザーからの要望が高かった要素とのことで,今回はALIENWARE 14とALIENWARE 17で採用されている。
そのほかに,有線LANコントローラにQualcomm Atheros製のゲーム向けLANコントローラ「Killer E2200」を標準搭載したり,プレミアムとプラチナモデルではIEEE 802.11acに対応するBroadcom製無線LANコントローラ「Broadcom 4352 5G WiFi」を搭載するなど,ネットワーク関係も高い性能を誇るパーツで固めている。
同社直販サイトでの価格は,スタンダード,プレミアム,プラチナの順に,14万9979円,17万9980円,21万9980円(いずれも税込)とされている。
ALIENWARE 14 スタンダードの主なスペック
- CPU:Core i7-4700MQ/2.4GHz(L3キャッシュ容量6MB,Intel Turbo Boost Technology有効時の最大動作クロック3.4GHz)
- メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SO-DIMM 8GB
- GPU:GeForce GT 750M(グラフィックスメモリ容量1GB)
- ストレージ:HDD(容量750GB,回転数7200rpm),SSD(容量64GB,mSATA接続)
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
- 有線LAN:1000BASE-T(Qualcomm Atheros「Killer E2200」)
- 無線LAN:IEEE 802.11a/g/n準拠(Qualcomm Atheros「Killer Wireless-N 1202」)
- サウンド機能:オンボード+サブウーファ付き内蔵2.1chスピーカー
- ディスプレイ:14インチ液晶,1920×1080ドット,ノングレア(光沢)タイプ
- 入力機器:日本語キーボード,タッチパッド
- そのほかの主な搭載機能:HDMI出力,200万画素ビデオカメラ
- 本体サイズ/重量:334.98(W)×258.35(D)×41.70(H)mm/約2.77kg
- OS:64bit版Windows 7 Home Premium,または64bit版Windows 8
垂直リフレッシュレート120HzのフルHD液晶パネル搭載
ALIENWARE 17
搭載可能なGPUは強力で,スタンダードでもGeForce GTX 765M(グラフィックスメモリ容量2GB),プレミアムではGeForce GTX 770M(グラフィックスメモリ容量3GB),最上位のプラチナでは,NVIDIAのノート用GPUでは最速のGeForce GTX 780M(グラフィックスメモリ容量4GB)まで選択可能となっている。
またCPUには,自動オーバークロック機能である「Intel Turbo Boost Technology」動作時の最大動作クロックを引き上げる設定を施した,“オーバークロック設定済み”のCore i7-4900MQ/2.8GHzやCore i7-4930MX/3GHzなどを選択できる。オーバークロック設定済みCPUは,Turbo Boost動作時の動作クロックがIntelの標準設定より100MHz分ほど高く設定されており,Core i7-4900MQの場合は最大3.9GHzまで引き上げられるとのことだ。
そのほかに,キーボードのテンキー部分上側に,4個のマクロ用キーを装備する点も特徴とされている。
内蔵ストレージにSSD+HDDの2台を搭載する構成や,有線LANコントローラにKiller E2200を搭載する点は,ALIENWARE 14と同等である。価格はスタンダード,プレミアム,プラチナの順に,18万9980円,27万9980円,27万9980円(いずれも税込)とされている。
ALIENWARE 17 スタンダードの主なスペック
- CPU:Core i7-4700MQ/2.4GHz(L3キャッシュ容量6MB,Intel Turbo Boost Technology有効時の最大動作クロック3.4GHz)
- メインメモリ:PC3-12800 DDR3L SO-DIMM 4GB×2
- GPU:GeForce GTX 765M(グラフィックスメモリ容量2GB)
- ストレージ:HDD(容量750GB,回転数7200rpm),SSD(容量64GB,mSATA接続)
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
- 有線LAN:1000BASE-T(Qualcomm Atheros「Killer E2200」)
- 無線LAN:IEEE 802.11a/g/n/ac準拠(Broadcom 4352 5G WiFi)
- サウンド機能:オンボード+サブウーファ付き内蔵2.1chスピーカー
- ディスプレイ:17.3インチ液晶,1920×1080ドット,ノングレア(光沢)タイプ
- 入力機器:日本語キーボード,タッチパッド
- そのほかの主な搭載機能:HDMI出力,200万画素ビデオカメラ
- 本体サイズ/重量:413.56(W)×299.00(D)×48.46(H)mm/約4.15kg
- OS:64bit版Windows 7 Home Premium,または64bit版Windows 8
GPUはSLI構成が標準のハイスペックノート
ALIENWARE 18
ALIENWARE 18最大の特徴は,GPUを2基内蔵し,標準でSLI構成となっている点にある。安価なスタンダードでは,GeForce GTX 765M(グラフィックスメモリ容量2GB)を2基,最上位のプラチナになるとGeForce GTX 780M(グラフィックスメモリ容量4GB)を2基搭載し,ノートPCとしてはトップクラスのグラフィックス性能を誇るとしている。
また,搭載可能なCPUはALIENWARE 17と同様だが,大きなボディで冷却能力が高い分,オーバークロック設定済みCPUの最大動作クロックがさらに高く設定されており,Core i7-4930MXでは最大4.3GHzと,Intelの設定値3.9GHzより400MHzも高い。
SSDとHDDの両搭載や,有線LANコントローラにKiller E2200を搭載する点は,ALIENWARE 17と同様である。価格はスタンダード,プレミアム,プラチナの順に,24万9980円,29万9980円,37万9980円(いずれも税込)とされている。
ALIENWARE 18 スタンダードの主なスペック
- CPU:Core i7-4700MQ/2.4GHz(L3キャッシュ容量6MB,Intel Turbo Boost Technology有効時の最大動作クロック3.4GHz)
- メインメモリ:PC3-12800 DDR3L SO-DIMM 4GB×2
- GPU:GeForce GTX 765M(グラフィックスメモリ容量2GB)×2
- ストレージ:HDD(容量750GB,回転数7200rpm),SSD(容量64GB,mSATA接続)
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
- 有線LAN:1000BASE-T(Qualcomm Atheros「Killer E2200」)
- 無線LAN:IEEE 802.11a/g/n/ac準拠(Broadcom 4352 5G WiFi)
- サウンド機能:オンボード+サブウーファ付き内蔵2.1chスピーカー
- ディスプレイ:18.4インチ液晶,1920×1080ドット,グレア(光沢)タイプ
- 入力機器:日本語キーボード,タッチパッド
- そのほかの主な搭載機能:HDMI出力,200万画素ビデオカメラ
- 本体サイズ/重量:456.50(W)×327.89(D)×57.50(H)mm/約5.47kg
- OS:64bit版Windows 7 Home Premium,または64bit版Windows 8
第4世代Coreプロセッサ搭載でパワーアップ
ALIENWARE X51
最後に紹介する「ALIENWARE X51」は,1年半前に投入されてヒット商品になったという同名機種のアップデート製品で,搭載CPUが第4世代Coreプロセッサに強化されたほか,搭載グラフィックスカードにGeForce GTX 670を選択可能である点が主な特徴となっている。
ALIENWARE X51。側面パネルの白い部分はカラーLEDで発光している |
背面を見ると,2スロット仕様のグラフィックスカードを装着していた |
コンパクトなボディは従来どおりで,サイズは95(W)×318(D)×343(H)mmと,置き場所を選ばない。標準では縦置きだが,横置きでの設置も可能だ。内部のマザーボードには,Mini-ITXタイプを採用しているとのこと。
搭載CPUには,スタンダードはCore i5-4430/3GHzを,プレミアムとプラチナではCore i7-4770/3.4GHzを選択可能となっている。なお,ノートPCにあったオーバークロック設定済みCPUは用意されていない。
グラフィックスカードには,OEM供給専用GPUであるGeForce GTX 645搭載カード(グラフィックスメモリ容量1GB)のほか,GeForce GTX 660(グラフィックスメモリ容量1.5GB),GeForce GTX 670搭載カード(グラフィックスメモリ容量2GB)なども用意されている。
標準搭載のストレージはHDDのみとなっているが,別途SSDも内蔵可能で,容量256GBを選択することも可能とのことだ。
価格はスタンダード,プレミアム,プラチナの順に,8万9980円,11万9980円,14万4980円(いずれも税込)とされている。
ALIENWARE X51 スタンダードの主なスペック
- CPU:Core i5-4430/3GHz(L3キャッシュ容量6MB,Intel Turbo Boost Technology有効時の最大動作クロック3.2GHz)
- メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SO-DIMM 4GB×2
- GPU:GeForce GTX 645(グラフィックスメモリ容量1GB)
- ストレージ:HDD(容量1TB,回転数7200rpm)
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
- 有線LAN:1000BASE-T
- 無線LAN:IEEE 802.11g/n/準拠
- サウンド機能:オンボード
- ディスプレイ:オプション
- 入力機器:日本語キーボード,Alienware スタンダードオプティカルマウス
- そのほかの主な搭載機能:USB 3.0×4,SPDIF出力(Coax/角型光)
- 本体サイズ/重量:95(W)×318(D)×343(H)mm/約5.49kg
- OS:64bit版Windows 7 Home Premium,または64bit版Windows 8
ALIENWAREブランドのバッグやアイウェアも発売
ALIENWAREでは今回のPC新製品に合わせて,専用デザインのモバイルバッグや,メガネメーカー「JINS PC」とのコラボレーションによる,ゲーマー向けアイウェアを発売することも発表した。
モバイルバッグは,リュックサック型の「バックパック」,ショルダータイプの「メッセンジャーバッグ」,片手持ちの「スリムソフトケース」や「ブリーフケース」などがラインナップされ,それぞれに組み合わせる本体サイズに合わせたサイズのバッグが用意されている。ただし,サイズの大きなALIENWARE 18だけは,バックパックとブリーフケースのみとなる。
ALIENWARE専用デザインのモバイルバッグ。悪目立ちしないデザインなので,日常的に使っても違和感はないかも。発売は6月11日 |
JINS PCとのコラボによるアイウェア。液晶パネルから出るブルーライトを50%カットするというふれ込みだ。ブルーとレッドの2種類のフレームがあり,度入りレンズも選択可能。発売は8月の予定 |
ロサンゼルスで開催のDellプレスイベントにも参加
歴代のALIENWAREマシンが勢揃い
だが,6月10日はそれで終わりではなかった。「宇宙最強」を自称するALIENWAREブランドが,わざわざ“コンシューマゲームの日”の最後に,ゲーマー向けノートPCの新作発表会を設定してきたのだ。
ちなみに会場となったのは廃倉庫を改造したような場所で,いろいろと異色だった。さすがALIENWAREだ。
会場内部。どこからどう見てもパーティ会場だ。会場内にはALIENWAREのPCがずらりと並べられ,自由にゲームをプレイできるようになっていた |
その特徴とスペックについては,本稿の序盤でお伝えしたとおり。成り行きで,慣れないノートPCの発表会取材をすることになったのだが,知らないうちにすごいことになっているんですね,ALIENWAREのゲーム用ノートPCって。
ALIENWARE 公式サイト
4Gamer E3 2013特設ページ
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Alienware
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(C)2012 Dell