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    レベルファイブの新卒者向け会社説明会にお邪魔してきました――目指すはエンターテイメントブランドとしての“世界一”
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    レベルファイブの新卒者向け会社説明会にお邪魔してきました――目指すはエンターテイメントブランドとしての“世界一”

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     本日(2月9日),東京都内において,レベルファイブ会社説明会が実施された。これは,2010年4月~2011年3月卒業予定の学生を対象にしたもので,会場となった渋谷C.C.Lemonホールには,事前にエントリーをした約1200人の学生が集まった。なお,2回に分けて開催された本説明会,筆者が取材したのは1回目の説明会だったが,2回目も同程度の学生が参加予定であるとのことだ。
     ちなみに,2月24日には福岡市の福岡サンパレスホールにおいて,会社説明会が実施される予定だ。こちらはまだ応募可能とのことなので,興味を持った人は,レベルファイブの公式サイトやリクナビ2011で詳細をチェックしてほしい。

    レベルファイブ公式サイト

    「リクナビ2011」レベルファイブTOPページ(新卒向け)


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     最初に,レベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏をはじめとするメンバーが,同社のゲーム作りの環境や姿勢,仕事内容などを紹介するガイダンスビデオが上映された。このガイダンスでは,プランナーの本村 健氏,グラフィックデザイナーの鈴木 純氏,ムービーデザイナーの上村孝介氏,プログラマーの熊谷宇祐氏,サウンドディレクターの西浦智仁氏,広報・マーケティングの丸屋教子氏が,それぞれ自らの業務の概要を紹介。
     日野氏は,「ゲームというメディアは熟成期に入っていて,アイデアも掘り尽くされていて,新しいものを作るのが困難になっている。そういった中でも,本当にユーザーが待っているものとか,楽しめるものを純粋な気持ちで作っていきたい」とコメント。今後の展望として,レベルファイブを「ユーザーがゲームを遊んで楽しいと思う」世界一のブランドにしたいと述べていた。

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     そしてここで日野氏が登壇し,来場者に向けて感謝の意を述べるとともに,会社の沿革を説明。2004年11月にスクウェア・エニックスから発売された「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」(PS2)で開発会社としての認知が進み,2007年2月に発売された「レイトン教授と不思議な町」(NDS)でパブリッシャ事業に本格参入したことでゲーム業界での知名度が上がったと述べた。
     続いては,レベルファイブの代表的な作品をまとめて紹介するムービーが上映された。紹介された作品リストは以下のとおり。


    PS2「ダーククラウド」(2000年12月14日発売)
    PS2「ダーククロニクル」(2002年11月28日発売)
    PS2「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」(2004年11月27日発売)
    PS2「ローグ ギャラクシー」(2005年12月8日発売)
    PSP「ジャンヌ・ダルク」(2006年11月22日発売)
    NDS「レイトン教授と不思議な町」(2007年2月15日発売)
    NDS「レイトン教授と悪魔の箱」(2007年11月29日発売)
    NDS「イナズマイレブン」(2008年8月22日発売)
    NDS「レイトン教授と最後の時間旅行」(2008年11月27日発売)
    PS3「白騎士物語-古の鼓動-」(2008年12月25日発売)
    NDS「スローンとマクヘールの謎の物語」(2009年5月21日発売)
    NDS「スローンとマクヘールの謎の物語2」(2009年9月3日発売)
    NDS「多湖輝の頭の体操」第1集/第2集/第3集/第4集(2009年6月18日発売[第1集/第2集],2009年10月8日発売[第3集/第4集])
    NDS「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」(2009年7月11日発売)
    NDS「イナズマイレブン2 脅威の侵略者 ファイアブリザード」(2009年10月1日発売)
    PS3「白騎士物語-古の鼓動- EX Edition」(2008年12月25日発売)
    ゲームポータル「ROID」
    NDS「レイトン教授と魔神の笛」(2009年11月26日発売)
    NDS「二ノ国」(2010年春発売予定)
    PSP「ダンボール戦機」(2010年発売予定)

     次に日野氏は,同社の設立以降の売上実績推移をグラフで説明。中でも「レイトン教授」シリーズでパブリッシャ事業に参入した第9期の伸びに触れ,順調に推移していると説明。第11期については,70億円を売り上げ,今期は100億円以上の売上を予測していると述べ,ゲーム業界において同社が安定感のある企業であるとアピールした。

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     また,自社パブリッシングタイトルである「レイトン教授」シリーズは国内外で累計出荷本数が918万本,「イナズマイレブン」シリーズは国内累計出荷本数が154万本であることを例に挙げ,「五つ星のゲームを作ろう」というコンセプトでレベルファイブを立ち上げ,高い志を持ってゲーム開発に携わった結果,数多くの人々に楽しんでもらえる企業に成長したことを誇りに思っていると述べた。

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     続けて日野氏は,パブリッシャ事業成功の秘訣について,ゲームを販売するだけでなく,その知名度を上げる仕掛け作りが大切だと述べた。「レイトン教授」シリーズを例に挙げ,とくに女性層のライトユーザーに向けたプロモーション,大泉 洋さんや堀北真希さんら有名俳優を声優として起用することで,商品としてのインパクトを強くすることに注力したと説明。さらに,携帯ゲーム機でありながら映画並みの映像クオリティで制作したこともポイントだと,日野氏は説明した。
     また,もう一つの戦略である,レベルファイブのゲームを原作として,小説,映画,アニメ,漫画などさまざまなメディアにおいて,コンテンツを展開するクロスメディア展開を説明した。
     こちらは「イナズマイレブン」シリーズを例に,ゲームを軸に漫画,アニメ,グッズなど,子供達の大人気コンテンツに成長したと述べる。中でもアニメについては,2009年4月からゴールデンタイムに進出し,2011年3月までの放送延長が決定しているとのことだ。その相乗効果の顕れとして,「イナズマイレブン2 脅威の侵略者 ファイア/ブリザード」は,発売2か月半で国内出荷本数100万本を達成したと日野氏は述べた。
     また日野氏は,2010年発売予定の「ダンボール戦機」においても,プラモデルの商品化,アニメ化,コロコロコミックとの連携が決定しており,「イナズマイレブン」同様ヒット作になれるよう,さまざまなクロスメディア展開の仕掛けに取り組んでいると説明した。
     日野氏は,「レベルファイブのゲームは,ゲームの楽しさだけでなく映像や音楽にも非常にこだわりを持った作品になっている」と述べる。

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     そのあとは,3月上旬に予定している本社移転および2010年1月にオープンした東京オフィスに触れつつ,オフィスの紹介が行われた。ちなみに日野氏によれば,まるでリゾートホテルのような洒落たオフィスにしている理由は,「ゲームというものが格好良くクリエイティブであり,皆から憧れを抱かれるような職業になるようアピールしていきたい」という理由からだそうだ。
     日野氏はここで,海外でのソフトリリースを行うため,アメリカに新会社の設立を計画していると述べ,福岡から世界に向けて活動の場を広げようとしているとアピールした。

     日野氏は集まった学生に向け,レベルファイブが設立以来高い実績を残してきた企業であると述べたうえで,以下のようにコメントしてプレゼンテーションを締めくくった。

     本当に人生を預けたいと思う会社というのは,おそらく実績などが高い会社だとは思いません。会社選びで一番大切なものは,自分が本当にやりたいと思っていることが,その会社の中にあるかどうかだと思います。
     僕もゲームが大好きだからゲーム業界に勤め始め,ゲーム会社を設立して,レベルファイブでたくさんのクリエイティブができるようになりました。
     レベルファイブの中に皆さんのやりたいことが待っているのかどうか,まだ会社説明会の途中ですが,しっかりと最後まで見極めてもらいたいと思います。レベルファイブという会社には,非常に楽しい,もしかしたらつらいこともあるかもしれませんが,僕は作ってよかったなと思っていますし,非常にやりがいのある仕事がこの中でできると思います。


     日野氏による会社説明のあとは,なんと「ゲーム・クリエイター物語」という舞台の上演となった。日野氏は,「会社の中でどんなことができるのかを説明するのが目的なんですけど,ただ伝えるのは面白くないので,ちょっと変わった趣向で皆さんに説明したいと思います」と,芝居形式にした理由を説明。ちなみに,2年前にも芝居形式での会社説明を行ったことがあり,そのときは非常に好評だったとのことだ。
     この舞台は,お笑いコンビのアメリカザリガニ(柳原哲也さん/平井善之さん),原口あきまささんらが出演するという豪華キャストで,レベルファイブのスタッフが,ゲーム制作をしていて非常に感激し,また励まされた実話をもとに制作されたものとのことだ。
     その内容は,架空のゲームメーカー“RAVEL5”で「トラベルハンター2」というゲームができるまでの話。制作に挫折しかけたヤナギハラチーフの元に,病気を患ったファンの少年から1通の手紙が届く。それが制作の原動力となりソフトが完成,見事ミリオンヒットを達成。そこにあの少年から再び手紙が届いた。その内容はなんと……,という笑いあり涙ありの内容だった。

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     演劇の上映のあとは,日野氏をはじめとした以下5人のスタッフが登壇してクリエイターズセッションが行われた。

    写真左から,本村 健氏(プロジェクト推進グループ 企画制作部 制作統括グループ キャラクターデザイン制作部),長野拓造氏(プロジェクト推進グループ プロジェクト企画部 企画デザインセクション デザイナー),熊谷宇祐氏(制作統括グループ プログラム開発部 プログラムセクション プログラマー),須藤萌恵氏(カンパニー業務統括グループ 社長室 秘書/広報),日野晃博氏(代表取締役社長)
    画像集#029のサムネイル/レベルファイブの新卒者向け会社説明会にお邪魔してきました――目指すはエンターテイメントブランドとしての“世界一”

     セッションでは,二つのテーマについて,それぞれの立場から意見が述べられた。
     まず「ゲーム作りって大変?」については,「ドラゴンクエストIX」で開発ディレクターを務めた本村氏が「すごく大変です」と即答。しかし,たまには家に帰れない大変な中にもすごく楽しいものがあり,のめり込んで気がついたら夜中ということもあり,モチベーションは高いと述べた。
     「レイトン教授」「イナズマイレブン」シリーズでキャラクターデザインを担当した長野氏は,「レイトン教授」のように前例のないゲームを作るさい,無から生み出すには数か月かかったとその苦労を述べた。
     「レイトン教授」を中心にプログラムディレクターを務めている熊谷氏は,ゲームをまとめるところが大変だと述べる。マスターアップを迎えるあたりで出てくる,さまざまなアイデアをどう盛り込むか,大変ではあるがやりがいがあるとのことだ。マスターアップ直前などは徹夜もしょっちゅうあるが,のめり込んだ結果徹夜になってしまったことが多く,モチベーションが高いことをアピールしていた。
     須藤氏は,スケジュール関係の調整などを行いながら,制作をサポートする側として見て,ゲームを1本作り上げるのは大変だと感じているそうだ。

     続いての「レベルファイブに入ってよかった! と思った瞬間」については,登壇者は口々に「たくさんある」と述べていた。
     本村氏と熊谷氏は,「ドラゴンクエストVIII」の制作中に,お互いの主張がぶつかって険悪な雰囲気になったこともあるものの,面白いゲームを作るためであり,目標が見えたときには力を合わせられ,結果としてよりよいゲームができたとコメントしていた。
     須藤氏は,新入社員でもいい提案をすれば採用されるなど,チャンスが転がっている会社で,入ってよかったと感じたそうだ。

     その後行われた質疑応答で,ニンテンドーDS以外の据え置き機のハードでゲームを今後リリースする予定はあるかという質問に対し,日野氏は,PlayStation 3やWiiで未発表の作品を制作中だと発言。まもなく新規タイトルの発表を行うことになるだろうとも述べた。
     ニンテンドーDS用タイトルを中心にリリースしていることについては,新規タイトルを打ち出すのに向いているハードであると判断し,また自社ブランドで作品を作るうえでは,しっかりと勝算のあるプロダクトを打ち出していかないといけないと,その理由の説明もしていた。なお,PS3やWiiなど据え置き機の研究は止めておらず,制作し続けているとのことだ。

     最後に日野氏が以下のメッセージを来場者に向けて述べ,約2時間にわたる会社説明会の幕は閉じた。


    画像集#030のサムネイル/レベルファイブの新卒者向け会社説明会にお邪魔してきました――目指すはエンターテイメントブランドとしての“世界一”
     こうして多くの方々にレベルファイブという会社に注目していただき,うれしく思っています。レベルファイブという会社は大企業ではありません。けれども,会社の中には本当に大きな可能性があると思っています。
     レベルファイブでは,『レイトン教授』『イナズマイレブン』『二ノ国』『ダンボール戦機』といった作品を作り続け,そのすべてが映画/アニメ/漫画といった多方面での展開することになっています。作った作品をエンターテイメント業界に幅広く広めていくということが,今のレベルファイブの大きな目標です。
     いちゲーム会社としてではなく,レベルファイブをエンターテイメント業界全体に影響力のある,エンターテイメントの大きなブランドにできるよう,スタッフ一同が手を尽くしているところです。
     遠い未来になるのか,5年後なのか10年後なのか分かりませんが,レベルファイブのスタッフは,本気で“世界一”になれるんじゃないかと思い始めています。皆さんもぜひ僕らの仲間となり,レベルファイブという会社の力になっていただいて,同じ夢を追いかけていただきたいです。そういう仲間を作りたいと僕は思っています。
     これから就職活動が続くと思いますけど,皆さんもレベルファイブにもし来なかったとしても,その会社の大きさとか実績だけでなく,自分のやりたいことがその会社にあるのかどうかということを真剣に考えて,会社選びをしていただきたいと思います。本日はレベルファイブの会社説明会にお越しいただき,ありがとうございました。
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