ニュース
AMD,HD 5800シリーズの下位モデル「ATI Radeon HD 5830」を発表。1120SP仕様
北米市場における,搭載グラフィックスカードの想定売価は250ドル以下。北米と日本とは流通事情が異なるため,単純なドル円換算はできないが,発表日時点で,国内ではHD 5850カードが3万から3万4000円程度,HD 5770搭載カードが(グラフィックスメモリ容量を問わなければ)1万4000〜1万9000円程度で販売されていることを考えるに,“ちょうどいいところ”に収まる可能性を秘めた製品といえる。
HD 5800シリーズでは,80SPが1基の「SIMD Engine」を構成する仕様になっているので,SIMD Engine数は14基という計算だ。HD 5800シリーズのフルスペック仕様である「ATI Radeon HD 5870」(以下,HD 5870)の同1600基からは,SIMD Engineで6基減,HD 5850比では同4基減というわけである。
テクスチャユニットは,SIMD Engine当たり4基(相当)が組み合わされるため,4×14で56基。SIMD Engine周りのスペックはHD 5850の8割弱,という理解でよさそうだ。
一方,レンダーバックエンド(ROP)数は,HD 5770と同じ16基。HD 5800シリーズの上位2モデルの半分しかなく,この点は,高解像度環境におけるパフォーマンスを左右するかもしれない。
スペックからすると,消費電力の低減には期待が高まるところだが,実のところ最大消費電力は175Wで,HD 5850を大きく上回り,HD 5870に迫る。この値を見る限り,HD 5830は,HD 5870やHD 5850として利用できなかったCypressコアの一部を,SIMD Engine数削減&動作電圧引き上げにより,選別し直したものという理解が正しそうである。
ただし,AMDのパートナーとなるカードベンダーのなかには,最大消費電力を(HD 5850と同じ)151Wとしているところもあり,最終的なところは,動かしてみるまで分からない。
このほか詳細は表のとおり。250ドルという,北米市場の想定売価に近い国内価格で出てくれば,面白い存在になりそうだ。
- 関連タイトル:
ATI Radeon HD 5800
- この記事のURL:
(C)2009 Advanced Micro Devices, Inc.