「Grand Fantasia」，自分だけの島が持てる“ミグルアイランド”システムを導入先行体験レポート

　アエリアが運営するMMORPG「Grand Fantasia -精霊物語-」（以下GF）は，2012年5月14日にサービス3周年を迎えた。この記念すべき日を祝うように，ゲーム内では特設ページで公開されているような特別企画が催されている。

　経験値アップキャンペーン，衣装デザインコンテストなどさまざまな企画が行われているのだが，とくに注目すべきは，5月17日のアップデートにより導入される「ミグルアイランド」の告知がされていることだ。サービス開始当初から予定には上がっていたハウジングシステムが，3周年というタイミングで満を持して実装されるのだ。
　運営サイドには「ハウジングはいつ実装されるのか？」といった質問が定期的に寄せられていたという。そんな注目度の高いミグルアイランドの内容を，テストプレイで得た情報を交えつつ紹介していこう。

自分だけの島・ミグルアイランドを自由にカスタマイズ

　MMORPGでハウジングと聞くと，自分専用の“家”を持って内装を自分で決められるもの，と思う人が多いのではないだろうか。自由にカスタマイズできることに変わりはないのだが，GFではその規模が違う。ミグルアイランドでは自分専用の“島”を持てるのだ。

　与えられる島には，中央に広場があって，家やさまざまな構造物を設置できる。島なので，周りは海に囲まれており，ほかに丘あり，畑ありといった景観が広がっている。島内は自由に歩き回ることができるのだが，これが結構広くて最初はビックリするかもしれない。自分で作る中央の街とそこに暮らすミグルたち，緑と水の豊かな島の内陸部，周囲を覆う美しく広大な海……。そのすべてが自分のものなのだ。

島の全容。レベルが上がると周囲の島にも移動できるようになる

さらにマイルームはこんな感じ

NPCミグル・アランダ。ここでクエストを受けよう

　ミグルアイランド開放の条件は，キャラクターレベルが15に到達していること。島はワールド別にアカウント内キャラクター共通の場所となっているので，1人以上レベル15のキャラクターがいればOKだ。

　レベル15になると自動的に発生するクエスト「神秘的な小島」を受託し，ルーベリア半島のNPCミグル・アランダと対話してクエストを完了し，さらにアランダから「ミグルアイランドへ行こう！」を受けて30分以内に無事クリアすれば，ミグルアイランドが開放される。

　島に名前を付けるなどの初期設定を行ったあとは，ミグルUIの宝石アイコンから「アイランドに行く」を選択すれば自分の島へと移動できるようになる。


　では自分専用の島，ミグルアイランドでは何ができるのかを細かく説明していこう。

●島のカスタマイズ
　島の名前/説明文を自由に設定でき，さらに島の中心にある街の建築物を好きなように配置可能だ。建築物には一般的な建物だけでなく，噴水や街灯，花壇やベンチといった小物類も含まれる。
　設置できる建築物はテーマごとにカテゴライズされているので，統一感を持たせた街作りを行うこともできれば，いろいろな建築物を組み合わせてオリジナルな街を作ることも自由自在だ。


　島に配置する建築物などは，島を散策することで入手できる。島内部のフィールドには“光る玉”がランダムに配置されていて，これを攻撃することで得られるアイテムから建築物などのアイテムが見つかることがあるのだ。

光る玉は，島のあちこちにある。攻撃するとモンスターが出ることも

●街の修理と島の発展

建物の耐久度が下がると，家が黒煙を上げてしまう

　街の建築物には耐久度が設定されており，この数値は後述する占いに影響してくる。耐久度があまりに下がると，建築物が炎上しているかのように黒い煙を出して，見るからに危険そうな雰囲気を漂わせる。
　耐久度を回復させるためには，前述の光る玉で修理用のハンマーを集める必要がある。耐久度は，建物個別ではなく，まとめて一つの耐久度になっているので，修理もまとめて行う形になる。修理を行うと“島の経験値”が溜まり，これが一定以上に達すると“島レベル”がアップしていくという流れだ。島のレベルが上がると，使用できる建築物の種類が増えて，よりバラエティに富んだ街作りが楽しめる。


　なお，島の経験値は，島内部にいるミグルから受けられるクエストをクリアすることでも得られる。このクエストは反復可能となっているので，頑張った分だけ着実に島が発展していく仕組みとなっている。
　島のレベルが上がると，配置できる建物などの種類が増えてくる。レベル1では皇室都市ラスタールをイメージしたような建物群，レベル2になると魔法都市イリアをイメージしたもの，レベル3では機会都市ジールをイメージしたようなものが使用できる。
　これらの配置物は，1個1個指定して置いていくこともできるが，すでに設置されているものをまとめて切り替えることもできる。例えば，皇室都市ラスタールをイメージした建物群を機械都市ジールをイメージした建物群にまとめて置き換えるような操作が可能だ。

●釣り
　島内部の漁場で釣竿を使うと釣りを楽しめる。釣り方には手動釣りと自動釣りの2種類が用意されている。手動釣りは，スペースキーを使った簡単な操作で，タイミングよく魚を釣り上げるミニゲームになっている。自動釣りはその名のとおり，自動で釣りをしてくれるモードだが，レアな魚を獲得できる確率が手動釣りより30％ほど低くなっている。
　釣った魚をクリックすることでアイテムを獲得できるほか，決められた魚を一定数集めるとNPCから別のアイテムに交換してもらうことも可能だ。耐久度の高い高性能な釣り竿なども，この交換を使って入手できる。

釣った魚をアイテムと交換できる

　釣り場としては，最初は島中心近くにある小さな池のような漁場しか使えないのだが，島のレベルが上がると近隣の小島にも移動できるようになり，そこにある漁場も開放されていく。当然ながら，高いレベルで開放される漁場ほどレアな魚が釣れやすい。

左は初期の釣り場，右は高レベルの釣り場だ

周囲の小島に移動して釣りができるようになる

●養殖
　NPCから稚魚を購入して養殖を行うこともできる。餌を与えるなどの世話をしなければならないが，成魚になれば，釣り上げる魚の種類を増やすことができる。養殖した魚からはよりレアなアイテムが獲得できることも。

●ミグル占い
　1日1回NPCのミグルから占いを受けられ，その結果に応じて，各種能力がアップ，またはダウンするというバフ効果を得られる。占いの結果は建物の耐久値が影響するので，常に耐久値を高い状態に保っていれば，よいバフ効果を獲得しやすい。
　ちなみに，建物の耐久値が少なくて煙が出ていても占いの結果と見た目以外にデメリットは今のところない。


●モンスターフィギュアコレクション
　5月17日のアップデート以降，各種モンスターを討伐した際に，一定の確率でフィギュアが獲得できるようになる。ドロップ率はかなり低く設定してあるということだが，運よくフィギュアをゲットできれば，島内部のマイハウスに展示するこができるようになるのだ。
　展示できる場所は大量にあり，また展示するフィギュアのポーズが何種類もあるので（設置操作を行うたびに別のポーズに切り替わる），自分でテーマを決めてセンスよく飾り付けるのはなかなか楽しそうだ。フィギュアの大きさは原寸大なので，巨大なモンスターのフィギュアになると，1体でも部屋の大部分を覆いつくすことも……。


　なお，入手したてのフィギュアは着色されていない真っ白い状態なのだが，これに専用のアイテムを使用することで着色が可能になっている。使用するアイテムのグレードによって着色具合が変わるという芸の細かさも見どころの1つだ。


　さて，「ミグルアイランド」という名前のとおり，島にはミグルが住んでおり，ミグルアイランドを管理するのはミグルの仕事だ。上記の島の機能は，ミグルアイランド開放後に祭壇に還したミグル達を配置することで使用可能になる点に注意しよう。
　ミグルアイランドにいるミグルは，ミグル王に還したミグル達のうち，よく世話のされた者が恩返しにくるという設定になっているのだ。よって，ミグル王から一定の評価を得られたミグルが必要になるので，今後はミグルを大切に育てていくことをオススメする。

島の各設備には，管理ミグルを設置する必要がある

　自分好みに町並みをカスタマイズし，広大な島を開拓して遊べる要素を増やしていく……。それは自分専用の秘密基地を作るような感覚にも似ていて，時間を忘れて没頭してしまう人も多いはずだ。ちなみに，先に導入された台湾ではミグルアイランドが好評で一時的に“既存の街から人が消える”現象が起こったほどだという。
　また，島には，鉱山や牧場，農園といった今後追加される要素のための場所も確認できるのだが，詳細は不明だ。追加要素を加える余地は十分にあるので，今後，ミグルアイランドをより楽しくするアップデートが行われることに期待したいところだ。

コミュニケーションツールとして活用するミグルアイランド

　自分好みのミグルアイランドを作っていくだけでも十分楽しいが，ほかのユーザーの島に行ったり，また自分の島に来てもらったりして，交流を深めていくことでより楽しさが広がっていく。
　自分の島を自ら手入れするより，ほかのユーザーの島で修理したり，一緒に釣りをして遊んだりしたほうが効率よく経験値や“評判値”を稼げるのだ。しかし，それ以上に，ミグルアイランドを通じてフレンドやギンドメンバーといった横の繋がりが活発になるのは，現役ユーザーにとっては有益なことではないだろうか。

　ほかのユーザーの島を訪れてお手伝いをする。お手伝いはログとして残るので，お手伝いされたユーザーはお返しに自分の島に来てお手伝いをしてくれる。こうしてお手伝いの輪が広がっていくと，今まで話をしなかった人とも知り合いになることができ，同時に島のレベルアップも速くなる。たくさんの友達と一緒に空間を共有しながらコミュニケーションを楽しむ，それがミグルアイランドの本質なのである。

　ちなみに，前述の評判値とは，自分の島にどれだけ人が訪れたかを示すもので，自分の島がどう評価されているかを表す数値となっている。既存のPvPランキングのように評判値によって順位付けがされ，後々のアップデートでは上位のプレイヤーに褒章を出す予定もあるという。

夏までのアップデート計画を公開。さらに発展するグランドファンタジア

　5次転職や高レベルギルドダンジョンなどが実装された2月9日のアップデートから，GFは第二章に突入。その後，3月にレベル66までのライト化をし，今回のアップデートでコミュニティの強化を行った。気になる今後のアップデート計画についてもここで公開しておこう。
　まず6月に予定されているのがカジノの改善とギルド農場の拡張だ。カジノは現在カジノのある場所まで移動しなければならなかったが，画面上のインタフェースから直接遊べるような便利な機能を追加して遊びやすくする予定だとか。ギルド農場も豊富な種を育てられるなどの機能拡張が行われる。

　7月〜8月にはレベル30までの低レベル帯のクエストが改良され，序盤で離脱するプレイヤーを少なくするための施策が行われる。バトルフィールドの活性化を目的とした職業バランスの調整もこのタイミングで行う予定だ。こちらは日本のプレイヤーの意見を多く取り入れるため，5月24日の定期メンテナンスまでアンケートも実施されているので既存のプレイヤーはぜひ参加してみよう。
　また「新・変異ダンジョン」というレベル90の新10人ダンジョンや，1対1のPvPバトルフィールドを実装し，ミグルアイランドに「鉱山」という新要素も追加される。鉱山の内容はまだ不明だが，武具の素材などが入手できる場所になるのかもしれない。
　プロデューサーによる自宅訪問イベントなど，一風変わった企画もアエリアの風物詩となっている。現在進行形で次の企画も動いているらしく，詳しくは公式HPにて近日公開とのこと。

　記念すべき3周年を迎え，さらに進化の速度を速めていくGF。今回のミグルアイランドの実装を皮切りに，夏までにさまざまな要素が追加される予定となっている。
　なお，第二章のストーリーの続きが実装されるのは，今年の冬くらいになりそうとのこと。昨年同様にオフラインイベントも計画中とのことなので，実施される際にはそちらで正式な発表が行われるかもしれない。

　ミグルアイランドについては，今回は新しい枠組みの追加という意味合いが強く，今後のアップデートで新しい要素を追加していく予定であるという。日本の運営チームからも開発元へさまざまなアイデアを提案しているというから，今後の発展も大いに期待できるコンテンツといえそうだ。

「Grand Fantasia -精霊物語-」公式サイト