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HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意
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印刷2018/07/13 00:00

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HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意

 2018年7月12日,HPの日本法人である日本HPは,エントリー市場(HPの言うメインストリーム市場)に向けた新しいゲーマー向け製品ブランド「HP Pavilion Gaming」(エイチピー パビリオン ゲーミング,以下 Pavilion Gaming)の国内展開と,同ブランドの第1弾となるゲーマー向けPC計3シリーズと液晶ディスプレイ1製品を発表した。

画像集 No.002のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意

 発表となったラインナップと直販価格,および発売日は表1にまとめたとおりとなる。

表 Pavilion Gaming新製品の直販価格と発売時期
製品名 価格(税別) 発売時期
デスクトップPC
HP Pavilion Gaming Desktop 790 18万8000円から 7月12日
HP Pavilion Gaming Desktop 690 14万3000円から 8月9日
ノートPC
HP Pavilion Gaming 15 10万9800円から 7月12日
ディスプレイ
HP Pavilion Gaming 32 HDR ディスプレイ 5万4800円 8月9日

 合わせて日本HPは,ハイエンド市場向けとなったゲーマー向け製品ブランド「OMEN by HP」の新型ノートPCシリーズ「OMEN by HP 15-dc0000」の2モデルを同時に発表している。
 本稿では,7月12日に東京・秋葉原で行われた新製品発表会の情報をもとに,各製品をまとめて紹介しよう。


HP Pavilion Gaming Desktop 790&690


 Pavilion GamingのデスクトップPCは,GPUにGeForce GTX 10シリーズ,CPUに「Core i7-8700」を採用するシリーズの「HP Pavilion Gaming Desktop 790」(以下,Desktop 790)と,GPUに「Radeon RX 580」,CPUにはRyzen Desktop 2000シリーズを採用する「HP Pavilion Gaming Desktop 690」(以下,Desktop 690)という2シリーズ計4製品がラインナップされている。

HP Pavilion Gaming Desktop 790(左)とHP Pavilion Gaming Desktop 690(右)。一見すると同じ筐体のように見えるかもしれないが,デザインのモチーフが共通なだけで,実際はサイズからインタフェースまで,いろいろと違いがある
画像集 No.003のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意 画像集 No.004のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意

 主な仕様は以下のとおり。なお,Pavilion GamingはBTOに対応していないため,ハードウェア構成は変更できない。

  • HP Pavilion Gaming Desktop 790-0011jp
    CPU:Core i7-8700,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPU:GeForce GTX 1060 6GB,ストレージ:SSD 512GB(PCIe)&HDD 2TB(Serial ATA 6Gbps),OS:64bit版Windows 10 Pro,直販価格:18万8000円(税込20万3040円)
  • HP Pavilion Gaming Desktop 790-0012jp
    CPU:Core i7-8700,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPU:GeForce GTX 1070,ストレージ:SSD 512GB(PCIe)&HDD 2TB(Serial ATA 6Gbps),OS:64bit版Windows 10 Pro,直販価格:20万8000円(税込22万4640円)

  • HP Pavilion Gaming Desktop 690-0023jp
    CPU:Ryzen 5 2600,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPU:Radeon RX 580,ストレージ:SSD 256GB(PCIe)&HDD 2TB(Serial ATA 6Gbps),OS:64bit版Windows 10 Pro,直販価格:14万3000円(税込15万4440円)
  • HP Pavilion Gaming Desktop 690-0024jp
    CPU:Ryzen 7 2700,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPU:Radeon RX 580,ストレージ:SSD 512GB(PCIe)&HDD 2TB(Serial ATA 6Gbps),OS:64bit版Windows 10 Pro,直販価格:16万3000円(税込17万6040円)

 Desktop 790シリーズは,前面の中心線から左右に流れるようなヘアライン加工を施した金属製のフロントパネルと,その中心で光る緑色のLEDラインを外観上の特徴とした製品だ。
 筐体サイズはミニタワークラスとのことで,GeForce GTX 1080クラスのGPUを積んだグラフィックスカードも内蔵できるだけの余裕があるそうだが,見た目はかなりコンパクトである。公称本体サイズは155(W)×390(D)×369(H)mmとのことだ。

Desktop 790シリーズの実機。幅が狭いこともあってコンパクトに見える
画像集 No.006のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意 画像集 No.005のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意

 抜き差し頻度の高いUSBポート類をフロントパネルに多数装備しているのもポイントで,USB 3.1 Gen 2 Type-A×2,USB 3.1 Gen 1(=USB 3.0)Type-A×2,USB 3.1 Gen 2 Type-C×1と,計5ポートも前面に用意しているのは使い勝手の面で評価できるだろう。

 一方,AMDモデルのDesktop 690シリーズは,Desktop 790シリーズよりもさらにコンパクトで,公称本体サイズは170(W)×277(D)×338(H)mmとなっている。
 ただ,小型化の影響によるものか,フロントパネルのUSBポートはUSB 3.1 Gen 2 Type-A×2,USB 3.1 Gen 2 Type-C×1の計3ポートに減っていた。内蔵する電源ユニットも,Desktop 790シリーズの上位モデルが出力500Wを搭載しているのに対して,Desktop 690シリーズは出力400Wのみだ。

 Desktop 690シリーズは,価格対スペック比も見どころである。上述した主なスペックにもあるとおり,6コア12スレッド対応のRyzen 5 2600を搭載し,OSに64bit版Windows 10 Proを搭載した下位モデルが税込15万5000円弱,CPUを8コア16スレッド対応のRyzen 7 2700に変えた上位モデルでも税込16万円台前半というのは,ホワイトボックス系のゲーマー向けPCメーカーにも対抗できるレベルと言えよう。
 筐体サイズが小さく,電源に余裕がない点を考慮すると,拡張の余地は少ないだろうが,拡張性よりも価格や大手PCメーカーの手厚いサポートを重視するなら,選択肢に入る製品ではないだろうか。

「Forza Motorsport 7」の試遊デモを行っていたDesktop 690シリーズ
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 さて,Pavilion Gamingブランドの液晶ディスプレイである「HP Pavilion Gaming 32 HDRディスプレイ」は,製品名からも想像できるとおり,32インチサイズでHDR表示対応を売りとする製品だ。

HP Pavilion Gaming 32 HDRディスプレイ
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 解像度2560×1440ドットのVA液晶パネルを採用しており,最大輝度は600cd/m2で,VESAのHDR対応ディスプレイ規格である「DisplayHDR 600」に準拠していることも特徴であるという。
 ただ,AMDのディスプレイ同期技術「FreeSync」には対応するものの,HDR関連技術の「FreeSync 2」には対応していない。また,最大垂直リフレッシュレートは75Hzとのことで,とくに高リフレッシュレート対応ではないあたりが,OMEN by HPブランドよりも下位となるPavilion Gamingブランドの製品である理由だろうか。


HP Pavilion Gaming 15


 Pavilion Gamingブランドから登場したノートPC「HP Pavilion Gaming 15」は,CPUやGPU,搭載OSなどが異なる6モデルがラインナップされている。
 メインストリーム市場向けというだけあって,「クリエイターモデル」と呼ばれる最上位モデルでも搭載GPUは「GeForce GTX 1050 Ti」であるため,ゲーム用途におけるスペックの高さを売りとする製品ではない。HPでも,本製品はゲーマーだけでなく,コンテンツ制作者などにも向けた高性能なPCという位置付けをしている。

HP Pavilion Gaming 15
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 HP Pavilion Gaming 15のラインナップは以下のとおり。なお,搭載OSだけが異なるモデルは,1つにまとめて掲載している点には注意してほしい。

  • HP Pavilion Gaming 15-cx0054TX(スタンダードモデル)
    CPU:Core i5+ 8300H,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×1,GPU:GeForce GTX 1050 4GB,ディスプレイ:15.6インチ 1920×1080ドット,ストレージ:HDD 1TB(Serial ATA 6Gbps)&キャッシュ用Optane Memory 16GB,OS:64bit版Windows 10 Home,直販価格:10万9800円(税・送料込12万1824円)
  • HP Pavilion Gaming 15-cx0104TX(パフォーマンスモデル)
    CPU:Core i7-8750H,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPU:GeForce GTX 1050 4GB,ディスプレイ:15.6インチ 1920×1080ドット,ストレージ:SSD 128GB(PCIe)&HDD 1TB(Serial ATA 6Gbps),OS:64bit版Windows 10 Home,直販価格:12万9800円(税・送料込14万3424円)
  • HP Pavilion Gaming 15-cx0105TX,15-cx0106TX(ハイパフォーマンスモデル)
    CPU:Core i7-8750H,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPU:GeForce GTX 1050 Ti,ディスプレイ:15.6インチ 1920×1080ドット,ストレージ:SSD 128GB(PCIe)&HDD 1TB(Serial ATA 6Gbps),OS:64bit版Windows 10 Home(15-cx0105TX) / 64bit版Windows 10 Pro(15-cx0106TX),直販価格:15-cx0105TX 14万9800円(税・送料込16万5024円) / 15-cx0106TX 15万7800円(税・送料込17万3664円)
  • HP Pavilion Gaming 15-cx0107TX,15-cx0108TX(クリエイターモデル)
    CPU:Core i7-8750H,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 8GB×2,GPU:GeForce GTX 1050 Ti,ディスプレイ:15.6インチ 3840×2160ドット,ストレージ:SSD 256GB(PCIe)&HDD 1TB(Serial ATA 6Gbps),OS:64bit版Windows 10 Home(15-cx0107TX) / 64bit版Windows 10 Pro(15-cx0108TX),直販価格:15-cx0105TX 16万9800円(税・送料込18万6624円) / 15-cx0106TX 17万7800円(税・送料込19万5264円)

HP Pavilion Gaming 15の実機。キーボードがきちんとした日本語配列になっているのは,さすがに大手PCメーカーらしいところだ
画像集 No.011のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意

 ラインナップ最下位のスタンダードモデルは,メインメモリがシングルチャネル構成なのでお勧めできるものではないが,GeForce GTX 1050 4GB搭載のパフォーマンスモデルや,GeForce GTX 1050 Ti搭載のハイパフォーマンスモデルであれば,価格対スペック比の点で評価に値するだろう。大手PCメーカー製の品質やサポートも考慮に入れるなら,エントリークラスのゲーマー向けノートPCとして,選択肢に入ってくる製品ではないだろうか。


OMEN by HP 15-dc0000


 OMEN by HPブランドの新型ノートPCであるOMEN by HP 15-dc0000シリーズは,最大垂直リフレッシュレート144HzでNVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応した15.6インチ,1920×1080ドットのIPS液晶パネルを採用するのが大きな特徴の製品だ。

OMEN by HP 15-dc0000
画像集 No.012のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意

 搭載GPUの異なる2モデルがラインナップされている。

  • OMEN by HP 15-dc0076TX(パフォーマンスモデル)
    CPU:Core i7-8750H,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 16GB×1,GPU:GeForce GTX 1060 6GB,ディスプレイ:15.6インチ 1920×1080ドット 144Hz対応,ストレージ:SSD 256GB(PCIe)&HDD 2TB(Serial ATA 6Gbps),OS:64bit版Windows 10 Pro,直販価格:19万9800円(税・送料込21万9024円)
  • OMEN by HP 15-dc0077TX(パフォーマンスモデル)
    CPU:Core i7-8750H,メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 16GB×1,GPU:Max-Q Design対応GeForce GTX 1070,ディスプレイ:15.6インチ 1920×1080ドット 144Hz対応,ストレージ:SSD 256GB(PCIe)&HDD 2TB(Serial ATA 6Gbps),OS:64bit版Windows 10 Pro,直販価格:21万9800円(税・送料込24万624円)

OMEN by HP 15-dc0000のデモ機では,「The Crew 2」のプレイデモを披露して,なめらかな表示をアピールしていた
画像集 No.013のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意

 OMEN by HP 15-dc0000では,2017年モデルから筐体デザインを一新したのも特徴であるという。とくに顕著な違いは液晶パネルのベゼルで,上端と左右端の狭額縁化を実現したことで,フットプリントが一回り小さくなったそうだ。
 また,2017年モデルでは筐体後部の中央に配置していた2基の空冷ファンを,新製品では筐体後部の左右に分散配置。加えて,底面側の吸気孔と背面側の排気孔を拡大したことにより,冷却能力が向上して高性能を持続的に発揮できるようになったとのことだ。

2017年モデルの手前に2018年モデルを重ねた状態(左)。サイズが一回り小さくなっているのが分かるだろう。底面の吸気孔はかなり大きくなり,冷却効率が向上した
画像集 No.014のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意 画像集 No.015のサムネイル画像 / HP,エントリー市場向け新ブランド「HP Pavilion Gaming」の国内展開を発表。第1弾はデスクトップPCとノートPC,HDR対応液晶ディスプレイを用意

 なお,HPでは,統合設定ソフトである「OMEN Command Center」のWindowsストアアプリ化と,OMEN by HP 15-dc0000上で動作しているゲームをLAN経由で別のPCからリモートプレイできるようにする新機能「OMEN Game Stream」をアピールしていた。ただ,同種の機能は「Steam」も標準搭載しているわけで,あえてOMEN Game Streamでリモートプレイを行うメリットがどこにあるのかという疑問は拭えない。

 一見するとハイエンドに相応しい製品に思えるOMEN by HP 15-dc0000であるが,その仕様には重大な問題点が1つある。スペック一覧をよく見ると分かるが,メインメモリが16GBのシングルチャネル接続になっているのだ。Windows 10のタスクマネージャでも,2チャネルあるメモリチャネルの1つしか使っていないことを確認できたので,これは仕様のようだ。
 以前にもOMEN by HPのデスクトップPCレビューで訴えたことがあるが,デュアルチャネル接続すべきメインメモリをシングルチャネル接続に変えるだけで,ゲームにおけるPCの性能は,搭載CPUを1ランク下げるのと同じかそれ以下まで低下する。仮にもハイエンド市場向けを謳うゲーマー向けPCで,このような商品構成はあり得ないと断言していい。

 残念なことに,OMEN by HP 15-dc0000は今のところBTOによるハードウェア構成の変更に対応しておらず,8GB×2や16GB×2という構成は選べない。OMEN by HP 15-dc0000を本気でゲーマーに売るつもりでいるなら,早急にメインメモリのデュアルチャネル構成を選べるようにすべきであろう。

HPのゲーマー向け製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    HP Pavilion Gaming(旧称:HP ENVY,HP Pavilion)

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