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  • 発表日:2009/01/08
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AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも
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印刷2009/04/24 19:21

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AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも

Istanbulのダイ
画像集#002のサムネイル/AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも
 AMDの日本法人である日本AMDは,2009年4月24日,サーバー向けの6コアCPUとなる次世代プロセッサ,「Istanbul」(イスタンブール,開発コードネーム)の動作デモを同社で報道関係者に公開。併せて,AMD本社が北米時間22日に公開した,サーバー製品ロードマップの解説を行った。
 ここまでで十分お分かりのとおり,今回は100%サーバー製品の話で,ゲーム用途とはまったく関係ない。しかし,近年のAMDは,最新CPUアーキテクチャをサーバー向け製品から導入し,その後一般PC向け製品にも一部を転用してきており,“AMDの次世代CPU”という観点では,相応に意味がある。そこで,その内容を簡単にまとめてみたいと思う。

Istanbulが動作するデモ機。「Barcelona」(バルセロナ)版Opteronの発表時に使用したデモ機のBIOSをアップデートし,Istanbul/2.4GHz×2に差し替えているという。Windowsのタスクマネージャでは,右の写真のとおり,物理12コアを確認できる
画像集#003のサムネイル/AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも 画像集#004のサムネイル/AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも
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仮想マシンを使って次々とWindows VistaやWindows 7を起動させるデモ。1仮想マシンに付き1コアを使っているそうだ
画像集#006のサムネイル/AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも
デモ機の傍らにあるワットチェッカーは,起動時に250〜300W,通常稼働時に200W強を示していた


45nmプロセスの順調さからIstanbulの出荷を前倒し

2010年のサーバー向けプロセッサ概要も明らかに


画像集#007のサムネイル/AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも
山野洋幸氏(日本AMD マーケティング&ビジネス開発本部 エンタープライズ・プロダクトマーケティング部 部長)
画像集#008のサムネイル/AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも
Opteronプロセッサは,誕生から6年めに6コアとなる
画像集#009のサムネイル/AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも
Opteronシリーズは2010年に再編される。製品ラインナップ(SKU)も絞り込まれるという。ACP 45WのOpteron EEが「ユーザーの強い要望を受けて復活した」(山野氏)のもトピックだ
 説明に当たったのは,日本AMDでサーバー製品のマーケティングを担当する山野洋幸氏。氏は「45nmプロセスは非常に順調」であると強調したうえで,2009年第3四半期が予定されていたIstanbulの出荷が,6月に前倒しされることになったと紹介した。

 Istanbulは,現行ソケットの「Socket F」に対応するOpteronだ。現在のところ,製品名は明らかになっていないが,「Shanghai」(シャンハイ)コアの現行製品「Quad-Core Opteron」と同じ熱設計枠で利用できるため,「BIOSのアップデートを行うだけで現行のサーバーにドロップインできる」(山野氏)という特徴がある。AMDによると,同一の消費電力枠内で,パフォーマンスは最大30%向上するという。

 また,CPUソケットを含めたプラットフォームの大幅な刷新を控える2010年には,現行の1ソケット(1000シリーズ),2ソケット(2000シリーズ),4ソケット(8000シリーズ)という3シリーズ体制から,2/4ソケットの6000シリーズと,1/2ソケットの4000シリーズという2シリーズ体制へと,Opteronシリーズは再編されることになる。両シリーズの主な特徴は以下のとおりだ。

●Opteron 6000シリーズ
  • 開発コードネーム:Magny-Cours(マニクール)
  • 対応プラットフォーム:Maranello(マラネロ)
  • CPUコア数:8〜12(※HyperTransportベースの「Direct Connect Architecture 2.0」を利用したMCMによる)
  • 対応CPUソケット:Socket G34
  • ACP(Average CPU Power):105W(SE),75W(無印),55W(HE)※1
  • メモリコントローラ:4チャネルRegistered/Unbuffered DDR3
  • 対応DIMM数:1ソケットあたり最大12
  • 仮想化技術:AMD-V 2.0
  • 省電力技術:AMD-P 2.0※2

●Opteron 4000シリーズ
  • 開発コードネーム:Lisbon(リスボン)
  • 対応プラットフォーム:San Marino(サンマリノ)
  • CPUコア数:4〜6
  • 対応CPUソケット:Socket C32
  • ACP(Average CPU Power):75W(無印),55W(HE),45W(EE)※1
  • メモリコントローラ:2チャネルRegistered/Unbuffered DDR3
  • 対応DIMM数:1ソケットあたり最大4
  • 仮想化技術:AMD-V 2.0
  • 省電力技術:AMD-P 2.0※2

※1 Opteron HEシリーズは「ACP 75Wの製品と比べて,プラットフォームレベルで最大19%(≒51W)省電力」,Opteron EEシリーズは「Opteron HEシリーズよりプラットフォームレベルで最大13%(≒28W)省電力」とそれぞれ訴求される。
※2 「SmartFetch」「PowerCap」「CoolCore」といった一連の省電力技術には「AMD-P」という総称が与えられた。これがMagny-Cours/Lisbon世代では第2世代となるわけだ。


ざっくり,ハイエンドの6000シリーズ,低価格&省電力の4000シリーズといった具合に分かれるOpteron。次世代Phenomとなるのは4000シリーズのほうだろうか? 次世代CPUアーキテクチャ「Bulldozer」(ブルドーザ,開発コードネーム)世代のCPUが登場するのは2011年になる
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AMD-V,AMD-Pは,ShanghaiやIstanbulにおいて,シリーズやモデルを問わず,全ラインナップでサポートされるが,これは第2世代でも継続される
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 AMDのロードマップを積極的に追いかけている読者なら,Magny-Coursの世代で,8コアの「Sao Paulo」(サンパウロ,開発コードネーム)が用意されていたことを憶えているかもしれないが,今回のアップデートで,Sao Pauloは消えてなくなっている。ただし,「名前はなくなったが,8コア製品自体は生きており,Magny-Coursとして投入される」(山野氏)とのことだ。


画像集#014のサムネイル/AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも
 ……以上,駆け足でまとめてみたが,プラットフォームを一新し,パフォーマンスの大幅な引き上げを行ってきた「Xeon 5500」番台に対して,好調な45nmプロセスを背景に6コア製品を前倒しできそうなことは,AMDのビジネス全体にとって大きな意味を持ちそうだ。説明会では,Phenomの「P」の字も出なかったので,PCゲーマー的にはまだまだ別次元の話だが,こういった新技術が,いつ,どういった形で一般PC用CPUに下りてくるかは,注視しておくと面白いだろう。


参考:YouTubeにUpされたIstanbulのデモムービー
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